Green Fortress

プログラマーのポエム隔離所

社会人が2週間で電通大夜間主に編入できてしまった話

この記事はUEC Advent Calendar 2015 - Adventar17日め記事です。 ずっと書こう書こうと思って数ヶ月寝かせてきた文章が混じってますがご了承のほどを。

入学まで

どうして編入しようと思ったのか

27歳の誕生日を迎えて少し経つ2014年10月下旬、当時働いていた常駐SEがキャリア的な伸びしろが厳しいと感じたのと、最終学歴が高専卒なので大卒取って院に入れる選択肢を持ちたいと思っていた。 いつかは大学編入を企てようと思っていたが、正直学部レベルの勉強のために正社員の職歴をストップさせるのか、とか学費や生活費まで含めた金貯められねえという懸念もあった。 (自分の場合新卒で大企業ドロップアウトルートが確立しているので、奨学金出してまで大学行くのは投資対効果が見合わないと考えた) そんな時に電通大夜間の存在を知り、投入リソースと投資対効果的にこれだと思った。しかもまだ今年度受験できる。 この時2014年10月27日。編入学試験願書提出締め切りまであと9日である。 まずはダメ元で受験してみよう。受けれるんだから仕方がないと7割くらいは記念受験の心境だった。

願書提出

母校と交渉

今回の編入学は事実上これがハイライトである。 全然時間がないのに願書すら手元にない。テレメールで願書を請求しつつ状況を整理する。 Webで見ることができるPDFの受験要項によると、母校に調査書を作ってもらう必要がある。 ここが明らかにボトルネックになり、かつ母校のWebページによると作成に2週間かかるとのこと。 しかもWebやメール、電話での受付はダメで、調査書の場合は封書もダメ。つまり窓口に行くしかないのだ。 普通に考えたら詰んでるのだが、こっちだって仮にも社会人として揉まれてきたのでこれで諦めるような性根ではない。 まずは担当に電話して相談してみよう。

会話要約

私「卒業生の甲斐と申します。以前の専攻科入試の際はお世話になりました(24歳くらいの時に専攻科入試して落ちた経験あり)。実は大学編入で調査書が必要なんですが締め切りが非常にギリギリ…というかほとんど無理なスケジュールなので相談させてください」

明らかな無茶振りで横柄な態度は取れない。下手に出る。

教務「締め切りと様式を教えて下さい」

私「11/5必着で、様式は今取り寄せ中で手元にないのでわかっていません」

教務「調査書は決裁を取らないといけないので約束通りにできる保証はないが善処する。成績証明は先に作っておくから、調査書が手元に届いたらFAXで送ってもらえないか。窓口でないと申請は受けられないが事前に情報を集めておく」

私「よろしくお願い致します」

やってみるものである。 無茶に対するせめてものお礼に母校の教務には土産を買って申請時にお渡しした。

最小有給法による母校訪問スケジュール

申請に関して一応の目処は立った。 恐らくは母校に申請で1度、作った調査書を受け取りに1度で2回行くことになるだろう。 本番の試験でも2日有給取らざるを得ないことを考えたらここで徒に有給を浪費できないし、仕事に支障を作ったら本チャンで休みを取りづらくなってしまう。 朝が弱いので始発のような無理はできるだけしたくない。ここは実家が母校に近く、2時間で帰省できる地の利を活用する。 結局有給の配分は午前休×2とし、前日の夜に実家に帰って一泊し、朝母校で手続きを終えたらその足で特急に乗って福岡に戻って午後から仕事する×2という極限スケジュールになってしまった。 このスケジュールの欠点は明らかに不自然な動きなので実家に帰省の目的として編入試験の受験を教えざるを得なかったことである。当然の如く反対された。 しばらく顔を見せなかった息子が実家に寝るだけのために戻ってきたかと思ったら「俺、大学受けるんで」とか言い出したことを考えると父の心中察するに余りある(しかももう自分が息子を産んだ年齢で独身である)が、ここでは考慮しないものとする。

ポスト投函について

地元から願書を郵送すると速達でも1日以上かかってしまうが、博多郵便局だと翌日には着くのでポスト投函は福岡で行いたい。 そうすると先程の日程で福岡に戻る際に郵便局に立ち寄れるのできれいな流れになる。しかもギリギリ午前中の投函になる。 もちろん、願書の他の項目は事前に準備しておき、調査書を受け取ったら即投函できるようにしておく。

