これくらいのかんじで

ここ最近、もやもや考え続けていることについて、なかなか、これ、という言葉を見つけられずにいる。
例えば、写真が写し出す一瞬の表情にある何か、と、その人自身はまた別のものだ。どちらが真実であるとかそういうことではなく、どちらも真実なのだと思う。一本の映画の中の、ある場面で一時停止するようなもので、それは確実にあったことだけれど、どこを取り出したかによって全く印象が違う。それが「意味」を見いだすということなのではないか。
先日、「SELF AND OTHERS」の被写体となった人のインタビューを聞きながら、その意味(や印象)というのは、見いだされた側にこそ、影響力を持つものなのではないかと思った。
それは、言葉と少し似ている。
例えば、もっとがんばったほうがいいとか、大は小をかねるとか、大人とはこういうもんだとか、そういう漠然とした価値観っていうのは意外と無意識に根付いてるものだけど、自分の中から意味(のようなもの)を見つけるのって、けっこう難しかったりする。それは何気ない風景の中に、何を見るか、がそれぞれ違うようなもので、
そして、いざ触れてみると、それは自分が見聞きしてきた価値観とはまったく別の形をしていたりもするのだ。たぶん。そしてそれもまた一面であって、全部ではないのだけど……、という曖昧さを保っておくことの難しさについて、考えたり考えなかったりしている。