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さいとう・たかを『ゴルゴ13 18 白い巨人(ヒガンテ・ブランコ)』(リイド社)(1976/06/25)

 

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====もくじ=====

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第69話 『動作(アクション)・24分の4』(1973/04作品)

ページ数:86ページ

依頼者:1)ニューヨーク市パターソンのギャング ペントナ

ターゲット:ニューヨーク市パターソンにやって来たファミリーのドン

依頼金額:1)不明

殺害場所:1)ニューヨーク市パターソン

     2)ニューヨーク市パターソンKRK工場跡

殺害人数:1)3人

     2)5人

殺害相手:1)ファミリーの暗殺部の3人

     2)ファミリーのドン

      ファミリーの暗殺部のベスト3(マック、ハーバート、リイ)

      ファミリーの暗殺部のボス(トムソン)

H:0人

 

Part1 拷問の部屋

ニューヨーク市パターソン

ペントナというギャングがニューヨーク・ファミリーの組織によって拷問にあっていた。

これまでの収益2000万ドルを素直に出せ、と脅迫しているのだ。

ペントナが吐かない理由が気に入らないボスは、何か手を打っているにちがいない、と言って調べ始める。

Part2 コンピュータで現れた男

ペントナがここ2週間で会った相手は、マイク・ベックナ、ステッガ・ドロン、マリエッタ・スザンヌ、そしてデューク東郷だった。また、コンピュータが照会したパターソンにいるプロの暗殺者はゴルゴ13だった。

ボスはデューク東郷がゴルゴ13であることを思い出した!

Part3 ”暗殺部”乗り出す

ボスは暗殺部のトムソンにゴルゴ13暗殺を依頼する。

Part4 選ばれた3人

ロングアイランド島・セビルで拳銃の訓練するジェフと二人の男。そこにトムソンが入ってきて相手がゴルゴ13であることを告げた。

Part5 3人は同時に!!

トムソンともう一人が乗った車。そこには選ばれた3人も乗っていた。

ゴルゴ13が出てきた時、3人はゴルゴ13の後を尾行し、3人同時にゴルゴ13を射撃した。

ゴルゴ13は拳銃で的確に3人を始末した。

トムソンはそのゴルゴ13を映像におさめることに成功した。

Part6 さらば依頼人

3人の死体を見下ろしながら、ゴルゴ13は、ペントナに依頼された時のことを思い出していた。

そこにペントナの妻であり秘書の女がやって来た。ペントナが殺されたこと、ペントナの組織が解散したこと、ファミリーのドンがグランドホテルの21階に籠城し、暗殺部のアルサー(ボス)を呼び寄せたことを伝え、ゴルゴ13に手を引くよう依頼した。だが、ゴルゴ13は仕事に入った以上、依頼者以外の者の話しを聞く気はない、と言って断った。

ファミリーのドンは防弾ガラスを設置し拳銃でテストをしていた。

Part8 暗殺部ベスト3(スリー)

(※)Part7は飛んでいる

ロングアイランド島・セビル

暗殺部のベスト3を集めたトムソンはゴルゴ13の拳銃の腕前を撮した映像を見せる。

ゴルゴ13は24分の4秒=0.17秒で拳銃を抜き、一人を射殺するのに24分の1つまり0.04秒しかかかっていなかった。

Part9 バリヤーは張られた!!

ニューヨークのファミリーの部下達は、町全体でゴルゴ13を包囲する。

ゴルゴ13が発見され、S・BからS・Dに向かうゴルゴ13。

しかしS・Dでゴルゴ13の姿が消えた。

Part10 狼の道はひとつ

ゴルゴ13はS・Kに向かって移動していた。

ゴルゴ13はS・KからS・Eに移動していた。そしてKRK工場跡に向かっていた。そこからなら700mあるが、グランドホテルに達する高さの建物はそこしかないのだ。

トムソンはKRK工場跡を出てきたところでゴルゴ13を始末する作戦に出る。

Part11 銃声が意味するもの

KRK工場の塔上で多数の銃声が聞こえた。

トムソンは防弾ガラスに動揺したゴルゴ13が乱射していると解釈した。

塔から降りてきたゴルゴ13。

暗殺部のベスト3と対決に入る。

そこへ部下の車が急ブレーキをかけてやって来た。

その一瞬の隙をついて、ゴルゴ13はアタッシュケースを投げつけた。

トムソンは部下を殴りつけた。部下の報告はファミリーのドンが無反動速射RT15連発銃で防弾ガラスを割られて死んだ、というものだった。

暗殺部のベスト3、マック、ハーバート、リイはゴルゴ13によって射殺されていた。

ゴルゴ13の拳銃はトムソンにも狙いを定めていた。

 

[感想]

ゴルゴ13の拳銃を抜いて射殺するまでを撮影したフィルムがある!!

その結果、4/24秒で拳銃を抜いて1/24秒で一人を射殺することが判明した。

ゴルゴ13ファンとしては、彼の射撃スピードを知りたいので、この情報はとても嬉しいのだが、このフィルムを回収するシーンが描かれていないが、後で回収または破却したのだろうか?

