なぜ、はてなから「非モテ」の話題が消えたのか


はてなブックマークを毎日見ているけれど、何年か前の頃のように、
非モテについてのエントリーが散発的に上がる光景をとんと見なくなった。
もしかしたら自分が追えてないだけなのかもしれないけれど、
その理由を考えてみた。


1.非モテだった人に恋人ができ、非モテを卒業した
2.非モテ達の中で、非モテへの関心のプライオリティが下がった
3.非モテを気にしない若者が増えた

1.非モテだった人に恋人ができ、非モテを卒業した

そりゃまあ、何年かすりゃ、結婚する人もいるし、恋人できる人もいることでしょう。
あいつとか、あいつとか、あの人とか。
非モテを語る人たちが減るのだから、当然あがるエントリーも減る。
結局、非モテなんて時間が解決してくれる話だったのかもしれませんね。

2.非モテ達の中で、非モテへの関心のプライオリティが下がった

いやいや、何年かしたって、勝手に結婚できたり、恋人ができるわけもないでしょう。
空から女の子が降ってくるわけでもあるまいし、現役非モテーもたくさんいるはずで。
とはいえ、語ることに対してモチベーションを維持し続けるのも大変だったりします。


まあ、何十回と同じ話題を話していれば、いい加減飽きるし、
なんかもう、だんだん自分の中で折り合いついて、気持ちの整理できちゃったし、
たまに飲み会で「恋人いるの?」「ご結婚されてるんですか?」と突っ込まれたときに、
「いやー、そういうの全然ないんですよ。ははは」とお茶を濁して、その時だけ心を痛めることにも慣れちゃえば、
それなりにはやっていけるしさ。


そんなことより、日本は不況で、会社の業績も自分の収入も下がってて、
スキル身につけなきゃ!英語覚えなきゃ!って方が重要で、
非モテうんぬん言ってる場合じゃねえ!」と、
他にやるべきことができたせいで、プライオリティが下がっていたりするんじゃないだろうか。
結局、非モテなんて裕福な時代の贅沢な話だったのかもしれませんね。

3.非モテを気にしない若者が増えた

だがしかし、次から次へと非モテを語る若者が参入すれば、業界は活性化するはず。
だけれども、どの世代にも一定層はいるはずなのに、エントリーがあがることもなく、
最近の若者(20歳前後)はいったい何を考えているのだろう?とおっさんは思うのです。


「少女漫画脳だから恋愛に興味が持てない」(あるいは神風怪盗ジャンヌの背中) - インターネットもぐもぐ
ちょっと前に話題になったこの記事を読んでたときに、
そういや似たようなことを言われたことがあると思いだした。
20代前半のその人は「恋愛は自分には別世界の話だと思っている」と語り、
見た目も、性格も、コミュニケーションもちゃんとしているのに、
そういう風に思うに至っていることに、少し驚いたのを覚えている。


相変わらずネットでは、
リア充爆発しろ」とか「ただしイケメンに限る」といった言葉があふれているけれど、
何年か前は、苛立ちやドス黒い感情とともに打ち込まれていたワードが、
今では、単なるネタの1つに落ち着き、
若者たちは、特に痛みを深く感じることもなくコメントしてたりするのかなと思ったりする。
なぜなら恋愛なんて、自分とは「別世界」の出来事なんだから。

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非モテってのは、「悔しさ」だったなあ、と今改めて思う。
ファッションだったり、トークだったり、
モテに必要なスキルが自分には足りない。
それ以外なら(例えば勉強ができるとか、相手をいたわる優しさとか)だったら自信あるのに、
なぜ、一部のスキルがないだけで、たったそれだけの理由で、
モテてる人たちが味わっている「いい思い」を、自分が味わうことができないんだ、という。


裏を返すと「自分にだって味わうことができるはずだ」という思いがある。
あるいは問題と感じてて「クリアできるならどうにかしたいよ」という思いがある。
そういう、ひりつくような思いが表現されなくなったということは、
新旧問わず全ての世代にとって、関係ある人と関係ない人に分断され、
結果、語られないネタになった、そういう世の中になったってことなのかもな、と思う。
少なくとも、はてなでは。



ところで、今って「非モテ」って言って通じるんですかね。そもそも。