“ダイエットの女王”伊達式で「週末断食」を実践
ジュース補給で断食中の栄養失調を防止
大越裕=ライター
“ダイエットの女王”と呼ばれる管理栄養士の伊達友美さんも、アスリートやスポーツ愛好家を対象に、身体能力の向上を目的とした断食指導を行ってきた。2回目で紹介した山田式と比べると、準備食と復食の制限が緩く、断食中に飲むドリンクもフルーツジュースでOKだ。最終回となる今回は、ビジネスパーソンやスポーツ愛好家が、週末に気軽に取り組むことができる伊達式の断食メソッドと体験談を紹介する。
アスリートやスポーツ愛好家が加齢で衰えてきた身体能力を高めたり、ビジネスパーソンが集中力や思考力を高めたり…。ここまで著名人の事例を基にした断食の驚くべき効果を紹介してきたが、アスリートはシーズンオフの時期に断食を行うことが多い。では、一般のビジネスパーソンが断食を行うとしたら、いつが最適なのか? 伊達友美さんに聞いてみると、「実は春先の今が断食のベストシーズン」とのことだった。
「真夏や真冬は厳しい気候に耐える体力が必要であり、環境的なストレスもかかるということもあって、あまり断食には向いていません。逆に、体の細胞が多く入れ替わる春先(2月末~3月中旬)と秋口(9月中旬~下旬)は、断食を行っても環境的なストレスが少ない時期なので、体に大きな負荷をかけることなく、細胞のリフレッシュを効率的に行えると東洋の栄養学では考えられています」(伊達さん)という。
ただし、体脂肪率が標準以下の痩せ傾向の人は断食を控えよう。特に運動をしていないのに体脂肪率が低い人は、体に蓄えられているエネルギーや栄養素が少ないため、断食により軽い栄養失調状態に陥る危険がある。基本的に医師など専門家の管理下で行う断食以外は、健康な人だけを対象としている。女性は生理中、生理前は避けたほうがよく、風邪などで体調を崩しているときも行うべきではない。
以下の方は断食をしないようにしてください
・痩せ過ぎの方(体脂肪率が男性15%未満、女性20%未満)
・風邪など体調を崩している方
・常用薬を服用中の方
・持病がある方
・生理中、生理前の女性
・妊婦や授乳中の方
・15歳以下の子どもや65歳以上の方
最初は月1回1日間の断食から
断食の日数については、「ビジネスパーソンは通常平日は仕事があるので、断食の初心者はまず週末1日(24時間)の断食を月に1回、慣れてきたら週末2日(48時間)の断食を年2回のペースで、体調を見ながら実践してみては」と伊達さん。例えば、週末に1日(24時間)断食をするのであれば、例えば金曜の夜に晩ご飯を食べてから、翌日土曜日の夕食までを抜くことになる。
これまでの事例から、1回の断食の継続期間が長くなると体のリフレッシュ効果は高まると考えられているが、その半面で長期に渡る断食は栄養失調をもたらす恐れがある。伊達さんは、「断食は健康な人に限定して指導しているが、それでも2日間(48時間)までに制限している」という。2日を超える断食については、自分だけで判断せずに専門家の指導を受けながら実践するべきだ。
準備期間 | 断食期間 | 復食期間 | |
日数 | 1日 | 1~2日間 | 1日 |
食事 | ・朝食、昼食は普段通りの食事で良い ・夕食は魚中心の和食を取る ・添加物の多い加工食品を控える(ファストフード、冷凍食品、レトルト食品、コンビニエンスストアの食品、インスタント食品、スナック菓子など) ・アルコールを控える |
・果汁100%のフルーツジュースを1日にコップ3杯以上飲む ・良質の水を1日に2リットル以上飲む ・負荷の高い運動は控える |
・一般に、朝食はお粥や白米、味噌汁など、消化の良い食事 ・健康なアスリートや代謝をアップしたい人の場合には、肉などのスタミナ食 |