はゐからゲーム日誌

やりこまないゲーマーのゆるいレビュー

展開考察しながら読む『彼方のアストラ』

今回は漫画の話題。

 

『彼方のアストラ』(篠原健太さん)の展開を考察予測しながら読みました。

2巻を読んだ時点から、1冊ずつ読み解きながら、次の展開を考察して読んだことで、

漫画の面白さがもっと増すことがわかったので、今後も何かいい題材があったらやってみたい遊びではあります。

Xでリアルタイムでやっているので文章としては大分雑なのですが、

一人の人間が初見の漫画作品を読んだ時に何を考えていたのか、物語の結末を知るまでの過程を言語化すると面白いかもしれないと思った。

提唱した説の後ろについてるカッコ内に当たり〇、ハズレ×、当たらずも遠からず△、真偽不明?を記録しています。

 

当然各巻のネタバレが段階的にありますので、

各巻を読み終わってから順々に読むことを推奨します。

 

私の胡乱な考察と共に本作を楽しんでいただける読者が出てきてくれたら幸いです。

 

以下、その記録。(Xのポストより転記と補足)

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『彼方のアストラ』
素人はゐからの絶対に当たらない考察
(2巻読了時点)

 

◆前置き
マンガ素人の私が考えた今後の展開の妄想メモ。今後の展開を予測しつつ「当たった、外れた」に一喜一憂しながら読み進めるともっと本作が楽しめるんじゃないかと思い立った。アホの考察なので飛躍しすぎているのも悪しからず…。

 

◆大前提として、この旅は仕組まれたものである
突飛に集められたメンバーにしては各々の特技があまりに天才的。特にキトリーの10歳の妹、フニが割り当てられているのはどう見ても怪しさ全開である。これは別の話になるが、キトリーとフニは腹違いの姉妹ではないかと思ってる。あんなに似せて描くのは作為があると思う。なんにせよ、大きな可能性の芽を摘む為に抹殺対象になったメンバーが集められたと推測する。

 

◆なぜ“宇宙漂流ものジャンル”で“ジャンプ流のスポ根”が出来ているのか

漂流ものの根っこにあるテーマ性を紐解いていくと、極限状態に於いて「人間の本性」が見える瞬間をどうしても描く必要が出てくると思う。『蝿の王』『無限のリヴァイアス』しかり。そんなテーマ性に反して、主人公カナタが脳筋すぎるのが僕は怪しいと思っている。
カナタは出発前の宙港で記憶に“何らかの措置”が施されてアホになっていると予測する。警備ロボットが不審者として反応したのは、この漂流の真犯人は実はカナタだからじゃないか?
過去、遭難事件で下山を試みた生徒はおそらくカナタだと思うんだけど、それを都合よく忘れさせられていると推測する。本来の自分の役割(キャンプ参加者の抹殺)の記憶を消されたことにより、事件時に培われたサバイバル能力と正義感だけが記憶操作によって呼び起こされていると推測する。

この記憶を呼び起こすトリガーになるのはフニが所持しているおもちゃのビーゴなんじゃないかと思う。2巻の巻末の4コマに「ビーゴは考えていることを言葉にして出す」機能があることが語られているので、嘘発見器としての機能があると思われる。これはカナタの深層に眠ってる記憶にアクセスする鍵として機能しそう。

◆真犯人カナタの共犯者が居る
カナタを真犯人と仮定すると、この状況に陥ることを知っていた者がもう1人いないと成り立たない。アストラ号の通信機を壊した者である。この枠はフニかシャルスあたりが怪しい。フニはこのメンバーで1番疑われにくく、彼女自体もなんらかの天才児であることは明白。通信機を壊せるかと言われるとあんま自信ない。
次に怪しいのはシャルス。これは根拠なしの一点読み。今の所、生物の知識に秀でているバックグラウンドが語られていないのでなんとも言えない。けど怪しい!

 

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『彼方のアストラ』
素人はゐからの絶対に当たらない考察
(3巻読了時点の暫定答え合わせと新規考察)

 

3巻冒頭で登場人物として親が追加された時点で色々崩れたり、新しい可能性が追加された。一筋縄ではいかねえ〜〜〜。
今の所、はゐからが1番好きなキャラは、ミスター安心感、アストラ号の母、読者好感度ナンバーワンの男(当社調べ)ザックです。
以下、トンデモ考察。

 

◆この旅は仕組まれている(暫定◯)

3巻巻末にて出て来たもう一つの“アストラ号”。今辿っている航行経路自体もあらかじめ“決まっていた”シナリオをなぞっている可能性もある。そもそももう一つのアストラ号は違う時間軸の、未来、もしくは過去のアストラ号か何かじゃないかと思ってる。ここからはタイムパラドックスとか相対性理論とかよくわかんないけど、そういう奴が絡んでくるとおれはみた。パラレルワールドとか時間系のギミックはある。この旅はきっとループしてると思う!(雑)

 

◆キトリーとフニ、腹違いの姉妹説(△)
正しくは、母親が同じ。父親違いの姉妹かと思われます。3巻冒頭にある通り、ザック父とキトリー母が関係を持っていることは明らか。「キトリーとザックが結婚することはない」とも言われていることから、ザックとキトリーはそもそも血縁関係者とも思えてくる。たぶん、キトリーはそのことを知らずザックだけはそのことを知っているんじゃないかと推測。(キトリーの裸に全く興味を示さなかったことから)養子で育ったメンバーが不自然に多かったり、今後集められたメンバーの血縁関係や共通点は鍵になってくる要素ですね。遺伝子操作の話も出てきているので、アストラクルーの出自はなんらかの能力を強化された未来人、もしくは試験管ベイビーだと推測します。

 

◆カナタ記憶操作された真犯人説(?)
この説だけはまだ推せる。これは最後まで自信を持って俺は押し通します。

 

◆ビーゴ嘘発見器説(?)
そろそろくるんじゃないかと思う。順々にビーゴを腕にはめて本音を言わされる尋問シーンが。

 

◆記憶がテーマになってくる(暫定◯)
来ましたね。シャルスの過去を暴いたのはやはり、アリエスの完全記憶能力でした。時間やタイムパラドックスなどの要素も入ってくることが予想されるので、この先もタイムループなどのギミックに矛盾に真っ先に気づくのはアリエスだと思う。

