『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』(2024) 全8話/中盤がめちゃくちゃ退屈で最初とラストだけ面白いという珍しいDisney+ドラマ。やはりSWは1-6とCWだけで良くない?🐘
原題:Star Wars: Skeleton Crew 監督&脚本(第5~6話以外)&製作総指揮:ジョン・ワッツ。クリストファー・フォード 脚本(第5~6話):ミョン・ジョー・ウェスナー 音楽:ミック・ジアッキーノ 製作総指揮:ジョン・ファヴロー。デイブ・フィローニほか 制作:ルーカス・フィルム 配信:Disney+ 製作国:アメリカ 上映時間:各話約48分、全8話 配信開始日:2024.12/02~2025.1/14(日本は1日遅れ) シリーズ:『スター・ウォーズ』のドラマ
MCUの『スパイダーマン:ホーム』3部作でお馴染みのジョン・ワッツ監督によるSWドラマ……という紹介からは考えられないほど視聴者数が死ぬほど少ないらしい。めちゃくちゃ視聴者と評価が低かった『スター・ウォーズ:アコライト』(2024)より更に少ないという、もはや余程のSWオタか「観たいとか観たくないとか関係なくSWとMCUはもう乗りかかった船だから仕方なく全部観る」という僕みたいな者しか観ていないと思われる。
「ちょっと待って、MCU『スパイダーマン:ホーム』3部作のジョン・ワッツ監督のSWドラマだぞ!?」と問いたくなるが実際のところ全く観られてないのもまぁわかる。
世間のディズニー制作SWへの関心度……特にDisney+ドラマへの関心度なんか「Disney+のSWやMCUのドラマ=10本中9本はつまらない、残り1本も”最後までなかなか良かった”レベル」という打率の低さなので「ジョン・ワッツ監督作だぞ!?」とHOSTっぽく書きはしたものの気持ちはわかる。僕も映画ブログやってて逐一感想書いてるからコレクション感覚で観て感想書いてるけどブログやってなかったら100%観てない(SW疲れとかアメコミ映画疲れという言葉もあるが、もう何十回もそれになって、でも次々とDisney+作品が粗製乱造されたせいで骨折した骨がくっつくかつかないかのうちにもう次の新作が来てしまうので慢性的なDisney+疲れになっていると言える)。
それと「子供たちと怪しいおっさんが宇宙船で漂流してしまう」というあらすじを数年前に聞いた時から「僕が最も興味ないキッズ冒険もの……ガチで一番興味ない……」と思った(『グーニーズ』は良いけどね)。これはさすがに観るのやめとこうかと思ったが、ジョン・ワッツ監督だし制作も、確定でつまらないキャスリーン・ケネディ派閥じゃなく、『マンダロリアン』のジョン・ファブロー&デイブ・フィローニ派閥だから……一応観とくか、という気持ちもあったので観た。
ジョン・ワッツ監督といえばデビュー作『クラウン』(2014)からMCU『スパイダーマン:ホーム』3部作とか全部「10代の子が怖いおっさんに翻弄される」という内容の作品をひたすら撮り続けてるので最初にあらすじ聞いた時に「これはSW銀河版の『COP CAR/コップ・カー』(2015)だな。そんで”まぁまぁ良かった”という感じで終わるんだろうな」と思ったが、数年前に思ったそのままだった(いや、想像してたよりも中盤かなりつまらなかったのが想定外だった)。
「スケルトン・クルー(Skeleton Crew)」とは「最小限度の人員」という意味らしい。
スティーブン・キングの短編小説『骸骨乗組員』はこれのことか。
ネタバレあり。
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銀河帝国が崩壊して5年。新共和国が秩序を保っていたが、辺境のハイパースペース航路では宇宙海賊が横行して荒れていた。
宇宙の辺境。感知されない特殊なバリアで覆われてドロイドが警備している、外界から隔離されているが非常に平和な惑星アト・アティン。
宇宙での冒険やジェダイに憧れる少年ウィム(演:ラヴィ・キャボット・コニャーズ)。
その親友で心優しい少年ニール(演:ロバート・ティモシー・スミス)。
学級委員長的な少女ファーン(演:ライアン・キエラ・アームストロング)。
その親友、事故で負った傷をサイボーグ的な機器で補っている賢い少女KB(演:キリアナ・クラッター)。
彼ら4人は地中に埋まった海賊の宇宙船を発見し、中にはドロイドのSM-33(声:ニック・フロスト)がおり電源が入ってしまい宇宙船はアト・アティンのバリアを突破して飛び立ってしまう。
という第1話。この第1話はかなり面白かった。
主人公の少年少女が住むアト・アティンでの生活、銀河TVを観ながら銀河シリアルにブルーミルクかけて食って銀河小学校に行き……と、あまりにもアメリカの小学生すぎるので「これSWだぞ!アメリカすぎるやろ」と最初は思ったものの、どうやら我々が知る今までのSW銀河から完全に隔離された惑星だということがわかってきたので「SWの惑星っぽくない日常はわざとか」とわかってきた。
彼らの「平凡で平和な学童生活」はつまらないので、海賊の宇宙船を見つけて中で遊んでたら骸骨を思わせるドロイドが動き出し、主人公ウィムのパパの眼の前で動き出した宇宙船が一気に子供たち4人を乗せたまま外宇宙へと飛び立って終わる第1話は、退屈な日常が破られる快感があり、なかなか面白かった。
物語の時代背景だがSWの銀河系のABY-BBY暦法でいうと9 ABY頃の話らしい。
他のSWでいうと
『マンダロリアン』〈シーズン1〉(2019)でマンドーがグローグーを拾ったり、『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』(2021-2022)でボバがタトゥイーンのダイミョウになった頃までらしい。『スター・ウォーズ ep6/ジェダイの帰還』(1983)で反乱軍が帝国を滅ぼして5年後、『マンダロリアン』同様に銀河帝国による圧政はないものの海賊などの小悪党がチョロチョロと悪さしていた時。
第2話。ウィム達は、海賊に捕まってしまうが牢にいた自称ジェダイの中年男性ジョッド(演:ジュード・ロウ)のフォースで牢を破り脱出。アト・アティンへの帰り方を探すことになる。という第2話もなかなか面白い。この第1-2話が映画の三幕構成でいう第一幕的な物語の起点でここは面白い。
第3話~第6話までは映画でいうと第二幕、中盤にあたる部分で、追ってくる海賊から逃げたり色んな惑星に行ってアト・アティンの座標を探したりと冒険をする。
で、結果から言うとアト・アティンは銀河の通貨を製造する造幣局がある惑星だった。そのため海賊から隠れる必要があり、そのため視認やレーダーにも反応しない偽装バリアが施された惑星だったのだ。この設定は素直に面白いと思った。「外界から隠れた惑星」を作ったら本作の「まるで現代アメリカの住宅街そっくりの街アト・アティン」みたいに「俺だけのSW」を作るのに有効だなと思った(それをSWファンが観たいかどうかは別問題だが)。
……で、この中盤だが、個人的にはめちゃくちゃ退屈でつまらなかった。
この部分こそ楽しくしないとダメだと思うのだが全くもって全く面白くなかった。
そして観る前の予想通りジョッドはやはりジョン・ワッツ映画的な、子供も容赦なく利用する悪いおっさんである本性を見せてくる。その怖さは、残虐だったりサイコパス的なステレオタイプな悪ではなく「普通に快適に暮らせるものならそうしてるが環境によっている」といった感じで「現実にもいる闇バイトやら詐欺やらしてるおっさん」的な、リアルな小悪党のおっさんという感じでSW作品にしては妙に非常にリアルな味わいがある。対して子供たちのキャラは、割とステレオタイプなキッズで正直面白くない。ドロイドのSM-33は、船長命令に従うが子供たちが船長になってしまったため基本的には子供たちを助けてくれる。
途中で昔の海賊のアジトにあったライトセーバーを拾う。ジェダイのおとぎ話で育ったウィムは喜ぶが、小悪党であるジョッドはライトセーバーを「子供たちを脅す道具」にしか使わない。この「正義の騎士ジェダイが持っていたライトセーバーが闇バイトが持つ出刃包丁」にまで堕ちてしまった構図もなかなか面白い。
かなりつまらなかった中盤だが、主人公たちが乗ってる宇宙船が、ボロ船に偽装するためのボロ装甲をパージしてカッコいい真の船体を見せるシーンは普通にカッコよかった。
ジョッドは海賊を味方につけ、子供たちを脅し造幣局ごとアト・アティンを征服しようとする。
この第7話~第8話(最終話)は、素直に面白かった。
子供たちは、冒険で少し勇敢に成長しており知恵と勇気で、ジョッドや海賊たちを倒す。子供たちが武力で海賊たちをボコしたら興醒めだが本作は「力を合わせて海賊の魔の手をすり抜けつつ、共和国に通信を打ってXウイング隊の皆さんに来ていただく!」というもので、これなら子供たちが海賊を倒しても納得できる丁度いい塩梅だと思った。
フォースが中途半端に使えるジョッドの正体は「オーダー66(ジェダイ全滅計画)を
逃れたジェダイに見出されて修業してた貧乏な少年だったが、マスターはジェダイ狩りで殺されてしまい、苦労ばかりして善意は何の役にも立たない」と思うようになった曲がったおっさんだった。フォースは、押したり引いたりができるくらい。
だが心底クズとまでは行かずKBが死んだと思った時は「あっ……」と一瞬哀しい表情したりするくらいの情は心の底にある感じ。『ジョジョの奇妙な冒険』の敵にいそうな「心の弱さによって悪になってしまった普通の人」という感じが強い。
最初は彼をジェダイだと思って目を輝かせてたウィムが最終話で「このクソ野郎~!」とか言いながら泣きながら抵抗する様は、夢が汚されてショックながらも仲間や両親や町のみんなのために戦っていて素直にハッと刺さるものがあった。
ちょい悪ジョッドに悪の刃となってしまったライトセーバーも、夢を持ったままのウィムが持つことで正義の刃になるあたりも「搭乗者によって神にも悪魔にもなるマジンガーZ」みたいな感じがあってなかなか良い(このテーマは、船長の言うことをきくドロイドのSM-33も同様)。
