北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2024年46号の感想

 イヤホン買い換えました。スポーツしないのにスポーツ用。

表紙

 『カグラバチ』。今週53話なので1周年記念っぽいし、先週ちょっと誤解したけど、ついこないだ表紙をやってて、そこが1周年。急に表紙やりすぎである。

読者プレゼント

 ソリストのドレミ。最近は変則的なアプローチをする回が多かったけど、今週はダジャレが土台となったオーセンティックな回を言える。当たり前だけど、担当者の色が強く出るのだと実感できて良かった。同時に次世代と仲良くやっていけるか少し心配でもある。

巻頭カラー『カグラバチ』53話

 先週あんだけショッキングに「お前も人殺しだ」と攻められたのに、今週の冒頭、回想でサムラからその件は教育済みと明かされるのであった。 “理解してやれるのは俺だけ……” と回想明けに言う昼彦くんが可哀想。サムラという先人が理解してくれる。「もうちょっとチヒロが揺れてくれよ」と正直思わんでもないけど、ここで1ミリも揺るがないのがかっこいいってことか。
 んで、地獄側にいる覚悟はできてるチヒロが逆転。ここで真っ黒に染まるのが象徴的で良かったですな。実際には血の赤だと思うけど、アニメ化の際も黒に(黒っぽく)なると思う。

『逃げ上手の若君』176話

 どういう理屈で正規の婚姻にこぎ着けるのかと思ったけど、割と勢いだった印象。いや、家柄ドヤリングがこの時代だと有無を言わせぬ説得力だったということなのかしら。どんなに家柄パワーに屈したとしても、今後も尊氏にこびへつらうことを考えたら断る他ないと思うので、ちょっとここらへんの説得力がよく分からなかった。
 ただ、婚姻というイベントによってWSS(私が先に好きだったのに)状態の雫が人間堕ちする話に繋がるのは良かった。2つのサスペンスが一つの妙案で解決するのが気持ちいい(偶然とはいえ)。

『ONE PIECE』1129話

 「生人形」と書いて「リヴドール」。ラブドールみたいな響きで驚いちゃった。まぁ、意味としては真逆か。さすがに生きてはいない。
 シンプルな冒険になると思ったら情報がゴチャゴチャするいつもの『ONE PIECE』で少し残念だったんだけど、ゴチャゴチャした代わりにこの謎のシチュエーションはすぐに解決しそう。マジか。思ってたスケールと違う。むしろエルバフ(かその前のどこか)の序章的な位置づけなのね。意外だ。

センターカラー『あかね噺』130話

 喉頭癌か……。これはまったく考えてなかった。話の都合上、稽古ができない程度に体調を崩すくらいは想定してたが、元気になるかもしれない。代わりに声を失う可能性。なるほど、話の流れ的にこれ以上なくピッタリだ。残酷なまでにハマる。最後の高座だったかもしれないのが、「死神」というのも何かのフラグのようでイヤですね。まぁ、死なないだけで万々歳なんですが。
 それはさておき「法被と褌のセットアップ」というフレーズで笑ってしまった。セットアップってワードが良すぎる。
 からの解体。話が早すぎて「夢オチですか?」とか勝手に疑ってしまったレベルなんですが、単にあかねの頭がついていかないってだけなんだろうな。『アオのハコ』が悪い。残酷すぎるが、落語業界のあり方的に、声を失うなら(それに体力的にも)、一門は解体ってのも分からん話じゃないのかもな。理を感じてしまうのが余計に怖い話。

