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ファズはまだオーバードライブもディストーションもなかった1960年代、アンプのボリュームを上げて音を歪ませるだけでは満足できなかったギタリストの要望に答えるかたちで登場した歪み系エフェクターでした。
この時、ギターの神様と呼ばれたジミ・ヘンドリックスが使っていたファズペダル「Fuzz Face」が誕生するのです。
Fuzz Face JH-F1 完全復刻版
Fuzz Face はまだ歪みエフェクターがない1966年に登場しました。割れるような・爆発を起こしたかのような強烈な歪みが特徴で、デビューしたばかりのジミ・ヘンドリックスやリッチー・ブラックモア、ジェフ・ベックなど歴史に名を残す偉大なギタリストがこぞって使用したペダルでした。
ギター側のVOLUMEノブに繊細に反応するのが特徴で、Volを縛ればクリーン、20%くらいでクランチ、フルテンにすれば極悪な歪みとジミは使い分けていました。
その後改良を加えながら一時は生産修にもなりましたが、90年代にJim Dunlop社がFUZZ FACEを商標登録。当時の回路を再現した JH-F1 をリリースするなど、現在に至るまで当時の Fuzz Face は生きながらえてます。
Dunlop Fuzz Face JH-F1 – Supernice!エフェクター
ファズはオーバードライブやディストーションの登場で一度は姿を消しましたが、90年代に入ってゲルマニウム・トランジスタの特徴的な発振音に再びギタリストが注目を集め始めました。こうしてFuzz Face以外にも様々なブランドから多用なファズが登場していきます。
荒々しく過激なファズのサウンドは今も実験的精神旺盛なギタリストによって使われています。
ファズといってもオーバードライブのようにスムーズに歪むだけのものからノイズのように過激なものまで多種多様ですが、ファズは大きくわけて内部回路にゲルマニウム・トランジスタを使っているか、シリコン・トランジスタを使っているかで2つに分類されます。
ゲルマニウム・ファズ:
Z.VEX FUZZ FACTORY
ゲルマニウム・トランジスタはゲルマニウムという鉱石を用いたトランジスタで、温度によって音が変化するという特徴を持っています。気温や湿度によって、調子がいい時はザラついたうねりのあるサウンドとなりますが、悪ければサスティーンが削れたサウンドに、と安定性に欠けるデメリットを抱えています。またゲルマニウムという石自体が希少価値が高く、コストがかかりペダルにした時に高額になってしまいます。
そんなデメリットがありながらも、中低域が強調された独特のウェットなサウンドに魅了されるギタリストは多く、初期のファズにほんの短期間だけ使われていましたが、月日を経て現在でもゲルマニウムを使用したファズを製造するブランドも多く存在します。
Z.VEX FUZZ FACTORY:ギター博士「はじめてのファズ・エフェクター」より
シリコンファズ:BOSS FZ-3
シリコン・トランジスタはゲルマニウムのものよりも後に開発され、安定した動作で使いやすいとされている素材。高域が強調されたジリジリ/カラッとしたサウンドで、ゲルマニウムに比べてより大きく/より現代的な歪みが特徴です。
シリコン・ファズでよく知られるのが、BOSS FZ-3。既に生産終了になったものの、後継機種であるFZ-5がデジタル回路となったこともあり、アナログ回路であるFZ-3のサウンドを求める人が後をたたない、未だに人気の高いモデルです。
ファズは一般的に倍音成分が多く含まれた、潰れたような深い歪みが特徴です。雑なサウンドだけのように思いがちですが、ギター本体からの電気信号に素直に反応するという一面を持っているので、自分のギターとじっくりにらめっこしていけば様々な音が出せると思います。
ジューシーなギターソロ、轟音ノイズとしてなど、色々な使い方にチャレンジしてみると良いですね。
ファズは接続順によってサウンドが変わってしまう機種があるので注意しましょう。基本的にゲルマニウムトランジスタを使用したファズ(Fuzz Factoryなど)は「ギター直後」に接続します。また、「ワウペダル」と併用する場合、インピーダンスの影響でワウが効かない場合があるので、ワウペダルとファズの間にバッファを接続するなど、別途対策が必要です。