駆けつけたXウイング隊の空中戦も短いが「やっぱ一般市民目線での助けてくれるXウイングはカッコいいな」と思えたし敗北するジョッドも、諦めたようなどこかホッと安堵しているかのような複雑な表情がさすがジュード・ロウと思えた演技だった。
そんな感じで最初の第1-2話と第7-8話(終)という、頭とケツだけ面白い、という珍しいDisney+ドラマだった。殆どの作品は最終回前までそこそこ面白くて最後にガッカリして全て忘れる、というパターンばかりだったので中盤だけつまらない本作は今までにないパターンだった。
本作もやはり「つまらない中盤の第3-6話をギュッと凝縮して全3話にすれば……いや、映画一本分でよかったんじゃないか?」という感じだった。映画なら中盤が退屈でも最初の面白さの余韻でそこを乗り切って最後が面白ければそこが印象に残り観終わった感想が「面白かった」と思えるから、中盤のつまらなさが観てるこちらに浸透する前に面白い終盤を経て観終えれば面白い印象になるからだ。殆どのDisney+ドラマは、ショーランナーなどを入れておらず「映画の作り方で作って、映画ならカットするであろうつまらない部分をそのまま全部残して6~8分割しただけなので、つまらないドラマが逃散されてしまった」というパターンが非常に多いのだが本作もやはり、そんな印象だった。
だが殆どの作品は最後ガッカリするものが多い中で、最終話だけ凄く面白いという本作は本当に珍しかった。だが、これを映画に凝縮されてもそれでも弱いので配信専門映画でよかった気がする。
あと最初に書いたように、SW疲れ、Disney+ドラマ疲れというのも、こちらの本作への視聴態度にマイナスに働いた。「面白くない期間」が一ヶ月以上もあったので「今週もつまらなかった。面白くないなぁ……」と30日以上思い続けて観続けるのはきついものがある。
とはいえ『スター・ウォーズ:アコライト』(2024)よりみたいに「シーズン2に続く!」とクリフハンガーで終わりつつ「超絶不人気で続きなどないよ」というものとは違い、「成長した子供たちの勝利!夢を諦めたおっさんジョッドの敗北!」と、ちゃんと完結させて終えたのは偉いと思った。
でも良い部分もあるので、たとえば本作が『マンダロリアン』シーズン1の後に配信してたら僕も「SW銀河の新たな広がり!」と好感触だった可能性もある。でもそうではないからね。SWとMCUのつまらないドラマを観続けて10本中1本の割合で「今回はちょっとよかった」と回復するが「悪くは、ないが……」という程度のものを延々と観続けてると精神がすり減ってきました。
最後は面白かったが、特に続きが観たいほどでもないので全く人気が出ずシーズン2など作られなさそうなのは、もう続きを観なくて済んだので良かった。なんならもうドラマを作るのは本当にやめてほしい。
『スター・ウォーズ:アソーカ』(2023)のシーズン2は作るようだが、今後はなるべく映画にしてほしい。
夢を諦めない子供たちの前向きな勇気はしっかり受け取ったが、あまりこういった末端の話をやるほどSWの世界に広がりを求めてないというか、続けてもいいけど普通の本筋の映画SWをやってほしい、こういった子供たちの冒険はその中のほんの一要素だけで充分だと思う。
というかEP7以降が不評過ぎてep9以降の作品を作ろうとしては辞め……を繰り返して、唯一好評な『マンダロリアン』の時代……ep6とep7の間のドラマを延々と続けてお茶を濁してるDisneyのSWが哀れというかなんというか……。次々と有望なクリエイターをクビにして訳わからん奴をep9以降の作品の監督に立てては延期……を繰り返したりしてるが、もうやめたら……?とは言わないが、何とかならないもんですかね。
もうさすがに加齢でSWとか観なくていいかなと思えてきたし、ベタではあるがやはり1から6までとクローン・ウォーズだけでSWはもういいかなと思えてきた。もう何にも出ないだろ。タトゥイーンばっか出すし口の中に砂まみれよ。
そんな感じでした。
〈ジョン・ワッツ監督作〉
『COP CAR/コップ・カー』(2015)/ケビン・ベーコンは思いのほか出番短かったが素晴らしい内容🚓 - gock221B
『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)/すごく良かったがピーターが私生活で約束を破り続けるのでヒヤヒヤする 🕷 - gock221B
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)/冒頭からラストまで面白くないところがなく全編面白い🕷 - gock221B
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム エクステンデッド・エディション』(2022)/20年越しのお祭りで最高に面白いが中盤以降があまりに哀しい+後日に追加版追記🕷️ - gock221B
「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」 | Disney+(ディズニープラス)
Star Wars: Skeleton Crew (TV Series 2024–2025) - IMDb
Star Wars: Skeleton Crew | Rotten Tomatoes
スター・ウォーズ:スケルトン・クルー - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ
『クリーチャー・コマンドーズ』〈シーズン1〉(2024-2025) 全7話/DCU一作目。情緒を上手く乱高下させてくるしガンのバランス感覚も良かった。好かれないキャラ造形されてるフランケンがキーかもしれない🧟♀️
原題:Creature Commandos〈Season.1〉 監督&脚本&原案&製作総指揮:ジェームズ・ガン 製作総指揮:ピーター・サフラン 原作:J・M・デマテイス&パット・ブローデリック『Weird War Tales』#93 (1980) 制作:製作 DCスタジオ、ワーナー・ブラザーズ・アニメーション 配信:HBO Max(日本ではU-NEXT) 製作国:アメリカ 上映時間:各話約 分、全7話 配信開始日:2024.12/05~2025.01/09 シリーズ:DCユニバース(DCU)第1作目。チャプター1:『Gods and Monsters』第1作目
先日、MCUで『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズでお馴染みのジェームズ・ガンによるDCU第1作目『スーパーマン』(2025)の特報が公開されて凄い再生数を稼いだ。
映画『スーパーマン』超<スーパー>特報 2025年夏公開 - YouTube
「DCU」とは、これはMARVELのMCUのDCコミックス版。
今までは〈DCEU〉というシネマティック・ユニバースを2013年から2023年までの10年間やってて最初はMCUよりも大ヒットしてたのだが『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)が『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)に敗れてからはMCUに形勢逆転されてしまい(MCUはBvSに勝利するため本来の『キャプテン・アメリカ:サーペント・ソサエティ』を、まるで「アベンジャーズ2.5」であるかのような総出演のシビル・ウォーに差し替えて見事勝利した)、更にDCEUは大ヒットこそしていたものの低評価だったことやコロナ禍突入のせいもあって2020年あたりから全く客が入らなくなりDCEUは終了(僕はあまり好きじゃなかったものの最初から最後の『アクアマン/失われた王国』(2023)までちゃんと観た)。
そこでMARVELを去ったジェームズ・ガンが、MCUでいうケヴィン・ファイギのようなクリエイティブ面での総合責任者となって新たなシネマティック・ユニバースを舞台に始まったのが、この〈DCU〉(このガンの流れは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(2023)のページにまとめた)。
で、来年公開のジェームズ・ガン監督作『スーパーマン』(2025)がDCU一作目なんだが、実はこの配信アニメが一足先に始まったDCU第1作目だ。ひっそり始まった。
ちなみにMCUでいう「フェイズ1」みたいな作品群だがDCUの第一章は「チャプター1:Gods and Monsters」という名称が付けられている。よくわからないがヒーローだけでなく本作のようなモンスターっぽい奴らを取り上げる感じ?
ちなみにDCEUとは違う世界、一新した世界が〈DCU〉なわけだが、ジェームズ・ワンが監督した過去のDCEU作品、『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)、そのスピンオフ・ドラマ『ピースメイカー』〈シーズン1〉(2022)(傑作)この2作は「DCUの過去にあった出来事」として話は続いている。ただし『ピースメイカー』〈シーズン1〉(2022)ラストでDCEU版ジャスティス・リーグが出てくる場面があったのだが、そこだけ無かった事になった。
だからDCEU版『ピースメイカー』〈シーズン1〉(2022)とDCU版『ピースメイカー』〈シーズン1〉(2022)は全く同じ登場人物と同じ物語が展開されたがJLが出た場面だけDCEU版『ピースメイカー』〈シーズン1〉(2022)での出来事だと思えばいいだろう。
だから
【DCU】
DCUの「過去にあった出来事」:『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)、『ピースメイカー』〈シーズン1〉(2022)(JLが出てくる場面は除く)
↓
DCU配信での一作目、本作『クリーチャー・コマンドーズ』〈シーズン1〉(2024-2025)
↓
DCU一作目『スーパーマン』(2025)
↓
to be continued……
こういう感じ。わかった?
