LoRaWAN®の現在地とWi-Fi HaLow™の展望〜IIJ、LPWAの取り組み〜(IIR vol.65 2章)
2024年12月20日 金曜日
CONTENTS
2024年12月に発行されたIIJの技術レポートIIR vol.65 の第2章では、IoTで用いられる無線規格の一つであるLoRaWAN®とその応用についてIIJの取り組みを交えて詳しく紹介しています。また、新たな規格であるWi-Fi HaLow ™(IEEE 802.11ah)についても、その技術的な特徴や今後の展望について紹介しています。 ここではレポートの内容をいくつかのポイントに絞って簡単に紹介します。ご興味を持たれた方はぜひ本編も併せてお読みください。
本報告のポイント
- 2024年のLPWAの動向
- 低消費電力で広範囲に通信可能な無線技術「LPWA(Low Power Wide Area)」には大きく分けて2種類、通信キャリアが提供するライセンスバンド型と総務省の許可を得た無線機器であれば誰でも自由に使用できるアンライセンスバンド型があります。本稿ではまず、2024年におけるこれらのLPWAの概要についてまとめます。
- LoRaWAN®に関するIIJの取り組み
- アンライセンス型LPWAの中でもっともシェアの大きい「LoRaWAN®」はIoTデバイスの接続に適しており、海外では水道などの各種メータの監視やスマートビルティングの分野で活動が広がっています。
- IIJでもLoRaWAN®の技術を活用してスマート農業や温度管理、建築現場のモニタリングなどで成果を上げています。2017年から取り組んでいる農業IoTでは水田の水管理にかかる時間を約7割削減できることを実証しました。また、現在はこの農業IoTで培ったノウハウをもとに食品の安全を確保するための衛生管理手法「HACCP(ハサップ)」の義務化によりニーズが高まっている食品や薬品の温度・品質管理にも展開を広げています。さらに慢性的な人材不足や労働災害の発生といった課題に直面している建築現場ではセンサーを活用して作業員の安全管理や工事進捗の監視を行うことで効率化を図っています。
- Wi-Fi HaLow™(IEEE 802.11ah)の特徴と今後の展望
- 「Wi-Fi HaLow™」は920MHz帯を使用し、IP通信や高速通信が可能なIoT向けのLPWA技術です。2022年9月の電波法改正により日本国内での利用が可能になりました。同じくアンライセンスバンド型の一つであるLoRaWAN®と比較すると、リアルタイムでの大容量データ通信に適しており、監視カメラや遠隔でのファームウェア更新などのユースケースに期待されています。
- 本編ではその技術的な特徴や、IIJが荒川の河川敷で行った性能評価実験の結果などを詳しく解説しています。IoT市場における本格的な普及にはもう少し時間がかかりそうですが、IIJも参加している「802.11ah推進協議会」が中心となり市場を盛り上げる活動を進めています。
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