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抵抗する朝鮮農民を「ことごとく殺戮すべし」陸軍兵站総監による戦慄の殺戮司令~陸軍公式の「日清戦史」から史実を抹消した参謀本部~岩上安身によるインタビュー 第324回 ゲスト 井上勝生氏 2013.8.2

記事公開日:2013.8.2取材地: テキスト動画独自
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(IWJテキストスタッフ・久保元)

特集 戦争の代償と歴史認識
※この記事は、2013年8月2日の記事を再掲したものです。
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 2013年8月2日(金)に行われた、日本近代政治史が専門の歴史学者、北海道大学名誉教授の井上勝生(かつお)氏への、岩上安身によるインタビュー。

旧タイトル:161120変更(再掲)陸軍兵站総監が指令した「ことごとく殺戮すべし」~戦慄の殺戮作戦自体を陸軍公式の「日清戦史」から抹消した参謀本部~岩上安身による井上勝生氏インタビュー

■イントロ

  • 日時 2013年8月2日(金)

 井上氏は、髑髏(どくろ)の話から語り始める。1995年7月、北海道大学の古河講堂において6体の頭骨が発見され、そのうちの1体の中から「書き付け」が見つかる。その文面は、要約すると、「明治27年、韓国で東学党が蜂起した。全羅南道の珍島(チンド)は、最も悪党がはびこったが鎮圧した。蜂起した首唱者(活動家)、数百名を殺し、遺体が道路に横たわり、首魁者(リーダー)は晒し首にした。この頭骨は、そのうちの一つ。珍島の視察に際し、採集したもの」という内容。北海道大学の前身である札幌農学校の出身で、韓国統監府に赴任している男性技師が、朝鮮半島南西部の小島である珍島で、「東学農民」の遺骨を研究目的に「採集」し、日本に持ち帰ったものとみられることが判明する。

 北海道大学では、朝鮮総連や韓国の研究者らが構成した交渉団との間で、頭骨の返還交渉を進める。井上氏は、頭骨が学内で見つかった経緯を調べるための調査委員会のメンバーとして、交渉団の研究者らと情報交換や調査を進めていく。その過程で、これまで当然のように日本の教科書に記述され、学生が歴史の授業で習う「日清戦争」や「東学党の乱」について、日本にとって都合の悪い事実を隠すための「歴史の捏造」があるのではないかと、井上氏は次第に疑問を抱くようになる。

 1894年春に起きた東学農民による蜂起のあと、同年秋から翌年にかけて、朝鮮半島全土で起きた大規模な抗日運動を弾圧するために、広島大本営が「東学党討滅隊」を朝鮮半島に派遣する。そして、無差別・無慈悲な殺戮作戦を討滅隊が遂行したという事実が、当時の軍人が克明に記録していた陣中日記によって明らかになる。だが、この殺戮作戦は、陸軍参謀本部が編纂(へんさん)した、日清戦争の史実を記録する「日清戦史」には全く記載されていない。しかも、陣中日記からは、当時の陸軍兵站総監・川上操六が仁川(インチョン)の司令部に送った、「東学党に対する処置は厳烈なるを要す。向後(こうご)悉く(ことごとく)殺戮すべし」という戦慄の電報も明らかになる。

 井上氏は、日清戦争が日本側の謀略によって引き起こされたものであることや、日本軍兵士の戦死が隠蔽された疑惑、さらに「東学党」と呼称すること自体への疑問など、様々な疑惑や疑問について、調査結果や関係者の証言などを織り交ぜながら、詳しく解説する。

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  1. 今関 和子 より:

    この貴重なインタビューを企画してくださり、全文を文字起こししてくださった岩上さん及びIWJのスタッフの皆様に心より感謝いたします。特定秘密保護法が強行採決され、施行まで11ヶ月が残されるばかりになった今だからこそ、この企画の貴重さは強調されてもされ過ぎることはないと確信するばかりです。明治維新以来、日本政府ははたしてどのぐらい自身の犯した罪深い行いを極秘にし続けてきたのか、想像しただけで、背筋が寒くなります。そして、これから秘密にしようとしているのは何なのか(IWJから情報を得ている人にはそれもおおよその見当はついているわけですが)、それを考えただけで、目の前が真っ暗になります。私は、ドイツ在住37年になります。その間、毎日のように、ラジオで戦争の反省に関連したニュースが報道されるのを聞いています。戦争犯罪などを暴く努力が60年代以来ずっと続けられてきていますが、それでも未だに、隠されていた事実が出てきています。今年の新年のラジオ番組に「如何にしたら若い人に戦争を語りついでいけるか」という取り組みもありました。しかし、それでもネオナチが出てきたりするのです。それを日本では、総理大臣みずからが「従軍慰安婦」やら「南京虐殺」という表現を教科書から消して若者たちが自国に誇りを持てるようにするのだと言っているそうです(これは去年の4月に北ドイツ放送局のニュースで聞いたことです)。暮れにはラジオだけでなくテレビでも日本の軍国主義化についてかなり詳しく報道されました。またDie Zeit (7.12.2013)という新聞は、安倍総理が中国に反対の拳を振り上げている大きな写真入りで、一面を割いた記事を出しました。この11ヶ月が勝負だと思います。IWJの「真実を伝える報道」が果たす役割はますます大きくなるばかりです。IWJのみなさん、健康にはくれぐれも気をつけられ、今年もお元気で活躍してくださるよう、心よりお祈りしています。
    2014年1月3日

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