まぁ、ガンは「観なければいけないものが多くあるとユニバース疲れになってしんどいから、DCUは好きなものだけ観ても楽しめるように作っていく」と言っていたので、別に知らなくてもいい。一応書いただけ。
ちなみに『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(2022)と、そのスピンオフ・ドラマ『THE PENGUIN-ザ・ペンギン-』(2024) (名作)、そして今後何作か続くこっちのユニバースは「BECS(バットマン・エピック・クライム・サーガ)」というDCUとは別の『バットマン』の登場人物だけの、超人や怪物は今のところ居ないDCUよりリアルな世界線になっている。合流するという噂もあったが先日DCU版のバットマン作品の監督が公に否定した。このBECSもDCUもどちらも大好きだし今後も末永く2本ともこの調子で並行して進めて欲しい。ちょっと話がややこしくなってきたがシネマティック・ユニバースが2本あるだけなのでDC映画好きならすぐわかるだろう。まぁBECSの方はユニバースという大げさなものではなく「スピンオフを含めた『ザ・バットマン』のシリーズ」という感じですけど。
クリーチャーコマンドーズはJ・M・デマテイス&パット ブロデリックのDCコミック『Weird War Tales』#93 (1980)が初出のモンスターばかりのチーム
Creature Commandos - Wikipedia
……らしいが読んだことなく全く知らなかった。フランケンはDCコミックでちょいちょい見かけたことあるが。まぁ全員良く知らんので原作と比べてどうこうは言えない。
とりあえず政府がヴィランを無理やり特攻任務に使うチーム〈スーサイド・スクワッド〉のモンスター版というコンセプトはわかる。人権どころか人間ですらないからスースクよりも酷い扱いを受ける予感はする。
なお、クリーチャー・コマンドーズ(以下コマンドス)のキャラたちはそのキャラっぽい俳優が演じているので今後、他のDCU実写作品にコマンドスが出てくる時は彼ら中の人らがそのままコマンドスに扮して演じるのだと思われる。
そういえば去年、日本のスタッフが『異世界スーサイド・スクワッド』(2024)というアニメを作ってたがあまりにつまらないので3話くらいで観るの辞めた。最近「全部観て、何がどうダメなのか論理的に全部書こう」と思ったが、そんなネガティブなことに時間と労力使うくらいなら、もっと観たいもの観ようと思い再見するのもやめた。個性的なヒーローやヴィランがいっぱいいるDCユニバースから凡庸なオークやら兵隊といった幾ら殺しても殺されてもどうでもいい”異世界”にスースクが行く意味が全くわからなかった。
ネタバレあり。いつもにも増して殆どネタバレしてるのでご注意
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本作の〈以前〉にあったとされる本作にも一応関係ありそうな過去の出来事
『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)
メタヒューマン(超人)対策の組織、A.R.G.U.S.の責任者であるアメリカ政府高官、アマンダ・ウォラーは、宇宙生物スターロを使った非人道的な計画〈スターフィッシュ計画〉を潰すため、ウィーゼルその他の犯罪者ばかりを集めた特攻部隊〈タスク・フォースX〉通称〈スーサイド・スクワッド〉を送り込んでスターフィッシュ計画を潰した。
しかしスターフィッシュ計画を行っていたのは実はアメリカ政府であり、このミッションの真の目的は「アメリカ合衆国の、スターフィッシュ計画への関与の証拠を抹消」する事だった。
正義感にかられたリーダーのリック・フラッグ大佐は世間に告発しようとするが、合衆国に忠実なピースメイカーによって殺害されてしまった……
『ピースメイカー』〈シーズン1〉(2022)
・ピースメイカーは〈スターフィッシュ計画〉に引き続き、地球外生命体バタフライを駆除する〈バタフライ計画〉を命じられ、A.R.G.U.S.職員たちや友人のヴィジランテと共にやり遂げて友情が芽生える。
・A.R.G.U.S.職員ジョン・エコノモスはバタフライとの死闘で片足を負傷した。
・A.R.G.U.S.職員レオタ・アデバヨは、母であるアマンダ・ウォラーがザ・スーサイド・スクワッドやピースメイカーなどの囚人を非人道的な作戦に使い捨てていることを世間に告発する。
小国ポコリスタンが、女性だけの秘密の国セミッシラのアマゾン族出身の魔女キルケー(演:アーニャ・シャロトラ)から攻撃を受けていた。
事態を沈静化するためアメリカ合衆国の政府高官であり、メタヒューマン対策組織A.R.G.U.S.の長官でもあるアマンダ・ウォラー(声:ヴィオラ・デイヴィス)は、爆弾を埋め込んだ囚人たちで構成されたタスクフォースX(ザ・スーサイド・スクワッド)を派遣したいところが、数年前に娘アデバヨの告発で人間の囚人を任務に使用する事が法で禁じられてしまい、もうタスクフォースX(ザ・スーサイド・スクワッド)は使えない。
そこでタスクフォースX(ザ・スーサイド・スクワッド)の監視役兼リーダーだったA.R.G.U.S.エージェントの故リック・フラッグ大佐……の父、リック・フラッグSr.(演:フランク・グリロ)を監視役兼リーダーに据えて「人間以外の囚人」による特殊任務部隊、タスクフォースM(モンスター)、通称「クリーチャー・コマンドーズ」を結成。
タスクフォースM(クリーチャー・コマンドーズ)はさっそくイラーナ・ロストヴィク王女(声:マリア・バカローヴァ)護衛のため、ポコリスタンへと向かったが――
という話。
なんか余計な情報入りのあらすじ紹介で無意味に長くなったが一言でいうなら「モンスターの囚人で構成されたチームが小国の王女を、魔女から守りに行く話」……と書けば一行で済んだ話だ。
シーズン1のメインストーリーは、ポコリスタンのイラーナ王女を魔女キルケーから護りつつ、毎話コマンドスのメンバーの過去回想を挟みながらコマンドスがどういう奴らなのかを見せながら進んでいく。
そして最終話でイラーナ王女の事件の結末でシーズン1は終わる。
イラーナ王女のメインストーリーも一応ひねりのあるものだが割と薄い内容で、それよりもコマンドスの回想でキャラを紹介していく方が本作が本当にやりたいことという感じを受けた。
コマンドスの任務を通じて「DCU世界はこんな感じですよ」と見せたり、コマンドスのキャラを見せていく、このタイトルを視聴者に紹介する長い自己紹介のような感じ?