 

◆カナタに共犯者居る説(?)
これはモチーフからのメタ読みですが、シャルスが共犯者だと確信しました。根拠としては、このキャラがシャア・アズナブルをモチーフとしていることが明白であるからです。王家の生まれであり、家を追われており、過去の想い人がセイラ(ガンダムでは妹ですが…。)などなど、ここから裏切りを実行する要素がこれでもかと盛られております。
疑いをかけられた際に、出自を語ることでアストラクルーの溜飲は下げたものの、まだ彼の“具”が出てきていないと私は思っている。今後は共犯者はシャルス一本でいかせてください。

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『彼方のアストラ』
素人はゐからの絶対に当たらない考察
(4巻読了時点の暫定答え合わせと新規考察)

 

3巻時点の考察が気持ち良いくらいに見事にハズレた!雑に考察したところが当たらずも遠からずだったのも手前味噌だけど味わい深い。以下、結果発表と5巻に向けて更に胡乱さを増していく考察。

 

◆この旅は仕組まれている(暫定◯)
紆余曲折あって細かいとこは外れたけど、もうそろそろ◯でいいだろうと思う。
キャンプ地でのワープを仕組んだのはオリジナルの親たちだったのは全く考えてなかった!
と、なると、ワープ先に打ち捨てられていたアストラ号は偶然とは考えにくく、この殺処分計画に抗う勢力が用意したものと考えられる。唯一子供を愛していたアリエスの親か、若しくはポリ姉さんの時代のアストラ号クルーあたりが妥当な線かなと。

 

◆そもそも2つのアストラ号ってどこから来たの?(?)
ポリ姉の乗っていたアストラ号は「2063年に何も起きてないの?」の言より、おそらく、過去に時間遡行していると推測。2063年に何も起きてない世界線と何かが起こる世界線が分岐していて、アストラ世界線と地球世界線。それを跨いでしまったのがポリ姉さんたちの宇宙船?「一般人には知らされていない」というのも気にかかる。これら全てを知った上で計画の裏で糸を引いているのがアリエスの親かもしれない。

 

◆ループものである可能性(?)
なくもないけど、あんまりあって欲しくはない。もっと面白い真実がこの先明かされると期待できる。

 

◆キトリーとフニ、父親違いの姉妹説(×)
クローンであることが明かされて否定された。ついでに言うと、キトリーに対するザックの態度にも随分思考を乱された…。ちゃんと恋愛感情あるじゃねえか!

 

◆試験管ベイビー説(◯)
雑に書いたことが当たってしまった。記憶の乗り換えまでは読めなかった。クゥ〜〜〜〜〜。

※正確には代理母が出産したクローン人間でした。

 

◆カナタ真犯人説(?)
まだわからんけど、だいぶ苦しくなってきた。まだわからんぞ?

◆ビーゴ嘘発見器説(?)
記憶に関してなんらかのキーアイテムになりそうではあるんだけど、もうだいぶ苦しい。無限のリヴァイアスだったら真っ先に尋問アイテムになってた。でもこれは健全なジャンプ漫画だ。

◆記憶がテーマになってくる(◯)
これはよく出来たと思う。親たちの目的が記憶の継承だと分かった時は膝を打って納得した。はなまるあげたい。
多分ここからアリエスのターンになってくるんだと思う。唯一親から愛を受けたクローン体である彼女のオリジナルの正体は…?未来人、もしくは地球世界線のこの事態を知り得た人物ではないかと予想。

 

◆シャルス裏切りもの説
カナタ真犯人説と同様に苦しい…。でもシャアだからな。まだわからん。

もうここまできたら楽しむだけだ。
あとで答え合わせをします。

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『彼方のアストラ』
素人はゐからの絶対に当たらない考察
(5巻読了の最後の答え合わせ)

 

◆この旅はアストラまでの経路まで含めて、誰かに仕組まれている(△)

仕組まれているのはワームホールによるオリジナルたちによるクローンの抹殺計画まででした。ワープ先に置いてあったアストラ号(アーク12号)は本当にたまたま放置されていたモノだった。ここに関しては深読みしすぎました。

 

◆ポリ姉は未来人で、アストラ号を使って時間遡行をしている。なんらかの原因で分岐した地球世界線とアストラ世界線を跨いでしまった説(△)

我ながらいいところまで行って外した予想で、読み終わった今かなりじわじわ来てる。正解は時間遡行ではなく、帳尻を合わせるように西暦を100年戻した。分岐したのは世界線ではなく、嘘の歴史と真の歴史が分岐した。でした。読んでる途中は大いに混乱し、読み終わった後にしっくりくる面白いギミックでした。

 

◆本作がループモノである可能性(×)

上記の世界線分岐説にくらべて赤点レベルの大間違いでした。反省します。

 

◆カナタ真犯人説(×)

それなりに自信があったんだけど、ダメでした!全くの的外れ!読み進めれば読み進めるほど自信を失っていった。今、2巻時点の考察を改めて読んでみると失笑レベルのダメ考察なのが非常に味わい深い。

 

◆ビーゴ嘘発見器説(×)

こちらは上に比べてもっと自信を持って書いた説だったんだけど、そんな機能は無く、普通にオモチャだった…。

◆アリエスのオリジナルは未来人、若しくは地球世界線のことをよく知る人物(×)

正解は未来人ではなく、旧文明(地球文明)の王女 セイラのクローンでした。アナグラムのネーミングトリックは本当にやられた。西尾維新かよ!世界線分岐説から全てちょっとずつ予測が外れて、いつのまにか考察がとんでもない方向に道を外してしまっていたのが味わい深い…。

◆シャルス裏切り者説(◯)

うわぁーーーーーーーー!!!!!!
根拠はマジでくだらない元ネタからのメタの一点読みでしかなかったけど、まさか本当に当たるとは思わなかった。発覚するページを読んでた時に思わず鼻水が吹き出した。今回の考察の唯一褒められた点。ちなみに、5巻読む前に気づいたんですが、表紙絵で彼だけ表情が描かれていなかったのもなかなかニクい演出でした。



◆総評
真面目にやった考察は的外れになり、絶対に当たらないと思ってテキトーに言ってたことが逆に当たる、本当に奇跡的にバカな考察になった。物語の先をしっかり言語化しながら読み進めることでかなり面白さが増したので、今後もちょうどいい作品があればやっていきたい遊びではある。

