銀色の念書

思いの丈を綴ります。

誓ったらただ今を生きるのみ

稲葉浩志 5th Album Singing Bird


自分に言い聞かせるように誓って、それを抱えて背負って、ただただ今を生きていく。

※独断と偏見で感想や解釈を語りますので、ご理解いただいた上での閲覧をお願いします

Discography

稲葉浩志

Title: 念書

5th Album Singing Bird 2014.5.21 Release

Music/Lyric/Arrangement/Vocal/Harmonica: 稲葉浩志

Arrangement: 寺地秀行

Guiter: 大賀好修

Bass: 徳永暁人

Drums: Shane Gaalaas

Piano: 小野塚晃

Theme

稲葉さんが自分自身を戒めるように、言い聞かせるように歌う歌詞。タイトルのように、自分との約束を未来永劫忘れずに守るために歌っている。誓いの覚悟もサウンドと合わさると鬼気迫るように感じる。

Sound

何かがやってくるように響くドラムとピアノの不安定な旋律が合わさる、ダーティーな一面を持つハードロックナンバー。

ドラムパターンがほぼ同じなはずなのに表情がどれも違く感じる。しかも、ジャズみたいにシンバルでリズムをキープして他でメロディーとっているようにも聴こえる。しっかりロックなのに。ただただ不思議。

大賀さんのギターっていうのが個人的な驚き。別に変な訳ではなく。

Lyric

不穏に音をたてるドラムと不気味に響くピアノ。こういうダークな雰囲気は好みです。

目の前の闇が怖いから立ち止まる

稲妻が走るような天啓は待てども来ない

先の読めない未来が怖い。立ち止まってしまう。待っているばかりの受けの姿勢では、晴天の霹靂のようなことは起きない。やはり行動あるのみと説く。

現実問題受け身だとイベントが発生しにくいからね。積極的に自ら行動を起こさないと。身に染みます。

愛しい者たちの笑顔チラリと描いて

ストレートだろうがカーブだろうが

答えを出したなら

そして周りを歩く人たちが笑顔になるようにするにはどうすればよいか?考えていたら答えが天啓のようなものが降ってきたよう。

your time has come

次はあなたの番ですよ。とお告げが降ってきた。

ここの音像とコーラスが胸に響いてゾクっとする。

今から自分がやることを未来において

絶対後悔いたしません永遠に誓います

って心に彫ってしまえばいい

自分自身に刻む、これからの生き様を。後悔の念も感じさせず強く生きていきます。と宣言。力強く気概に圧倒されてしまいそうになる。

そして『て』を高音で押韻。気持ちいいね。地味に他にも『e』でも踏む。声量も相まって迫力が半端ない。

我が身のことばっか心配で夜もおちおち

眠れないからまた翌朝 体は重い

なんだか損をしたような気分 自分が可哀想で

恨む相手を探しながら大事なこと忘れる

自分のことで精一杯。辛く弱々しい日々は続く。そして、いつしか自分の思考は『他人に厳しく自分に甘く』となっていく。こういう思考になってしまったら大切なものが見えなくなって暗闇に飲まれ終わってしまう。

確かにそう。身近な人でも他人にばかり口出して攻撃する終わっている人いる。そういう人にはなりたくないと言っているよう。実際、他人叩きばっかしてると自分の軸がなくなるもんね。

your time has come

そんな時、またお告げが降ってきた。

世の中がガラリと変わっても あの人への感謝

それだけは決して忘れません ずっと持って行きます

って心に染め抜いてしまえばいい

どんなに環境が変わっても大事なことや人のことは忘れてはいけない。ずっと抱えて生きて行くと決心する。

サビ前では自分の弱さを吐露しているが、それも含めて自分の強さにして鼓舞している。一つの信念を貫けば弱さも気にならないほど強さになる的な。ニュアンスや状況が違うがB'zでの「イチブトゼンブ」のように、何かひとつあればいいと言っているようにも感じた。

そして覚悟が確実に決まった。周りに左右されない強い信念や軸を持つのはなかなかに骨が折れる。ハートが強すぎる。

どんな結果にも目を背けない

誓ったらただ今を生きるのみ

自分に言い聞かせるように何度も繰り返し言う。自分の信じた道が険しくても言い訳せずに挑む。潔さと逞しさが音と共に伝わる。

アウトロのブルースハープは鬼気迫る激情と覚悟の表れ。この荒い感じがいいんだ。

総評

稲ソロ屈指のハードロックソング。稲葉浩志という人間の心を赤裸々に歌う。自分の弱さと強さを同時に表している。

めちゃくちゃ好きな曲だし聴いていると、稲葉浩志という世界に付け入る隙がないほど完璧に引き込まれて吸い込まれて魅了される。

www.youtube.com

MVはストーリー性を色濃く持たせたものになっている。楽曲の世界観を第一としている。

演出重視なのかな?稲葉さん自身出演はしていない。