一話づつ思い出して感想を書いていこう。
第1話『胃がキリキリ』 ★★
アマンダ・ウォラー(声:ヴィオラ・デイヴィス)によってコマンドスが結成されて、メインストーリーである「アマゾン族出身の女戦士キルケー(声:アーニャ・シャロトラ)からイラーナ・ロストヴィッチ王女(声:マリア・バカローヴァ)を護る」任務のためポコリスタン王国にやってきたコマンドス。
ポコリスタン王国は古城に王女が住んでいたり、衛兵も巨大な鎧を着ており現実離れした寓話っぽい感じの架空の小国。
ちなみにコマンドスが任務を放棄すれば監視役リック・フラッグSr(以下シニア)や本部のウォラーがスイッチを押せば電流のようなものが流れるのでコマンドスは絶対にアメリカ政府に従うしかない。
攻撃を受けた人間はグッチャグチャの肉塊になったり、シニアがイラーナ王女に誘惑されてSEXしまくる描写が多く、本作はエログロありな事がわかる。またジェームズ・ガンお得意の悪趣味ギャグや懐メロやポップソングの多用、OPにコマンドスと共にジェームズ・ガン本人が出てくるなどの悪ノリが多く『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)の時のように羽を伸ばして自由に作ってる感じが伺える。
僕はガンのファンだが、彼のそういった悪趣味推しや調子に乗ったノリの部分はあまり好きではない、そんな要素ばかりなのに何でファンかというとやがて物語のクライマックスが訪れた時に、他の監督では味わえないくらい胸に刺さったりする事が多いからだ。たとえば人気作の一つ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)とかは全体的に調子乗った雰囲気やヨンドゥが死んで過剰に哀しむ場面が延々と続くところなどは全然好きじゃない、でもスターロードが実父エゴの悪の誘いを断り「私の誘いを断るとパワーを失い普通の人間になってしまうぞ!それでもいいのか?」と言われたスターロードが「その何がいけない」と反撃するシーンなど、他の短所を大きく上回るくらい感動するので差し引き好きという結果になる。
本作は、映画ではないが順番的にはDCU一作目で、キリがいいから『スーパーマン』(2025)が一発目で良くない?という気も少ししたが、後でまとめるが本作は思いのほか他のヒーローやヴィランがコマンドスの過去回想で出てくるので「他のヒーローやヴィランが既に大勢いる『スーパーマン』(2025)公開前にDCUの世界観を、本作を観るコアなファンに見せときたいのかな?」と思った。後は子供も観る絶対に外せない大作『スーパーマン』(2025)を撮るプレッシャーのガス抜きのため、ファンしか観なさそうな本作でエログロや悪趣味ギャグを交えつつ好き勝手やってストレス発散するために作ったのかもしれない。
第2話『トルマリンのネックレス』 ★★
回想で主人公格である死体を元に作られた怪力の人造人間のザ・ブライド(声:インディラ・ヴァルマ)のオリジンと、彼女のストーカーである死体を元に作られた怪力の大男フランケンシュタイン(声:デヴィッド・ハーバー)との愛憎関係が描かれる。
死体からフランケンシュタインの怪物を産んだ博士が、フランケンに妻を作ってくれと頼まれて花嫁(ブライド)を作る。しかしブライドはフランケンに怯えて懐かない。そして言葉や知識を教えてくれる博士を愛するようになり近親相姦的な関係になる。それに嫉妬したフランケンが博士を殺し、ブライドは元々嫌いだったフランケンが許せなくなる、以降200年間フランケンはブライドをストーキングしてはぶっ飛ばされるを繰り返している……という話。
僕はフランケンっぽいキャラが好きで、バットマンのソロモン・グランディとかも好きで、このDCフランケンもキャラよく知らんがフランケンそのものだからボンヤリと好きだったのだが、このフランケンは狂ってるだけでなく異常に嫉妬深いキャラで、嫉妬深いキャラはマジで苦手なので「こういうキャラかぁ」と思った。だがこのフランケンは後の話でもわかるが意図的に愛されないキャラ……本当の意味でのモンスターとして作ってる意志を感じたので好き嫌い関係なくフランケンは重要なキャラだなと思った。
現代の時間軸、ブライドは半魚人のニナ・マズルスキー(声:ゾーイ・チャオ)と共に、王女の城を抜け出して自分が博士に作られた古城で思い出のネックレスを探していたらキルケーに強襲されて戦う。ブライドとニナは少しづつ友だちになっていく。
第3話『ブリキ男に乾杯』 ★★★
「ナチスを皆殺しにする」ことしか思考していないG.I.ロボット(声:ショーン・ガン)の回想。
第二次世界大戦で作られてSgt.ロックのイージー・カンパニーに入隊し生きがいである「ナチを殺すこと」をやりまくってカンパニーの皆と楽しく過ごしたGIロボそして、現在では刑務所に入っていたG.I.ロボットのオリジンが描かれる。
大戦後、GIロボは忘れられるがやがて猫好きの優しい男性に貰われる。ほっこり回想?優しい彼や猫が殺されて復讐で皆殺しにして刑務所に入れられる話かな?かと思いきや、優しい男性は実はネオナチ。ネオナチ集会に連れて行かれたのでナチス絶対殺すロボであるGIロボは全員射殺……というオチだった。確かにナチ信奉者だろうがネトウヨだろうが凶悪犯罪者だろうが家族には優しいからね。「猫やロボに優しい男」と思わせて、優しいままブッ殺すのは良い話でした。
Sgt.ロックは、まだ制作始まってないけど『チャレンジャーズ』(2024)の監督の手で、ダニエル・クレイグ主演でDCU映画『Sgt.ロック』として作られるという有力な噂がある(ダニエル・クレイグ好きだし実現するならDCUで一番観たいかもしれん……)。
この兵隊がそのキャラだと知ったのは後で元ネタ調べた時だった。
また大戦後のGIロボを少しの間預かった科学者がいたが、あの人も観てる時はわかんなかったけど液体金属の人造人間によるヒーローチーム”メタルマン”の生みの親ウィリアム・マグナス博士だったらしい。
そういう感じで観てる時はわからなかったが、Sgt.ロックやメタルマンなどの実在がさりげなく示され、三話観ただけで本人は出てきてないものの既にDCUにヒーローやヴィランはいっぱい居ることが伺える。こんな感じで本作はコマンドスの人間ドラマを見せると共にDCユニバースの拡張をさりげなく行うのが目的のようだ。
現代の時間軸、GIロボットは大破するがキルケー確保には成功してコマンドスの任務は一旦終わる。
第4話『リスを追う』 ★★★★★
『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)では「27人の子供を殺した」と言われて収監されていたイタチ人間、ウィーゼル(声:ショーン・ガン)の回想。
実際のところは、ただ孤児院の子供たちと仲良くしていただけだったのだが近所のオッサンに「バケモノが子供たちを狙っている!」と勘違いしてウィーゼルを殺そうとしたら孤児院に引火。ウィーゼルは子供たちを助けようとするが警官隊の銃撃で救助もできず、せめて一番仲の良かった金髪の少女を助けようとするが警官隊にそれすら妨害されて子供が全員焼死してしまいウィーゼルは捕まる。
現在、親切な弁護士がウィーゼルは無実ではないか?と奮闘してくれているのだがウィーゼルは本物のイタチ程度の思考力しかないので喋れないし、そもそも無実がどうとかそういった事もわからない。
彼は無理解な人間たちが起こした火事から命懸けで子供たちを助けようとしたが「子供たちを殺してる!」と邪魔されて子供全員死亡……というあまりに可哀想な話だった。
ウィーゼルは「自分は子供たちを助けようとしたんだ」などと言える知能すらなく、彼のヒーロー的行為は視聴者しか知らないという切なさ。
『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)は公開から3~4年くらい「ウィーゼルは本当に27人の子供を殺したのかな?」と思っていたのも前フリになって何だか凄く胸に来た。この説明しにくいエモさ、これって自分がジェームズ・ガンに求めているものですわ。なんか細かいこと覚えてないけどとにかくこの回がめちゃくちゃ良かったことは覚えてる。この「リスを追う」という村上春樹作品みたいなサブタイトルもめちゃくちゃ効いてて良かった!
そしてウィーゼルがイラーナ王女に懐いていた理由は「遊んでくれるから」というだけでなく、ウィーゼルが最後に助けようとして叶わなかった少女にそっくりだったからということもわかった。これは最終話でもまた効いてくる。
現代パートでは、捕まった魔女キルケーが「イラーナ王女を狙ったのは、彼女が将来ヒーローたちや人類を皆殺しにして地球を征服する予知を見たからだ」と言う。
そしてセミッシラ研究の第一人者であるアイラ・マクファーソン教授(声:ステファニー・ベアトリス)は「キルケーの予知は絶対」というのは間違いないらしく、予知のお裾分けしてもらったアマンダ・ウォラーが「あかん!ホンマや!イラーナ王女を殺さなければ……」という事で帰還したコマンドスを再び、今度はイラーナ王女暗殺のためにポコリスタン王国に送る。
リック・フラッグSrはイラーナとSEXしてたし信じたくないんで独自に証拠を探す。その過程でブライドを追いかけてきたフランケンと知り合い共に行動する。
という事でイラーナ暗殺任務に向かうコマンドスは、ブライド、二ナ、Drフォラスフォス、ウィーゼルの4人だけ。
キルケーが見せた予知夢には「このままでは成長したイラーナ王女に殺される」という未来として色んなDCヒーローが出ていた。
『ピースメイカー』(2022)からピースメイカー、ビジランテ、ジュードーマスター。
今年夏に公開される『スーパーマン』(2025)に出るスーパーマン、ミスター・テリフィック、ホークガール。来年公開の『スーパーガール:ウーマン・オブ・トゥモロー』(2026)のスーパーガール。
制作予定の映画『ブレイブ&ボールド』からバットマン、ダミアン・ウェインのロビン。まだ噂段階の制作予定映画『ティーン・タイタンズ』からスターファイア。
制作予定のドラマ『ブースターゴールド』からブースター・ゴールド(いかにもガンが好きそうなヒーロー……)。『パラダイス・ロスト』から?ワンダーウーマン。
あとイラーナの部下としてゴリラ・グロッドも出てた。
こいつらが既にいるのかこれから出るのかはわからないが、順当に行けばこいつらも存在する世界、という事がよくわかった。
それにしても今は只の人間でしかないイラーナ王女と衛兵たちがこんな強いヒーローたちを皆殺しにするパワーをどうやって手に入れるのか……これは最後まで観てもわからない。ただ漠然と「王女はこのまま育つとめちゃくちゃ強いヴィランになるらしい」という確定された未来を甘受するしかない。
あと『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)、『ピースメイカー』〈シーズン1〉(2022)その他DCEU幾つかに出ていたウォラーの部下のA.R.G.U.S.職員エコノモス(声:スティーブ・エイジー)も出た。大柄のバカにされやすいキャラだが『ピースメイカー』〈シーズン1〉(2022)では意外と強敵を倒した(というギャグ)。その時のラストバトルで片脚を怪我したので本作でも杖をついていた。観てる人だけ気づくが別に知らなくても全く構わない、さりげないサービスだね。
第5話『鉄の鍋』 ★★★
リック・フラッグSrとフランケンが前話でキルケーの予知を「キルケーの予知夢は絶対」と決定づけたセミッシラ研究の第一人者であるアイラ・マクファーソン教授(声:ステファニー・ベアトリス)追跡している。シニアは自分がイチャついた王女が悪人だと信じたくないのでキルケーの予知がハズレだという証拠を見つけたいのだ。彼女の家にフランケンと忍び込んで観察してたら、本物の教授は既に殺されており教授だと思っていた教授は、ゴッサムのシェイプシフター、クレイフェイスが変身した姿だった。
……ということはキルケーがウォラーにニセの悪夢を見せたのか?