作品の感想としては、大傑作のSF漫画だったと思う。登場人物たちの言動や設定の細部に渡るまで、結末をしっかり逆算して作られている。しっかりと物語が理解しやすいように描かれているため、「あれってなんだっけ…?」と、ページを遡る必要がほとんどなく読み進められた。篠原健太さんはマジで漫画の天才だと思います。
この漫画を読んでいる間は、宇宙の広大さに絶望し、星の美しさに酔いしれ、仲間たちとの時間に笑い…絶えず新鮮な驚きと感動が提供される幸せな時間がずっと続いていました。ロマンのある最高のSF漫画です。
対戦、ありがとうございました。

 

【クリアレビュー】亜電(ネタバレ無し)

こんにちは、はゐからです。

あけましておめでとうございます。

2024年にやり残したゲームを1月は頑張っていく所存です。

 

2025年最初のレビュータイトルは鷹館氏が製作の『亜電』です。

メインのジャンルはベルトスクロールアクションゲーム。

インディーゲームのジャンルとしては根強い人気のあるベルトスクロールなのですが、

国産は珍しい部類に入るんじゃないかと思ってます。

鷹館氏は以前にも『夢核(YumeCore)』というベルトスクロールを製作しており、今作はそれをアーキタイプに、さらに発展させた遊びや物語の展開を提供している。

幼少期より、ファイナルファイト、くにおくんシリーズ、ニンジャタートルズ等々、ファミコン、スーファミ世代にはおなじみのベルトスクロールを遊んできた世代としてはこういった作品がリリースされることが本当にうれしく思います。

 

 

 

◆あらすじ

空の裂け目から落ちてきたとあかは、ステージでダンスパフォーマンスを行っていたこばこと衝突する。こばこは突拍子もない出来事ににうろたえるが、ステージが台無しになってしまうことを危惧し、 とあか にダンスのやり方を教えてその場で共演をするように持ち掛ける。

ほうぼうの体でステージを完遂した彼女たちの前に突如として現れる怪物、「暴」。

「人」を「死」に至らしめる暴を前に、とあかはダンスで戦いを挑んでゆく…。

 

抽象的な線で描画される本作の敵キャラ「暴」

 

 

◆ベルトスクロール×弾幕避け×リズムゲーム

基本のアクションはシンプルなベルトスクロールアクションになります。使うボタンが方向キーと攻撃ボタン、回復ボタンのみのため、操作方法は極めてシンプルである。

そんなシンプルなベルトスクロールにいい味を出している要素は「投げ技」である。暴に対して最接近することで掴みモーションが発生し、任意の方向キーを入力することで四方八方に敵を叩きつけることができる。叩きつけた敵にも攻撃判定があるため、複数の敵を巻き込みながらバッタンバッタンと攻撃を行うことができる。


ただし、敵の攻撃はそれなりに苛烈で、ボス戦ともなるとシューティングゲームの弾幕のようなものが襲い掛かってくるため、接近にはそれなりのリスクが伴います。

 

 

ボスの体力を削り切るとリズムゲームに移行。

タイミングよく方向キーを任意の方向に入れ、ダンスをすることで相手を倒すことができます。このパートの挙動がとにかく可愛く、僕は大好きです。

 

また、シューティングが苦手な人でもノーマル程度であればステータス強化の要素もあるので、繰り返し稼ぎプレイをすれば最後までクリアすることはできる難易度かと思われます。ただしハードは終盤のほうが結構難しかった。

(僕はラスボスが倒せずノーマルでクリアしました。)

 

 

◆ビジュアル面

今やインディーズゲームではさほど珍しくはないドット絵のアートスタイルですが、今作がとにかく異彩を放っているのはなぜか透明化された顔を持たない人々と敵の「暴」のデザインであろう。

幾何学模様のように抽象的なデザインをしている暴は本作特有の何とも言えない不気味さを醸し出している。

透明化されている人々に関しては物語の根幹にかかわるネタバレになるため深くは語れないが、このデザインにもちゃんと意味を持たせていたのも面白かった。

また、ボスの必殺技である「アウターアート」の演出もカッコよく、弾幕も各ボスによって弾幕の見た目も特徴的で見ているだけで面白い。

 

◆総評

前作『夢核(YumeCore)』からのファンだった私は、ものすごく楽しめた!

好きなものをごった煮にしたゲーム性、エキセントリックなビジュアルスタイル、抽象的だけど想像の余地が多いシナリオなどなど…僕個人がインディーゲームに求めているものがすべて入っていた作品だった。こういうインディーゲームに出会えるからSteamはやめらんねぇなぁ!って思う。

『亜電』はSteamで発売中です。ぜひともお手に取ってダンスバトルに興じてみるのはいかがでしょうか!

 

 

次回のレビュー予定

次こそは『SILENT HILL2』をやります…。

 

 

はゐから・オブ・ジ・イヤー 2024

2024年は超大作RPGが群れを成して襲い掛かってきたため、

1作1作のプレイにとにかく時間がかかった。

 

1990年代後半からゼロ年代あたりの盛り上がりを見ているような気持になり、

おじさんゲーマーとしては胸が熱くなる1年でした。

やはり今年はRPGイヤーといっても過言ではないでしょう。

 

今回は2024年に私がプレイした作品から、

特に印象に残ったものを6作品紹介したいと思います。

 

FF7リメイク攻略|FF7R - ゲームウィズ

第6位『FINAL FANTASYⅦ REBIRTH 』

難易度:HARD、終盤はEASY

プレイ時間:77時間

 

言わずと知れた大名作FF7の第2作目。

クールな印象のパブリックイメージのクラウドくんですが、

本リメイクシリーズでことあるごとに変なミニゲームに興じたり、ティファやエアリスに妄言を繰り返す様子はもはや顔がいいだけの変人になってしまっています。

コンテンツの物量がとにかくすごく、ことあるごとにミニゲームが挟まれる。

人によっては引くレベルの頻度なんだけど、ここに関しては結構楽しめたと思う。

特にカードゲームのクイーンズブラッドなんかはこれだけでも中規模インディーゲーム1本分くらいのシナリオがあったと思うし、ゲーム内容も面白かった。

 

複数の広いフィールドが用意されており、探索の面白さも担保されている…

と、思ったんですけど、コンガガ以降のマップデザインがあんまりよくないので中盤で探索を投げてしまった。超えられそうで超えられない高低差があったり、美麗で広大なマップの見た目に反して移動手段の自由度が低いと感じることが多かった。

 

戦闘は操作キャラごとに違った操作を要求されるため、ワンパターンになりにくいのでよくできていると思った。

 

シナリオも面白い。本当に贅沢なゲームなんだ。

なんだけど、やっぱりムービーが長すぎる!!!!!!!!!!

