2011.10.17
日本からスタートしたのにわずか1年で中国・インドに持っていかれてしまったエール大学の「次世代リーダー交流」
米名門の力の源泉はネットワーク力
筆者とエール大学のレビン総長
実は日本から始まっていたエール大グローバル化
アメリカの大学の強さは研究や教育だけではない。ネットワーキングの力も強大である。ネットワーキング力でエール大のグローバル化が勢いを見せている。17年間、総長の座に君臨するリチャード・レビン氏そしてリンダ・ロリマー副総長のコンビが素晴らしい仕事をしている。一言でいえば「エール大学は世界の次世代リーダーにツバをつけている」のだ。
実は発端は日本だった。理由はレビン総長とのパーソナルなつながり。川口頼子元外務大臣がレビン総長のエール大院でのクラスメートだったのだ。その関係で、Yale Government of Japan Leadership Programがスタートしたのだ。時は2006年。日本の国会と政府の将来幹部をエール大人脈に取り込む試みだ。
川口頼子参議院議員を筆頭に、私も含めた当時の与野党の衆参議員5名、各省庁から中堅幹部クラス9名、メディアから編集委員クラス2名の計16名がエール大学に招かれた。
プログラムは二週間。最初の一週間はニューヘイブンにあるエール大キャンパス滞在。ここでエール大が誇る教授たちとグローバルなイシューについて自由討論形式で議論。メンバーがすごかった。行動経済学の大家ロバート・シラー教授、日本政治研究の第一人者フランシス・ローゼンブルース教授、二兆円を超えるエール大の基金運用を担当するディビッド・スウェンソン氏ら。他にもメディカルスクールやロースクールから医療政策や資本市場法制の大家が登場。レビン総長自身も毎回教室に登場し、われわれとともに自由討論を楽しんだ。