「鹿男あをによし」は奈良を舞台にした歴史ファンタジー(だと思う)。
わたしはドラマを見てから原作を読んだのですが、原作にほぼ忠実につくられていたのに驚きました。
読んでみてドラマがキャスティングもほぼ原作のイメージ通りでした。
これは「鹿男あをによし」が、読んでいて映像が浮かんでくるような物語だからかもしれません。
ドラマ放送後、「鹿男あおによし」ドラマのロケ地マップが配布されていました。
こちらは奈良市内でもらったロケ地マップ。奈良公園や奈良町で撮影されたそうです。
『鹿男あをによし』 あらすじ
赴任先の奈良で鹿に話しかけられるという不思議な体験をする主人公(先生)。鹿は先生に「サンカク」と呼ばれる”目”を、狐の使い番から受け取れという。
”目”には地震を抑える力があり、鹿、狐、鼠がそれぞれ60年ごとに”目”使って儀式を行い、地震をおさえてきたのだ。
しかし、鼠のいたずらにより「サンカク」の捜索が意外な方向にいってしまう。
鹿によって運び番の印をつけられ、鹿の姿にされてしまった主人公。(他人からは人間に見える)
果たして彼は無事「サンカク」を取り戻し、人の姿に戻ることができるのか?
歴史を交えた展開にワクワク
春日大社や鹿島神宮、卑弥呼の故事をベースに、次々に謎が解かれる様子は、ワクワクして読んでいました。
読み進めると、自分がなにか歴史上の発見をしたみたいに思えるんです。
そして、印象的だったのが物語の重要な要素である「剣道」。マドンナや堀田イトちゃんなど、剣道をやっている女性の凛とした美しさも印象的でした。
大和杯での試合の息詰まる模様など、剣道の魅力的が伝わってきます。
スポーツをきちんと表現できる文章の力を持つ作家さんてすごい。
当事者しかわからない感覚を、客観的、感動的に伝えられるって、表現力がないとできないことだと思うので。
「鹿男あおによし」では神様の眷属である鹿。でも、ポッキーが好きだったり、人間への愚痴をこぼしたりと、神の使いらしからぬ俗っぽさ。
しかし、世の中にはこんな神様もいるので、俗っぽい鹿もいいのかな、と思います。