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ベジタリアンは脳卒中の発生率が高い!考えられる理由とは何?




英国の研究によれば、菜食主義者(ベジタリアン)と魚を食べる人は肉を食べる人よりも虚血性心疾患の発生率が低かったが、ベジタリアンは脳卒中の発生率が高かったそうです。

【参考リンク】

なぜベジタリアンの人は脳卒中のリスクが高いのでしょうか?

日本で行われた複数の研究の結果では、動物性食品の摂取が非常に少ない人は出血性脳卒中や脳卒中の発症率や死亡率が高く、虚血性脳卒中の死亡リスクも高い可能性があることが示されており、動物性食品の摂取に関連するいくつかの要因が脳卒中の予防に効果がある可能性が示唆されている。

【参考リンク】

  • Kinjo Y, Beral V, Akiba S, et al. Possible protective effect of milk, meat and fish for cerebrovascular disease mortality in Japan. J Epidemiol1999;9:268-74. doi:10.2188/jea.9.268 pmid:10510585
  • Sauvaget C, Nagano J, Allen N, Grant EJ, Beral V. Intake of animal products and stroke mortality in the Hiroshima/Nagasaki Life Span Study. Int J Epidemiol2003;32:536-43. doi:10.1093/ije/dyg151 pmid:12913025
  • ↵Takeya Y, Popper JS, Shimizu Y, Kato H, Rhoads GG, Kagan A. Epidemiologic studies of coronary heart disease and stroke in Japanese men living in Japan, Hawaii and California: incidence of stroke in Japan and Hawaii. Stroke1984;15:15-23. doi:10.1161/01.STR.15.1.15 pmid:6695420
  • Sauvaget C, Nagano J, Hayashi M, Yamada M. Animal protein, animal fat, and cholesterol intakes and risk of cerebral infarction mortality in the adult health study. Stroke2004;35:1531-7. doi:10.1161/01.STR.0000130426.52064.09 pmid:15166397

動物性食品をお肉と考えると、お肉と脳卒中については何度か取り上げています。

アルブミンを増やすには?方法・食事・食品|肉を食べてアルブミンを上げたグループは死亡リスクが低い!?によれば、アルブミンとヘモグロビンとは「たんぱく質」から作られる成分のことで、血中で様々な栄養素やホルモン、酸素を運び、身体中の細胞を活性化させるという、重要な働きがあります。

年を重ねてからアルブミンとヘモグロビンが不足すると、身体中に栄養と酸素が行き届かず、細胞が脆くなり、その結果、脳卒中心筋梗塞といった血管の病を引き起こしやすくなるのです。

→ アルブミン・ヘモグロビン不足でPEM(たんぱく質・エネルギー欠乏症)|たけしの家庭の医学 について詳しくはこちら

低栄養の原因はアルブミン不足|ためしてガッテン(NHK)も紹介しましたが、昭和40年以降、日本食+欧米食になったことで、今までの植物性食品や魚に加えて、牛乳・乳製品、肉類、卵類の動物性食品・油脂を摂取するようになったことが寿命が延びている理由と考えられるようです。

こうした食生活の変化によって、血管をしなやかで丈夫に保つために必要な栄養素(質の良い動物性のたんぱく質やコレステロールなど)が摂取でき、血管が弱っておこる脳卒中(脳出血・脳梗塞)が減少し、平均寿命が延びたと考えられます。

つまり、適度に欧米化された食生活により、質の良い動物性たんぱく質やコレステロールを摂取することになったことで、日本人の平均寿命は大きく延びたということです。

動物性食品に対して悪いイメージを持っている人もいるかもしれませんが、動物性食品に含まれる栄養素は血管をしなやかで丈夫に保つための必要な栄養素を含んでいますので、ぜひバランスよく摂取してほしいですね。







プロテインパウダーから鉛やカドミウム検出!




