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くま川鉄道

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くま川鉄道株式会社
Kumagawa Railroad Co., Ltd.
くま川鉄道の本社社屋(熊本県人吉市)
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 くま鉄
本社所在地 日本の旗 日本
868-0008
熊本県人吉市中青井町265
設立 1989年4月26日
業種 陸運業
法人番号 9330001015889 ウィキデータを編集
事業内容 旅客鉄道事業
代表者 取締役社長 永江 友二
資本金 1億円
(2018年3月31日現在[1]
売上高 1億4304万1000円
(2018年3月期[1]
営業利益 △8480万7000円
(2018年3月期[1]
純利益 230万円
(2018年3月期[1]
純資産 1億8671万6000円
(2018年3月31日現在[1]
総資産 2億2807万7000円
(2018年3月31日現在[1]
従業員数 35名(2010年時点)
決算期 3月31日
主要株主 人吉市 15.8%
あさぎり町 11.1%
多良木町 8.9%
球磨地域農業協同組合 8.5%
湯前町 7.5%
(2019年3月31日現在[2]
外部リンク www.kumagawa-rail.com
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くま川鉄道株式会社(くまがわてつどう、英:Kumagawa Railroad Co., Ltd.)は、熊本県人吉市に本社を置き、同市や球磨郡の町村と民間企業が出資している第三セクター鉄道会社である[3]人吉盆地球磨川流域を走る鉄道路線湯前線を経営している[4]

沿革

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路線

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湯前線は旧日本国有鉄道(国鉄)特定地方交通線の一つで、1987年の国鉄分割民営化に伴いJR九州が、さらに1989年10月にくま川鉄道が経営を引き継いだ[5]

車両

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現在の車両

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  • KT-500形 (501 - 505) - 普通列車や観光列車「田園シンフォニー」(KT-501「冬」、KT-502「秋」、KT-503「春」、KT-504「夏」、KT-505「白秋」)として運行。ロングシート、トイレ付き。

かつて在籍していた車両

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  • KT-31形 (311) - 旧JR九州キハ31 20。2004年に譲受、2013年に廃車解体[18]
  • KT-100形 (101-104) - 1989年の開業時に4両(KT-101・102・103・104)を導入。KT-103は2009年から観光列車KUMA2として運行していたが、2014年4月1日以降は観光列車としての運行は行わなかった[19]。セミクロスシート、トイレなし。KT-101・102・104の3両は2014年に営業運転終了[11]、2015年に廃車。KUMA2に改造されたKT-103も2016年6月26日をもって営業運転を終了[12]
  • KT-200形 (201-203) - 1989年の開業時に3両(KT-201・202・203)を導入。KT-203は2009年から観光列車KUMA1として運行していたが、2014年4月1日以降は観光列車としての運行は行わなかった[19]。ロングシート、トイレ付き。KT-201・202は2014年に営業運転終了[9]、廃車された。KUMA1のKT-203も2016年6月26日をもって営業運転を終了[12]

近年の動向

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KT-100形・KT-200形が新製から約25年経過して老朽化したことに伴い、2013年度に3両、さらに2014年度に2両を(新車両に)更新し、計5両体制とした[9][20]。新車両のデザインは、九州新幹線や「SL人吉」、熊本駅などを手掛けた水戸岡鋭治が担当した。新車両は「田園シンフォニー」として2014年3月に3両(KT-501、KT-502、KT-503)[9]、2014年12月に2両(KT-504、KT-505)[21]が運行を開始した。2009年に在来車KT-103・KT-203の2両を改装して運行を開始した「KUMA1」「KUMA2」は2014年1月時点で廃車予定はなく7両体制が続くも[9]、2016年6月26日に営業運転を終了した[12][13]

また、赤字続きのくま川鉄道再生に向け、2011年度までの2年間で橋梁を7500万円で整備し、2012年度に線路(レール)の磨耗、枕木の老朽化を修繕する方針としていた[20]

