やしお

ふつうの会社員の日記です。

作家業で稼げなくてもぼちぼち頑張ってるって報告

 昨2024年4月に小説が出版されて職業作家(兼業)になったその後の行方についてのメモ。


小説『生命活動として極めて正常』

 昨年4月に短編集がKADOKAWAから出版された。いろんな人が好意的なレビューしてくれて嬉しかった。

 

 他にもレビューや感想を書いてくれた人も、単に「読んだ、面白かった」と言ってくれた人も本当にありがたい。
 Amazonのレビューで、これを見た時は本当に嬉しかった。
  楽しすぎた。

仲良い友達にプレゼントで買ったけど、自分でも欲しくて2冊買った。
ネットでしか読めない、進研ゼミのやつも大好きで、バイトの帰りいつも読んでる。
進研ゼミのポーズも友達とやった。
相撲のやつも面白かった。
ありがとう。


「進研ゼミのやつ」は、2013年にはてなブログで書いた(カクヨムに転載した)作品、

「相撲のやつ」は、2024年に書いた作品のこと。

 10年以上前の作品も、直近で書いた作品も読んで「面白い」と言ってもらえるのは、存在が肯定されているような気持ちになった。


 妻の友人から初ファンレターを貰ったのも嬉しかった。落ち込んでいた時に読んで元気になったという。
 決定的に人生や考え方を変えるなんて大袈裟な影響でなくても、面白かった、ちょっと気分が上がった、くらいで本当に「ああ、書いてよかったな」と思えてくる。


 刊行後に何かを受賞したり、イベントに出席したり、といったことは何もない。



小説新潮2024年9月号のコラム〈わたしの相棒〉

 KADOKAWAの担当編集者経由で、新潮社の担当者からコラムを依頼されて書いた。


 3つのお題から1つ選んで書く、文芸誌1ページ分のとても短いコラム。「私の相棒」というお題で、BlackBerryとの思い出を書いた。
 短く書くのは非常に難しいと感じた。BlackBerryとの心温まるエピソードがまだたくさんあるけれど入れられないから、取捨選択をしながら、あまりに密度が高すぎる文章は読みづらいのでギュンギュンにしないように、薄くもなり過ぎず、あまり固くもなり過ぎず……といったことを考えながら書いていた。


 声をかけてもらって、文芸誌で何かを載せてもらう体験も初めてだったし嬉しかった。小説家の桐野夏生が好きだったから、(同じ雑誌に桐野夏生と自分が……)というのも感慨深かった。


次の本の企画

 過去にこのブログで書いた記事を元にした本の企画が2つ、それぞれ別の出版社・編集者から来ていて、今は先の企画について執筆を進めている。


 最初に編集者から話をもらった時に、自分が書く意味あるのだろうか(他により適した著者がいるのではないか)、読んで面白いと思えるものになるのだろうか、と疑いもあった。編集者と企画の内容をしっかり話して、詰めて、修正・擦り合わせをしていった結果、どちらも意義深い本になる、面白い本になるとちゃんと自分で信じられる企画になったので良かった。
 調べごとが多かったり、会社員としての時間外業務が多かったりで、執筆ペースが激遅(3,000字/週くらい、構成をつくる期間なども含めると2,000字/週くらい)なのが辛いけれど、絶対に面白い本になると思いながら地道に進めている。


 小説家として作家業をスタートしたと思ったら、小説ではない本の話が来て(あれま)と思った。ちょうどブログで(その後カクヨムで)小説を書いていたら、小説でない話をブログで書くようになって、そっちの方が多く読まれていたのと同じ流れかも。


小説の次作

『生命活動~』のレビューや感想で「次作にも期待」と書いてくれた人も多くて嬉しい一方、こればかりは「紙の初版が売れて重版がかかる」実績がつくれないと、なかなか次の小説の出版は現実的には難しい。
 数年前から「これは絶対面白い(と自分で心底信じている)」話をちょっと書いたり準備したりしていたので、これはたとえ本として出版されなくてもいいから、ちゃんと書いて完成させる。(今ある2冊をまずはちゃんと終わらせないといけない。)


 昨年の大相撲九月場所の日程に合わせて15日間、毎日18時(大相撲中継が終わる時間)にカクヨムに相撲のお話を連載した。
「セックスしないと出られない部屋」という相撲部屋が誕生した経緯と、その部屋での弟子たちの暮らしや成長、部屋の消滅の経緯を書いた話だった。

 2017年にTwitterで「優勝20回以上の大横綱になって引退直前にしこ名を『セックスしないと出られない』に変更し、一代年寄になって独立して部屋を興せば『セックスしないと出られない部屋』がつくれる」といったことを書いていた。昨年から久々に相撲を見るようになってこれを思い出し、改めて書こうと急に思い立った。


「元祖セッ部屋」を書いてみて、どうしても「設定」が好きなので、好き放題に設定を書いてしまって、ちゃんとお話(小説というより物語)として構築する作業を疎かにしているんだなあとつくづく思った。改めて書こうとしてる小説は、物語としての構築も勉強し直して取り組もうとしている。ちゃんとやった後で、また好き放題するかもしれないし、物語をちゃんとの方向になるかもしれないし、そもそもちゃんとやろうとして結果的にはちゃめちゃになるかもしれないし。


お金のこと

 昨2024年は『生命活動~』の初版印税、電子書籍の売上、小説新潮のコラム原稿代のみで、会社員としての賞与1回分に満たないくらい。全然「作家業として身を立てる」という水準ではない。本が一冊出ただけでしかないから当然だ。
 青色申告の65万円控除を受けようと思って、昨年に開業届も出して、会計クラウドのサブスクも契約して、確定申告も今年の1月中に終わらせた。
 今まで認定NPO法人への寄附金控除でしか確定申告をやったことなかったけれど、会計ソフトも使いやすいし、書類を印刷して郵送や持ち込む必要なしに電子送信できて楽だった。昔は苦行だったと聞くから改善されたのはありがたい。


 個人事業主としては赤字。売上も費用も小さいうちに、自分で確定申告をできたのは良かった。会社員だけやっていると分からないことを知られたのも面白かった。



 このブログの更新頻度が減ってしまったけれど、書いている文章の量は変わっていない。ブログに書きたいことも多々あってメモを残している。
 そんなこんなで、暮らしの主な収入源にはなり得ていないものの、会社員と作家業でそこそこ頑張って生きてる。