不満点も多いけど間違いなく今年を象徴するゲームのひとつだと思います。


ペルソナ3 リロード』を発表!2024年初頭 発売決定! | ペルソナチャンネル | ペルソナシリーズ最新情報

第5位『ペルソナ3 リロード』

難易度:LUNATIC

プレイ時間:100時間

 

ATLASのペルソナシリーズを人気作にまで押し上げたPS2時代の名作です。

もはやプレスターンバトルも老舗の味がしつつある昨今ですが、

本シリーズにはまだまだ色あせない面白さがあると再認識しました。

今回ルナティックでプレイしましたが、過去プレイしたペルソナシリーズの中でも1番難しかったと思います。

また、誰にも等しく訪れる『死』というテーマに向き合ったシリーズの中でも一際シリアスなシナリオはやはり深く印象に残りました。

特に本作のラスボス戦の演出は人生の中でも1,2を争うほど好きなラストバトルなので、今回リメイクで再びアレを体験出来たのはうれしかったです。

本作のダンジョンであるタルタロスの反復感に関しては良くも悪くも結構そのままだった。この点に関しては人を選ぶと思います。

 

ドラゴンクエストIII そして伝説へ… を購入 | Xbox


第4位『ドラゴンクエスト3 HD-2D』

難易度:いばらのみちだぜ

プレイ時間:40時間

 

レビュー済みのため、詳細は割愛。

すぎやまこういちさんの音楽に包まれながらの旅は本当に最高の時間でした。

やっぱりドラクエ3は何度プレイしても面白いです。

haikaraneet-bot.hatenablog.com

 

 

メタファー:リファンタジオ PS4 & PS5

第3位『メタファー:リファンタジオ』

難易度:HARD

プレイ時間:100時間

 

ATLAS、またお前か。

ATLASブランド35周年の集大成的なお祭りゲームであり、

新たな挑戦の第一歩でもあります。こいつも大ボリュームでした。

haikaraneet-bot.hatenablog.com

haikaraneet-bot.hatenablog.com

 

レビュー済みのため詳細は割愛。

 

 

龍が如く8 PS4 & PS5

第2位『龍が如く8』

プレイ時間:85時間

 

シリーズ8作目となるSEGAが送る長寿ナンバリングタイトル。

前作7から主人公が春日一番に変更され、ゲームシステム自体もアクションからコマンドバトルへの変更という大きな変革をしたにもかかわらず、古参ファン、新規のファンともに大満足の完成度を叩き出すという、何かとユーザーが口うるさい日本のゲーム業界の中で異例の大成功を収めた大人気ゲームです。

 

FF7Rと同じく、圧倒的なミニゲームの物量とくだらなさにゲラゲラ笑いの絶えない1作でした。街づくりシュミレーションの“ドンドコ島”、路面電車から町の不審者の写真を撮る”不審者スナップ”、そのスジのモノでパーティを組みバトルをする”スジモンバトル”、コマンド入力をすることで意中の相手をデートに誘う”マッチングアプリ”などなど・・・。どこかで見たこともあるような内容のミニゲームが盛りだくさん。

 

一つ一つはくだらなく、バカバカしいのですが、

ハワイの情景と相まって終わってみるとちょっとエモい。

やけに思い出に残るんだよなぁ…。としみじみ感じます。

 

シナリオ面で賛否はあるものの、私は大好きでした。

特に、椎名林檎さんが歌う挿入歌『ありあまる富』は作品のテーマと非常にマッチしており思わず涙が零れたほどです。

かつてデビュー当時に『歌舞伎町の女王』で一世を風靡した彼女がこの作品のテーマソングを歌うのはかなり象徴的であるし、挿入歌に『ありあまる富』を抜擢したスタッフさんを私は一番褒めたい。

プレイを終えた後に私はこの曲のPVを見ましたが、こちらも見てみて下さい。

本作のエンディングにはこのPVのオマージュがちりばめられていることに気づくと思います。

 

ユニコーンオーバーロード PS4&PS5

第1位『ユニコーンオーバーロード』

難易度:ノーマル

プレイ時間:65時間

 

やっぱり今年はATLASの年だったなあと思います。

ヴァニラウェアの皆様、本当に開発お疲れ様です。

 

文句なし。胸を張って言えます。

今年一番面白かったゲームはぶっちぎりでユニコーンオーバーロードです。

シナリオは悪王を討つ王道ファンタジーRPG。もはや説明不要。全くひねりは無い。

90年代のオールドスクールなファンタジーRPGを体験したすべてのゲーマーにお勧めできます。

 

本作が一番面白かったのは戦術やパーティ構成の幅広さと複雑さだと思います。

 

序盤、私は本作のシステムが本当に難解でガチで理解に苦しんだ。

章が進むごとに戦闘はどんどん複雑になっていき最終的に最大5人で構成される小隊を10部隊編成して戦っていくことになるのですが、ゲームを進めていくうちにこの複雑怪奇な戦闘システムを自然に理解できるようになっていた。

プレイヤーにシステムを徐々に習熟させることを念頭に置いたレベルデザインが本当に素晴らしく、恐ろしく出来が良い。

 

パーティ構成がとにかく面白すぎて、大げさではなくプレイ時間の1/4くらいは編成に使っていると思う。小難しいゲームが苦手な自分がここまでのめり込むことができたのは、システムの導入と応用をプレイヤーにごく自然に促すように計算して作られているからだと思う。

 

システムのほかにも執念を感じるグラフィックの書き込みはずっと見ていて飽きなかったし、60人以上いる仲間キャラクターにも一人一人に愛着を持てるようにしっかりとサブイベントを用意してくれていたのも嬉しかった。

 

10年という長い開発期間と、並々ならぬ執念と、

90年代RPGへの憧憬が作り上げたまさに渾身の1作です!

