【特別企画】
「勝利の女神:NIKKE」指揮官のメンタルにエンカウンターしてくる初のオーケストラコンサートをレポート
最高に美しい音色でトラウマも感動もまるごと蘇る
2025年1月12日 10:00
- 【NIKKE オーケストラコンサート MELODIES OF VICTORY】
- 1月11日 開催
- 会場:パシフィコ横浜 国立大ホール
背中で魅せるガンガールRPG 「勝利の女神:NIKKE(以下、NIKKE」が開催する初のオーケストラコンサート「NIKKE ORCHETRAL CONCERT MELODIES OF VICTORY」の横浜公演が、1月11日、パシフィコ横浜 国立大ホールにて開催された。
「NIKKE」は見目麗しいキャラクターたちのセクシーかつかっこいい後ろ姿や、ポストアポカリプスな世界を舞台としたハードな設定やストーリー展開が有名な作品だ。その中でも実は、音楽も侮れないコンテンツのひとつだったりする。
作中のBGMやボーカル曲にはすばらしい楽曲が数多く登場しており、イベントや新たなストーリーが展開されるたびに数を増やしている。クオリティーもさることながら、その数2025年1月の時点でゲーム内で確認できるだけで517曲存在している。
今回、そんな楽曲たちを楽団と歌手のPernelle.さんによる生演奏と生歌で楽しめる「NIKKE」初のオーケストラコンサートイベント「NIKKE ORCHETRAL CONCERT MELODIES OF VICTORY」がパシフィコ横浜にて開催された。
会場では高木洋氏による指揮のもと、オーケストラアレンジされた「NIKKE」の楽曲がSPECIAL ORCHESTRA BAND:NIKKE楽団の手によって奏でられた。本公演は昼と夜の2公演が開催。筆者は昼公演の方に参加したので、その様子をお届けする。
会場内にはコンサート用に描き下ろされたキャラクターたちが並ぶフォトスポットやファンアート、コンサート仕様のキャラクター限定グッズが購入できる物販コーナーがあり、いずれも多くの指揮官(プレイヤー)たちによって賑わっていた。
来場者特典:チケット風記念カード、記念エッチングしおり、記念ショッパーバッグ
本イベントの参加者には来場者特典として「チケット風記念カード」、「記念エッチングしおり」、「記念ショッパーバッグ」が入場時に配布された。「チケット風記念カード」の裏には「NIKKE」のゲーム内アイテムを入手できるコードが記載されており、入力することで1500ジュエルを入手できる。
コンビニなどのマルチコピー機で印刷されたチケットが主流となってしまった今、昔にくらべてチケットのデザインが寂しくなってしまったと感じている筆者にとって、思い出として残せるチケット風の来場特典は実にありがたかった。
オーケストラアレンジされた16曲の豪華演奏
開演後は大型スクリーンに映し出される映像とライティングが合わさった演出と共に、大迫力の生演奏が行われた。静まり返った場内で楽器たちが奏でる生の音は実に心地よく、普段ゲーム内で聴いているのとはまったく違う印象で楽しむことができた。
コンサートは演奏とトークをはさむ構成になっており、オープニングの演奏、トーク、演奏、第1部、第2部、クロージングトークという形で進行された。曲の合間ではアニスやアリアによるオープニング挨拶や、ドロシーとスノーホワイトによるオリジナルストーリーなども披露された。
公演時間は約90分、アンコールを含め全16曲が演奏された。セットリストは以下になる。
セットリスト
【オープニング】
FALLING, RISING
1. The Godness Fall
2. WE RISE
FIRST AFFECTION
3. Marian
4. GoodBye For Now
【第1部:OUR STORY】
5. SO PLAYFUL
6. Camellia
7. GODDESS SQUAD READY
8. Hold you tight
9. THE REDHOOD
【第2部:CROSS THE LINE】
10. OVER ZONE
11. GODDESS OF VICTORY
12. the pilgrim acoustic
13. Satellites
14. Last Kingdom
【アンコール:NEVER ENDING ENDING】
15. In Neverland
16. The Clarion Call
タイトル画面でおなじみのメインテーマから始まる、「NIKKE」の世界、そして……
ここからは、公演の内容を公式映像とともにより詳しく振り返っていきたい。コンサートの開幕は、アナウンスと共に暗くなった場内にオーケストラコンサートのPV映像が映し出された。
オープニングは「NIKKE」のタイトル画面でおなじみのメインテーマ「The Godness Fall」。演奏と共にPernelle.さんの力強い生歌が会場内に響き渡り、一気に観客を「NIKKE」の世界へと引き込んだ。生演奏と生歌の力はすさまじく、普段ゲーム内で聴いているものとはまったく違う迫力に圧倒された。
続いたのはダウンロード画面でもお馴染みのアニメPVの曲「WE RISE」のオーケストラアレンジバージョン。
