核シェルターのしくみ
核シェルターは、戦争・テロ、地震、竜巻、津波などの大規模災害に備える目的で造られます。
災害のうち、最も過酷なものが、核爆発です。最悪の災害である「核爆発」に耐え得るシェルターを造っておけば、それより小規模な災害(竜巻や津波)に耐えるのは容易である──という考えのもとに、最悪の事態を想定して核シェルターは建設されます。
Point
- 核爆発がもたらす影響
- なぜシェルターの多くは地下に造られるのか?
- 決め手は「空気清浄機」!
- 熱と衝撃から守り、水の浸入を防ぐドア
- 津波の避難先としても使える核シェルター
日本の核シェルター普及率は異常値
日本核シェルター協会の調査によれば、諸外国の、人口あたり核シェルターの普及率は以下のとおりとなっています。
- スイス 100%
- イスラエル 100%
- ノルウェー 98%
- アメリカ 82%
- ロシア 78%
- イギリス 67%
- シンガポール54%
- 日本 0.02%
- 韓国ソウル市 300%
日本は、わずか0.02%!
韓国のソウル市は、公共シェルターが街中にあることもあって、なんと人口の300%をカバーしています。
(画像:幸福実現党公式サイトより)
Point
- スイスのとりくみ
- 「民間防衛」の推奨
- スイスの一般家庭シェルター
- アメリカの核シェルター
核シェルターの種類
子供たちを守る「防災・核シェルター」
シェルターには、さまざまな規模のものがあります。中でも急務となっているのは、小中学校の校庭の地下に、シェルターを設置することです。
日本では多くの学校が、一時避難場所に指定されており、学校にシェルターを設置すれば、核攻撃や津波から子供たちの命を真っ先に守ることができます。
非常用食糧も、あらかじめシェルター内に備蓄しておけば、さらに安心です。
Point
- シェルター設置で、災害に強いまちづくりを
- 1.エアコン型シェルター
- 2.地下埋設型シェルター
- 3.大型公共シェルター
核攻撃の被害想定
北朝鮮は核弾頭の小型化に成功したと言われていますが、北朝鮮が使用すると思われる核爆弾は「50キロトン」と推定されています。
これは広島や長崎型原爆の約3倍、ロシアが開発した水爆『ツァーリ・ボンバ』の1000分の1の威力です。
広島型原爆は一番左。拡大しなければ見えない。右はソビエトのツアーリ・ボンバー(水爆)。
「詳しくみる」では、核ミサイルの被害想定を算出できるサイト、「NUKE MAP」(http://nuclearsecrecy.com/nukemap)を使って、被害範囲をシミュレーションしています。
Point
- 被害は意外と限定的。恐れすぎないこと!
- 北朝鮮ミサイルの被害想定
- 地下や頑丈な建物にいれば助かる
- 核爆発の人体への被害
核シェルターのしくみ
核爆発がもたらす影響
- 爆発の衝撃
- 爆風
- 熱、火
- 放射線
なぜシェルターの多くは地下に造られるのか?
地下は、爆発の衝撃波、爆風、放射線、熱、火の影響をあまり受けません。
材料は、鉄筋とコンクリートです、土とコンクリートの遮蔽力を利用します。
決め手は「空気清浄機」!
