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Excel 2021では、「並び替えミスで表を破壊」が防げる新関数が!フィルター/ソート/抽出の新関数はこう使おう!
Excelの基本的だが非常に重要な処理をFILTER/SORT/SORTBY/UNIQUE関数で
- 提供:
- 日本マイクロソフト株式会社
2021年11月8日 06:55
2021年10月5日に発売された「Office 2021」。特に多くの機能追加が行われたのがExcelです。今回は、Excelに追加された新関数「FILTER関数」「SORT/SORTBY関数」「UNIQUE関数」の3つをまとめて紹介します。
これらの新関数は、いままではメニューやショートカットキー、検索ボックス(Microsoft Search ボックス)から操作していたデータの絞り込み、並べ替えといった基本的な処理を、関数でも使えるようにしたものです。
最大のメリットは「元データを改変しないこと」。これらの関数は、データを参照して結果を表示する仕組みで、何をしても元データには反映しません。従来のExcelで同様の処理を行なった場合、ちょっとしたミスで元データが壊れる事故を起こす可能性がありました。これらの新関数を使えばそんな心配は無用です。
例えば、「追加した列にフィルターを設定しないまま並べ替えて、データがずれてしまった」というミスをしてしまった方も多いと思いますが、これらの新関数では、そうしたことはおきません。
また、ひとつのセルに数式を入力するだけで隣接セルに値を配置できる「スピル」に対応しているので、数万件以上のデータの抽出・並べ替えも一発です。
表がメチャクチャになってしまう事態を避けられますし、構文も簡単、使わない手はありません。
それぞれの動作は、FILTER関数が「フィルターをかけてデータを絞り込む」、SORT/SORTBY関数が「指定列でデータをソートする(並べ替える)」、UNIQUE関数が「データからユニーク(一意)なデータを取得する」というもの。
だいたいの動作は想像がつくと思いますが、その使い方と威力を、順にみていきましょう。
なお、今「Office 2021」を購入すると、特典として小冊子『できる Office 2021 新機能ガイド』がもらえます(ただし、配布冊子がなくなり次第終了。詳細な配布方法は販売店によって異なります)。LET関数をはじめとする便利になった新機能を使いこなし、より効率よく作業する具体的な手順を詳しく紹介しているので、要チェックです。
▼複数条件での絞り込みもできるFILTER関数
・構文は「=FILTER([範囲],[条件],[一致しない場合の値])」
・[条件]の指定方法
・複数の条件を指定して絞り込むことも可能
▼データを並べ替えられるSORT/SORTBY関数
・SORT関数とSORTBY関数の構文
・SORT関数とSORTBY関数でデータを並べ替える
・複数条件で並べ替えるならSORTBY関数
・横方向の表を列単位で並べ替えるならSORT関数
・FILTER関数と組み合わせることで真価を発揮
▼[重複の削除]ボタンと同じ動作を関数で行うUNIQUE関数
・構文は「=UNIQUE([範囲],[検索方向,[回数])」
・複数列における一意の値を抽出したり、SORT関数と組み合わせることも
・横方向の表から一意の値を抽出するときは[検索方向]を「TRUE」に
▼Excelの基本的だが非常に重要な処理を関数で行えるように
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※本稿の内容はプレビュー版である「Office LTSC Professional Plus 2021 Preview」で動作確認しています。
複数条件での絞り込みもできるFILTER関数
まずはFILTER関数から紹介していきましょう。
FILTER関数は「フィルターボタン」のような絞り込み処理が行えます。スピルに対応しており、入力する数式はひとつのみです。構文を見てみましょう。
FILTER関数の構文は「=FILTER([範囲],[条件],[一致しない場合の値])」
[範囲]は絞り込む対象のセル範囲を指定します。通常は表全体でしょう。列見出しは含めずに指定します。連続したセル範囲であれば表の一部を指定しても構いません。[条件]には、文字列の比較や数値の大小など、データを絞り込む条件を指定します。
3つめの引数[一致しない場合の値]には、[条件]に合致するデータが存在しない場合に表示する値、例えば「該当データなし」などと指定可能です。省略時に該当するデータが存在しない場合は、#CALC!エラーが表示されます。
[条件]の指定方法
[条件]に指定する条件式は、絞り込み対象のセル範囲と比較する形式で「D2:D11="第一営業部"」のように指定します。まずは単純にひとつの条件で絞り込んでみます。セルA15に「=FILTER(A2:E11,D2:D11="第一営業部")」と入力します。
ここで指定した「=」(等しい)以外に「>=」(以上)、「<=」(以下)、「>」(より大きい)、「<」(より小さい)、「<>」(等しくない)の比較演算子も利用できます。数値の比較なら「E2:E11>=10000000」といった具合です。
データを並べ替えられるSORT/SORTBY関数
SORT関数はひとつの列、または行を基準に、SORTBY関数は複数の列を基準に並べ替えを行ないます。それぞれ構文を確認しておきましょう。
SORT関数とSORTBY関数の構文
先頭行に見出しがあり、列方向(下方向)にデータが並ぶ一般的な表では、ひとつの条件でも並べ替え可能なSORTBY関数のほうが使い勝手がよいと思います。ただ、左端の列に見出しのある横方向の表を列単位で並べ替える場合は、SORT関数の出番です。それぞれ利用シーンを見てみましょう。
SORT関数とSORTBY関数でデータを並べ替える
上の例はSORT関数とSORTBY関数を利用して同じ結果を表示させました。「=SORT(A2:E11,2,-1,FALSE)」は最後の「,FALSE」を省略して「「=SORT(A2:E11,2,-1)」」と記述しても構いません。インデックス番号に慣れていれば、SORT関数のほうが短く簡単と感じるかもしれません。
[重複の削除]ボタンと同じ動作を関数で行うUNIQUE関数
セル範囲からユニーク(一意)な値を取り出す場合は、UNIQUE関数で一瞬です。これまでのように、値をコピー&ペーストしてから[重複の削除]ボタンをクリックする必要はありません。構文を見てみましょう。
UNIQUE関数の構文は「=UNIQUE([範囲],[検索方向,[回数])」
UNIQUE関数を使う際は、列方向(下方向)へ向かって一意な値を抽出することがほとんどでしょう。その場合、[検索方向]と[回数]は省略可能なので、UNIQUE関数の引数はセル範囲のみでよいことになります。
複数列における一意の値を抽出したり、SORT関数と組み合わせることも
複数列における一意の値も抽出可能で、指定するセル範囲を拡張するだけです。さらに抽出した一意の値の並べ替えたい場合は、SORT関数と組み合わせます。
Excelの基本的だが非常に重要な処理を関数で行えるように
ここで紹介した「FILTER関数」「SORT/SORTBY関数」「UNIQUE関数」は、XLOOKUP関数ほど注目されないかもしれません。しかし、データの絞り込み、並べ替えなどの処理はデータ分析に欠かせないものです。
しかも、元データに触れずにデータ操作を行えるうえ、スピルによりすばやい処理が可能となっています。無駄な心配と事故を防げるようになったExcelを「Office 2021」でぜひ試してみてください。