プロテインパウダーから鉛やカドミウム検出、植物性やオーガニック製品は数倍の含有量(2025年1月10日、CNN)で紹介されているNPO「クリーンラベルプロジェクト」の発表によれば、プロテインパウダーには許容量を超える鉛やカドミウムが含まれていることが分かったそうです。

ただ、サプリメント製造業者でつくる業界団体は、今回の報告では汚染判定にどのような基準が使用されたのか、製品がどのように選定されたのをめぐる透明性が不十分だと反論しています。

【参考リンク】

【補足】

米環境保護庁(EPA)によれば、鉛は人体に有害とされています。

労働省労働安全衛生局によれば、カドミウムには発がん性があり、心臓、腎臓、腸、脳、呼吸器、生殖器に対して毒性をもっています。

■まとめ

日本国内の河川や水道水からも「PFAS」が検出!では、発がん性リスクの高い「PFAS」が国内各地の河川や水道水から検出されていることを紹介しましたが、自分たちが今飲んでいる水や食べ物から発がん性の高いものが含まれていると聞くと怖いですね。

【関連記事】

ATSDRを見ると、PFAS の健康への影響として、コレステロール値の上昇、肝臓酵素の変化、出生体重の減少、子どものワクチン接種の効果減、妊娠高血圧症候群リスクの上昇、腎臓がん・睾丸がんのリスク上昇につながる可能性が挙げられています。

専門家によれば、すぐに健康被害が出る可能性は低いそうですが、長期的に見ると、病気になりやすくなるリスクが高くなると考えられます。

安全な飲み水・食べ物の価値がますます高まりそうですね。







眼瞼黄色腫は、虚血性心疾患や心筋梗塞、動脈硬化のサインの可能性!




コペンハーゲン大学病院のMette Christoffersenさんの研究によれば、眼瞼黄色腫は、虚血性心疾患や心筋梗塞あるいは死亡の予測因子となりうることが報告されています。

【参考リンク】

眼瞼黄色腫(がんけんおうしょくしゅ)とは、上まぶたの目頭側にできる黄色味がかった平らな盛り上がりの病気で、徐々に大きくなり見た目が気になるものの、痛みなどはないため、これ自体にはそこまで気にする必要がないものですが、ただ今回の研究によれば、この眼瞼黄色腫が動脈硬化のサインと考えられるそうです。

それはなぜ?

眼瞼黄色腫は虚血性心疾患、心筋梗塞、死亡の予測因子(2020年11月15日、日経メディカル)

眼瞼黄色腫はまぶたのコレステロール沈着で、アテロームのようにコレステロールを吸収し泡沫細胞となっているマクロファージからできている。眼瞼黄色腫がある人の50%は血中脂質濃度が正常であることから、血しょう中のコレステロール濃度とは独立してアテローム性動脈硬化症の重要な皮膚マーカーとなることが示唆されている。

目頭に黄色いしこりのようなものがあること=動脈硬化が進んでいるサインの一つであるとすれば、動脈硬化が進むと心筋梗塞脳卒中になるリスクが高まるわけですから、体に負担をかけることなく体の外側から見て見た目で病気を判断できる可能性があるということですね。

■虚血性心疾患のリスクを下げるには?

食事からのマグネシウム摂取量が多いグループは虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)の発症リスクが低い|#国立がん研究センター

食事からのマグネシウム摂取量と循環器疾患発症との関係(男性・女性)
食事からのマグネシウム摂取量と循環器疾患発症との関係(男性・女性)

参考画像:食事からのマグネシウム摂取量と虚血性心疾患発症との関連-多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果-(2017/9/8、国立がん研究センター)|スクリーンショット

国立がん研究センターと国立循環器病研究センターの共同研究によれば、食事からのマグネシウム摂取量と循環器疾患(脳卒中及び虚血性心疾患)との関連を検討したところ、マグネシウム摂取量が多いグループは虚血性心疾患の発症リスクが低いことがわかったそうです。

→ マグネシウムの多い食品 はこちら

●魚、果物、大豆による循環器疾患の発症リスク

多目的コホート研究の先行研究では、魚、果物、大豆による循環器疾患の発症リスクの低下が報告されています。

魚・n-3脂肪酸摂取と虚血性心疾患発症との関連について|多目的コホート研究

魚を多く食べるグループで虚血性心疾患のリスクが低下

n-3系多価不脂肪酸摂取量が多いグループで虚血性心疾患のリスクが低下

多目的コホート研究によれば、魚やオメガ3脂肪酸の摂取量が多いと、虚血性心疾患に予防的な効果があるということが示されています。

【関連記事】

野菜・果物と全がん・循環器疾患罹患との関連について|多目的コホート研究

果物で循環器疾患のリスク減

果物の摂取量が最も多いグループでは、最も少ないグループより循環器疾患リスクが19%低いという結果が出ましたが、野菜と循環器疾患リスクとの関連はみられなかったようです。