第二次大戦時の「防空壕」と現代の核シェルターの、もっとも大きな違いは、空気清浄機です。核ミサイルや化学兵器が使用されると、外気は一時的に放射能や毒物に汚染されてしまうため、少なくとも着弾後24時間は、清浄な空気が供給されている密閉された空間(=シェルター)にとどまっている必要があります。
株式会社シェルターの簡易シェルター(空気ろ過装置)
スイス製(株式会社シェルター)
ドイツ製(株式会社シェルター)
イスラエル製(株式会社シェルター)
ATLAS(カリフォルニア州)の空気ろ過装置
参考
ATLAS公式サイト
「アトラス」の空気ろ過装置
熱と衝撃から守り、水の浸入を防ぐドア
核シェルターと外部を隔てる「ドア」は、爆発の熱と衝撃にも破壊されず、シェルターが水没しても水が浸入しないようシェルターを密閉するものであること。
津波の避難先としても使える核シェルター
しっかり密閉され、清浄な空気が供給される核シェルターは、津波の避難先としても活用できます。先の東日本大震災では、東北沿岸を高さ10m以上の大津波が襲い、2万人近い犠牲者を出しました。
足の悪い高齢者や、小さな子供など、走って高台に逃げることができない人や、4階以上の津波避難ビルを一気に駆け上がることができないような人でも、もし地面に核シェルターがあれば、水が来る前にそこに避難してハッチを閉めれば、助かります。
水が引くまでの数日間、シェルター内で生存できるだけの水と食糧を備蓄しておき、瓦礫に閉じ込められても、内部から発信装置を使って生存を知らせたり、瓦礫を押し上げるジャッキがついたタイプもあります。
※下図:ATLASの埋め込み型シェルター。日本国内ではアンカーハウジングが取り扱っている
ATLASの地下埋め込み型シェルター
(画像:ATLAS公式サイトより)
世界のシェルター普及率
スイスのとりくみ
世界の中で、もっともシェルターの普及が進んでいるのがスイスです。スイスでは、キューバ危機をきっかけに、1963年、住宅の新築や改築の際にシェルターの設置が、法律で義務づけられました。
その後、2012年の法改正により、必ずしも自宅の下にシェルターを設けなくてもよいことになりました。シェルターを設置しない場合は、自治体に1500スイスフラン(約19万円)を支払い、最寄りの公共シェルターに家族全員分のスペースを確保することになっています。
スイスの、シェルター普及率100%(現在は114%)という驚異的な数字は、このように、国家を挙げて「民間防衛」に取り組んできた結果なのです。
「民間防衛」の推奨
徹底的な武装中立を志すスイスでは、1969年、当時の冷戦の高まりを受け、スイス政府が冊子『民間防衛』を各家庭に260万部発行・無償で配布しました。
翻訳版が日本でも出版されており、核攻撃から身を守る方法についても、かなりのページを割いています。
『民間防衛ーあらゆる危険から身をまもる』(スイス政府編・原書房発行)
※民間防衛とは(Wikipediaより)
民間防衛(civil defense)とは、武力紛争等の緊急事態において市民によって国民の生命及びインフラストラクチャーや公共施設、産業などの財産を守り、速やかな救助、復旧によって被害を最小化することを主目的とする諸活動をいう。民防と略される。文民保護の機能もある。日本では国民保護に相当する。
このように、スイスはこれまで国家を挙げて、一般家庭へのシェルター設置を推進してたことや、住宅、病院、学校といった建物の地下に30万基以上のシェルターと、500基余りの公共シェルターがあることから、約800万人の人口の114%が収容可能となっています。
スイスの一般家庭シェルター
アメリカの核シェルター
核シェルターの種類
シェルター設置で、災害に強いまちづくりを
また、一般家庭や企業が、独自にシェルターを設置しようと思っても、価格が高いためなかなか普及しません。家庭用シェルター設置や地下街のシェルター拐取公示に、国や自治体が助成金を出すなどして、ミサイル攻撃や災害に強いまちづくりがを進めることが求められています。
1.エアコン型シェルター
マンションなどの一室に設置するタイプの、簡易型シェルター(空気ろ過装置)。日常の生活空間が、そのままシェルターになる。1台約280万円から。
2.地下埋設型シェルター
自宅の庭や地下に埋設する、家庭用の地下埋め込み型シェルター。もともと核シェルターは軍用に開発されたものであるため、アメリカ製、イスラエル製などが中心で、まだ国産のシェルターはない。1台1000~3000万円前後。
3.大型公共シェルター
小中学校の校庭や、公共施設の地下などに設置する大型シェルター。地域住民や通勤中の人々を収容する。各家庭にシェルターがなくても、Jアラートが鳴ってから3~4分で逃げ込める場所に公共シェルターがあれば、多くの生命が助かる可能性が高い。将来的には学校の他に、地域防災計画の一環として、児童公園や空き地などにシェルターを埋設することが望ましい。
核攻撃の被害想定
被害は意外と限定的。恐れすぎないこと!
