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鳩山氏「外交の要諦とは、相手の言い分に対しても聞く耳を持ち、それを踏まえながら国益に叶う解決法を導き出すこと」~東アジア共同体研究所 設立記念フォーラム 2013.7.25

記事公開日:2013.7.25取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根/奥松)

 「韓国、中国相手に騒いでいるのは『認知的失敗』といい、お互いが正当性を主張し合う夫婦ゲンカと同じ構造だ」ーー。茂木健一郎氏は、日本の領土問題を、脳科学の見地から分析した。

 2013年7月25日(木)17時より、東京都千代田区にある星陵会館にて「東アジア共同体研究所 設立記念フォーラム」が開催された。東アジア共同体研究所は、昨年、政治家を引退した鳩山由紀夫氏の「アジアとの共存共栄なくして21世紀の日本の生きる道はない」との信念に基づいて設立された。この日のフォーラムでは、「日本は好き嫌いにかかわらず、中国とのつきあい方を真剣に考えなくてはならない」「アメリカ抜きでアジアがまとまることに、アメリカはとても神経質」「EUやASEANを作ってきた人たちから、方法論を学ぶべき」など、多彩な意見が交わされた。

■ハイライト

  • 進行役 東アジア共同体研究所理事長 鳩山由紀夫氏(第93代元内閣総理大臣)
  • パネリスト 世界友愛フォーラム代表幹事 茂木健一郎氏(脳科学者)、東アジア共同体研究所理事 孫崎享氏(元外務省国際情報局長、評論家)、橋本大二郎氏(元高知県知事)、高野孟氏(ジャーナリスト)

 はじめに、理事長の鳩山由紀夫氏が挨拶を述べた。「韓国、中国のみならず、アメリカすら、今の日本を危惧している。われわれは、アメリカに感謝の気持ちを持ちながら、アジアの一国としての尊厳を取り戻す必要がある。私が総理の時、東アジア共同体構想を表明し、ASEAN諸国からは歓迎されたが、結局、立ち消えになった。今、一市民になったのを契機に、よりいっそう東アジア共同体の実現に邁進したい」と語り、同研究所の設立趣旨と活動への決意を表明した。

 次に、孫崎享氏が「東アジアは、これから世界でもっとも発展した地域になる。日本は、世界の中でもっとも平和を愛する国だった。しかし、尖閣問題を見ても、中国より日本の方が戦闘的な国になっている。自分たちが、東アジアの平和のために、少しでも役立つことを願っている」とスピーチした。

 続けて、橋本大二郎氏が「日本は、好き嫌いにかかわらず、中国とのつきあい方を真剣に考えなくてはならない。中国の1人当たりのGDPは1000ドルほどで、世界で100番目前後。日本は、まだまだ発展する中国に、これから生じる数々の問題を、共に解決していく国になるべき。自分たちは、これからの若い世代が、ソフトパワーを持って中国と良い関係を築けるように応援していきたい」と述べた。

 高野孟氏がマイクを受け取り、「1996年、(リベラル東京会議を含め)民主党の結党当時から、鳩山元総理と政策議論を重ねてきた縁がある。そして、常時駐留なき安保と、東アジア共同体論を導き出した。また、対米関係では、言うべきことは言う、主張することは主張する、支持すべきは断固支持する。それが、鳩山政権が進めようとしたことだ」と話した。

 茂木健一郎氏は「鳩山氏から、クーデンホーフ=カレルギーの思想(汎ヨーロッパ主義)、つまり友愛精神を教えられた。それは、甘いイメージに受け取られるが、実は、人間の自由を中心に据えた骨太の思想で、EU(欧州連合)の基にもなっている。現在、日本で言われている、対韓、対中の議論レベルが低すぎる」と指摘。自分の2つのミッションについて、以下のように述べた。

(…会員ページにつづく)

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