『アオのハコ』168話

 懇切丁寧に夢オチの真相を発表してくれるので笑った。「ちょっと難しすぎたかな?」とバカにされてるようで悲しい(先週一度誤読した分際で)。
 菖蒲が現状を整理するのだが、そこでの匡の敗因がまさに「遅い」。菖蒲は彼女なりに最大限匡に寄り添ったし、彼のことを思いやりもしたのだが、匡の遅さが誤解を呼ぶ。
 高砂くん。直接告白の返事を催促するわけじゃないけど、静かにお伺いを立てる感じが巧妙だ。いや意地悪な表現をしすぎか。非常にスマート。okもらった際のリアクションも喜びのデカさは伝えるが、そこまでやかましくないというか、押しつけがましくない。波風なく順調に恋愛関係に発展する様子として妙に生々しい。それでいて高砂くんは嫌いになれない魅力を放っていてものすごいバランスだ。マジですごい。
 からの大喜。大喜?? それよりも絶賛脳破壊中の匡を見せてほしいのですが、この焦らしも正直嫌いじゃない。おそらく今この瞬間が最も脳破壊として美しいと思うので、その一番楽しい時間を引き延ばしてくれる。
 大喜のイチャイチャを邪魔する一同。インセル仕草でなかなかクズなのだが、ギリギリ好感が持てるのでここも偉い。松岡パイセンとか良いよなぁ。クズムーブが魅力的だし、それでいて彼は失恋の度合いが他の男子よりも強いので「まぁこのくらいは」とか少し思っちゃう。そして、そこらへんすべてに対して女バスが精算してくれる。大喜に助け船を出してるけど、その方法が「千夏のことは私が一番知ってる」という古参ムーブなのも味わい深い。千夏ガチ勢マウント。
 からの結構笑えないレベルに悪質な妨害が入ってエンド。そこまで悪意のある人が出てくるイメージがなかったのでマジで驚いた。まぁ、これで彼が千夏の協力者だったら、何とかしないと出れない部屋展開不可避ですな(スタンプの約束を無視するとは思えないので予想ではないです)。

『SAKAMOTO DAYS』185話

 B2到着。迷路らしい。からの全裸眼帯。全裸眼帯!! 良すぎる。その正体がクソパワータイプの弓使いというのも最高。こんな急に出てきたキャラでこれだけワクワクさせられるんだから本作は強い。弓は銃より貫通力が高いとか言ってるけど、単に彼のチカラが強すぎるだけだと思う。極論、矢がなくてもあの弓の中に相手の首を入れて、引っ張って離せば首チョンパできそう。
 眼帯というのも弓使いと合っててかっこいいですね。と思ったけど、弓って両目で狙うんだっけ。ほな違うか……。何かしら片目にも合理的な理由がありそうな気はするのだが。

『魔男のイチ』6話

 ウロロの誘惑。1ミリも効果なかったでござる。イチが変人だからかと思ったけど、実際はウロロの嘘を見破ったから。意外なほど論理的な回答だった。ウロロの嘘が具体的に語られるのは今週なので、先週の時点で分かるべき話とまでは思わないけど、まぁウロロが他の魔法に興味がない件は先週以前から分かってて然るべきだったかもしれませんね。
 イチウロ、煙が出るほど喧嘩してて仲良し。たまに星とか出てほしい。ただ、ヴェノムとエディほどのイチャイチャ感はまだないですね。あれは完全に夫婦。イチがあそこまでのイチャイチャになるとは思えないので、ここらへんが本作独自の魅力って感じですかね。てか、ヴェノムはヴェノムの世界で落ちこぼれだったけど、ウロロは魔法界で王なのでその点が分岐点か。まぁ、今後強さのインフレしてってウロロが「実は俺も負け犬だった」とかなっても不思議じゃないんですが。
 チーム組んで、いざ初仕事。ものすごく早い。ここらへんは話についてけてないクムギ視点のリズムですかね。イチの学ランはここで作ってもらったものでした。男性用として張り切って作られたものらしい。学校関係なかったのか。