クレイフェイスはめちゃくちゃ強いのでシニアは死亡寸前にまでボコボコにされる。そしてかなり強いはずのフランケンも腕力では勝てず……コンセントに手を突っ込んで電力でクレイフェイスを倒す。なるほど、フランケンシュタインは電気に強いからね。キャラに似合わないクレバーな勝利を得たフランケン。
クレイフェイスはDCUバットマン映画もまだなのに急転直下で来年、単独作『クレイフェイス』(2026)公開が決まったので一足先にキャッチーな出演。ほんとに只のどうしようもない悪者だったけど……。
クレイフェイスは「セミッシラは全員レズビアンの最高の島!」とか『モータルコンバット』をXBOXでプレイしまくってたり、全体的に只のアホなキャラという印象だった。
そして回想はフランケンの「俺も昔ジプシーの女と暮らしたことがある」というもの。今回もまたブライドに殺されそうになったフランケンは、犬と暮らしている目の見えない老婆ボグダナ(声:イリーナ・マレエワ)というに助けられる。
傷を治しつつボグダナと犬と穏やかな生活を送るフランケン。平和に暮らしながら笑顔も見せるフランケン。こういうまともなところもあったのね。「昔はアホだったフランケンだが老婆との生活で人の温かみも知った」という回想か?
しかし傷が癒えて再びブライドを探す旅に出るフランケン。ボグダナは一人ぼっちになりたくないと泣いている。
フランケンは「ボグダナ、君を一人にはしない」そう言って鉄の鍋でボグダナを撲殺。
えっ、こんな結果に……!?
「サイコパスの大男だと思わせて実は他人と暮らして人並みの優しさを得た……と思わせて、やはりサイコパスだった」という流れ。
しかもわざわざ撲殺するのが「目の見えない優しくて寂しい老婆」だからね。
明らかに観ている視聴者の情緒を乱高下させようとしている。
ここでポイントなのは、フランケンは「純粋な悪人」というわけではなくて思考回路が通常と違いすぎるだけのヴィランというところですね。フランケンとしては「ボグダナは一人になりたくない」→「でも俺はブライドを探したい」→「ボグダナを一人にさせないにはどうすれば?」→「ボグダナを殺そう」という思考回路なわけで、フランケンは悪い考えではなく、むしろ優しさでボグダナを殺してるんだよね。犬は「犬には理解できない」と言って家の外にわざわざ出して殺してるから、彼なりに色々考えていることはわかる。
ウィーゼルは全く自己主張しないがゆえにモンスターだと誤解される善良なモンスターだったが、フランケンはただいるだけで災厄となるヴィラン。
普通に生きているだけで、彼の優しさが他者にとっての害悪にしかならない……という、そういうタイプのヴィラン。正に悲しきモンスター。愛ゆえに抱きしめたら怪力だから愛する相手が死んでしまうフランケンシュタインの怪物っぽさを、怪力じゃなくて精神がモンスターというキャラ造形。
相変わらず応援する気にはならないが、これはこれで目が離せない面白いキャラだ。
第6話『優しいホネさん』 ★★★★
放射線を発し人体が透けているDr.フォスフォラス(演:アラン・テュディック)。
彼は原作ではバットマンの古いヴィランらしい。
回想は勿論、Drフォス。
フォスは中東系の妻子と暮らす天才科学者で、永久機関のようなものを作っていた。
彼のスポンサーらしき男はギャングのルパート・ソーン(演:ベンジャミン・バイロン・デイビス)。こいつは知ってる。90年代のバットマンのアニメや去年の『バットマン:マントの戦士』〈シーズン1〉(2024)にも出てた。ファルコーネ家ほどじゃないけど有名なゴッサムのギャング。
このルパートがめちゃくちゃ悪くて、エネルギーのことでフォスが命令に背いたとかで彼の妻と幼い息子が殺されてしまう。モロに死体が映るのでショック。あと奥さんが何故か中東系のキャラに設定されてるせいでより非道さが目立つ。
更にフォスが開発した放射線の機械に入れられ処刑されるが……たまたまスーパーパワーに目覚め……というスーパーヒーロー映画でありがちなオリジン(だがこの後からフォスは普通に残忍なヴィランになってしまうので文字通りこの時にフォスは一回死んで地獄からフォスの記憶を持った悪魔が現世に出現したとも言える)。
妻子を殺して自分も殺そうとしたギャングを一人づつ惨殺し、最後は家族と夕食を食べようとしてるルパート・ソーンの家に行き、皆殺しにする。
凶悪なルパート・ソーンだが自宅では家族や孫には優しくしてるというところを見せた後で殺すのがいい。ギャングのままだと「人間じゃないかのように悪いギャングに酷いことされた」→「その、人間じゃないかのように悪いギャングに仕返しした」。これじゃ片手落ちで「人間じゃないほど悪いギャング」を一旦「家では孫には優しいおじいちゃん」というところを見せて「彼も普段は人間だ」と、我々と同じ地点に持ってきて、そして殺す。この方が誠実な見せ方ということ。
画面には映らないが、何の罪もないルパートの幼い孫娘の顔面から焼き殺したっぽいアングルで次のカットに移る。自分の罪のない妻子を殺されたから同じ様にルパートの何の罪もない可愛い幼い孫娘から惨殺したのだろう。
かと思えばサブタイトルにもなってるエピソードで幼女を殺す……と思わせて今度は殺さない。ここまで散々「子供や年寄りもすぐ死ぬ世界」を見せてそう思わせての良い裏切り。
その後はルパートの縄張りを乗っ取って普通のヴィランになり……そしてバットマンに捕まる。シルエットだけだがDCUにバットマン初登場した(第4話のバットマンは予知夢だからね)。しかしバットマンはフォスをどうやって捕まえたんだろうね。何か放射能に対抗する秘密道具を作ってきたのかな。
この回でチンピラがエロ本見てるんだがスーパーヒーローみたいなコスチュームを着た女のエロ本だった。スーパーヒーローが普通に大勢いる世界なら確かにヒーローのスーツも性の対象になるわな、という描写だった。
現代パートは、ポコリスタンに再入国したコマンドスの4人。ポコリスタンの衛兵に王女暗殺の狙いがバレて逃亡する。途中、娼館に逃げ込む。そこで娼婦に酷い扱いするスーパーパワーを持ったチンピラが現れ、ニナが立ち向かいブライドが惨殺する。
「卑小な奴がスーパーパワー持っててもDVにしか使わない」ということで、非道すぎるルパート・ソーン一味とか、さっきのエロ本もそうだがDCU世界の暗部をちょいちょい見せてくる回だった。
この回もウィーゼル回の次くらいに好き。Drフォスもかっこいいし。
第7話『愉快なモンスター』(シーズン1最終話) ★★★
コマンドスの過去は全員出た。残るは心優しい半魚人のニナ・マズルスキー(声:ゾーイ・チャオ)ニナだけだ。
生まれつき「肺が体外に露出した身体」で産まれたニナは父親が作った自重と同じ重さの機械を着て過ごした。母は出ていったが父はずっとニナを愛した。
ある日、水生生物のDNAをどうのこうのしてニナの身体を改善しようとしたら、水生生物化が進んで現在の半魚人になってしまった。
それでも父と楽しく過ごしていたニナだが、社会を知らない彼女を不安に思った父はニナを普通の学校に通わせた……が当然のように苛烈にいじめられた。
ここまで観てきてわかるけど、このアニメに出てくる「DC一般人」はかなり酷いからね。いじめられるだろう。
生き辛さを感じたニナは「パパの重荷でしょうから出ていきます」と家出して町の池や川で暮らすようになる……が、またしてもDC市民がやってきてニナを捕まえる。
ずっとニナを探していた父がやってきて「ニナは水の外では呼吸できないんだ!」とニナを助けようとするが警官に銃殺される。また……すぐ撃つなDCU警官。
息を引き取る前に父は「ニナは重荷なんかじゃなかったよ」と想いを告げて絶命。
これでキレて警官殺すのかな?と思ったら普通に捕まった。
ニナの場合、ウィーゼル同様、マジで悪いこと何もしてないままあんな厳重な刑務所に入れられて今は使い捨て特攻任務させられてるわけで気の毒すぎる。
そして現代パート。イラーナ王女が湖で泳いでいたので、衛兵に見つからず暗殺できるのはニナだけ……という事になりナイフを持って王女に水中から近づくニナ。
しかし昔仲良しだった少女に似てて遊んでもくれた王女に危険が迫ったことでウィーゼルが暴れて王女に気づかれる。そしてニナはナイフを王女に奪われ20回くらい刺されて死ぬ。
えっ……死んだ!?