 

2024年、はゐからが選ぶマストプレイな1作は

『ユニコーンオーバーロード』とさせてください!

 

以上、はゐからでした。

【クリアレビュー】ファミコン版『AKIRA』はクソゲーなのか

かねだしょうねんは しんでしまいました・・・・・

こんばんは。はゐからです。

みなさんは『AKIRA』をご存じでしょうか。

いえ、ご存じでしょう。

大友克洋さんが原作をつとめた日本のカルチャーを代表する

SFコミックス、劇場アニメの金字塔的な作品です。

 

今月12月には、youtubeで劇場版のアニメが無料公開されていました。

 

12月6日23時59分:『AKIRA』のYouTube無料公開が終了

12月7日0時00分:はゐからがファミコン版『AKIRA』の生配信を開始

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

・・・ということで、

 

今回はファミコン版の『AKIRA』についての記事を書いてゆきます。

 

 

◆はじめに

先に総評を述べさせてください。

レトロゲーマーの間では一般的にクソゲーと評される本作ですが、

プレイ直前に劇場アニメを予習していたこともあり、

個人的には、結構楽しめてしまった。

後述する問題点やクソゲー要素は数あれど、

原作の美味しい部分(主にカッコイイセリフ回し)などの再現は結構頑張っていて、

非常に愛嬌のあるタイプのクソゲーに仕上がっている。

 

 

◆良かった点

まず最初に良かった点を数点紹介します。

 

・ドット絵の表現、オープニングアニメのカッコよさ

 これはとても良かったと思います。

 特にオープニングの金田のバイクは各種ステッカーまで緻密に描かれており、

 並々ならぬこだわりを感じるシーンとなっております。

ステッカーなどもしっかり読めるようにドットで再現されてるのはすごい

 


 ・名台詞、名シーンの再現度

 ここはかなり甘めに採点しているのですが、

 原作再現はファミコンのハードスペックのことを考えると決して悪くは無い、

 むしろ、結構良いと思う。

 

25歳のアーミーのおじさん

葬式がえりの黒服のおじさん


 劇場アニメ版『AKIRA』の名シーンやイカした名台詞の数々は余すことなく入っていると感じた。

ジャパニメーション史に残る、100点満点の名台詞

 ただし、事前に劇場アニメを見ていることが大前提である。

 ハードスペックの制約上、惜しくも削られてしまったシーンや再現しきれていない

 表現があり、初見の人間が単体のゲームとして遊んだ場合は全く物語を飲み込むことができないだろうとは思う…。

 が、原作をなるべくそのままの形で再現しようという熱意は一定程度感じられる。

 

 

 

◆悪かった点

本作の問題点は正直山のようにあります。

先述した良かった点は、あくまで原作『AKIRA』のストーリーやデザインセンスが優れているのであり、ゲーム化することで独自の面白さが創出できているかというと、

 

残念ながら全くそんなことはない。

 

下記にその一端を箇条書きにしていこうと思います。

 

 

・ひ弱すぎる健康優良不良少年

 アドベンチャーゲームの性質上仕方ないとはいえ、

 即死トラップがあまりに多すぎる。

 特に序盤の取り調べ室→爆弾魔のシーンは本作の難所であり、

 原作の展開を知っていても先に進むためのフラグが非常にわかりにくい


 原作では不発に終わったテロリストの爆弾が幾度となく爆発し、

 その場を逃げ延びることができたとしても、なぜかアーミーに捕まる始末。

 

 

ただし

「かねだしょうねんは しんでしまいました・・・・・」

 「かねだしょうねんは アーミーにつかまり、しょうねんいんおくりに なりました」

 のテキストは シュールでちょっと面白い。

 …が、この画面は今後嫌というほど見ることになる。


 原作の金田少年は幾度となく「普通死んでるんじゃ!?」って思うような

 シーンの数々を見事に生き残ってきているが、

 本作ではあまりにもアッサリと死んでしまう。

 

 ただし、コンティニューポイントは結構細かく設定されているので

 容易にリトライが可能なのは唯一の救いか・・・。

 

 

・不遇のヒロイン カオリ

テツオは うしろに おんなをのせ、 オレの バイクで はしりさっていった。

 原作では暴走する鉄雄を唯一気遣っているヒロイン枠であるのだが、
 残念ながら上のキャプチャーのシーン以降カオリの登場シーンは無い。

 そのうえ、ただの「おんな」呼ばわりなのはさすがに笑ってしまった・・・。

 

 

・最凶の難所、謎のシューティングゲーム

 本作最凶の難所であるFPH戦。

 

 唐突にはじまる理不尽なシューティングゲーム…。

 このパートだけは混じりっけなし、純度100%クソゲー要素だと思います。

 

 操作は一応示されているものの、

 ルールが理解できないままゲームオーバーとなること請け合い。

 実際に苦しんでいる私を見たい方は実況動画1の1時間21分頃から再生してみてください。

本作で一番の難所でした。二度とやりたくない!

 

・クソゲーは”二度刺す”

  Q.前項の理不尽なシューティングゲームをクリアしたらどうなると思う?

 

 

 

 A.もう一度理不尽なシューティングゲームが始まります。

露骨に嫌そうな顔をする はゐから(動画1の1時間44分頃)

1回目の配信はここで心が折れて終了しました。

 

 

 

・唐突に訪れる終わり

みなさん、このシーンはご存じでしょう。

言わずと知れた名シーンですよね。 

やっぱり『AKIRA』のセリフ回しは一級品や!!!最高!!!!

 

 

 

※動画2の30分頃から該当シーン。

   (唐突に流れる陽気なロックンロールに言葉を失う私。)

 

 

( ^ω^)・・・

 

 

もはや何も言うまい。終わりはいつだって唐突に訪れるんだよ。

 

 

「やったぜ!やまがたァ!」

からの、間髪入れずに流れる陽気なロックンロールは

さすがにギャグマンガ日和すぎる。

こんなのもうソードマスター・カネダだよ!!!!!!!!!

まそっぷ!!!!!!!!

 

 

これ以外のエンディングも一応あるみたいなんですが、

この先は君たちの目で確かめてみてくれ!

おれは多分やりません!