センターカラー『信号オールレッド』泉博士

 読切。金未来杯その2。本誌だとショートフロンティアで一度載ってる人。かなり良かった印象。それよりも、作者紹介ページのイラスト欄が番外編4コマになってて、そこで主人公の全裸属性が語られる。これは期待が膨らむじゃねぇか……。正直もう優勝でいいと思う。あと、達筆で羨ましいです。
 本編。超能力学園で全裸テレポーターとお嬢様未来視が対決する。超面白かった。正直もう優勝決まりでいいんじゃないかな。この表現繰り返しすぎたことを後悔してますが、マジで優勝だと思う。このくらいの面白さは早々出てこない印象がある。個人的にこのくらいの温度、テンションのコメディが一番好きです。生理的に大好き(なので客観的にどのくらいウケるかは想像できない)。
 敵対してる相手との結婚式を未来視してしまい、そのビジョンによって動揺しまくる超能力者、というのは『超巡』で見たし、あの作品の中でもトップレベルに面白いエピソードなので本作がかなり損してる部分はあると思うんだけど、それを込みにしても全然良かった。強いて言えば、シグナルの設定がよく分からなかった(魅力が)のと、クライマックスの一大アクション(学校)が絵的にちょっとゴチャゴチャして位置関係とか分かりづらかったかな。そのくらい。
 結婚のビジョンを見てからの動揺のくだり、加速度的に面白い。主人公が良い奴なので何の躊躇いもなく全裸になるんだけど、ビジョンのせいで変に意識した状態だと今までとは違った全裸に対する不快感やら困惑が生じてて本当に楽しい。まぁ、正直な話、全裸の人が全力でこちらに走ってくるだけで面白いってのはある。
 ラブコメシチュとしての床ドン。全裸じゃないということはマジでそういう関係になっちゃうのかと思ったら、超能力が成長して着衣状態でもテレポートできるようになる、という正攻法なドラマに繋がる。これも見事でしたね。そして、その着衣テレポートの可能性を示唆してくれたのはヒロインであって、2人の出会いによって成長がもたらされたとなる。ふざけたり照れたりしないで、2人が初めて真正面から対話する場面でこの着衣テレポートの可能性が語られるのが良いですよね。
 この手のテレポートをアクション的に活かそうとすると必ずぶつかるのが加速度(方向込み)をどう扱うか問題。ポータルを開いて移動するパターンは視覚的に分かりやすいのですが、本作は加速度は変えられない。ので、落下の衝撃を和らげるために土の斜面に落下する。このアイディアは結構目から鱗というか、初めて見たので驚きでした。とはいえ、死なない程度にめっちゃ痛そう。普通にかなり危ない。
 終わり。相当良かった。さすがに来週以降はもう「優勝でいいと思う」は言わないはずです。はずです。

『しのびごと』5話

 抜け忍。であるが、同時にヒバリ回。コミュニケーション強者である彼女がヨダカに人と仲良くなる方法を聞くくだりが最高に面白い。コミュ障キャラは最近多いけど、その中でもフレッシュな魅力を生み出せててすごい。普通にすごい。器用なのでコミュ障ムーブを完璧に再現できる……のに成果が上がらない、という理不尽な必然。とにかくアオイも変人だと強調されるわけですが、このおかげで都合の良い「コミュ障に優しいギャル」になってないのが良いですよね。変人同士波長が合う、と途端に良い話っぽくなる。
 抜け忍の奇襲。ヒバリのコミュニケーション不調が原因でクラスメイトを巻き込んでしまい、当然見捨てられない、という展開に繋がるのもうまい。ダメになった左手で防御するのも面白いアイディアでしたね。面白いというか、ドライすぎて「忍者怖い……」ってなる判断。まぁ、コロッと治せる技術があるんだろうけど。なくて交通事故みたいな嘘で処理したら怖いですね。

『ウィッチウォッチ』175話

 死語俳句。面白かったのだが、ルール説明のくだりで「ラップバトル」が出てきたので「ラップバトルって死語なんですか? せめてMCバトルは許してくれ~!」と無駄に動揺してしまった。そこは死語ではなく、彼女のアゲ趣味ってだけですね。ビビったぜ……。それはさておき、ラップバトルに出る(をする)ようなパイセンがいるって情報、かなり気になるというか普通に題材にできそうな予感ではある。
 そんな死語アゲハイ句。認識の変わったお祖母様が真面目に解説してくれるのが面白い。ただの洗脳や操作ではなく、教養のあるお祖母様に植え付けてるだけ、という設定が活きてる。

『白卓 HAKUTAKU』4話

 本作のタイトルロゴは「HAKUTAKU 白卓」の位置関係になってるのややこしいのでやめてほしい。『ウィッチウォッチ』のタイトルロゴが英語もやめてほしい。あと『チェンソーマン』も勘弁してほしかった。『アイアンナイト』はタイピングしづらかった。
 本編。軽い大会? セッション? ワークショップ? 的なやつに参加してチームを作ろうとする。変人がぞろぞろ集まってくるのは分かるんだけど、「だます」の練習にしては詐欺メールはやりすぎだったというか、嘘の詐欺メールってどういうことかと思う。電車賃なかった人とは初対面だったっぽいのは面白い。事前に打ち合わせしてたらちょっとイヤだけど。