1969年に初登場、ディストーションのような歪みから潰れきったファズ・トーンまで幅広い音作りを行うことができる Electro Harmonix 社の定番ファズ、「BIG MUFF(ビッグマフ)」。ジミ・ヘンドリックス、サンタナ、カート・コバーンやジョン・フルシアンテなど70年代から90年代、そして現在に至るまで多くの有名ギタリストに使用され、昔も今も絶大な人気を誇るエフェクターです。低ノイズ、ロングサスティーン、低音の迫力、ブチブチと鳴るサウンドはこれぞファズ!と思わせるもの。
1969年に産声をあげてから様々なモデルがリリースされており、他社からも歴代ビッグマフのサウンドを再現したペダルがリリースされるなど、他社製品も含め豊富なバリエーションが用意されています。
発売時期 | – |
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電池駆動 | ○ |
消費電流 | 100mA |
数種類リリースされているファズ・フェイスのミニ・モデルの中でも、本機はジミ・ヘンドリックスが使用していた1970年前後のDallas Arbiter社製のファズ・フェイスをベースに設計されたモデルです。同シリーズのFFM1と同じくシリコン・トランジスタを採用しており、伸びやかさのあるオープンなサウンドはファズ・フェイスならではのサウンドです。フル・サイズのモデルは左にインプット、右にアウトプットを装備していますが、ミニ筐体の本機では一般的なペダルのように右にイン、左にアウトという配置になっています。さらにパワー・サプライからの給電にも対応しており、ボードにも組み込みやすいモデルとなっています。
発売時期 | 2013年 |
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電池駆動 | ○ |
消費電流 | 100mA |
BOSSのクラフトマンシップがつぎ込まれたこだわりの「技 WAZA CRAFT」シリーズのファズとして2台目となるペダル。1台目の「TB-2W」はSola Soundとのコラボレーションにより数量限定で発売され大きな話題を集めたモデルでトーン・ベンダー系のファズでしたが、このモデルでは「60年代のファズ」が志向されています。昔ながらのサウンドを再現するヴィンテージ・モードと現代の音楽シーンにもマッチする、ミッドが強調されたモダン・モードの2種類が搭載されており、使い勝手も申し分ありません。何より「BOSSによる60年代ファズの再解釈」という文言に惹かれるプレイヤーは多いことでしょう。
発売時期 | 2021年 |
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電池駆動 | ○ |
消費電流 | 16mA |
格安ブランドであるベリンガーからリリースされているファズ「SF300」。市場に出回るファズの中でも随一の安さと、国内有名バンドのギタリストがエフェクトボードに入れていたということもあって、発売から月日が流れた今日、その昭和でレトロなルックスにもかかわらず話題を集めているペダルです。
3モード・スイッチを搭載し、異なる2種類のファズと1種類のブースターを切り替えて使用することができます。
発売時期 | – |
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電池駆動 | ○ |
消費電流 | 30mA |
BEHRINGERに買収された後のTC Electronicからリリースされた「Smorgasbord of Tones」シリーズの格安ファズペダル。コスパではベリンガー「SF300 Super Fuzz」にかないませんが、空間系ペダルの開発で高い評価を得るTC Electronicのブランド力が加わり、格安ながらも安心して扱うことができるでしょう。Fuzz Faceを元にしたクラシックなファズサウンドとなっています。
発売時期 | 2016年 |
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電池駆動 | ○ |
消費電流 | 7mA |
同じくTC Electronicから2017年の12月にリリースされた「HONEY POT FUZZ」は、上述の「Rusty Fuzz」のいかにもファズといったプチプチしたサウンドとは少し異なり、ビッグマフが持っているようなクリーミーでサスティーンが豊かな「ファズとディストーションの中間」的なサウンドが特徴。オーバードライブ的に扱うことも可能なモデルです。好みに合わせて選ぶと良いでしょう。
発売時期 | 2017年 |
