【書評】ジェフ・ベゾス 果てなき野望―アマゾンを創った無敵の奇才経営者

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ジェフ・ベゾス 果てなき野望―アマゾンを創った無敵の奇才経営者


僕にとって待ちに待った本が出ました。Amazonの創業者であり、CEOの実像に迫る物語。けたたましく笑い、批判を蹴散らし、突き進む、まるで、どこかの首長のようです。そうそう、不肖私、昨年末、日経ビジネスで、「次代を創る100人」に選出されましたが、私の隣のページに載って、しかも、不敵な笑みを浮かべていたのが、ジェフ・ベゾスその人でした。

シアトルで創業し、当初はベゾス夫婦とエンジニアの人でアマゾンが始まった。たった20年で世界中を覆い尽くす巨大企業にのし上がった男の物語が面白くないわけが無い。事実、ベゾスの快進撃に対して溜飲を下げたり、頭にきたり、感情移入全開させながら、ほぼ3時間で読み切ったけど、手ひどい失敗を比類無き成功に転化させていく、そのえげつない冷徹さ、そして、狂気、第10章で事細かに描かれているご都合主義にしびれました。

この本を読んで、僕はますますジェフ・ベゾス、Amazonのことが分からなくなりましたが、おそらく、本人にも分からないこの圧倒的な「過剰感」。分からないからこそ、まわりも、僕ら消費者もワクワクしていくだろうって思うんです。

僕は、Amazonの幹部社員と何人かお会いしましたが、実は、あんまり面白くない(苦笑)。とても堅実。こういう水と油のような、決して乳化させない組織。そういう組織がこれからますます伸びていくのかな。本にも書いてありますが、超巨大企業とベンチャー企業が混ざっている感じ。某通信会社もよくそんなこと言われますが、その比じゃない。この本を読んで、過剰感、加えて、矛盾感を直裁に感じました。

日本人が自分の価値、自分たちの価値を上げていくために、ぜひ、Amazonのような企業の戦い方、そして、こんな得体の知れない企業との戦い方を知ってほしいって切に思います。年末、とても良き本を読みました。

by fromhotelhibiscus | 2013-12-27 18:06
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