2020年7月の令和2年7月豪雨で甚大な被害を受けて全線が運休となり、2021年11月に肥後西村 - 湯前間が運転再開、その後2025年度内に、人吉温泉 - 肥後西村間が運転再開の予定となっているが、復旧にあたっては過去3年間赤字の鉄道会社に対して国が事業費の97.5%を実質負担する大規模災害の特例支援措置が適用され、残り2.5%も県や人吉球磨地域の市町村が負担する見込みとなっている。県や地元市町村は被災後「くま川鉄道再生協議会」を設立し、同社の支援策を協議。国の特例措置を受ける前提として、自治体などが鉄道の施設や用地を保有し、運行事業者の負担を軽くする上下分離方式の導入が決定している[22]

脚注・出典

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  1. ^ a b c d e f 鉄道統計年報』(レポート)平成29年度版、国土交通省https://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_tk2_000050.html 
  2. ^ 国土交通省鉄道局監修『鉄道要覧』令和元年度版、電気車研究会・鉄道図書刊行会。 
  3. ^ 会社概要」くま川鉄道。2024年7月5日閲覧
  4. ^ 各駅情報」くま川鉄道。2024年7月5日閲覧
  5. ^ a b くま川鉄道、開業90・25周年の記念切符発売」『レスポンス』イード、2014年12月14日。2022年10月26日閲覧
  6. ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 90年版』ジェー・アール・アール、1990年8月1日、176頁。ISBN 4-88283-111-2 
  7. ^ 熊本日日新聞』2008年9月13日。[要ページ番号]
  8. ^ a b くま川鉄道のKT-200形2両、2014年1〜2月に引退」『レスポンス』イード、2013年12月22日。2024年2月2日閲覧
  9. ^ a b c d e f くま川鉄道、3月から新型車両3両導入…観光列車も運転」『レスポンス』イード、2014年1月6日。2022年10月26日閲覧
  10. ^ a b くま川鉄道に新車両「田園シンフォニー」 ななつ星デザイナー起用」『MSN産経ニュース』産経新聞社、2014年3月8日。2014年3月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  11. ^ a b くま川鉄道,KT-101・KT-102・KT-104が営業運転を終了」『鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース』交友社、2014年12月29日。2021年3月29日閲覧
  12. ^ a b c d KUMA1・KUMA2廃車に伴う最終運行のお知らせ』(プレスリリース)、くま川鉄道、2016年4月19日。2016年4月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  13. ^ a b 知覧哲郎「熊本)くま川鉄道「KUMA」、26日ラストラン」『朝日新聞デジタル』朝日新聞社、2016年6月18日。2021年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月29日閲覧
  14. ^ くま川鉄道、豪雨で全ての車両が浸水 文化財の橋も流失」『朝日新聞デジタル』朝日新聞社、2020年7月5日。2021年3月29日閲覧
  15. ^ くま川鉄道 復興資金募る」『読売新聞』読売新聞社、2021年3月25日。
  16. ^ くま川鉄道首株式会社×新北メトロ幸福駅同駅名友好提携締結会について』(プレスリリース)、くま川鉄道、2023年11月28日。2024年2月2日閲覧
  17. ^ 観光連携で「幸福」に くま川鉄道と台湾の鉄道 友好鉄道提携」『熊本日日新聞』熊本日日新聞社、2023年12月1日。2024年2月2日閲覧
  18. ^ 鉄道ピクトリアル』2014年1月号、電気車研究会。 [要ページ番号]
  19. ^ a b KUMA1 KUMA2」くま川鉄道。2014年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月30日閲覧
  20. ^ a b 「来年度から全車両更新」 26年度以降は5両体制に 水戸岡氏デザイン くま川鉄道」『日刊人吉新聞』2012年6月28日。[リンク切れ]
  21. ^ くま川鉄道,KT-504・KT-505「田園シンフォニー」が営業運転を開始」『鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース』交友社、2014年12月29日。2022年10月25日閲覧
  22. ^ 内田裕之「くま川鉄道、25年度に全線再開へ 豪雨で流失の橋梁復旧にめど」『熊本日日新聞』熊本日日新聞社、2022年6月22日。2022年6月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。

外部リンク

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