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電池駆動 | ○ |
消費電流 | 5mA |
90年代にロシアで製造された、アーミー・グリーンの筐体が特徴的なビッグ・マフをイメージしたサウンドのファズです。小さな筐体ながらコントロールは「FUZZ」、「TONE」、「VOLUME」の3つを備えており、柔軟な音作りが可能です。ベースの帯域までカバーできるほどの分厚く太いローエンドが特徴で、コンパクトな筐体と可愛らしいイラストからは想像もできないほどの破壊的なサウンドを得ることができます。ディストーションのような伸びやかで安定したサウンドであるため、グランジやストーナー、シューゲイザーといったジャンルにはもちろん、5000円を切る手頃な価格も相まって、初めてのファズ・ペダルとしてもお勧めできる一台です。
発売時期 | 2020年 |
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電池駆動 | x |
消費電流 | 4.5mA |
Effects Bakeryと食品メーカーである岩下食品という、異色のコラボレーションによって誕生したファズ・ペダルです。Sandwich Fuzzと同じくビッグ・マフをベースにしていますが、岩下食品の人気製品である『岩下の新生姜』にインスピレーションを受けており、歯切れのよさや軽快さが加わっています。そのためディストーションのような使いやすいサウンドに仕上がっており、またマフの代名詞的な分厚いサウンドも作り出すことができるという便利な一台です。そのサウンドの可変域の広さから、メインの歪みとしての使用はもちろんのこと、多種多様なジャンルにファズのエッセンスを加えたいときにも最適です。
発売時期 | 2021年 |
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電池駆動 | x |
消費電流 | 5mA |
ファズの大定番機であるBIG MUFFの最初期モデル、通称「トライアングル」が本家からリイシューされました。スライド・スイッチのない最も初期のモデルを再現しており、筐体もオリジナルのモデルのようにシンプルですが、サイズは一般的なペダル・サイズにダウンサイジングされています。9V電源も使用可能となり、ペダルボード・フレンドリーな仕様となったのは嬉しいポイントです。またヴィンテージのファズの多くには装備されていないインジケーターも装備され、ON/OFFの状態が視覚的にわかりやすく、ステージ上でも安心して運用できます。マフのクローンは数多くありますが、本家本元が手がける復刻モデルはもちろんこのエレハモだけです。
発売時期 | 2018年 |
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電池駆動 | ○ |
消費電流 | 2.2mA |
1990年代中頃にロシアで製造された、日本では「ロシアンマフ」「アーミーグリーン」の愛称で呼ばれているSovtek社製のビッグ・マフを、ボードの組み込みやすいNanoシリーズのサイズでリイシューしたペダル。USA製のビッグ・マフとは違ったザラついたサウンドにはファンも多く、そのリクエストに応えて本家Electro-Harmonixから再発されたのがこのモデルです。
USA製のビッグ・マフは生産された時期によってデザインや筐体の大きさ、そして何よりサウンドに違いがありますが、Sovtek社製のビッグ・マフもその例には漏れません。本機は通称「トール・フォント」期と「バブル・フォント」期それぞれの特徴をミックスし、攻撃的なサウンドに仕上げています。
アーミー・グリーンの筐体や「完全踏襲」を謳った伝統的な回路など、オリジナルへのリスペクトを忘れないのはもちろんのこと、オリジナルにはなかったDCジャックを搭載するなど現代のギタリストの要求にも応えているのはさすがです。
発売時期 | 2017年 |
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電池駆動 | ○ |
消費電流 | 2.2mA |
70年代後半に少数のみ生産された、増幅素子オペアンプを使用したビッグ・マフの復刻モデルです。オリジナル・モデルが高値で取引されている現状を見かねたElectro Harmonixの社長、マイク・マシューズがリイシューを決定したとのことで、高価になってしまいやすいリイシュー物でありながらも、手に入れやすい価格に抑えられているのは大きな魅力です。サウンドについても申し分なく、一般的なビッグ・マフとはキャラクターの異なる轟音サウンドはしっかりと受け継がれています。ディストーション・ライクな音色はマフのイメージに反して扱いやすく、轟音ファズに苦手意識のあるプレイヤーにもぜひ試していただきたい一台です。