 

第70話『ヒート・ウェーブ(灼熱)』(1973/05作品)

87ページ

依頼者:不明

ターゲット:不明

依頼金額:不明

殺害場所:1) インド

殺害人数:1)3人

     2)6人

殺害相手:1)ムガル、ガモウ、そしてもう一人

     2)コリンズとソ連側の要員5人

H:0人

 

Part1 瀕死の大地

インド 1972年5月

インドでは摂氏50度を超える暑さで日射病による死者247人と言われていた。

若い女を助手席に乗せて進むゴルゴ13だった。女性が助けを求める人のために、車を止めるようゴルゴ13に依頼するが、彼は非情にも車を止めない。

Part2 ウオルター・フレミング博士

ゴルゴ13の助手席にいた女性は、ウオルター・フレミング博士の娘アニーだった。

ゴルゴ13はデューク東郷を名乗り、今回の熱波(ヒート・ウェーブ)を取材に来た新聞社の特派員だった。

アニーは非情なゴルゴ13の態度に怒っていたが、ウオルター・フレミング博士はそれが賢明だったことをアニーに説明した。アニーはウオルター・フレミング博士からの電報が学校に届いたのでやってきたのだった。しかしウオルター・フレミング博士はそんな電報など出していなかった。

Part3 男が待つ"物"は?

ゴルゴ13は部屋で荷物の到着を待っていた。

Part4 祖国を売った男達

ウオルター・フレミング博士は車でコリンズという男の所に行った。そしてニセ電報に踊らされて娘のアニーが来たことを伝えた。MI6(英軍事情報部)が娘を囮に使ってウオルター・フレミング博士の居場所をつきとめようとしているのではいか、と疑う。コリンズは、この際、東側に亡命してはどうかとすすめる。

娘が尊敬する父親が反逆者と知ったときのショックを憂慮するウオルター・フレミング博士。そして、MI6が殺し屋を送ったことに気づいたコリンズ。ウオルター・フレミング博士はデューク東郷が殺し屋だと判断した。

Part5 男の正体をつきとめろ!!

ゴルゴ13の正体を探るべくコリンズの部下達が、ホテルのボーイに返送して、ゴルゴ13の部屋に進入した。ゴルゴ13は一人の腕の骨を折ったが、拳銃を向けられ、大人しくしたがった。

Part6 廃墟の惨劇

ゴルゴ13の正体を探ろうとした3人だったが、ムガル、ガモウ、そしてもう一人はゴルゴ13によって殺された。

コリンズとウオルター・フレミング博士はそれを見ていて驚愕した。

Part7 脅える売国奴たち

コリンズとウオルター・フレミング博士はゴルゴ13が新聞記者でないことに気づいた。

そして一刻も早くニューデリーのソビエト大使館に、宇宙生理学の研究成果を持って、駆け込むことにする。だが、ウオルター・フレミング博士は、アニーにどう話すか躊躇していた。

Part8 アニーの急病

ホテルに戻ったウオルター・フレミング博士だったが、部屋に戻ると、アニーが倒れていた。

どうやら彼女は猛暑にやられたようだった。

Part9 同じ屋根の下に・・・

アニーの病気は大したことはなく、一晩で回復しそうだった。

だが同じ屋根の下に、ウオルター・フレミング博士の命を狙う暗殺者のゴルゴ13がいることは確かだった。

Part10 暗殺者は去っていた

朝になるとアニーは回復していた。

そしてゴルゴ13が荷物を受け取り去っていることもボーイから知らされた。

コリンズとウオルター・フレミング博士とアニーも出発することにした。

Part11 照りつける太陽のもと

コリンズとウオルター・フレミング博士とアニーの乗る車は荒野を走っていたが、ラジエーターを撃ち抜かれ動けなくなった。コリンズは無線で救助を要請した。ウオルター・フレミング博士は亡命の話しをアニーにできずにいた。

Part12 陽炎(かげろう)の中に立つ

ウオルター・フレミング博士は、土壇場になって、祖国を裏切れなかった。

しかし、モスクワからの使者の車がやって来た。コリンズは拳銃をウオルター・フレミング博士に向けた。

アニーを強引に車に乗せようとするソ連側の男達に対して、遊牧民の男が正確な射撃をして斃していった。

その男はゴルゴ13に似ていた。

Part13 聖なる牛と去った男

ゴルゴ13を送り込んだ組織はウオルター・フレミング博士が売国奴になれない、と知りぬいており、ウオルター・フレミング博士とアニーを守ることにしたのだった。

 

[感想]

ゴルゴ13の標的がウオルター・フレミング博士なのか?誰がアニーをニセ電報で呼び出したのか?ウオルター・フレミング博士は本当に祖国を売ってしまうのか?