壮大なスタートで指揮官たちの気持ちが昂ぶったのも束の間、ここで「マリアン」との“あの”シーンが登場した。過酷な物語展開が展開される「NIKKE」において、全指揮官が避けては通れない最初の登竜門シーンだ。
マリアンに銃を突きつける悲劇のアニメシーンをバックに奏でられる、オーケストラの美しい音色。美しいがゆえにその心を動かす力は大きく、指揮官たちのハートと精神が容赦なく抉られていく。洗練された会場内で当時の気持ちが蘇り、感情が沈んでいく指揮官たちの光景は、まるで綺麗な地獄のような、なんとも形容しがたいものだった。場内では耐えきれずに感情が溢れる指揮官たちの音が聞こえた。
幸いにも演奏はこれだけで終わらず、最後はマリアンとモダニアをバックに青と白の幻想的なライトアップのなか、救いのある形で「GoodBye For Now」が演奏された。メンタルブレイク寸前のところで、オープニングが無事終了した。
第1部:OUR STORY
オープニングで指揮官たちのメンタルにエンカウンターが仕掛けられた後、司会の案内と共に「NIKKE」ディレクターのユ・ヒョンソク氏とサウンドディレクターのCosmograph氏が登壇し、来場者に挨拶を行い、待望の第1部が開幕した。
第1部:OUR STORYは、オープニングとは打って変わり華やかな夏のストーリーイベント「SEA, YOU, AGAIN」の主題歌「SO PLAYFUL」で幕を開けた。
「NIKKE」はポストアポカリプスな世界観やストーリー設定ということもあり、基本的に過酷な物語展開が多いのだが、幸いにも夏と冬のストーリーイベントは指揮官のメンタルを救済してくれる平和なものが多い。
夏のストーリーイベント「SEA, YOU, AGAIN」もその例に漏れず、ニケ達が水着姿ではしゃいだり、バーベキューを楽しむなど、普段とは違う明るい日常を過ごすニケたちを見ることができたイベントだ。陽気な音楽ということもあり、演奏の途中では合いの手をいれたりと、会場一体となって演奏が盛り上がった。
続いたのはニケ「紅蓮」の過去を描いたストーリーイベント「NEW YEAR, NEW SWORD」の主題歌「Camellia」、ニケ「レッドフード」と在りし日のゴッデス部隊を描いたストーリーイベント「RED ASH」から「GODDESS SQUAD READY」「Hold you tight」「THE REDHOOD」と、レッドフードがいた頃のゴッデス部隊の曲が続けて演奏された。
作中でも屈指の熱い展開を誇るストーリーイベントに加え、人気も高いレッドフードの曲が続いたということもあって、指揮官達のテンションは最高潮の状態で第1部が終了した。
第2部:CROSS THE LINE
第2部:CROSS THE LINEでは、ハーフアニバーサリーで実装されたニケ「ドロシー」をメインにゴッデス部隊の物語を描いたストーリーイベント「OVER ZONE」へと続いた。
1部から2部へと作中の時系列に合わせた形の演出に興奮するなか、「OVER ZONE」「GODDESS OF VICTORY」「the pilgrim acoustic」と名曲が続き、OVER ZONEの最後を主題歌「Satellites」が飾った。そこで終わるかと思いきや、最後は1.5周年のストーリーイベント「LAST KINGDOM」のメインテーマ「Last Kingdom」の演奏がはじまり、締められた。
ストーリーイベント「LAST KINGDOM」は今までゴッデスをメインとしてた周年イベントとは違い、ニケ「クラウン」を主軸に展開された物語。過去のゴッデス部隊のストーリーと異なり、こちらは現在の時間軸で話が展開されたことから、展開や結末が読めず、多くの指揮官たちをハラハラさせた。その思い出もあいまって、この選曲には筆者をはじめ会場中の指揮官が興奮していた。
コンサートの最後では冬のストーリーイベント「NEVERLAND」から「In Neverland」と、「LAST KINGDOM」から「The Clarion Call」の2曲がアンコールとして披露され、鳴り止まない拍手のなか無事にイベントは閉幕となった。
約90分の公演時間があっという間に過ぎ去るほどに、満足度の高いまま本イベントは終了した。過去のストーリーイベントを作中の時間軸で楽しめる作りは、「NIKKE」の物語や、イベントでの気持ちを思い出させてくれた。その素晴らしさに公演中は幾度となく熱い拍手が沸き起こり、最後の方では司会が指揮官達の手を心配するほどだった。
唯一悔やまれるポイントは、このクオリティと環境でもっと多くの曲をききたくなってしまうところだろう。曲の多さからどうしてもリストから外れてしまうものが出てきてしまうのが口惜しい。
今回レッドフードの曲が多かったことから、現在行われているニケ「ラピ」と「レッドフード」のストーリーイベント「FOOTSTEP,WALK,RUN」の曲も登場するのではないかと思わず期待してしまった。残念ながら今回は聴くことができなかったが、また機会があればそれもぜひ聴きたいところだ。
これからも多くのイベントや、オーケストラコンサートに限らず「NIKKE」の曲をライブで楽しめるイベントなどもどんどん開催してくれることを期待したい。
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