発売時期 | 2017年 |
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電池駆動 | ○ |
消費電流 | 2.2mA |
数あるビッグ・マフのバリエーションの中でも最も人気が高いモデルのひとつである「ラムズ・ヘッド」の復刻モデルです。オリジナルのラムズ・ヘッドは最初機の「トライアングル」モデルに続いて70年代前半に製造されていたビッグ・マフのことを指しており、本機ではその分離感とサステインに優れた象徴的なサウンドを忠実に再現しています。オリジナルと比較して筐体はコンパクトになり、ON/OFFのステータスを示すLEDも追加されています。またトゥルー・バイパス化されたことに加え、一般的なパワー・サプライからの給電にも対応しているなど、サウンドはそのままにしっかりと現代的なニーズにも対応している使いやすいペダルです。
発売時期 | 2019年 |
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電池駆動 | ○ |
消費電流 | 2mA |
バンド・オブ・ジプシーズ期のジミ・ヘンドリックスのFuzz Faceを再現した同社の「M173 Classic 108 Fuzz」をダウンサイジングしたモデルです。
トランジスタには同じくバンド・オブ・ジプシーズ期のサウンドを元につくられたJIM DUNLOP社の「JH-F1」と同じシリコン・トランジスタを使用していますが、丸型ではなくコンパクトな四角形の筐体である本機はエフェクター・ボードにも組み込みやすく、既存のボードにも簡単にジミヘン・サウンドをプラスすることができます。
「FUZZ」と「OUTPUT」のみのシンプルなコントロールに加え、ファズとワウを接続した際に起こりがちなインピーダンスのアンマッチによる不具合を解消するため、LEDの右横にはバッファーのON/OFFを切り替えられるスイッチが搭載されているほか、バイパス方式にトゥルー・バイパスを採用しているため、ストレスフリーにヴィンテージ・ライクなサウンドを楽しむことのできる使いやすいファズです。
発売時期 | 2018年 |
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電池駆動 | x |
歴代のビッグマフ・サウンド5種類とJHS Pedalsオリジナルのファズ、合計6種類のファズサウンドをコンパクトな筐体に詰め込んだモデル。トライアングル、ラムズヘッド、ロシアンなど各年代に製造されいまだに人気の高いサウンドを収録、セレクタースイッチで切り替えて伝説のサウンドを一度に味わうことができます。JHSオリジナルのファズはパワフルで抜けの良いサウンドで、いずれのファズも即戦力になるでしょう。
デジタルシグナルプロセッシングやデジタルエミュレーションは使用せず、完全なアナログ回路で制作しています。
発売時期 | 2015年 |
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電池駆動 | ○ |
消費電流 | 100mA |
気鋭の次世代ブルース・ギタリストであるJosh Smithと日本のVemuramのコラボレーションによって誕生したファズ・ペダル。
シリコンとゲルマニウムの両方のトランジスタを搭載したハイブリッド・タイプのペダルです。スムーズで伸びのあるシリコン・トランジスタのサウンドと、ブチブチとしたいなたいヴィンテージのゲルマニウム・トランジスタのサウンドをミックスすることで、ヘッドルームに余裕のある高品位なサウンドを生み出すことに成功しています。
轟音系のファズとは違い、ブルース・ギタリストのJosh Smithの好みが反映された歪みの幅の広いペダルで、ペダルやギターのノブの調節次第でクリーン、クランチ・サウンドにも対応できます。「FEEL」ノブや筐体上部にあるバイアス調整用のノブの組み合わせによって、従来のファズの枠に収まらない、多彩で新しいサウンドを作ることが可能です。
Vemuram Myriad Fuzz – Supernice!エフェクター
ファズペダルの売れ筋を…
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