ついさっき物凄く可哀想な回想を見せられて、非力な半魚人キャラが唯一活躍できる水中戦がラストバトルに来た……当然ニナが活躍できる、と思わせての突き放し。
過去も現在も可哀想な心優しいし何も悪いことしてないニナがやっと活躍できるステージがラストバトルに来たのに、仲間のウィーゼルの自覚のない裏切りが原因で刺されまくる何の価値もない犬死に……。
こんな気持ちにさせるためのキャラだったとは……。せめてもの慰めは過去回想で父と再会して父の愛が真実だったと知れた事だけか。
さすがに可哀想すぎる。まぁウィーゼルもイタチと大差ないIQしかないし悪気ないしな。
とはいえニナ……さすがに可哀想。
最後はブライドが「ニナだけは私達の中で唯一、悪気のない心の優しい……私のたった一人の友だちだった」と仇を討ってくれたのが救いか。
じゃキルケーの予知は本物で、それをより信じさせるためにクレイフェイスを雇ったってこと?それとイラーナ王女は結局なんだったの?「理由は考えてないが生きてたら将来死ぬほど強くなる悪の卵」ってだけのキャラだったって事でいいのか。元ネタいないのも読ませないためか。
ラスト、刑務所に帰ったブライドに補充された新メンバーを見る。
新しい巨大ボディで蘇ったGIロボット。ミイラ男のカリス。吸血コウモリ女のノスフェラータ。そしてウィーゼル同様に『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)から引き続き移籍してきたナナウエ/キング・シャーク。
いや、この際だからニナも蘇らせてよ……。優しいニナだけ死んどるやん!
シーズン2で出てくるのを諦めないぞ。
そういう感じで、面白かったです。
第1、2話での悪趣味ギャグやエログロの多さ、OPアニメにコマンドスに続いてジェームズ・ガン本人が登場する出たがり(スタッフが勝手に描いたらしいが)……などに不安を覚えたが、どんどん尻上がりに良くなっていった。これは『ピースメイカー』〈シーズン1〉(2022)の時と同じだな。
やはりジェームズ・ガンに期待している、ガン作品だけにある独特のエモさを今回も感じられて良かった。
一番良かったのはウィーゼルの回、次にフォスの回。またこちらの上下を乱高下させてくれるフランケンはシーズン2でも期待だし(ブライド助けて死んで見直されて終わり、などのつまらん最後ではない気がする)。可哀想すぎるニナも良かった……と言えるのか?だが、確かに最終話までニナのこととかどうでも良かったけど死んで一気に可哀想になったな。そういう目的のキャラだったのだろう(だけど蘇らせてほしい)。
ブライドも最後にダークヒーロー性を見せたね。GIロボも「親切にしてくれたけどナチだから殺す」というエピソード良かったし。いつも最低なウォラーも最終話でニナが死んだあたりで「ごめん、間違いだった」と電話してくるあたり最低(そして実は間違いじゃなかったという)。
シニアは、こういうツーブロック白髪ヒゲみたいなイケオジキャラ苦手なんだけど(色気が出すぎてキモい)「同じく白髪ヒゲの出たがりなジェームズ・ガン、まさかこのモテモテイケオジのシニアに感情移入してるのでは……?」と恐れてたけどど、劇中では王女にSEXで骨抜きにされてボコられて終わったのでガンのバランス感覚まだ健在だとホッと安心した。
何だかんだウォラーやシニアといったA.R.G.U.S.上層部キャラは、酷いし最後にあんまり美味しくない役割になるのもバランス取れてる。
アニメじゃなくて実写だったらもっと良かったけど、とりあえずガン作品の中では上位に入る面白さでしたわ。
次は、夏の『スーパーマン』(2025)か?普通に期待ですね。
そんな感じでした
〈関連作〉
『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)/前作とハーレイ単独作で上手くやれなかった部分を全部こなすガン監督。そして本作そのものより魅力的なピースメイカー⭐ - gock221B
『ピースメイカー』〈シーズン1〉(2022) 全8話/「過ちを犯したクソ野郎にも更生の余地はあるのでは?」とジェームズ・ガンが問いかける傑作ドラマ🧜♂ - gock221B
〈DC以外のジェームズ・ガン監督作〉
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)/この一ヶ月くらい何度も観てるうち物凄い好きになった🦝 - gock221B
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)/誰もが欲しがる強大なパワーを自ら棄て去るスターロードのカッコよさ🦝 - gock221B
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/ホリデー・スペシャル』(2022)/マンティス&ドラックスは楽しいが、少年期のトラウマに対峙する以外させてもらえない中年男性スターロードと現実のバッシングを反映してずっと暗いままのクリプラが気になる🦝🎅🎄 - gock221B
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(2023)/ロケットの慟哭、コミックを映像化したかのような鮮やかなアクション、クイルや2014年ガモーラのガーディアンズ達の結末どれも良く今回も安定の力作。友達っていいね🦝 - gock221B
Creature Commandos (TV Series 2024– ) - IMDb
Creature Commandos | Rotten Tomatoes
クリーチャー・コマンドーズ - アニメ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksアニメ
『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』(2024)/”アポロ計画陰謀論の真偽”を”正直な男と嘘が得意な女”に当てはめたラブコメ。ストーリーもキャラも全要素が良いのに要らんとこ切らんせいで勿体ない結果に🌕️🐈⬛
原題:Fly Me to the Moon 監督:グレッグ・バーランティ 脚本:ローズ・ギルロイ 制作&主演:スカーレット・ヨハンソン 撮影:ダリウス・ウォルスキー 編集:ハリー・ジエルジャン 音楽:ダニエル・ペンバートン 製作会社:Appleスタジオ 配信:AppleTV+ 配給:コロンビア ピクチャーズ(日本はソニー・ピクチャーズ) 製作国:イギリス/アメリカ 上映時間:132分 公開日:2024.7/12(日本は2024.7/19)
2025年の正月にAppleTV+が数日間、無料開放されてたのでチャンスとばかりに観たかったけどAppleTV+にしかない映画を観た。これは劇場公開されてたけどAppleが制作のせいかAppleTV+以外の動画配信サービスに来ない。だからこの機会を利用して観た。
「1969年、宇宙船アポロ11号は月に行っていない。アメリカ政府による捏造だ」という「アポロ計画陰謀論」を元にしたラブコメ……と、凄く気になる映画だがヒットせず評価もイマイチで、失敗作に終わったらしい。
アポロ計画陰謀論 - Wikipedia
ネタバレあり
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1960年代、ソビエト連邦と宇宙開発競争をしていたアメリカ合衆国のNASA。
「人類初の月面着陸を成功させる」と宣言した国家的プロジェクト〈アポロ計画〉はすでに8年が経過していた。
1969年7月打上予定のアポロ11号を何としてでも成功させなければアメリカにはもう後がないのだがNASAへのアメリカ国民の関心も薄れつつあった。
元戦闘機乗りのNASA打ち上げ主任、コール・デイヴィス(演:チャニング・テイタム)も予算の無さに困っていた。
PRマーケティングの達人でケリー・ジョーンズ(演:スカーレット・ヨハンソン)が、ホワイトハウスから来たという謎の男モー・バーカス(演:ウディ・ハレルソン)に「NASAを宣伝して予算を集めてくれ」と依頼を受ける。
こうして本当のことしか言えない男コールと、嘘が得意な女ケリーは出会った。
彼らは無事、アポロ11号の月面着陸を成功できるのか?――
という話。
ケリーが嘘ついて予算を集め、嘘が嫌いなコールと衝突しながらも、互いに好意を抱いていくラブコメの感じで話が進んでいき、いよいよ打ち上げ!という後半で、ケリーは政府の男モーに「全世界が見ている中、過去のアポロの様に失敗したらまずい。失敗した時に切り替えるために映像作家を雇って月面着陸のフェイク映像の準備をしてくれ」と言われる。ここが本作のメイン。