『アンデッドアンラック』226話

 先週「アポちゃんと仲良くなるような決着だといいな」と書いたんですが、半分当たった。そして半分が真逆の方向に外れた。アポちゃんでここまでウェットな展開になるとは、それもこんな急になるとは思わなかったです。
 それと、先週気になってた「注入される記憶の洪水を根性だけで乗り越えるのはやめてくれ」の件、これはアポちゃんが与える記憶を選択してるっぽいのでキレイに解決でしたね。これもまったくの予想外で、かなり理想的な解答だったので気持ちいいです。
 ちょっと絵的に分かりづらい部分もあったが、ソウルに握りつぶされるアポちゃんと、ジュリア(と過去ジュイス)に抱きかかえられるアポちゃんが重ねられる演出とか美しかったです。正直泣き落とし的なクライマックスはそれほど刺さらなかったけど、この腕の中で死んでいくくだりはとても良かった。

センターカラー『超巡!超条先輩』34話

 ラッキースケベを予知してしまい全力で回避する超巡。相変わらずめちゃくちゃ面白かった。本作が今まで巧妙に避けてきた「超巡とエロ」について完璧な理論武装を披露するという意味でも最高に面白い。すぐに疑われてしまい、超能力が万能であるが故に無実の証明ができない。ギャグ的に笑うこともできるし、「つらい人生だったな……」と超能力者の悲哀をこの上なく感じさせる話でもあって最高。相棒は男の方が都合が良かった、という過去も納得である。
 ポンちゃんの弾け飛ぶ胸ボタンは直接押さえるけど、女子高生のスカートを直接押さえるわけにはいかない、という妙にジェントルな判断も面白い。直接押さえないとなると風を防ぐ方法が大げさになりすぎ、という落差も良い。無駄にかっこいい絵面。
 ナイスジェントルという意味では、「そもそもその場から逃げればいいのでは?」という発想に至らないのも同じですね。濡れ衣専門のアパレルショップを回避するだけだったら「自分がラッキースケベを享受しない」で済むけど、それだと被害者は発生してしまうので、防ぐ方向へ奮闘する。
  “げえっ!! 花園春香!!” 。「げえっ 関羽」なので笑った。ネタが細かい。
 『ファイナルデスティネーション』的な理屈で収束するラッキースケベの運命。強引な流れも面白いんですが、初手の「弾け飛ぶ胸ボタン」だけ何の理屈もないのも良い。理屈はないけど納得できてしまう。

『HUNTER×HUNTER』402話

 細菌兵器。王も結局毒で殺せたわけだから、この世界における毒の信頼度は異常。その点五条先生は毒対策もしてたからすごいな。まぁ未知の毒だと普通に死にそうか。ただ、死んだら呪霊になるのでエイリアンの酸性血液よりタチが悪い。
 死ぬ前の手紙作戦。面白い。面白いし、そこに「手紙読んでるところにカマかける」という地味な作戦をプラスしてくるので最高。地味すぎる。毒も近いだけど、実力とか立場では劣るところを地味な作戦で有利に進めるってのが痛快……というほど派手さはないが面白い。
 バショウの俳句。これには今週の『ウィッチウォッチ』をぶつけるべきだったんじゃないですかね。編集部、日和ったのかしら。ダサいぞ。『あかね』の激重回に『超巡』のプラモをぶつけたのに、『HUNTER×HUNTER』には気を使うのかよ。

『僕とロボコ』205話

 『名探偵コナン』回かと期待したら、少女漫画ベタ隣人回だった。ロボコの読んでる本が「異次元の英会話」で『異次元の狙撃手』をネタにしてるのとか妙に面白かった。センスを感じるというか。映画シリーズにおいて最もトンデモ方向に進化した記念碑的作品だと思うので。奇才静野監督の到達点。
 イケメン隣人たち。世紀末ロボコと同じで顔のバリエーションに乏しいというか、妙に違和感が残る描かれ方してて面白い。別に宮崎先生は普通にイケメンキャラ描ける(扱える)と思うので、この妙なギクシャク感は意図的なのかな。というか、この妙な違和感、漫画としてハマってない感じを言葉で説明するの難しいですね……。

『悪祓士のキヨシくん』16話

 善戦したら普通に合格にしてくれる他の2人。棺の煽りもそうだけど、少年漫画的なノリとして「勝って合格」ばかり考えてたので、普通のことが少し意外だった。試験官として優良なのが分かる。
 そして、ちょっとだけ予想はしてたけど、斧ヨーコの活躍は省略。ただ、地面に刺さった巨大斧の柄に座ってる絵面がかっこよかったので普通に満足でもある。あの位置に座って斧が外れないということは、どんだけ重いの……的な良さ。
 本題としてのキヨシ、と老GUY。グランドクロスに40年と紹介されてたけど、「最高位になれないまま40年か……」って思った読者少なくないんじゃないでしょうか。絶対そういう返しをすると思ったけど、キヨシはそういう意地悪なこと言わないってことで納得でもある。
 器の話。分かったような分からないような……となってたらキヨシも器が理由で不合格判定。まるで理解できないので面白い。ここまで堂々と不正審査したら上から怒られるんじゃないだろうか。40年の記録がしょうもない理由で止まりかねないぞ。