謎が錯綜するミステリー要素満載の佳作だ。

延々と続く灼熱の大地の描写がインドの暑さを見事に描いている。

 

第73話『白い巨人(ヒガンテ・ブランコ)』(1973/07作品)

83ページ

依頼者:FAR(反乱武装集団)本部

ターゲット:C・G社(コーポレイティッド・グリーン・カンパニー)のアルベルト・ゴメス

依頼金額:不明

殺害場所:グアテマラ共和国 中部サカバ州

殺害人数:12人

殺害相手:C・G社(コーポレイティッド・グリーン・カンパニー)のアルベルト・ゴメスと彼の手下

H:1人(ペドロ・ジュリアンの妻)

 

Part1 少年の祈り

グアテマラ共和国 中部サカバ州

少年がモアイのような像に祈りを捧げる。

父親らを虐殺した盗賊達がまたやって来たので、助けてほしい、と祈っていた。

そこに馬に乗ったゴルゴ13が居合わせた。少年はゴルゴ13の容姿が像にそっくりなので、ヒガンテ・ブランコ(白い巨人)がやって来たと信じた。

Part2 ペドロの受難

少年は村に走って帰った。村人はよそ者は皆、C・G社(コーポレイティッド・グリーン・カンパニー)の者だと思って嫌っていた。

ゴルゴ13はペドロ・ジュリアンの家を捜していた。ペドロ・ジュリアンは少年の父親だったが、C・G社のサカバ地区実力者のベルト・ゴメスの手のものによって6日前に殺されたのだった。

妻は、FAR(反乱武装集団)本部がC・G社のゴメスを倒すためにゴルゴ13に依頼したことは知っていたが、夫が死んだ今となっては何もできない、と言うのだった。

Part3 緑の悪魔

C・G社はバナナ栽培を業としており、強引に土地を奪っていた。

アルベルト・ゴメスは捕まえた農民を放すが、1分後に銃殺した。

アルベルト・ゴメスの所に、FAR本部からさし向けられた狙撃者がやって来て、ペドロ・ジュリアンの家にいる、という報告が入った。アルベルト・ゴメスは、できる限りの人数を集めて寝込みを襲うよう、部下に命令した。

Part4 ピッカロは信じている

ペドロ・ジュリアンの妻と息子ピッカロとゴルゴ13は夕食を食べていた。ゴルゴ13は裏手の小屋に白い馬がいることに気づいていたが、その馬が誰の馬か質問した。ピッカロは知らないと言った。

Part5 無言(しじま)を破って

ゴルゴ13の部屋にペドロ・ジュリアンの妻が忍んできた。ゴルゴ13は彼女を抱いた。

Part6 å¾…æ©Ÿ

アルベルト・ゴメスの手下達が待機していた。

”奴が寝込んだ”という合図が来るまで待機していた。

Part7 裏切りの代償

ペドロ・ジュリアンの妻はゴルゴ13が寝静まったことを確認すると、ランプで合図を出した。

アルベルト・ゴメスの手下達がゴルゴ13の寝込みを襲う準備をする。

ペドロ・ジュリアンの妻が合図をしたことに気づいたゴルゴ13は、ペドロ・ジュリアンの妻にM16の銃口を向ける。彼女は夫を裏切り殺してしまったのだ。

そこにピッカロが起きてきた。アルベルト・ゴメスの手下達がまたやって来るからゴルゴ13が彼等を倒すのだと勘違いしたピッカロだった。

ゴルゴ13は部屋の外に出て行った。

ピッカロはゴルゴ13を追う。父親の仇討ちをしたいのだ。ゴルゴ13は針金を捜せ、と依頼する。

Part8 男の行動

アルベルト・ゴメスの手下達は、チコという男を偵察に出す。チコはゴルゴ13が起きていて、ピッカロがゴルゴ13に針金を渡したのを見た。

Part9 決戦

アルベルト・ゴメスの手下達は、チコの情報に基づき、前後からゴルゴ13を挟み撃ちにする作戦を立てた。

ゴルゴ13を襲うアルベルト・ゴメスの手下達だったが、ゴルゴ13の射撃と、針金の罠によって、8人のうちの7人が斃された。

ピッカロの母親もアルベルト・ゴメスの手下によって撃たれた。白馬は、アルベルト・ゴメスが彼女にくれたプレゼントだった。ゴルゴ13はあぶみの高さから使用者が小男か女か子どもか気づいていた。

ピッカロの母親は息を引き取った。

ゴルゴ13は馬に乗って、アルベルト・ゴメスの屋敷に向かった。

Part10 死は白馬と共に・・・

アルベルト・ゴメスの手下達が全滅した、と生き残った一人から報告を受けたゴメス。そこにメキシコシティのボアードから連絡があり、ゴメスを追っている狙撃者がゴルゴ13だと判明した。

白馬を放してその後を追ってきたゴルゴ13が現れ、アルベルト・ゴメスら5人を射殺した。

Part11 朝日が照らすもの

インディオの間に、インディオの危機を救わんがために、創造主は太陽に銘じて、”白い巨人(ヒガンテ・ブランコ)"をこの地に降ろしたまわれた・・・という言い伝えがあった・・・

 

[感想]

5月27日、本邦ジャイロコプターの始祖といわれる坂元義篤氏とその愛機ピッカロ6世に捧げる、という言葉で始まる。さいとう・たかを氏もジャイロコプターを趣味にしていたのだろうか?

南米インディオの悲劇や伝説とゴルゴ13のストーリーを重ねた重層的な物語だ。

 

haruichiban0707-books.hatenadiary.com

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