イソフラボンと脳梗塞・心筋梗塞発症との関連について

大豆をよく食べる女性グループで脳梗塞・心筋梗塞のリスクが低下

大豆を週に5日以上摂取するグループで、週に0-2日摂取するグループに比べて、脳梗塞のリスクが0.64倍、心筋梗塞のリスクが0.55倍、循環器疾患による死亡リスクが0.31倍と低いことがわかっています。

なぜ喫煙によって虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)リスクが上がってしまうのか?

喫煙は、糖尿病高血圧脂質異常症と並び、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)の4大危険因子の1つなのだそうです。

なぜ喫煙によって虚血性心疾患リスクが上がってしまうのでしょうか。

喫煙によって、直接血管の壁が傷害され動脈硬化が促進されます。

それだけでなく、喫煙は、血清脂質に悪影響を及ぼし、善玉のHDLコレステロールを減少させ、悪玉のLDLコレステロールを増加させたり、ニコチンを介して血圧上昇させたりすることによって動脈硬化促進を助長させます。

また、フィブリノーゲンなどの凝固因子を増加させ、血小板の粘着及び凝集を高め血栓が形成されやすい(血が固まりやすい)状態となり、血管も収縮しやすくなるので、心筋梗塞の引き金となります。

血管がぼろぼろになる、血液がどろどろになるというのは、決して食事や運動などだけの問題ではないのです。

喫煙が健康への影響について記事の中から簡単にまとめてみました。

喫煙により虚血性心疾患のリスクは約3倍になるそうです。

また、1日の喫煙本数が多いほど心筋梗塞のリスクが増加することがわかったそうです。

逆に、禁煙すると、2年以内で虚血性心疾患の発症リスクが低下したそうです。

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■まとめ

他にもいろいろな病気のサインがあります。

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もちろん本格的に調べるためには血液検査などによる検査ではないとわかりませんが、どうしても血液検査には針を刺して採血することによる苦痛や何度も血糖値を測定しなければならないわずらわしさ、精神的ストレスなどが伴い、病気の治療に消極的になりがちです。

こうした研究が進むことで、非侵襲(生体を傷つけず、身体に負担を与えないこと)的なアイデアで、いろんなサインを総合的に見ることができれば、予防医学としてより積極的に取り組む人も増えていくのではないでしょうか?







山﨑努さん、ステージⅣの食道がんを告白!一時期は胃ろうでしか食事が摂れない状況に




〈生存率15%から生還〉山﨑努が「食道がんステージ4」体験を初めて明かした《87歳で抗がん剤治療に踏み切れた理由》(2025年1月9日、文春オンライン)によれば、山﨑努さんが食道がんであることを明かしました。

【食道がんを見つけたきっかけ』

胆のう炎による痛みに激痛が走る
→食べ物が飲み込みにくいという自覚症状があり、そのことを医師が検査をすすめる
→2024年2月に病院での精密検査の結果、ステージⅣの食道がんが見つかる
→一時期は胃ろうでしか食事が摂れない状況
→今では何でも食べられるように

■有名人と食道がん

■食道がんを予防する方法

●禁酒・禁煙・緑黄色野菜の摂取

食道がんの再発リスクを禁酒で抑制できる|食道がんの予防には禁酒・禁煙・緑黄色野菜の摂取|京都大学によれば、京都大の武藤学教授らの研究チームが行なった330人の早期食道がん患者の追跡調査によれば、禁酒をすることによって食道がんの再発の割合は半分に抑制されることが分かったそうです。

飲酒で顔赤くなるアジア人、食道がんのリスク高い=研究では日米の研究チームによれば、飲酒で顔が赤くなるアジア系の人々は、食道がんにかかるリスクが高いという研究結果が発表されているということを紹介しましたが、実際に飲酒と食道がんにはどれほどの関連性があるのでしょうか?

