脱水汚泥から放射性セシウムを検出した「東部スラッジプラント」(東京)〔PHOTO〕香川貴宏
※各自治体のHPおよび聞き取り調査をもとに作成。放射性ヨウ素は反映させていない
※セシウム134とセシウム137の合計値を表記(単位は ベクレル/kg)
※水道水は検出されたおもな地点とその最高値を表記
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※セシウム134とセシウム137の合計値を表記(単位は ベクレル/kg)
※水道水は検出されたおもな地点とその最高値を表記
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〈セシウム137・1000ベクレル検出〉
〈セシウム134・960ベクレル検出〉
これは、東京・江戸川区の下水処理施設「葛西水再生センター」(臨海町)の脱水汚泥1kgに含まれていた放射性物質の測定結果である。東京都下水道局が5月18・19日に同センターの汚泥から採取し、結果を6月3日に発表したものだ。福島第一原発から200km以上離れた東京で検出された高い数値は、衝撃的である。
下水処理施設には雨水が流れ込む。検出された放射性物質の数値が高いということは、その周辺地域の放射能汚染の濃度がより高いことを示す。次ページの表を見ると分かるように、東京では足立区、江東区など東部の施設が軒並み高い数値を記録している。こうした地域のように、周囲と比べ相対的に放射線量が高い場所を「ホットスポット」と呼ぶ。
「空気中に放出された放射性物質は、風や塵に乗って運ばれ、雨や下降気流により地上に落ちますが、気流や風向き、地形などによって、濃度の高い場所ができる。それがホットスポットです。放射性物質でも特にセシウムは土壌との親和性が高く、土中に溶け込む。そして土中から放射線を発し続けることになる。セシウム137なら、半減期は約30年。塵などと一緒にそれを吸引したり経口から体内に入ったりすれば、体内被曝となり、身体に甚大な影響を受けることになる」(中部大学・武田邦彦教授)