白物家電たち

秋になったらエアコンを買い替えようと思っていた。
今使っているものは、この家の売主さんの残置物で、きれいに使われていたためすぐに買い換える必要はなかったのだけど、すでに13年ほど使われていたこと、我が家には文鳥もいるため、真冬や真夏に故障したらこわいなということで、秋になったら買い替えておこうと思っていたのだ。

これまで使っていたエアコンは富士通の小さいサイズのものだったため、一般的なサイズのエアコンを買うには設置場所を調整する必要があった。
家電量販店の人に家の写真を見せながら相談し、この辺りのサイズを測ってくださいと指示を受け、3回ほど出直した末にようやく購入に漕ぎ着けた。
エアコン清掃を業者に頼む場合、お掃除機能「あり」だと割高だということを知り、買う前はお掃除機能「なし」にしようと思っていたのだけど、色々説明を受けて、結局はお掃除機能(というか中のカビを防ぐ機能とのことだった)は「あり」で、ダストボックスが水洗いできるものにした。

まあまあの出費だったが、もともといただきものを使わせてもらったいたわけで、必要経費だと思い切ることにする。それが10月の終わりのこと。

高い買い物だったわりに、見た目もさほど変わらないし、前のも壊れていたわけではないし、いまひとつテンションがあがらないなと思って生活していたところで、冷蔵庫内に水が溜まっていることに気がついた。

見てみると、冷蔵庫の天井から水滴が落ちていて、庫内の床だけでなく、作り置きのタッパーの上蓋に水が溜まっている段もあった。
調べてみたところ、ドアがしっかり閉まっていなかったりするとそういったことが起こるようで、冷蔵庫内のものを整理し、水の溜まる場所に布巾を敷いてしばらく様子を見てみることにした。
すると、まあ天井から水滴が落ちてくるようなことはなくなったのだけれど、だからと言って安心とはならないのだった。

そもそも一人暮らしを始めた時に買った小さい冷蔵庫であるのに、庫内に物を入れすぎないように注意して生活するなんて不便すぎる。

そんなわけで、エアコンという大出費があったばかりだというのに、今度は冷蔵庫を買うべく再び家電量販店に向かうことになった。大出費に凹みつつ、白物家電は立て続けに壊れるという都市伝説はほんとなんだなと思う(注:エアコンは別に壊れていない)。相談に乗ってくれた店員さんに「私先週エアコン買ったばかりなんですよ」という、言っても仕方ないことを口走ったりもした。


結論から言って、冷蔵庫はかなり安く買うことができた。
東京都のやっている、省エネ性能の高い家電への買い替えに対する割引補助と、エアコンを買った時のポイントを使えたのが大きい。

そして、消極的な買い物ではあったのだけど、いざ届いてみるとこれがとても嬉しいのだった。
以前使っていたものより大きくなったこと、引越しを重ね、現在は左に壁があるのに右開きという非常に使いづらい配置になっていたものが、ようやく左開きにできたこと。それから音が非常に静かなこと。前に使っていたものに慣れていたけど、いなくなってみると結構うるさかったのだなと気づいた。

冷蔵庫の中がよく見えるようになったことで、何があるのかも把握しやすく、作り置きをするモチベーションも高まっている。
この状態がいつまで続くのかはさておき、今のところは毎日、冷蔵庫をあけるたびに「買ってよかったな」と思っている。


最初に入れたビール