飲酒と食道がんの発生率との関係について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

飲酒については、飲まないグループに比べ、1日当たり日本酒にして1合以上から食道がんのリスクが上がり、1合から2合のグループで2.6倍、2合以上のグループで4.6倍高くなっていました。

国立がん研究センターによれば、お酒の飲む量が多くなればなるほど食道がんのリスクが高くなるということが分かっています。

お酒に弱いのに飲酒・喫煙をすると食道がんリスク190倍になる!?で紹介した東京大学の中村祐輔教授と松田浩一助教の研究によれば、顔がすぐに赤くなるお酒に弱い体質の人が飲酒・喫煙をすると、食道がんになるリスクが190倍になる可能性があるそうです。

「お酒を飲むと顔が赤くなる」という体質の人が飲酒・喫煙すると食道がんのリスクが高くなる理由としては、東京大学の中村祐輔教授と松田浩一助教の研究で分かったことを参考にすると、次のような仮説が考えられます。

  • アセトアルデヒドをアルコールから作る酵素と、アセトアルデヒドを分解する酵素の2つが、食道がんのリスクに関連している。
  • 発がん性が指摘されているアセトアルデヒドは、お酒だけでなく、タバコの煙に含まれている。

つまり、お酒に弱い人(2つの酵素を作る働きが弱い人)が、飲酒・喫煙をすると、アセトアルデヒドが増えることで、食道がんになるリスクが高くなるという仮説が考えられます。

食道がんを予防するためには、禁酒・禁煙が望ましいと考えられるのですが、今回の京都大学の研究ではもう一つ重要なことがわかっています。

食道と頭頸部での扁平上皮がん発生増加原因を検証―食生活と前がん病変、がん発生との関連性―

(2016/8/25、京都大学)

武藤学 医学研究科教授らの研究グループは、食道扁平上皮がんの発生する予兆(前がん病変)とされる異型上皮の発生程度には、飲酒、喫煙、緑黄色野菜の摂取という三点が関連していることを明らかにしました。

京都大学の武藤学 医学研究科教授らの研究によれば、飲酒、喫煙をして、緑黄色野菜を食べないと、食道扁平上皮がんの発生する予兆(前がん病変)とされる異型上皮の発生リスクが上昇することが分かったそうです。

つまり、食道がんの予防には禁酒・禁煙、緑黄色野菜を食べることが効果的であることが分かったということです。

野菜・果物摂取と扁平上皮細胞由来食道がんとの関連について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

野菜・果物の高摂取グループでは、低摂取グループに比べ食道がんのリスクがほぼ半減していました。野菜・果物の合計摂取量が1日当たり100グラム増加すると、食道がんのリスクが約10%低下していました。

この研究でのポイントは、くだものを多く摂取するグループや野菜を多く摂取するグループよりも、野菜・果物の両方の摂取量が多いと、食道がんのリスクが低下しており、野菜・果物の合計摂取量が1日当たり100グラム増加すると、食道がんのリスクが約10%低下しているということです。

野菜・果物の種類別には、キャベツ・大根・小松菜などが含まれる十字花科の野菜でのみ統計学的に有意な関連がみられました。十字花科の野菜は、実験研究などで発がんを抑制するとされるイソチオシアネートを多く含んでいるという特徴があります。

また、野菜・果物の種類別では、キャベツや大根などのアブラナ科の野菜の摂取がよいそうで、食道がん、野菜と果物で危険半減|アブラナ科のイソチオシアネートで食道がんのリスクが低下|厚労省研究班によれば、アブラナ科の野菜は、がんを抑制するとされる成分『イソチオシアネート』を多く含むため、効果があるのではないかと考えられるそうです。

■アブラナ科の野菜とは?

アブラナ科の野菜には青汁で有名なケール、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、カリフラワー、クレソン、大根、白菜、小松菜、水菜、チンゲン菜、菜の花などが含まれます。

→ ケールの効果・効能 について詳しくはこちら

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●葉酸

大腸がん予防には葉酸の多い海苔が効果的|みんなの家庭の医学によれば、葉酸を摂取することですい臓がんと食道がんになるリスクが低下するそうです。

ただ、ビタミンB12、ビタミンB6、葉酸およびメチオニンの食事摂取と食道がんのリスクとの関連について|多目的コホート研究によれば、ビタミンB6と葉酸は、食道がんの罹患リスクと関連はみられなかったそうです。

