「無駄に高学歴」という烙印…学習塾バイトで高校生にナメられた高学歴男性の「悲しすぎる現実」

学歴があれば「勝ち組」なのか?

月10万円の困窮生活、振り込め詐欺や万引きに手を染める、博士課程中退で借金1000万円、ロースクールを経て「ヒモ」に、日本に馴染めない帰国子女、教育費2000万円かけたのに無職……

なぜ高学歴でも生きづらいのか? 発売たちまち重版が決まった『高学歴難民』では、「こんなはずではなかった」誰にも言えない実態の数々に迫っている。

ここでは、「学歴至上主義家庭に生まれ、『無職・借金1000万円』の迷走人生」と題した40代男性へのインタビューをお届けする。

※本記事は阿部恭子『高学歴難民』から抜粋・編集したものです(登場人物は仮名で、個人が特定されることのないよう一部エピソードに修正を加えています)。

第一回はこちら:「学歴で人格まで評価される」…学歴至上主義家庭に生まれた男性の負け組人生「大学院への進学を後悔しています」

「無駄に高学歴」という烙印

僕は学生時代、特別目立つタイプではなかったですが、いじめられるような経験はありませんでした。ところが30代になった途端、どこに行っても排除される存在になっていました。

僕は学習塾でのアルバイトを始めました。大学受験の科目を担当することになったのですが、授業の初日から、

「聞こえません!もっとはっきり喋ってくれませんか!」

と生徒から厳しい声が飛んで来ました。僕は一気に緊張してしまい、一瞬、自分が何を言っているのかわからなくなってしまいました。

「すみません……。準備が不十分だったようで、次回からは気を付けます」

と最後に謝罪し、急いで教室を出ました。

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