今日の佐賀新聞が運営している「ばってんがサイト」に、「知的基盤を奪われる武雄市民 武雄市図書館・歴史資料館問題(2)」と題して、井上一夫さんという方の記事が載っていたが、心底驚いた。
基本的に批判は良い。しかし、「2階の書架はキャットウォーク(点検通路)でアプローチしなければならず、地震時にはこの蔵書は1階フロアに一気に崩落し、人的被害が出る可能性が強いと思っている」 とあるが、これって、広義の風説の流布ですよ。行政が相手だったら、何でも言って良いんでしょうか、サガ新聞社さん。この箇所に関しては、国土交通省の定めた建築基準法に準じて全てキャットウォーク部分も設計建築しているし、武雄市役所まちづくり部においても、建築基準法等に基づき、認可を出しています。ここを否定するということは行政自体の認可システムを否定するにもつながる。また、本の落下についても本棚の上段(H2100㎜以上)の棚は落下防止の柵を設けて、落下対策はしっかりと行います。それ以上に、何ら根拠もないのに、また、取材も無く、「一気に崩落し、人的被害が出る可能性が強い」と書くあたりは、これって異常ですよ。 井上一夫さんは、新武雄病院の候補地の選定に当たっても、ある地域で、武雄市が説明会を行おうと舌際に勝手に遮断する問答無用の猛者。ま、それはともかくとしてもね、あの東日本大震災を意識しない設計というのはあり得ません。 ついでに、「図書館は奥におしやられ2階に追い上げられてしまっている」とあるけどね、そもそも今回の図書館構想では「本との出合い」を最大化すると何度も言ってます。なので、旧来、「開架 8万 閉架10万」が基本「開架 20万」というの図書館に変えています。 これで市民への本の出合いは触れ合うレベルで2倍に上がる建築にしている。図書館を奥に追いやると言うが、静かすぎる図書館とコミュニケーションの場としての図書館の新しい存在価値の両方を実現する為に落ち着ける空間を奥に入れて、「学ぶ」要素の強いジャンルは2階に上げて、無音対策している勉強室を設置するんだけど、それが駄目ということですか? 井上一夫さんが何を書いても自由。しかし、「知的基盤を奪われる武雄市民」という表題で、佐賀新聞社が運営するサイトに書くのは問題だと思って、今晩、佐賀新聞社に抗議しました。 「では、どういう対応をすれば良いか?」との指摘に対しては、私からは、「それこそ、佐賀新聞社が考えることである。私が何らかの対応を要請すれば、それは表現の自由を阻害し、場合によっては検閲になりかねない。」と申し上げました。あわせて、「何らかの対応をされる場合には、その理由を明記してほしいし、私からの抗議に関しても、事実その通りなので書いてくださって構わない。」と伝えました。 その結果、サイトにありますが、 昨日26日にアップした「知的基盤を奪われる武雄市民(井上一夫さん)」のブログ内容について、武雄市の樋渡啓祐市長から27日夜、抗議を受けました。抗議をいただいた主な点は、「(2階の)書架も開架式といいながら、高さは天井まであり閲覧者が自分で取りだす事はできない。2階の書架はキャットウォーク(点検通路)でアプローチしなければならず、地震時にはこの蔵書は1階フロアに一気に崩落し、人的被害が出る可能性が強いと思っている。」という表現です。 樋渡市長からは「個人のブログならまだしも、佐賀新聞が運営するブログ論壇サイトでこうした表現を記載すれば、佐賀新聞が人的被害が及ぶと書いたと同然だ」というご指摘をいただきました。佐賀新聞のブログ運営担当者としては、「人的被害が出る可能性が強いと思っている」という表現は、「思う」という言葉遣いをしているため、読む側が個人の主観によるものだと判別できると考え、原文のまま掲載しました。 樋渡市長がおっしゃる通り、ブログに記事をアップした「ばってんがサイト」は佐賀新聞が運営しています。「『思う』という言葉遣いをなさっているじゃないですか」という一点張りで言い張って、樋渡市長の抗議をきちんとお受けしないのはちょっと今時いただけないと考えました。佐賀新聞社のブログ運営担当局として、冷静に考える時間をくださいということを樋渡市長にお伝えしたうえで、26日にアップした記事をいったん非表示とさせていただきました。さらにそのうえで、一連のいきさつについて明記してほしいという樋渡市長からのお話しを受け、ブログ運営側としても説明は当然必要であると考え、このお知らせをアップさせていただきました。 以上、まずは簡単ながらいきさつをお知らせさせていただきました。ブログを非表示とする際、システムの都合上、せっかくブログに付けていただいたコメントまでが見えなくなってしまうことがあると存じます。たいへん申し訳ありません。一連のいきさつについて、趣旨ご理解いただけると幸いです。 (佐賀新聞社メディア戦略局リーダー・樋渡光憲) ということに。この佐賀新聞社の素早い対応には評価をしたいと思います。こういう説明責任をしっかり果たす姿勢を見ると、清々しさを感じます。僕も見習いたい。
by fromhotelhibiscus
| 2012-12-27 23:20
|
by fromhotelhibiscus
記事ランキング
twitter
私のあれこれ
現在45歳。以前の勤務地は東京、大阪高槻、沖縄。
ご意見等は[email protected]までお願いします。 ★プロフィール★ 1969.11朝日町生れ 1988.03武雄高校卒 2005.12総務省退職 2006.04武雄市長 ★趣味★ ランニング 料理(イタリア・タイ料理) 旅行(延べ40か国) 音楽(何でも。CD1000枚以上) ★好きな言葉★ 皇国の興廃此の一戦に在り。各員一層奮励努力せよ ★愛読書★ ローマ人の物語(塩野七生) 万葉秀歌(齋藤茂吉) 深夜特急(沢木耕太郎) サイゴンから来た妻と娘(近藤紘一) 人間の絆(ウィリアム・サマーセット・モーム) ★好きなアーティスト★ マネ フェルメール 小堀遠州 ローリング・ストーンズ U2 スガシカオ チャーリー・パーカー カルロス・クライバー ハンス・クナパーツブッシュ 中東久雄 以前の記事
2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 その他のジャンル
ファン
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||