●ビタミンB12の食事摂取が多い人ほど、食道がんの罹患リスクが高い傾向が見られた

ビタミンB12、ビタミンB6、葉酸およびメチオニンの食事摂取と食道がんのリスクとの関連について|多目的コホート研究によれば、ビタミンB12の食事摂取が多い人ほど、食道がんの罹患リスクが高い傾向が見られたそうです。

ビタミンB12は主に肉や魚から摂取していることから、それらの食品との関連があるように思われましたが、実際には、魚介類や肉と食道がんとの明らかな関連はみられないそうです。

ただ、細胞実験によれば、ビタミンB12による、DNAメチル化の異常が食道扁平上皮がんに関与する可能性があることが指摘されており、ビタミンB12を多く摂取することでDNAの合成やメチル化に影響を及ぼし、発がんにつながった可能性が考えられるそうです。

■まとめ

以前食道がんになったことがある方は食道がんの再発リスクを下げるためにも禁酒が重要です。

また、食道がんの予防には禁酒・禁煙、緑黄色野菜を食べることが効果的だと考えられますので、食道がんを予防したい人は、全部を改善するのは難しいことかもしれませんが、できる限り生活習慣を改善しましょう。







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骨密度低下のサインは実は肌のたるみや頬のコケなど顔に現れる!




老け顔は肌のたるみやコケのように、筋肉や肌の衰えが原因と思っていましたが、ある研究によれば、顔の骨密度が影響していたんです!

【参考リンク】

  • Shaw RB Jr, Katzel EB, Koltz PF, Kahn DM, Puzas EJ, Langstein HN. Facial bone density: effects of aging and impact on facial rejuvenation. Aesthet Surg J. 2012 Nov;32(8):937-42. doi: 10.1177/1090820X12462865. Epub 2012 Sep 24. PMID: 23012659.

    Facial bone aging has recently been described as primarily resulting from volume loss and morphologic changes to the orbit, midface, and mandible.

骨密度は年を重ねるにつれて減少していきますが、骨密度の低下は見た目にはわからないものです。

しかし、この研究を参考にすると、「顔面の骨(頭蓋骨)の老化は、最近、主に眼窩、中顔面、下顎の体積減少と形態変化に起因する」とあることから、骨の体積の減少によって、肌のたるみや頬のコケが現れて老けて見えるということであり、反対に考えると、老け顔に変わった=骨密度低下のサインと考えられるのです。

また、他にも目に見える場所で骨密度低下のサインを知ることができるのではないかという研究がありました。

Not Just Skin and Bones: Wrinkles Could Predict Women’s Bone Fracture Risk(2011年6月6日、イェール大学)によれば、シワは老化の兆候ですが、このシワから骨密度を推測し、骨折リスクを予測できる可能性があるそうです。

この研究によれば、皮膚のしわが深くなることは骨密度の低下と関係していること、皮膚の硬さを示す硬度計の数値が高いほど骨密度も高くなることが分かったことから、皮膚の質を見ることで閉経初期の女性の骨密度を推測できる可能性があるそうです。

【参考リンク】

■まとめ

この2つの研究に共通するポイントはNot Just Skin and Bones: Wrinkles Could Predict Women’s Bone Fracture Risk(2011年6月6日、イェール大学)の記事にあります。

