心筋梗塞 女性 死亡率とは高い理由。女性の心筋梗塞を防ぐためにできること

心筋梗塞 女性 死亡率とはについて


心筋梗塞とは、冠動脈が詰まって心臓の一部に血液が届かなくなることで起こる病気です。心筋梗塞は男性よりも女性の方が死亡率が高いと言われていますが、その理由は何でしょうか?この記事では、心筋梗塞の女性の死亡率について、その原因や予防法などを紹介します。

 

女性の心筋梗塞の死亡率はどれくらい高いのか?

心筋梗塞の死亡率は、発症から1年以内に死亡する割合を指します。日本では、心筋梗塞による死亡者数は年間約5万人で、そのうち約3割が女性です。しかし、女性の方が男性よりも死亡率が高いというデータがあります。例えば、厚生労働省の調査によると、2018年に心筋梗塞で入院した人のうち、1年以内に死亡した人の割合は、男性では11.9%でしたが、女性では16.4%でした。つまり、女性は男性よりも約1.4倍も死亡率が高いということです。

なぜ女性の方が心筋梗塞の死亡率が高いのか?

女性の方が心筋梗塞の死亡率が高い理由には、以下のようなものが考えられます。

- 女性は男性よりも心筋梗塞の症状に気づきにくい
- 女性は男性よりも心筋梗塞の治療を受けにくい
- 女性は男性よりも心筋梗塞の合併症や再発に弱い

 女性は男性よりも心筋梗塞の症状に気づきにくい

心筋梗塞の典型的な症状は、胸や左腕に強い痛みや圧迫感を感じることです。しかし、女性の場合は、このような症状が出ないことも多くあります。女性は男性よりも胸や腕だけでなく、背中や肩甲骨、あごや喉などにも痛みを感じることがあります。また、吐き気やめまい、動悸や息切れなどの不定愁訴も心筋梗塞のサインとなることがあります。これらの症状は他の疾患やストレスと混同されやすく、自分では心筋梗塞だと気づかないことも多いです。そのため、女性は男性よりも発症から救急車を呼ぶまでの時間が長くなりがちです。しかし、心筋梗塞では時間が命です。早期に治療を受けることで、死亡率や後遺症を減らすことができます。そのため、女性は自分の体調変化に敏感になり、異常を感じたらすぐに医療機関に相談することが大切です。

女性は男性よりも心筋梗塞の治療を受けにくい

女性は男性よりも心筋梗塞の症状に気づきにくいだけでなく、治療を受けにくいこともあります。一つの理由は、医療機関での診断や治療に男性中心のバイアスがあることです。例えば、心筋梗塞の診断には心電図や血液検査などが用いられますが、これらの検査では女性の場合は陰性となることも多くあります。また、心筋梗塞の治療には冠動脈を拡張するカテーテル治療やバイパス手術などが行われますが、これらの治療では女性の場合は合併症や再発のリスクが高いこともあります。そのため、女性は男性よりも適切な診断や治療を受けられないことがあると言われています。もう一つの理由は、女性自身が治療を受けることに消極的になることです。女性は男性よりも家族や仕事などの責任感が強く、自分の健康よりも他人のために時間やお金を使うことを優先する傾向があります。また、女性は男性よりも自分の体に対する恥じらいや不安が強く、医師や看護師などに相談しにくいこともあります。そのため、女性は男性よりも治療を遅らせたり断ったりすることがあると言われています。しかし、心筋梗塞は放置すれば死亡する可能性が高い危険な病気です。そのため、女性は自分の健康を大切にし、必要な治療を受けることが大切です。

 女性は男性よりも心筋梗塞の合併症や再発に弱い

女性は男性よりも心筋梗塞の死亡率が高い理由のもう一つは、合併症や再発に弱いことです。心筋梗塞では心臓の一部が壊死し、その部分が瘢痕組織に置き換わります。その結果、心臓のポンプ機能が低下し、心不全や不整脈などの合併症を引き起こす可能性があります。また、冠動脈が詰まった原因である動脈硬化は進行する可能性があり、再び心筋梗塞を起こすリスクも高まります。女性は男性よりもこれらの合併症や再発に対して抵抗力が低いと言われています。その理由としては、以下のようなものが考えられます。