 

 

 

ファミコン版『AKIRA』可愛げはあるけど、やっぱりクソゲーです。

本当にありがとうございました。

 

 

 

 

◆おまけ

土に埋まっているように見える大佐。

ディグダみたいでかわいかったです。

 

【クリアレビュー ネタバレ有】野狗子 Slitterhead

 

おはようございます。

はゐからです。

SIRENでおなじみの外山圭一郎さんが手がけるホラーアクションゲーム、

『野狗子 Slitterhead』をクリアしました。

 

先に総評からお話しすると、最近のAAAタイトルなどのリッチな作りのゲームと比べてしまうと、グラフィックがあまり豪華ではなくボイスも要所でしかついていないため演出面が弱かったり、アクションの爽快感が今一つ欠けていたりするのですが、主人公を実態の無い魂にすることで町のモブキャラに乗り移って自由に操作できるなど、外山圭一郎さんらしい独特なシステムと、ストーリーテリングの手法は本作でしか味わえない体験だと思いました。

 

あと、これは一番の注意点なんですが、本作は『SIREN』のようなジメジメとしたホラー作品ではなく、あくまでアクション色が濃い作品であることは購入前に知っておきたいポイントではあると思います。

 

序盤は正直つまらないと思っていましたが、プレイしていくにつれてだんだん好きになっていくタイプのゲームではありましたし、最後までプレイしてよかったと思います。特に、この世界に生きるモブキャラたちに愛着を持たせる手法が本当にすごいなと思いました(ネタバレ有ですが後半に詳しく書きます)。

 

 

◆あらすじ

本作の主人公は名を持たず、記憶を無くした魂、憑鬼。

ただ一つ覚えていることは、人間の脳を食べる怪物”野狗子”を倒すという目的のみ。

憑鬼は人や動物に乗り移り、町に蔓延る野狗子を追っていく。

その最中、瀕死の少女JULEEに乗り移ったところ、他の生物にはない特別な力に目覚める。彼女は憑依状態にあっても意思を失わず、憑鬼と会話ができる希少体(本作のネームドキャラである。)であった。

憑鬼はNIGHT OWLと名付けられ、JULEEと共に人間を守るための戦いに身を投じていく。

 

◆アクション、戦闘システム

本作で一番特徴的であるのはアクション面だろう。

NIGHT OWLは物語を主に牽引する希少体のほかにも、フィールドで生活している一般人に乗り移って操ることができる。

これを利用することで、ジャンプアクションでもいけないような高所に移動出来たり、フェンスの向こうにいる人物に乗り移ることで障害物を突破できるなど、他のゲームにはない面白いメカニクスだと思います。

特に戦闘では町に暮らす一般人の体を乗り換えながら、相手の後ろを取ったり、

囮にしたり、乗り移った一般人を自爆させたりと、この設定ならではの遊びはとても面白かったです。

ただ、ボタンのレスポンスやカメラワークの悪さは少々気になった点です。

 

 

◆シナリオ面

本作は特定の3日間を繰り返すいわゆるタイムループモノのシナリオ構造になっています。3日間の間に複数の希少体を動かすことで多角的に物語を見せていくストーリーテリングの手法は全編通して興味深く、引き込まれる。本作で一番面白かった要素だと思います。

 

 

※以下ネタバレ有(未プレイの方はご注意ください)

次回のレビュー予定

『クソデカ囃子』(クリア済み)

『SILENT HILL2』(どうしようかな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆NIGHT OWLってプレイヤー自身だったのか!

序盤微妙な印象だったこのゲームになぜ最後までプレイできたかというと、

NIGHT OWLと自分に妙な一体感があったからなんですよね。

ゲームのプレイヤーは作中の人物たちを操ることができるので、ゲーム世界の住人からみたらプレイヤーである自分ががNIGHT OWLそのものなんだなと。

 

ゲーム終盤、希少体の少女JULEEに「人をゲームの駒のように扱って!」と詰られるシーンは特に象徴的なんですが、あれはハッとさせられたプレイヤーは多いんじゃないでしょうか。明確な意図をもってシステムを作っていると感じ、やられたなぁ~~~と思いました。

そして、これも少し意地悪な仕掛けではあるのですが、さんざん好き放題一般人をつかって遊んでください!とアピールしておいて、一週目のクリア時(バッドエンド)に一般人の被害者数がカウントされており、特定のステージの被害者数が66人以下でないとグッドエンドが見れない仕組みになっていました。

特定のステージをタイムリープでやり直して、被害者を少なくしてクリアする必要があります。

この仕組みは結構面倒くさいので、賛否あると思うのですが、クリアした今なら製作者側の意図なんとなく読み取れました。

 

一週目を遊んでいるうちに、アレックスと同じく一般人を犠牲にすることを何とも思わない悪しき憑鬼、まさに豹头鷹(Leopard Head)に私たちプレイヤーはなっていたのではないでしょうか?

 

そこからプレイヤーは自身の行いを顧みて、夜梟(NIGHT OWL)として、今度は人類を守る目的で再び同じステージをわざわざプレイさせているんじゃないかと思います。

 

同じステージをやっている最中は作業でしかないのであまり実感がわかなかったのですが、多分スタッフの意図はこれだと思います。かなり挑戦的ではあるし、脱落者も出るであろう作りにはなっている。

が、エンディングにはこの手順を踏むことでしか成しえない、感動がありました。

愛着です。

 

それは、希少体たちへの愛着であったり、町の一般人たちへの愛着であったり、

このゲームの世界への愛着であったりします。

 

 

欠点は多いけど、本当に興味深いゲームでした。

【クリアレビュー】ドラゴンクエスト3 そして伝説へ・・・ HD-2Dリメイク

こんばんわ。

10月からの新作ゲームラッシュに若干胃もたれを起こしているはゐからです。

先日、待ちに待ったドラゴンクエスト3のリメイクをクリアしました。

 

今回は巷で話題の難易度問題について触れて、

私が思う現代のゲームの楽しみ方、遊び方の提案をしていきたいと思います。

若干説教臭くはなってしまうのですが、悪しからず。

 

「このゲームは簡単すぎる」という意見を度々目にしてきて、

私は全然そんなことはないと思っていたのですが、

この感想の差はゲームをプレイするスタンスによると思われます。

 