「皮膚と骨はタンパク質という共通の構成要素を共有しており、老化は皮膚の変化と骨の量と質の劣化を伴う」

皮膚に現れた老化のサインは骨の老化のサインであり、また骨が老化すると見た目の老化に影響するということです。

つまり、本当に肌を若く保ちたいと思う方は骨密度を意識することが大事というわけなんですね。

骨粗鬆症を予防するには大きく3つのポイントを抑える必要があります。

1)栄養 2)運動 3)糖尿病にならない

1)栄養

骨を健康に保つ6つの栄養素はこちらです。

1)カルシウム

2)タンパク質

3)ビタミンD

4)ビタミンK

5)マグネシウム

6)亜鉛

一番有名なのはカルシウム不足です。

血中のカルシウム濃度は一定ですので、カルシウムが不足し始めると、骨のカルシウムから補填をするようになります。

つまり、血中のカルシウムが不足すればするほど、骨のカルシウムも減っていくことで、骨がもろくなり、骨粗しょう症につながっていきます。

しかし、骨粗しょう症の原因はカルシウム不足だけではありません。

他の栄養素も大事なんです。

6つの栄養素の中で現代女性に足りないといわれるのが、カルシウム、マグネシウム、亜鉛の3つの栄養素。

また、日光にあたることもなく運動もあまりしない生活を続けていると、骨の形成に大切なビタミンDが活性化されず骨粗鬆症になってしまいます。

2)運動

骨は、新しく強い骨を維持することで疲労骨折などを防ぐために、常に作り替えられていて、大人では3~5年で全身の骨が入れ替わっているそうです。

骨の中には、骨を作る「骨芽細胞(こつがさいぼう)」と骨を壊す「破骨細胞(はこつさいぼう)」があり、この2つの細胞が骨の作り替えを行なっているそうです。

作り替えのペースを指示するのが「骨細胞」であり、「骨細胞」が骨を作る・骨を壊すという「メッセージ物質」によって作り替えの指示を行なっているのですが、作り替えのバランスが崩れると骨粗鬆症を起こしてしまいます。

骨細胞には骨にかかる衝撃を感知するという働きを持っており、その衝撃があるかないかによって、骨を作るペースを決めているそうです。

骨に衝撃がかからない生活をすると、骨を作らないでよいと考えてしまい、骨細胞が「スクレロスチン」を大発生させることによって、骨芽細胞の数を減らし、骨を作ることを休んでしまい、骨量が減ってしまうのです。

運動の中でもポイントになるのが「衝撃」です。

スクレロスチンの値を下げて骨量を増やし骨粗鬆症を予防する方法(ランニング・水中ウォーキング・ヨガ・ストレッチ)のコツと注意点|#NHKスペシャル #人体で紹介したNHKスペシャル「人体」で紹介された米ミズーリ大学のヒントン博士の研究によれば、週に6時間以上ランニングまたは自転車に乗っている男性の骨量を調べたところ、骨粗鬆症予備軍とされる人の割合が自転車に乗っている人が63%だったのに対して、ランニングしている人は19%だったそうです。

ポイントは、「自転車では骨への衝撃が伝わらないから」という点。

ヒントン博士の研究によれば、週3回30分の「ジャンプ運動」を骨粗鬆症予備軍の男性にしてもらったところ、スクレロスチンの値が下がり、骨量が増えたそうです。

高齢者は「水中ウォーキング」や「ヨガ」「ストレッチ」もおすすめなのだそうです。

3)糖尿病にならない

糖尿病患者は糖尿病でない人と比べると骨密度が10年程度早く低下する傾向がある|奥羽大によれば、糖尿病患者は糖尿病でない人と比べると骨密度が10年程度早く低下する傾向があることがわかったそうです。

糖尿病でない人と比べ、一型糖尿病患者さんは6~7倍、2型糖尿病患者さんは1.5~2倍、骨折リスクが高いことが報告されています。

糖尿病はインスリンの作用不足によって起こりますが、インスリンが作用しないと骨を作り出す細胞を減らしてしまうことなどから、糖尿病になると骨粗鬆症のリスクが高まります。

また、糖尿病腎症になると、カルシウムの吸収を助けるビタミンDの働きが低下して、骨量が減りやすくなるそうです。

ちなみに、ビタミンDとカルシウム摂取で糖尿病の発症のリスクを「低減させ得る」|厚労省研究班によれば、ビタミンDとカルシウムを摂取することで、糖尿病を予防する可能性があるそうです。

先ほど紹介した栄養の話とつながってきたと思いませんか?

骨密度を高める栄養素であるビタミンDとカルシウムは実は糖尿病を予防する栄養素としても大事である可能性があるということなんです。

最後にまとめると、1)骨密度を高める栄養をとり、2)骨に刺激がある衝撃のある運動をして、3)糖尿病にならないように生活習慣を改善することが骨粗しょう症予防につながり、きれいな状態を保つことにもつながるというわけなんです。

もう一つ大事なポイントとして、骨粗鬆症によれば、閉経後の女性の場合、女性ホルモン(エストロゲンは骨の形成に関わる細胞の働きを促進し、骨吸収を抑制する働きがある)の分泌が低下して骨量が急激に減ってしまいます。

若いうちから骨密度を高めることを意識することが将来の骨折リスクを下げることにもつながりますので、ぜひやっていきましょう!

→ 骨粗鬆症を予防する方法 について詳しくはこちら







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