「核爆弾」と聞くと、まるで都市全体が壊滅してしまうような印象を受けがちですが、下図を見てもわかるように、仮に東京駅に落ちた場合でも、被害は爆心地から2~3km圏内で、限定的であることがわかります。ほとんどの地域には影響はありませんので、必要以上に恐れることなく、冷静に行動して身を守り、最善の努力を尽くしましょう。
もちろん、それでも万単位の犠牲者が出ることには違いはありませんが、東京全体が壊滅してしまうわけではありません。地下に逃げる、コンクリート製の建物に逃げ込むなど、しっかりと防御をすれば、爆心地以外のほとんどの人は助かる可能性が高いのです。
(爆心地であっても、大深度地下の地下鉄など、地下深くにいた場合は、助かる可能性が高くなっています)
以下に、東京駅に核ミサイルが着弾した場合の想定地図を掲載していますが、誰でも簡単に、場所と爆弾の規模を指定すれば被害想定を算出できます。
簡単にシミュレーションできるサイト
- 核爆発被害シュミレーターver.2
- 「NUKE MAP」(http://nuclearsecrecy.com/nukemap)
「NUKE MAP」を使って、お住まいの地域のシミュレーションをしてみましょう。
北朝鮮ミサイルの被害想定
東京駅に50キロトンの北朝鮮の核ミサイルが着弾した場合の被害想定(NUKE MAPにより算出)
東京駅に50ktの核ミサイルが落ちた場合
火の玉の大きさ 半径380m
閃光(せんこう)が光った瞬間、ほとんど苦しみもなく生物は気化する。
東京駅に着弾した場合は、東京駅駅舎、駅前の丸ビルなどまで。
ただし、広島原爆でも爆心地からわずか170mの建物の地下1階にいた人は生存しているため、東京駅の地下や商業ビル地下にいた場合は、助かる可能性が非常に高い。
強烈な爆風 爆心地から0.8km
コンクリートの建物も激しく損壊する。屋外にいた場合の死亡率は100%。
有楽町駅、大手町駅、帝国劇場、皇居前広場、日銀本店、日本橋の一部、八重洲、銀座の一部まで。
強い放射線・爆風の範囲 爆心地から1.7km
爆風でほとんどの住宅が損壊。死傷者多数。
放射線量も高く、医療処置なしでは、数時間~数週間以内の放射線による死亡率は50%から90%の間と予想される。
銀座、築地、新橋演舞場、日比谷公園、帝国ホテル、霞が関駅、神田駅、官庁街の一部(警察庁、検察庁、国土交通省、厚生省など)、皇居、神田一帯、日本橋一体まで。
屋外にいると第三度熱傷を受ける範囲 爆心地から2.87km
白や茶色などに変色、ひどく焼けただれる、乾燥、壊死、場合によっては炭化する。無痛、知覚なし。治癒期間1カ月以上。ケロイドが残る。
晴海、浜松町、赤坂、溜池山王、首相官邸、麹町、靖国神社、市ヶ谷の一部、飯田橋の一部、水道橋駅、湯島、秋葉原、両国、深川などまで。
地下や頑丈な建物にいれば助かる
『諸君!』2007年4月号より一部抜粋
高田純 札幌医科大学教授
地下や頑丈な建物にいれば助かる
戦後日本の学者やマスコミは「核兵器が使用されればみんな死ぬだけだ」という似非科学恐怖を日本人に刷り込んできました。しかし、そうではないんです。
たとえ爆心2キロ圏内でも地下街に居たり、堅固な建物内部にいた人は助かります。
実際、広島では爆発地点から170メートルしか離れていない鉄筋コンクリート建物の地下1階に居たため助かり、昭和57年まで健康で暮らした野村栄三さんがいます。また半径500メートル以内では78名が生き残っていました。
例えば中国から発射された核弾頭は日本への飛翔時が6~7分です。
咄嗟のことではありますが、この時どう行動しますか?