『ひまてん!』14話

 殿一の同性友人。メガネくん。こいつも近衛さんと同じで、応援のスタンスの元、強引に話を進めて本人はスタコラサッサであった。いくら何でも同じすぎるというか、作劇の都合を感じてしまうな。まぁ、その分話が早くて助かる面もあるのだろうが。
 メガネくんにお膳立てされても受け身かつ逃げの殿一……をお見通しのひまり。良いな。結局受け身で話が進むのには変わらないが。ひまりとのツーカー感が魅力的。
 自信とコンプレックスの話。ひまりはメガネに対する悪いイメージが強すぎて不安になるのだが、まぁコンプレックスにまみれてた自分がメガネだったので、未だに「メガネ→芋」となってしまってるのだろうな。
 そんなひまりによる「可愛いは作れる」の変奏としての応援。何気にこの話、直前の『キヨシくん』でやってた「器」の話へのアンサーのように機能しちゃってますね。「悪祓士のひまりさん」だったらジーサンをボコしながら、 “磨いても今より輝けない人は” “絶対いないよ” と言ってくれる。その場合の殿一はトサカ。
 からのグラビアアイドルの襲来。なるほど、ひまりは「成り上がり」だけど、カンナは生まれつきですね。持って生まれたものを武器に足がかり的な仕事をするのも一つのプロ意識、という話。似てるようで真逆で面白いな。カンナがひまりに憧れるようになったのも納得できる。女性ファンは努力型のひまりに付き、男性ファンは天賦の才のカンナに付く、という対比でもありますね。今回殿一が驚いていたように、男は美女は昔から美女だと思いがち、ということなんだと思う。

『願いのアストロ』25話

 東京駅付近の地下(迷ってたのでどこかは分からん)で買ったキンパがおいしかったです。チヂミもうまかったけど、チヂミは出来立てのうまさを思い出してしまうので良くない。
 本編。氷室の取り巻きが面白い。口の悪さも好きだし、氷室が命令を下す際、後ろを向いて「分かるよね?」と忖度を促すのも外道仕草としてリアル。「別に命令はしてないよ」というスタンスを保つのが公権力って感じのデクだ。いや、これは極道の世界でもお馴染みか。広く一般的に当てはまるクソムーブ。
 3人のアストロの中身が都合良すぎる、から人工アストロ。すごく良かった。バトル漫画だとこの「都合良すぎる」を無視する作品も少なくないと思う。結構感動しちゃった。

『キルアオ』73話

 子供たちは非情に見えて意外と「勝てば何でもいい」ではない。すっかり私情が先行しちゃってるので、ずるい大人が助け船を出そうとすると逆にキレる。ここ、子供らしくてめちゃくちゃ良かった。十三視点の話で、敵が学生という設定をしっかり踏まえててとても良い。
 一方、シンは自分のためよりも勝利のためを選択する。まぁ、ノレンのための勝利なので結局は自分のためというロジックだけど、本話という区切りで見るとどうしても敵チームとは対照的な姿に思える。正直合体キック決める間に長々と喋りすぎだと思うんだけど、なかなか良い話、良い回でしたな。

『夜桜さんちの大作戦』246話

 旦は勢揃い兄弟姉妹と戦うことよりも双子を処理することを優先する。が、そもそも兄弟姉妹は勢揃いしてなかった、というツイスト。かっこいい集合絵見せてからの「うっそぴょーん」は効くぜ……。独りでドハデな活躍ができる辛三は本物で、双子の保護(というかその双子も偽物)で旦を釣ってたのは四五のトリックスター組、引率として最強長女。あと七悪。同じ場所に揃ってるわけではないけど、全体を通じてチームワークの良さが感じられる。人員の配置も気持ちよく機能してるのが伝わってくる。
 一方長男はこっそり別行動で悪巧み。最強格が揃ってのバトルはまだ出し惜しみか。まぁ、会長もいるし、百も救おうとするスタンスは好きです。どのような救いになるかは知らんけど。『アンデッド』とかもそうだけど、読みながら想定してた以上に欲張りハッピーエンドを目指してるのが良いよね。