現代のゲームはユーザーフレンドリーの傾向が強く、基本的に初見の人が攻略サイトなしでもクリアできることが前提に作られている。

そのため、強さがプレイヤースキルに依存しないコマンドRPGは、最強キャラを最適解まで一本道で育成してしまうと極端に簡単になってしまうというのは、ある程度仕方のない事なのかなと思っています。

 

かといって昔のような攻略本が必須で理不尽な難易度に戻った方がいいかというと、

それは無理筋なのではないかなとも同時に思います。

現代人は時間がなく、さくさくとゲームをプレイしたい人も多いからです。

みんなつかれているんです。かなしいね。

私の勇者は なまけもの でした…。

そこで、スリルを求めるゲーマー諸兄に私が提案したいのが、下記3点です。

今回私がこのゲームを心の底から楽しいと思えたのは、

恐らくこれを実践したからといっても過言ではない。

 

・難易度を上げる(初期に選べる最高難易度をチョイスする)

・緩やかな縛りを設ける(どんな条件でも良い)

・攻略サイトを意識的にあまり見ないようにする

 

 

◆難易度を上げる

勇気をもって最高難易度を選びましょう。

大丈夫です。あなたはそんなに弱くない。

まじめな話、現代のゲームは昔のゲームに比べて相対的に簡単になっています。

ハードに設定してもおそらくオリジナル版よりも簡単だと思います。

重ねて言います、大丈夫です。

 

 

◆緩やかな縛りを設ける

なんでもいいので小さな縛りを設けるとプレイが楽しくなると思います。

セルフで縛るものなので”途中でちょっとくらい破っちゃっても大丈夫”くらいのスタンスで臨むのが吉。僕が今回ドラクエをやるにあたって縛ったことは2つです。

 

ひとつめはあそびにんを初期パーティに入れてプレイすることです。

あそびにんは今作でも本当に、とてもいい感じに弱いため、

入れているだけで序盤の難易度が跳ね上がります。

ダーマにたどり着いてけんじゃに転職できた時の感動もひとしおとなることでしょう。

 

ふたつめは目的地マーカーの非表示です。

今回のドラクエは目的地マーカーが表示されている為、目的地にまっすぐ進むことで迷わずプレイできるようになっていますが、私はあえてこれをオフにしました。

小学生から繰り返し遊んできた本作ですが、最後にプレイしたのは高校生の時なので、ジパングあたりから大分記憶があいまいになり、結構迷いました。

 

しかし、自分で情報を足で拾い、世界を歩き回る遊びは、幼少期に遊んだドラクエそのもので、船を手に入れて以降は、本当に移動するのが楽しかった。あえて迷うのも遊びのうちと捉えてゲームを遊んでみるのはどうでしょうか。

 

 

◆攻略サイトを見ないようにする

現代のゲームを遊ぶ上で最重要だと思っています。

これは個人の意見になるので、ある程度たくさんゲームを遊んできた人たちに向けての提案にはなるのですが、そもそもロールプレイングゲームは自分で戦略を考えるのが醍醐味であると私は考えています。

 

インターネットには最効率の育成法や戦略が溢れんばかりに掲載されていますが、

今のゲームはそれを使わなければならないほど難しく設定されていないことを知っておいた方が良いと思います。

少し不格好なステータスで進めるくらいでちょうどいい難易度になるんじゃないかと自分は考えています。

おっさんゲーマーの説教に聞こえても構わないし、あえて言いたいのですが、

人に与えられた情報をなぞってプレイするんじゃなくて、もっと自由にゲームを遊んでみなよ。と私は言いたいのです。

 

 

◆総括 

今回のドラクエ3、最高のリメイクでした。

すぎやまこういちの音楽に包まれながら、美しく生まれ変わったドラクエ3の世界を旅をする時間は、至福の一言。

毎回シリーズをプレイするたびに思うのですが本当にシンプルなゲームなのに、

他に替えの利かない、ドラクエでしか味わえない冒険のワクワク感はこの音楽による力が大きいと私は考えています。

 

特にラーミアが空を飛ぶシーンは、はじめてプレイしたSFC版の記憶が鮮明によみがえり、鳥肌が立つくらい美しいと思いました。

(それはそうと、移動速度はもうちょい早くても良かったかなと思う。)

 

それにしてもまものよびは強かった。

まぁ、事実です。これを使っても尚、極端に簡単だったというわけでもなかったです。

若干バトルバランスがいびつであることは否めないですが、つまらないということは決してなかったと思います。追加ボスが軒並み強く、結構苦汁をなめさせられました。おれはナイルのあくまを許さない。

 

 

個人的には歴戦のゆうしゃも、ここから冒険をはじめるゆうしゃにも

自信を持ってお勧めできる一作になっていたと思う。

みなさんもぜひとも本記事を参考に、

道しるべの無い自由な冒険に出かけてみてください。

 

 

次回のレビュー予定

◆『クソデカ囃子』(クリア済み)

◆『野狗子 Slitterhead』(現在プレイ中)

◆『サイレントヒル2 リメイク』(年内にプレイ予定)

【クリアレビュー】メタファー:リファンタジオ

こんばんわ。

アトラスのRPG大好き はゐからです。

先日『メタファー:リファンタジオ』をクリアしました。

 

アトラスブランド35周年を飾る集大成的な作品に相応しく、女神転生、ペルソナ、世界樹…様々な要素をごった煮にして作られたお祭りみたいなゲームでした。

 

ペルソナシリーズから継承しつつ発展したバトルシステム、カレンダーシステム、コミュニティは、いつも通りでありつつも新鮮さも感じられ、光るものがありますが、変更したがゆえの課題も生じているように感じました。

 

ゲームシステムの解説やネタバレ無しのレビューは体験版の時に死ぬほど書いてしまったので、今回はクリアまで通してやった所感を軽くまとめておくに留めます。

まだ購入を迷っている方はそちらの記事を参照ください。

haikaraneet-bot.hatenablog.com

 

 

最後に一部ストーリーの結末に関してのネタバレを含みますので、未プレイの方はブラウザバックを推奨します。

 

◇レビューに際して

難易度はHard、サブクエストは(見えてる限りのものを)全回収し、ラスボスを倒しました。所要時間はだいたい90~100時間程度です。

 

 

◇戦闘システム『ファスト&スクワッド』について

フィールドアクションによる攻撃”ファスト”とコマンドバトル”スクワッド”を駆使して戦っていくシステムになります。(詳細は前回の記事を参照)

