なぜ「子どもの受験」で「家庭崩壊」が起きるのか…意外と知らない「幸福な家庭の考え方」

なぜ組織の上層部ほど無能だらけになるのか? 張り紙が増えると事故も増える理由とは? 飲み残しを放置する夫は経営が下手?

発売たちまち4刷の話題書『世界は経営でできている』では、東京大学史上初の経営学博士が「人生がうまくいかない理由」を、日常・人生にころがる「経営の失敗」に見ていく。

温情の海:価値創造で幸せな家庭を作る思考法

本当は、親子関係においても経営をおこなうべきだ。

具体的には、「A:親が子の生き方を決めつけてしまう」「B:親が子の生き方を決めつけない」という対立の究極の目的が「C:子供に幸せになって欲しい」というものだとすれば、AとBがそれぞれCにどう寄与できるかを考えてみるべきである。

すると、たとえばAによって「取り返しのつかない失敗をさせない」、Bによって「自由に伸び伸びと育ってもらう」という寄与が、それぞれありうると気付くかもしれない。

その後は、「取り返しのつかない失敗をさせない」ことと「自由に伸び伸びと育ってもらう」の両立を考える。AとBの両立は無理でも、こうした「Cへの寄与同士の両立」ならば可能だからだ。

すると、たとえば千四百年以上前に成立した『顔氏家訓』的な「道徳教育を徹底的におこなった後に好きなだけ自由にさせる」あたりに落ち着くかもしれないし、その他にも家庭ごとに色んな解決策がありうるだろう。