- 女性は男性よりもホルモンバランスや生活習慣などによって動脈硬化の進行が早まる
- 女性は男性よりもリハビリテーションや予防医学などに参加しにくい

 女性は男性よりもホルモンバランスや生活習慣などによって動脈硬化の進行が早まる

女性は男性よりもホルモンバランスや生活習慣などによって動脈硬化の進行が早まることがあります。例えば、女性は閉経後に卵巣から分泌される女性ホルモンであるエストロゲンの量が減少します。エストロゲンは冠動脈を拡張したり、コレステロールの代謝を改善したりする作用があります。そのため、エストロゲンの減少は冠動脈の狭窄や動脈硬化を促進する可能性があります。また、女性は男性よりも肥満や糖尿病などの生活習慣病にかかりやすい傾向があります。これらの病気は血管の内皮細胞を傷つけたり、血液中のコレステロールや血糖値を上昇させたりすることで、動脈硬化を悪化させる可能性があります。そのため、女性は男性よりも動脈硬化の進行が早まることがあると言われています。

女性は男性よりもリハビリテーションや予防医学などに参加しにくい

女性は男性よりもリハビリテーションや予防医学などに参加しにくいことがあります。例えば、心筋梗塞の後に行われるリハビリテーションは、心臓の機能を回復させたり、再発や合併症を予防したりする効果があります。しかし、女性は男性よりもリハビリテーションに参加する割合が低いというデータがあります。その理由としては、家事や介護などの負担が多くて時間が取れないことや、自分の体力に自信がなくて挑戦できないことなどが挙げられます。また、心筋梗塞の予防には定期的な健康診断や血圧やコレステロールなどの管理が重要です。しかし、女性は男性よりも健康診断を受ける割合が低いというデータがあります。その理由としては、自分の健康よりも他人の健康を優先することや、医療費や交通費などの経済的な負担を感じることなどが挙げられます。そのため、女性は男性よりもリハビリテーションや予防医学などに参加しにくいことがあると言われています。

女性の心筋梗塞を予防するにはどうすればいいのか?

女性の心筋梗塞を予防するには、以下のようなことを心がけることが大切です。

- 健康診断や血圧測定などで自分の冠動脈疾患のリスクを把握する

- 喫煙や飲酒などの悪い習慣をやめる
- 塩分や脂肪分の多い食事を控える
- 野菜や果物などのビタミンや食物繊維の多い食事をとる
- 適度な運動を習慣化する
- ストレスを溜めないようにする
- 睡眠不足や過労にならないようにする
- 心筋梗塞の症状に気づいたらすぐに救急車を呼ぶ

心筋梗塞は女性にとっても深刻な問題です。自分の体と心に気を配り、健康的な生活を送ることで、心筋梗塞の予防に努めましょう。

 

補足

血圧測定などで自分の冠動脈疾患のリスクを把握の仕方

冠動脈疾患とは、心臓に血液を送る冠動脈が狭くなったり詰まったりする病気です。冠動脈疾患は、心筋梗塞や狭心症などの重大な合併症を引き起こす可能性があります。冠動脈疾患のリスクを把握するためには、血圧測定などの検査を受ける必要があります。血圧測定では、収縮期血圧と拡張期血圧の数値を見ます。収縮期血圧とは、心臓が収縮して血液を送り出すときの血圧です。拡張期血圧とは、心臓が弛緩して血液を取り込むときの血圧です。一般的に、収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上の場合は高血圧と診断されます。高血圧は冠動脈疾患の危険因子の一つです。高血圧を放置すると、冠動脈が硬くなったり、動脈壁にプラークが付着したりして、冠動脈が狭くなったり詰まったりする可能性が高まります。そのため、定期的に血圧測定を行い、高血圧の場合は医師の指示に従って治療を行うことが重要です。

高血圧は非常に心筋梗塞のリスクが高まるということなのですね。

 

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