時系列で整理

10/27:編入の企てを決意する。テレメールで願書取り寄せ。夜にTwitter仲間に過去問送付依頼。

10/28:過去問送付の連絡を受ける。仕事の合間を縫って電話で母校と調整。

10/29:過去問到着。願書がまだ来なくてそわそわする。実家に帰省の連絡。

10/30:願書到着。調査書フォーマットを母校にFAX。家で願書記入を進めてから深夜に実家に帰省。

10/31:朝イチに母校行って調査書作成依頼。途中郵便局で受験料を支払い特急で博多に戻る。午後仕事してると調査書ができた連絡を受ける。

11/1~11/3:学校は休み。焦ってもしょうがないので過去問対策する。3日の夜に帰省。

11/4:調査書を回収。昼前に福岡に戻って願書をポスト投函し、何事もなかったかのように仕事に戻る。

受験対策

編入学の問題は「総合問題」とかいうふにゃっとした名前がついているが、要は英語と数学と物理である。 英語はTOEIC対策でいけるだろうと踏んでほぼノータッチ。数学と物理は編入試験で落ちた経験があるので一応基礎レベルは意外と脳に残っていた。 ただ、それでも明らかに日数が足りない。過去問を中心にヤマを張っていくしか無いと決心する。 あと過去のデータ的にもあまり合格率がよいとは言えなそうだったのでダメもとと腹をくくる。

受験当日

府中に宿をとって数年ぶりの上京。府中で降りる人多いなと思ったがのちに東芝の膝下であったと知る。 面接用にスーツで来たら革靴に疲れたのでドンキでカジュアルのシューズを買う。

筆記試験

ヤマが外れて青ざめる。問題の傾向は固まっていないので広く浅く抑えておいたほうがよいと思われる。 わからない問題をわからないなりにこねくり回すのは超得意なので取りあえず解答欄全部埋める。 それでも感触的には5割程度。面接バックレようかという発想が一瞬脳裏をよぎった。

面接

それでも受けるだけは受ける。 学士の学歴が欲しいこと、研究面でも未練があること、現在職があるが入学に伴って転職するつもりであることを話す。

夜間は留年・退学率が高いことからその点を心配されて突っ込まれる。 ある教授からプログラミングの勉強がしたいなら独学すればいいのであって大学来る必要ないのではと突っ込まれる。 これは実際その通りなのでかなり答えに窮したが、将来的な大学院進学への道筋をつけるという切り返しで乗り切った。

格通

合格発表の日は朝からさっぱり仕事が手につかなかった、 電通大のWebページからPDFをチェックし、自分の番号を見つけた時は喜びというよりも安堵の溜息が漏れた。

退職

揉めに揉めた。 かなり前から打診していたにも関わらず、要員不足だのプロジェクトが燃えただのあって退職日当日までバタバタしていた。

入学してから

仕事

特に2014年はRailsご無沙汰だったせいもあって上京してから就職した会社では迷惑しかかけられなかった。 今はある会社に業務委託でお世話になっているが、1日6時間のおかげで体力的にも金銭的にも死なずに済んでいる。

食生活

何を食っても(高い または まずい)ので精神に良くない。 ゲーセンをやめて浮かせた金でデパ地下通いがマイブーム。 帰省するときには必ず博多に寄って食事を楽しむと決めた。

学業

もう少しGPA欲しかったなと思うくらいで上々。 地力で殴りかかるだけでは力不足な科目がなんだかんだそれなりに存在する。 かつて高専のテストでトップ争いをやった時の燃え上がるような感覚に戻れないのはなんだかんだで寂しいものがある(多分一度メンタル壊したのも関係してる)。 あと強いて言えば土曜の一限は睡眠時間が足りなくて死にそうになるので勘弁して欲しい。

単位認定

凄まじく大変だった。 夜間の全科目と高専の全科目を対照させながら対応するカリキュラムを申請する必要があった。シラバス相当読み込んだと思う。 特に、下級生の実験なんぞ今更やってる時間はないので確実に取るようにしておきたい。 「この分野割り当てられる科目がないんですけど…」と教授に泣きついて割り当てる科目を相談することもザラにある。 (この科目絶対対応しないよな)と思ってもガンガンふっかけていくべき。 基礎科学実験は物理や化学の実験がなかったのでだいぶ調整に苦労したが、夜間ということで大目に見てもらって高専の実験科目を当てはめた。 ちなみにK課は高専と同様に必修科目がほとんどで選択科目は消去法に近い形式なので、必修科目を優先したほうが良い。 確か59単位認定で、出したものは全部通った。もう数単位あったら楽だったんだけど。

総評

おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。