日本経済が完璧に「一人負け」、じつは「政府の支出と補償」がまったく足りていなかった…!

世界の中で「負ける」日本

日米相対株価(TOPIX/ S&P500)は、5月13日に0.45と1950年代以降で最も低い水準を更新した。日米相対株価は2020年9月に一旦底打ちして、2021年3月まで上昇していた。この時期は、世界的に株価が上昇する中で、先行して上昇していた米国株を日本株が追い上げて米国株を上回るペースで株高となり、2月には日経平均株価は3万円の大台まで上昇していた。

ただ、4月以降は、米国株は上下しながらも史上最高値圏で推移する一方で、日本株は3月中旬から頭打ちとなり、4月中旬までの下落で日米相対株価は再び大きく低下して、日本株の劣後が明確になった。GW明け後の日本株の弱さもあり、日米相対株価は再び5月に最低水準を下回った。

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2021年に入り世界の株式市場は堅調だが、欧州株指数(Stoxx600)も、米国株に肩を並べて年初来リターンは10%を超えている。一方、3月までは好調だった日本株は、5月中旬時点で米欧と比べて見劣りする株価上昇率にとどまっている。

最近、日本株の停滞が強まっている一因は、世界の投資家から見れば日本が、中国の影響を受けるアジア太平洋の主要国と認識されていることだろう。中国では、大手ハイテク企業などへの政治による規制強化が嫌気され、香港ハンセン指数などのリターンも米欧株対比ではアンダーパフォームしている。

政府による規制強化政策への疑念に加えて、中国経済の回復ペースが2021年初から鈍化していることも影響している。さらに、バイデン政権の対中強行姿勢がはっきりと示され、台湾海峡を巡り潜在的には大きな地政学リスクが潜んでいることが、多くの投資家に意識されていることも少なからず影響しているとみられる。

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