「正直な男と嘘が得意な女性の恋愛」と「月面着陸の真偽」という陰謀論を組み合わせた非常に上手いストーリー。
上手いこと考えたなああぁー!と思わず声が出そうになるほどおしゃれな筋書きだ。
アポロ11号陰謀論という定番の陰謀論をラブコメに消化させるとか、さすが意識が高くて裕福な白人が多いAppleTV+視聴者向けの映画だなと感心させられた。……これは僕のAppleTV+ユーザー想像図、只の想像。しかし「アマプラやネトフリやDisney+やら……色々サブスクに入った上でついでにAppleTV+にも入っとくか?Apple好きだし」なんて人種は自動的に都会に住む金のある白人で間違いないだろう(事実、AppleTV+無料開放で色々観ても2024年なのに出演者が白人ばかりで真っ白なので僕の推測は当たっていると思う)。
そして話を序盤に戻すがコールとケリーは互いの職業を知らないままNASA近くのダイナーで出会う。
テイクアウトを持ち帰るところだったコールはあまりに美しいケリーに見惚れ、引火したケリーのノートを自分の上着で消すという素敵な出会いをする。
コールは一杯おごらせてと言うケリーと一緒にいたいのだが、ロケット組み立て等で忙しくて時間ないので(これは説明ないので僕の推測)店を出て……しかし心残りがあり、また戻ってきて「僕は君のような美しい女性に初めて出会った。ここで何時間でも話していたいが……そうもいかないので君のことは忘れる。会えてよかった。」と言う。あまりに率直で清廉な台詞、めちゃくちゃ好きになった(そしてチャニング・テイタムにキャプテン・アメリカ役をして欲しくなった。性格もルックスもあまりにスティーブ・ロジャース的)。
ケリーの方もコールの正直さに微笑む。
そして翌日NASAで再会した2人は、以降は月面着陸に向けて共にNASAで働く。
コールは伝説的な戦闘機乗りだったものの持病で宇宙飛行士になれなかったりアポロ1号の事故により死ぬまで消えないトラウマを抱えていた。ケリーはケリーで過去に何か後ろ暗い秘密がある様子。2人は互いの考え方の違いによって喧嘩したり仲直りしながら一緒に資金を集めたりして次第に惹かれ合っていく。
そんで、話は一気に飛んでクライマックス。
政府の男モーはケリーに「全世界が見ている中、過去のアポロの様に失敗したらまずい。失敗した時に切り替えるために映像作家を雇って月面着陸のフェイク映像の準備をしてくれ」と頼む。既に誠実かつ努力し続けているコールに惹かれていたケリーは「今も何も知らないコールが頑張っているのに……」と罪悪感が湧いて断ろうとするがモーは「フェイク映像つくってくれたら君の過去を全部洗い流してあげるよ」と言うのでケリーは仕方なく引き受ける。
だが、この依頼は半分嘘で、モーの実際の狙いは「アポロ11号の月面着陸が成功しようが失敗しようが、どちらにせよフェイク映像を流せ」というものだった。
「成功するかどうかわからない、どんなしょぼい映像になるかわからない”リアル月面映像”よりも好きなように表現できる”フェイク月面映像”を最初から流した方が間違いない」という事らしい、多分。最初言ってたように「万が一、失敗した時はフェイクの方に切り替えろ」という作戦、これで良かった気もするが……まぁ、こういう流れで進んでるのでここは素直に従おう。そんなスムーズに切り替えとか出来ない時代かもしれないし。
コールやNASAの皆の哀しむ顔を見たくなかったのか、ケリーはいつものように高飛びしようとする。しかしケリーは空港でアシスタントの女性にプレゼントされた「NASAでのみんな」みたいな冊子を見る。それは鉛筆画で描かれたNASAのみんなだった。もう会えないNASAの皆の似顔絵を見てホロリと泣くケリー。最後のページには「自分ネクタイを結んでくれているケリー……を見つめるコール」の絵が描かれており。このコールの表情が、くもりなきまなこでケリーを信頼しきって真っ直ぐ見つめている絵で、これにはたまらずケリーはNASAに舞い戻る。この絵のコールの表情はヤバい、これは誰でも舞い戻るだろう。写真じゃなくて温かみのある鉛筆画っていうのが良いね。しかも自分たちにずっと着いてたアシスタントの子による客観的な絵というのも胸に迫る。この絵は刺さったしホロリと来そうになった。
ケリーは、フェイク月面着陸や詐欺師だった自分の出自など全てを打ち明け、そして2人とその忠実な部下たちは、ロケット発射の日に政府の目を掻い潜って本物の月面着陸映像を全世界に流すよう工作を始める……。
後半までは「面白いんだけど何か妙にメリハリのない展開がノンビリ進むな」と思って観てたが、ケリーがアシスタントの描いた鉛筆画を見てホロリとして以降のクライマックスはさすがに面白かった。
そして最終的に、迷信深いコールが毛嫌いしていたNASA基地に住む黒猫。この黒猫が虚構と真実の境目を切り裂くポイントとなる。『マトリックス』(1999)でも虚構と真実の境目を表現するのに黒猫が使われてたが、おしゃれな使い方だ。猫は言うこと聞かなくて素早いからこういった役目に使われやすいのかも?別に動き回りはしないけど思考実験「シュレディンガーの猫」も観測できる現実がいったりきたりするという意味では同じだし、欧米における猫にはそういった使われ方があるのかな。 そういう感じで本作は良い部分がめちゃくちゃ多かった。
「アポロ計画陰謀論」の「虚実」を「正直な男と嘘が得意な女」に当てはめてラブコメにするというオシャレなストーリー。そしてその結末。
何よりも「NASAは本当に月に行っていた」と「NASAは月に行っていない!全部スタジオ撮影!」という正反対の出来事を「どちらも真実」として描いた結末はめちゃくちゃ上手い(これもまた「シュレディンガーの猫」的である)。大逆転の気持ちよさも大人の対処も同時に見せてたし。
チャニング・テイタムとスカヨハの演技やキャラ、脇役のキャラも良かった。
チャニング・テイタムのキャラのことは前述したが、スカヨハは得意にしてる感のある、非難された時に見せる「哀しい笑顔」を必殺技のようにここぞとばかりに繰り出していた。いつから多用し始めたんだろう?凄くグサッと来る。コールに恋人がいると勘違いした時のオロオロ笑顔も最高だった。
あと単純にNASAのセットとか最寄りのダイナー等の美術も「皆が好きなアメリカ」感で最高だった。
……という感じで、実際にあらゆるパーツが長所ばかりなんだが実際のところ中盤かなり気が散るというかあまり入っていけなかった。……と、言うとつまらないようだが別にそんなことはなく中盤で起きる出来事やストーリーも普通に面白い。だけど要所要所で「今現在も面白いまま……なんだけど、何故かつまらないな」という、あまり感じたことのない種類の不思議な感覚を味わった。
観てる途中で気が散ってシークバーを見たら「ここで半分くらいかな?」→「げっ、まだ四分の一!?」とか「もうそろそろ終わるな」→「うわっ、今から第三幕か……」などといった「長く感じる」現象が多かった。つまり「つまらない」に片足つっこんでいるのか。だが他の「つまらない映画」とは違って明確につまらないわけではない、むしろ面白いしキャラや俳優も良い。それなのに時間の進みが遅い。
そんなに長いにも関わらずNASAの様子やサブキャラの見せ方も少し下手(チャニング・テイタムの相棒のおじさんとか存在感なさすぎてスカヨハと話し込みはじめた時「誰だっけ?」と思った)。
つまり「要らんとこが多くて、もう少し見たい部分が少ない」。
……やっぱ単純に、要らんとこ切ってタイトにしてないせいで弛緩して観えたのかな?
これで132分って長すぎるしね。
ちょっと一つ一つのシーンが、どれも面白いんだが長いんだよね。「これにてTHE END」って思っても5分くらい「そして……こうなりました」という感じでダラダラ続くしね。SEXが終わった後のピロートークやいちゃつきが全てのシーンにくっついてる感じ?それぞれのシーンや映画全体のストーリーや展開は前述したように凄く良いので勿体なく感じた。
たとえばDisney+のMARVELとかスター・ウォーズのリミテッド・シリーズのドラマは、その9割がつまらない(これは印象ではない、全部観て全部感想書いてる)。これってショーランナーがいなくて「映画を作るやり方で映像を作って、それを取捨選択せず全6~8話くらいにブツ切りにしてるだけ。そして各話のラストにクリフハンガーくっつけて、オタクが喜びそうな匂わせしてるだけ」だから、つまらないものが殆どなんだけど、それらMCUやSWのドラマも2時間くらいの映画にギュッとしたら面白い可能性は高いよね。MCUやSWのドラマも最終話の前の回くらいまでは割と面白い、つまり観てる最中はある程度面白い、でも最終話まで観終わったらウンザリしてることが多い。本作は、それらMCUやSWに感じる感覚に似てる。
これじゃないか?映画がコケて賛否両論になったの理由は?
