コラム
share:

中国のプレミアムEVブランドが満を持して日本進出を表明! 「Zeekr」とはいかなるブランドでどんな車種をもつのか?


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
TAG:

EVのミニバンもラインアップ!

中国のEVブランドであるZeekrが、2025年に日本市場に上陸する予定であることが判明しました。そもそもZeekrとはどのようなEVブランドであるのか。現在発売されているEVはどのような性能を実現しているのか。日本国内に導入されるのはどのモデルとなり得るのかについて解説します。

Zeekrのクルマ

まず、今回取り上げたい存在が、中国のEV専門ブランドであるZeekrです。このZeekrは、2021年にジーリーのプレミアムEV専門ブランドとして設立され、10月にも、初めてのEVであるステーションワゴンタイプのZeekr 001の納車をスタート。このZeekr 001は、全長4977mm、全幅1999mm、ホイールベースが3005mmの中大型EVです。前後にモーターを搭載するAWDグレードの場合、最高出力580kW、最大トルク810Nmを発揮。0-100km/h加速も3.3秒と強烈な動力性能を実現しています。

Zeekr 001の外観

さらに、100kWhのCATL製Qilinバッテリーを搭載することで、満充電あたりの航続距離は最長750kmを実現。急速充電性能も、そのQilinバッテリーの場合、450kW級の充電出力に対応することで、SOC10%から80%まで15分で充電を完了可能。さらに、同じくCATL製の95kWh、Shenxingバッテリーの場合、充電時間を11.5分にまで短縮させることが可能となります。

しかも、その超急速充電をサポートするために、Zeekrは独自の急速充電ネットワークを構築中です。最新のV3超急速充電器は、最大電圧が1000V、最大電流値も800A、よって最大800kWの充電出力に対応します。

急速充電性能のイメージ

さらに、装備も充実しており、レッグレスト付きの電動シート調整、シートヒーター、シートクーラー、シートマッサージ、ステアリングの電動調整、アンビエントライト、ヒートポンプシステム、調光機能付きのガラスルーフ、フレグランス、市街地NOAまで対応可能な自動運転システム、最大6kWのV2L機能、連続可変ダンピングコントロール付きのデュアルチャンバーエアサスペンション、最大3000Wの出力に対応するヤマハ製の28スピーカーシステム、6年15万kmの車両保証、走行年数無制限のバッテリー保証などを網羅します。

Zeekr 001の内装

よって、現在月間1万台級の販売台数をコンスタントに実現しています。

ちなみに、Zeekrは2023年10月にも、Zeekr 001のハイパフォーマンスグレードとして、001 FRの発売もスタートしています。これは、4輪それぞれにモーターを搭載するクアッドモーター仕様であり、最高出力は930kW、最大トルクも1280Nmを発揮。これによって0-100km/h加速も2.02秒と、ハイパーカー級の動力性能を実現しています。

Zeekr 001 FRの外観

次に、2023年1月から正式納車をスタートしているのが、ミニバンEVのZeekr 009。全長5217mm、全幅2024mm、全高1812mm、ホイールベースが3205mmと、最大7人が乗車可能な大型ミニバンEVです。

このZeekr 009は、2024年7月にモデルチェンジが実施され、108kWhの800VシステムのQilinバッテリー、および400Vシステムの140kWh Qilinバッテリーの2種類をラインアップ。140kWhバッテリーの場合、航続距離は最長で900kmを実現。さらに108kWhバッテリーの場合、航続距離は740kmと短いものの、800Vシステムを採用することで最大充電出力は560kWに対応。SOC10%から80%まで11.5分で充電を完了させることが可能です。

Zeekr 009の外観

また、Zeekr 009には、高級バージョンとしてGlory Editionも設定されています。43インチの巨大なリヤスクリーンをはじめとして、衛星通信を採用し、ヒマラヤ山脈で採れた大理石を使用するなど、メルセデス・マイバッハやロールスロイスなどに対抗するための高級さを演出しています。

Zeekr 009の内装

次に、2023年6月から正式納車をスタートしているのがZeekr Xです。全長4450mm、全幅1836mm、全高1572mm、ホイールベースが2750mmというコンパクトSUVセグメントに該当します。66kWhの三元系バッテリーを搭載し、航続距離は最長560km。RWDとAWDをラインアップし、AWDでは0-100km/h加速は3.7秒と、テスラ・モデルYパフォーマンス級の動力性能を実現します。

Zeekr Xの外観

また、後席を電動で折りたたむことが可能で、中央に配されている14.6インチのタッチスクリーンを助手席方向へとスライド可能、冷蔵庫も装備可能、Bピラー部分に顔認証システムを搭載し、外部に対する情報を映し出すことも可能です。

Zeekr Xの内装

そして、現在Zeekr Xは17.9万元、日本円で368万円から購入することが可能というコスト競争力の高さもアピールされています。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
BYDの売り上げ鈍化に注目しても意味なし! むしろ心配すべきはテスラか? BYDは利益率も投資額も驚くべき水準だった
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
more
ニュース
ヒョンデが東京オートサロン2025でスモールEV「インスター」を日本初公開! ドリキン土屋圭市監修のNパフォーマンスパーツのお披露目と屋外ドリフト走行も披露
ホンダの新世代EV「e:NP2」と「イエ」シリーズはここから生まれる! 中国合弁会社「広汽ホンダ」の新工場が広州市に誕生
2025年末までに100店舗展開を目標に開店ラッシュが止まらない! 全国37番目となる佐賀県初のBYD正規ディーラー「BYD AUTO 佐賀」がオープン
more
コラム
スマホならまだイケるのにEVのバッテリーは容量が70%を切ったら交換ってなぜ? 容量以外に求められるEV独特の性能とは
EVとV2H機器があれば停電時でも普通に家で生活できる? 使用電力について計算してみた!
中国メーカーEVの安さには誰も追いつけない! 驚異のコスパで「Xpeng P7+」が登場するや3時間で3万台以上が売れた
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
more
イベント
外からもまる見えな全面ガラスドアも高齢化が進む地域のモビリティとして最適!? タジマの超低床グリーンスローモビリティ「NAO2」が斬新すぎた
EVはレアメタルが詰まった都市鉱山! CEATEC2024でBASC展示が提唱するサーキュラーエコノミーというバッテリーとは
畳めるバイク! 階段を上り下りできるカート! 自由な発想のEV小型モビリティが作る明るい未来を見た!!
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択