『鵺の陰陽師』70話

 副隊長、寿命を削りながら戦うスタイルらしい。かっこいいのだが、「修行で使うのはやりすぎじゃない!?」と正気に戻ってしまうな。本番になったときにこの武器を紹介して「あの修行のときは本気じゃなかったのか……」となる方が良かったというか。まぁ、本番だとあの人、バトルが本業じゃないのか。
 修行の帰り道、されたのと同じ恋人質問を返すことで2人の仲が深くなる。バトルという共同作業で相互理解が進み、それによって発生したイベントって感じで良いな。恋人はいるけどいない、という変な関係もギャグ的な楽しさもありつつ、今まで知らなかった背景を知れたことの感動もある。急に真面目に良い回だったな。全裸とか変なラブコメがないぞ。それも好きだが。

『妖怪バスター村上』17話

 組織の四天王にサツアイ。よくある謎の高いイスに座ってて笑っちゃったんですが、ずばりその件に村上が土足で踏み込んでいくのでもっと良かった。いつもの屁理屈とかではなく、出発点がツッコミ的なのが面白いですね。いや、いつものやつも村上としてはツッコミ的なスタンスなんだろうけど。
 先週「村上の屁理屈言霊が人間に使えたらすごそうだな」みたいな話したんですが、いきなり今週がその話だった。四天王をプロデュースするくだりとかまさにそうだし、その終着点として、最も収まりの良いトップの座に紅院が収まる。紅院、現連載陣の中で成長の角度が最大だと思う。出世しすぎである。
 紅院、演技力もそうだけど、ノリが良すぎるので微笑ましい。プロデュースのくだりでの “ああっ… なんか見易い” とか相当好きでした。もはやツッコミではない。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 10/20は頭髪の日。ということで、ジャンプキャラの髪質を予想しながら実際にスタイリングするならこう! という特集。厳密には、キャラの髪質に合ったスタイリングを紹介してるのだが、その方向性がそのキャラになってるのも間違いないと思う。少しややこしい。実際にどこまで近づけるのかは分からんし、別にやりたくなったわけではないのだが、読んでてめちゃくちゃ楽しい。思春期に出会っていたらひょっとしたら感化されてたかもしれない、というくらい良かった。
 デクのモジャモジャはクソナードの典型的髪型という意図でデザインされたと思うので、わざわざ目指すものではないと思うのだが……と久しぶりにものすごく基本的なことを考えてしまった。あと、天然パーマじゃなくて剛毛と解釈されてるのも意外だった。正直こっち系の知識はほぼ皆無なので「天パーとは違うの……?」と衝撃。
 あと完全フラットな存在として中央に大喜が座してるので笑った。平均的! さすがジャンプに連載してる少女漫画の主人公は髪質からして異質だ。

次号予告

 表紙巻頭は『SAKAMOTO』。第2回の人気投票やるらしい。前回はシンが優勝だったっけ? 今回極端に伸びるのはタカムラあたりだろうか。いや、ジジイがこの手の票を集めるイメージもしづらいか。
 あと、『魔男』がセンターカラー。ということで、個人的な次号の注目は次号予告で『しのびごと』がセンターカラーになるかどうかです。基本的になると思うのだが、『魔男』には久々のスーパーロケットスタート(すぐ表紙来るやつ)の風格も感じるので、『しのびごと』はちょっと遅れてカラーかもしれない。

愛読者アンケート

 読切についてと付録、応募者全員サービスについて。

総括

 土曜深夜更新と相成りました。次号は通常の水曜深夜更新を目指します。特に障害はないので、普通に頑張れば行ける。普通に頑張れるかは私次第だ。

 今週のベスト作品。読切。『信号オールレッド』。非常に心地良いギャグでした。
 次点は『しのびごと』『超巡』『ひまてん』。

 ベストコマ。『SAKAMOTO』天弓の初登場コマ。アクションシーンも良かったけど、全裸好き。開幕全裸好き。

 ベストキャラ。『アオのハコ』より高砂くん。決して圧が強いわけではないが、告白の返事を欲しがってみせたり、自分をアピールしてみせたりするくだりがとてもちょうどよかった。もっと極端な完璧イケメンだったり、クズイケメンになりがちなポジションだと思うんだけど、ちょうどいい。とはいえ、次回以降「計画通り」とクズキャラに変貌する可能性も1割くらい期待してます。いや1割以下。
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