何度も言うように本作の「都市伝説と大人の事情と爽やかな恋愛という食い合わせ悪そうなものを混ぜて世間一般大勢が楽しめるものにする」というのは凄く僕好みの要素だし。本当に勿体なかった。あと1歩、2歩違っただけで大傑作になった可能性すらあると思う。
最後の「宇宙人はいる?」と訊かれたモーの返答とか……色んな部分がオシャレなので勿体なかった。
そんな感じでした
tv.apple.comFly Me to the Moon (2024) - IMDb
Fly Me to the Moon (2024) | Rotten Tomatoes
Fly Me to the Moon (2024) directed by Greg Berlanti • Reviews, film + cast • Letterboxd
フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画
『テトリス』(2023)/資本主義とソ連どちらにもある光と闇の勢力4つがテトリスを奪い合うスパイ巨編凸
原題:Tetris 監督:ジョン・S・ベアード 脚本:ノア・ピンク 撮影:アルウィン・H・カックラー 編集:マーティン・ウォルシュほか 音楽:ローン・バルフェ 製作会社:Appleスタジオ 配給:Apple TV+ 製作国:イギリス/アメリカ 上映時間:117分 配信開始日:2023.3/24(日本では2023.3/31)
動画配信サービスApple TV+が2025年の正月に数日間、無料開放してたので以前から気になってた「Apple TV+でないと観れない」映画数本を観た。本作もApple TV+制作配信映画の一本。
オランダ人のロジャースがソ連の革新的なゲーム『テトリス』(1984-)の販売権を獲得するためソ連で悪戦苦闘を繰り広げるゲーム自伝映画……というかほぼポリティカル・スリラー映画。
『テトリス』自体については誰もが知ってるのし自分が特別詳しいわけでもないのでWikipediaを貼って自分は説明はしないが、
テトリス - Wikipedia
自分としては任天堂のファミコン版『テトリス』(1988)、ゲームボーイ版『テトリス』(1988)、SEGAのアーケード・ゲーム版『テトリス』(1988)、この思春期~20歳前後の頃にやった3つが僕にとってのテトリス。以降も携帯電話とかでもやってた。
また当時テトリスにあやかって色んな落ち物パズルゲームが出ていたが、ブロックが爆発する『ボンブリス』というゲームが日本で開発されてテトリスにおまけモードで入ってた。テトリスはあまりにもガチな世界になっていってたので僕はどっちかろいうとボンブリスをのんびりやってた記憶。今調べたら『テトリス2+ボンブリス』(1991)と『スーパーテトリス2+ボンブリス』(1992)を持っていたらしい。
20代の時に同棲してた彼女が、何か不満があると『スーパーテトリス2+ボンブリス』(1992)のテトリスの方をしながら僕への不満を脳内で推敲して僕を激しく攻撃する……といった事が繰り返されたためトラウマになったのか『スーパーテトリス2+ボンブリス』(1992)のテトリスモードの動画を今検索して見てもBGM聴いたら気分が悪くなった。
よくテトリスはプレイすると無心になれるというが、あれこれとゲーム内の事を思考する必要がないため、あれやこれやと独自の思考が進んでしまう。だからネガティブな人や現状が不満な人がやるのはそれを増幅させて危険だというのが僕の持論だ(エヴァのシンジくんが「風呂に入ると嫌なことばかり考えてしまう」と言ってたのも同じ理論だ)。
ネタバレあり
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東京に住んでいるアメリカのプログラマーでありビデオゲームのセールスマンでもあるオランダ出身アメリカ人、ヘンク・B・ロジャース(演:タロン・エガートン)。
ロジャースは1988年、まだ分厚い鉄のカーテンが降ろされていた共産主義国家・ソビエト連邦で、プログラマーのアレクセイ・パジトノフ(演:ニキータ・エフレーモフ)が開発したテトリミノ(ブロック)を組み合わせて消えていく麻薬的な楽しさに満ちた落ち物パズル・ゲーム元祖『テトリス』(1984-)に衝撃を受けた。
ロージャースは『テトリス』を全世界で発売しようと販売権取得のためソ連へと飛ぶが……――
という話。
前半はテトリスと出会ったロジャースが、副社長でもある妻アケミ・ロジャース(演:文音)、任天堂やニンテンドー・オブ・アメリカのトップたち、融資してもらう銀行支店長などを説得しトントン拍子で進む。この前半は『テトリス』の成り立ちについてのドキュメンタリー番組のようなテイストで進む。
また場面転換など行われる度に、8-Bit風に描かれたドットの登場人物や場所が表示されて実写に変わっていったりとポップな作風。
そして劇中のソ連、劇中の東京、そしてそれらに出てくる人たち、そしてその演技などは、アメリカ人が想像する「冷たく無彩色で殺風景なソ連」「ポップだが子供っぽい日本」といったテイストが誇張されている(だが誇張したくてわざと誇張してそうしてる感じなので「全然現地と違うぞ!」などと指摘するとその指摘した人の文化リテラシーが低く見られそうなそんな感じ)。
そしてアメリカや日本でのテトリス販売に向けて準備を整えたロジャースがソ連に飛び「後はテトリスの販売権を買って販売するだけだ!」というところで、ソ連の『テトリス』販売元であるElorg社に行く。
現地で声をかけてきた貧困女性サーシャ(演:ソフィア・レベデヴァ)を通訳にして交渉するロジャース。
起きる出来事だけ言うなら、ここから最後までElorg会長のニコライ・ベリコフ(演:オレグ・ステファン)と交渉するだけなのだが、私腹を肥やすため介入してきたKGB局員ヴァレンティン・トリフォノフ(演:イゴール・グラブゾフ)、メディア王ロバート・マクスウェル(演:ロジャー・アラム)一派との対立などにより異常に困難な世界に突入する。このソ連での奇怪な交渉生活が本編の大部分を占める。
まず『テトリス』の権利を買おうとしてるのはロジャースだけでなく買い叩こうとしているマクスウェル一派と権利を争っているというのがややこしい。Elorgと開発者アレクセイは「アメリカの資本主義者どもにカモられている」と感じているため交渉はなかなか前進しない。
またKGBの恐ろしい男ヴァレンティンが権力を盾に私服を肥やそうとして、ロジャースやElorgに圧力をかけて邪魔してくる。
しかし好ましい人格のロジャースが誠実に交渉してElorg会長には「君の方が良さそうだな」と誠意が伝わってくる。
開発者アレクセイの自宅訪問してテトリスのプログラムについて語り合ったり、ソ連でアメリカのヒット曲を流す秘密のディスコ?のような場所でエンジョイしたりして友情を温める。しかし表立って外国人を自宅に招いたりすころは違反であるため、そういったささやかな遊びをするだけでもレジスタンス活動のようにコソコソしなくてはいけない。そしてそうしても全てKGBに記録されている。ロジャースがソ連に降り立った時からずっと監視されているし通訳を買って出てくれた女性サーシャもKGB局員だ。
社会主義国家であるゆえ『テトリス』がどんなにヒットしようと開発者アレクセイには一銭も入ってこない。だからアレクセイはせめてちゃんとした人に売りたいと思っている。
ロジャースがアレクセイの家で話してる時、この時まだテトリスは一列づつしか消えなかった。ロジャースは「同時に複数列が消えたら爽快じゃない?」と提案し、ここで”水色の長い棒”と呼ばれがちなI-テトリミノを差し込んだら四列同時に消えてめっちゃ気持ちいいというSEXを思わせるテトリスのあの快感が生まれた。
このエプソードがどこまで本当かは知らないけど、共産主義国家に住むアレクセイが「一列づつ消える以外のことを思い出しもしなかった……」と言い、アメリカ人ロジャースが自由で一攫千金的なアイデアを思いついたというのが示唆的で面白い。
またロジャースが「たかが楽しいゲームを売って広めたいだけなのに何でこんなに面倒で邪魔ばかりされるんだろう?」というロジャースに、通訳(KGB局員)サーシャは「あなたがアメリカ人だからよ。あなたやあなたがしたがっている事(テトリス爆売り)は西側の資本主義のそのもの。あなたはここでは只のゲーム屋ではなくアメリカの象徴なのよ」と言い、本作が言いたいの殆どを口頭で一気に全部説明してくれる場面もあって親切だ。
恐ろしいKGBヴァレンティンの様々な妨害で一度は敗北して諦めかけるが、開発者アレクセイやElorg会長のKGBの圧力に負けない助力、マクスウェルの自滅、ゴルバチョフにヴァレンティンの非道をチクったサーシャなどもロジャースに味方して、気持ちの良いハッピーエンドを迎える。
こうして見ると
・良い資本主義=ロジャース、任天堂
・悪い資本主義=メディア王マクスウェル
といった感じで、あまり偏りがないように光と闇のバランスが上手く取れている。
現代の作品と考えると女性要素が少なく、実在の女性登場人物も日本で家を守っているロジャースの妻アケミだけというのもちょっと古風なので、色仕掛けでスパイさせられてた事を卑劣な上司ヴァレンティンを侮辱されたのが切っ掛けとなり反旗を翻したサーシャという活躍をする女性キャラを作ったのかも。
スティーブのキャラや映像や演出などが非常にポップで見やすいが、そうじゃなければなかなか胸糞悪くて観るのが辛かった映画かもしれない。別に誰かが直接死んだりするわけではないが、それほど圧政的な描写って観てるのが辛い。甘くしてくれないとかなり辛いものがある。
もう少し任天堂やSEGAなどの日本要素も観たかった気もするが、そこがメインじゃないので仕方ない。任天堂やSEGAの映画はいつか必ず何度も作られるだろうからその時まで我慢だ。しかしニンテンドー・オブ・アメリカが開発する〈ゲームボーイ〉はまるで「シンギュラリティを迎えた量子コンピューター」とか「魔力を秘めた現代のオーパーツ」であるかのように登場するので相変わらず高い欧米人の任天堂幻想も堪能した。
「良作」という感じで面白かったです。
「楽しいゲーム実話ものかな?」と思ってたらそれは前半だけで残りは「テトリスの販売権」というマクガフィンを奪い合うほぼスパイ映画になっている。「だから『キングスマン』(2014)の主人公の彼が本作の主人公に選ばれたんかな~」と思った。
AppleTV+専用映画なので観られてなさそうなのが勿体ない(この映画の感想とかマジで一度も見たことない)。
映画サブスクとしても、まずもはやインフラの一つとも言えるアマプラ。次にネトフリ?あとはMARVELやSWが観たい人やディズニーやピクサーが観たい御家族がDisney+。HBO作品やDC作品や旧作映画好きな映画好きが入るU-NEXT……こんな感じか?
AppleTV+は何だろう、Apple信者?入るとしてもアマプラやもう1つ2つサブスク入った人が更に入るパターンしか考えられないからサブスクにそんだけお金を使える人とか映画評論家くらいしか居ない。何となく意識が高い人が入ってそうな印象。
僕はアマプラとU-NEXTはずっと入っていたい。ネトフリとDisney+はどうしても観たいものが来たら仕方なく入って観終わったらなるべくすぐ抜ける印象。なるべく長居したくない感じ。
そんな感じでした
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