格下の敵であればサクサクと倒していける為、ゲームテンポを向上に貢献している部分もあれば、逆に今作の爽快感を削いでいる要素でもあると思う。と、いうのもフィールドアクション中に一発でも敵の攻撃を被弾してしまうと、パーティが半壊するほどのダメージを受けてしまうバランスのため、ここは何か巻き返す手段が欲しかったところ。

一応、ゲームの進め方によっては確定で逃げる手段が用意されており、仕切りなおせはするのですが、ゲームバランスとしては若干のちぐはぐさを感じるところは否めないかなと。

 

 

◇カレンダーシステムについて

ペルソナから引き継がれたシステムで、ゲーム中に行える行動の数がこのシステムによって制限されている為、こちらは好みがわかれる要素ではありますが、限られた時間の中で主人公としてどう行動していくかを考えながらゲームを進行する、アトラスが作るRPGの醍醐味でもあると思います。

今作はペルソナ従来のカレンダーシステムに加えて、目的地までの移動に日程を消費するシステムやダンジョンの攻略難度が上がる悪天候などの採用しています。

これらの追加要素に前半は頭を悩ませながら日程を組んでいく必要がありますが、後半はある程度スキップしたり移動時間を短縮する要素もあります。

特に移動中の会話やイベントも面白いものが多く、ペルソナにはない『広大な仲間と一緒に世界を旅している』感覚を味わうことができたのは良かった。

悪天候に関してはHardだとまともに戦闘ができない為、結局天候を操作して攻略することになると思いますので、なくても良かったかも?

 

コミュニティは好感度が廃止されたことにより、王の資質さえ必要な条件を満たしていればランクが確定で上昇するので、こちらは無駄なストレスがなくプレイできて好印象だった。

追加要素もあるものの、総合すると従来よりも余裕を持った期間がとられていると思う。

実際、筆者もダンジョンを一日でクリアできなくて、結構ロスをしたが、全コミュニティのマックスとサブクエストの回収やサブダンジョンの攻略をすべて完遂しても少し日程が余るくらいだったので、ここで足踏みしている人は安心してプレイしてよいと思います。

 

◇アーキタイプについて

主人公たちが扱うアーキタイプという能力ですが、こちらはとても面白かったと感じます。特に、ジンテーゼと呼ばれる所謂合体攻撃が戦局を左右する程度に協力に作られている為、パーティ構成を考える遊びがとても面白かったと思います。

少し問題点があるとすれば、戦闘中に付け替えることができないので、初見の敵に対して対抗手段を持っていなかった場合そのまま手も足も出ないまま全滅するパターンが結構あった。何かしら、プレスターンを消費するなどして付け替えが行える手段があればよかったかなーと思ったりもするのですが、こちらはペルソナとは明確に差別化されたシステム良いシステムだと思いました。

 

◇ボス戦について

正直、今作のボス戦は全部面白かったです!!!!!!!!

デザインがまず素晴らしい。生理的に受け付けない。そんで強い。

すべてのボスに対してパーティやアーキタイプの組み合わせを考える必要があったし、トライ&エラーのしがいのある確かな歯ごたえがありました。後半、一部は少々ヤケクソ気味に強く作られてる敵もいるにはいたのですが…突破方法を考えて行動を最適化したり、時には博打を打つような決断を迫られるような場面もあり、バトルには序盤、中盤、終盤、常にヒリヒリとする緊張感があって個人的にはここが一番面白かったポイントです。特にジンテーゼを封じられる状態異常が非常に厄介で、これの対策に頭を悩ませるのもストレスではあったが、かなり面白かったように思う。特に、この手のRPGにありがちなのが、ラスボスがちょっとだけ弱かったりするもんなんですが、今作は本当にしっかり強かったのが好印象でした。

 

※以下、結末のネタバレ有(未プレイの方はブラウザバック推奨)

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次回のレビュー予定(若干の変更アリ)

◆『ドラゴンクエスト3 HD-2D』(クリア済み)

◆『クソデカ囃子』(クリア済み)

◆『野狗子 Slitterhead』(現在プレイ中)

◆『サイレントヒル2 リメイク』(年内にプレイ予定)

 立て込んでおります…。がんばるぞい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇ストーリーについて

序盤から中盤にかけてのルイを追う展開は紆余曲折あり、とても面白かったです。

暗殺や差別が支配するファンタジー世界で、ある日突然選挙が始まったら?という、現実をファンタジー世界を鏡写しとして見せる思考実験のようなシナリオは、挑戦的であり非常に面白いテーマだった。

またストーリーを進行する中で仲間になるキャラクターが誰なのか、最後まで分からなかったりしたのがすごいと思う。この辺りは結構意識して作っていたのか、序盤のストロールとヒュルケンベルグは広告やCMなどのプロモーションに結構出てきていたが、その他のパーティは意識して隠していたのはうまいと思う。特にバジリオが仲間になったのは結構意外で予測がつかない展開だった。

 

物語中盤でシンジュクにたどり着いたときは、ひっくり返るくらいビックリすると同時に”やっぱりか~”とアトラスファンとしてはニヤニヤしてしまうような展開もあった。

 

が、物語終盤でルイをいざ暗殺するとなった時に、主人公サイドにもう少し葛藤を描く必要があったと思う。”悪王を討つ”のが目的の王道のストーリーだと言われれば、そうなのかもしれないのですが、ルイの目指す世界にも一定程度の正しさがあり、単に「倒すべき敵」としてザックリと断じてしまっていたことには若干の疑念を感じざるを得なかった。幻想は無力なのか、不安と向き合うには、魔法とは何か、良き王はどのように選ばれるべきなのか…たくさんの挑戦的で興味深いテーマがある一方で、物語におけるルイの役割が”純粋悪”なのは少し浮いているように感じた。

(悪王を討つ王道ファンタジーとしては、今年リリースされたユニコーンオーバーロードの方が潔くて個人的にはノレたなってのは結構あるかもしれない。)

 

と、若干引っかかるところはありつつも、モア関連の最後のイベントの下りや、空想には現実を超えうる確かな力があるという力強いメッセージはまっすぐに心に響くものがあった。

 

今後のアトラスがどんな物語で現実を塗り替えていくのか、これからも期待を込めてゲームをプレイしていきたいと思う。