「メガソーラーには絶望しかない」と元環境大臣が覚悟の告白…「残された道は原発再稼働一択」

細野豪志に直撃
細野 豪志(ほその ごうし) 衆議院議員
昭和46年8月21日生まれ、滋賀県出身。京都大学法学部卒業。三和総合研究所研究員 (現三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング)。環境大臣、内閣府特命担当大臣(原子力発電所事故再発防止・収束)、総理大臣補佐官などを歴任。

なぜメガソーラーはトラブルが絶えないのか

ロシアによるウクライナ侵攻、そして、円安によってエネルギー価格が高騰している。さらに、日本では、太陽光発電を中心とする自然エネルギーを普及するために莫大な補助金を支出しており、わたしたちは「再エネ賦課金」(再生可能エネルギー発電促進賦課金)として、電気代に上乗せされる形で徴収をされている。

問題は電気代の値上がりだけではない。その太陽光発電・メガソーラーが、全国各地で、環境破壊を起こしトラブルが頻発しているのだ。

元環境大臣である細野豪志元環境大臣は、3.11の東日本大震災時には、内閣総理大臣補佐官とし菅直人政権を支えていた。その後、原発事故担当大臣として東電に常駐しながら事故対応にあたり、その年に、環境大臣に就任。自然エネルギーの推進を図りながら、大飯原発再稼働に向けて当該地域の知事への説得役も担ってきた。

原発処理を担当した大臣として、自然エネルギーを推進する立場にあった環境大臣経験者として、「メガソーラー・太陽光発電」をどう考えているのか。イトモス研究所所長・小倉健一が、直撃インタビューを敢行した。

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──日本中で、メガソーラー(発電所)の設置が大問題になっています。そもそもメガソーラーは、発電規模が1,000kW以上の大規模な太陽光発電システムを指します。一般家庭の屋根に設置する太陽光発電システムは10kW未満ですから、その100倍以上になります。メガソーラー設置には、サッカーのフィールドの約2倍の敷地が必要です。震災を前後して、国が積極的に支援をしてきました。最近になって近隣住民とのトラブルが多発しています。細野元環境大臣の地元である函南町でも同様です。なぜ、メガソーラーはトラブルが絶えないのでしょうか。

細野 根本的な問題は、メガソーラーの買取価格を高くつけすぎたことです。産業用の電力買取単価は、2012年は「40円+税」(※)を20年間約束するというものです。今では「10円+税」を20年間ですから、およそ4倍です。高い値段をつけてすぎてしまったがために、発電に適していないところでも十分に収益が可能となってしまい、自然環境や住民にとって迷惑な場所での開発が全国各地で起きてしまった。急斜面でつくったり、森林を伐採するので地域全体の保水力が落ちて土砂災害が起きます。

 

細野 10年前の権利を持っている人、もしくは転売を受けた人は、あと10年間は権利を持っていることになりますから、無理にでも開発しようという動機が生まれてしまいます。もし、今の10円という価格なら、森林を開発してまで収益を得ることはできません。

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