しかし、残念ながらこれに答えられる日本人はいないでしょう。・・・
核爆発の人体への被害
まず、核災害で最も大きな被害をもたらすのは爆発時の“閃光”と“衝撃波”です。
広島でもこの2つが20万人を超す死傷者を出したのですから、核災害から生き残るにはこの2つの初期被害をいかに回避するかがポイントです。
核兵器といえば放射線被曝を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、放射線は脅威の一部でしかなく、核爆発エネルギーの5%に過ぎないのです。
熱線
まず、核爆発の瞬間、熱線が光の速度で発射されます。この閃光熱傷を浴びた人は皮膚の表面だけが熱を受けて焼きただれ、皮膚が破けてしまいます。
この熱線を浴びてしまうと最低でも重症は避けられません。しかし、熱線は建物内部に避難し、外部光の入らないところに移動すれば防ぐことができます。ですからまずは近くの建物に避難するのが最善です。
衝撃波
次に、この熱線の後に衝撃波がやって来ます。これは核爆弾の大きさによっても変わってきますが、衝撃波は音速よりも早く秒速700メートル以上の威力を発揮します。
このため地上にいる人間は吹き飛ばされ、コンクリートに激突して死亡します。あるいは建物の中にいて熱線を免れても、コナゴナに吹き飛ばされたガラスやコンクリート片が突き刺さって死亡するのです。
広島や長崎の場合、屋外にいて吹き飛ばされた人も多かったのですが、少し遠方では弾丸のように飛んでくるガラス片が突き刺さり絶命した人が圧倒的に多かったのです。
この衝撃波がやってくるときに直立していれば、それだけガラス片が突き刺さる表面積が増大するので、屋内では窓ガラスから離れた建物の中心部や廊下などに退避し、伏せてガラス片が突き刺さる面積を最小限にするのが重要です。
火災
その後、爆発地点では熱線の熱によって大規模な火災が発生します。周辺を焼き尽くし、熱傷で重傷を負って動けない状態だとこの火災で命を落とすことになります。
また、即死する量ではありませんが地面や建物の残骸には中性子により放射化されますから、すぐに爆発地点から脱出する必要があります。この場合、車は通行できないほど地表が破壊されていますから使用できないでしょう。
地下鉄路線を使って、被災地から脱出する
そこで脱出手段として重要なのが地下鉄です。分厚いコンクリートや地表に覆われた地下空間は閃光と衝撃波、初期被害をかなり軽減でき、核爆発が起きても地下はかなり安全が確保されます。核災害でも地下鉄を運行出来れば危険な爆発地点から避難させられますし、自衛隊の救助活動でも迅速に使うことができます。
核ハザードは時間の経過とともに減少していきます。特に中性子による放射化の場合は顕著です。
広島、長崎の原爆では「今後70年間ペンペン草一本生えない」と言われましたが、実際には放射線量は7日後には健康に全く影響を与えないレベルに戻りました。
チェルノブイリ事故の急性死亡者は30名、その後、4000人の子供が甲状腺がんになりましたが、実際に死亡したのは15名です。
ひとつ知っておいてもらいたいのは、核爆弾と原発はどちらもプルトニウムやウランを原料にしていますが、その濃縮率は核爆弾は90%、原発が5%以下です。原発の原料は濃縮率が低いので事故を起こしたり、ミサイル攻撃を受けても核爆発は起こらないのです。
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