つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

HTS指導者のジャウラニに残忍性は見られない

 このブログで何度も書いてきたけど、少なくとも中年以降の男性の顔はその人の人生、特にどう生きてきたか、今後どう生きようとしているのかとの心情が表れると世間では言われているし、小生もそう思っています。少なくとも、だらだらと生きてきた小生にはまったく厳しい面構えはないし、信念も見られないと他人からは思われるでしょうね。でも、清く貧しく普通に(美しくではなく)生きよう、金、贅沢には恬淡としようと思っているので、そういう感じは見受けられると思います。

 日暮の話はともかく、そういう視点でシリアを解放した過激派組織「シャーム解放機構(HTS)」のジャウラニ指導者を人相見してみました。正直言ってこの人の第一印象は悪くない。過激派独特の残酷さ、非情さは見られず、優しい目をしている。元アルカイダ系の組織にいたというが、今は縁を切っているとか。で、ダマスカスを解放後、彼は直ちに刑務所に入っていたアサド時代の政治犯を釈放しました。アサドに代わりHTSだけで強権体制を敷こうという感じは見られません。

 ジャウラニ自身も新政府のトップになることを避け、事前に北西部イドリブ県に設置してあった「シリア救国政府」の指導者バジル氏を暫定首相に据えました。自らの権力奪取というより国民のことを最優先に考えているのか。ジャウラニとバジルは確かに、一党一派に偏らず、国内の融和を優先する政府を目指すと言っています。もし、それが事実だとしたら、実に立派。なんだか、シリアに煌々たる明かりが差し、前途が開けた感じがします。

 それに比べて、バッシャール・アサドというのは実に貧相な顔をしていました。英国で医師免許を取り、そこで妻を娶っているので西洋化した人のように見られますが、父親の後を継いだあとは残忍の限り。西洋文化に接し、民主主義下にいた人間がよくそこまでできるなという感じです。ちょぼひげを付けると、彼ほどヒットラーに似た人物はいません。まあ、北朝鮮のカリアゲ君こと金正恩も、スイスで学校教育を受けながら祖国に戻って残忍な方法で自らの批判派、反対派を粛清していきました。今後の教訓として、独裁国家の独裁者の子弟を西側で学ばせてはなりません。

 人相見の話を続けます。ロシアのプーチンの顔、特に目つきには強い権力志向、残忍性が見られます。彼は以前はそうではなかったようですが、東ドイツでのスパイ生活の後の長い権力の座で徐々にそういう顔になっていってしまったのでしょう。正直、習近平の顔には残忍性は見られません。でも、10年以上最高権力者でいたために、他者への睥睨感があり、その驕りの心が顔に出ています。すべては自分でなんでもできる、中国語で言うところの「我習近平、説了算」と思っているからでしょう。

 権力はその人にとって楽しく愉快なことですから、長く持ち続けたいのかも知れませんが、これは麻薬を吸引し続けるの同じで、やがて身体を損ね、顔つきは確実に悪くなります。日本のマスコミ界、経済界にも100歳近い年齢になっても社内権力を手放さない人がいますが、悲しいかな顔は貧相になっています。人間は一定の年齢になったらやはり枯れるべきでしょう。枯れるということは地位、権力、栄華追求とは無縁になるということです。端から権力などと縁がなかった人間が言うのは説得力に欠けますが…。

HTS指導者のジャウラニ氏。

 上の写真は大阪の道頓堀、通天閣前新世界に入る路地の風景。