IIJの季刊技術レポート「IIR vol.65」(2024年12月号) 発行のご挨拶
2024年12月20日 金曜日
CONTENTS
※本記事は、2024年12月発行のIIR Vol.65より「エグゼクティブサマリ」を転載したものです。
エグゼクティブサマリ
ここ数年、IT関連のニュースはAIに関するもので溢れていますが、なかでも2024年のノーベル物理学賞と化学賞がAIの研究者に授与されたことは、ひときわ大きなニュースとなりました。
IT関連のノーベル賞としては、過去に半導体などのデバイスの分野に関するものがありましたが、物理学賞は今のAIを支える基礎となっている人工ニューラルネットワークの研究に対するものです。一方、化学賞はAIを使ったタンパク質の構造予測の研究に対するものでした。従来なら困難であった複雑なタンパク質の立体構造を、AIを用いて予測しています。AIが社会実装されたことによるイノベーションの1つです。
どちらもAI関連ではあるもの、一方はAI自体の開発に関する成果、もう一方はAIの活用によるIT以外の分野での成果ということで、AIという技術の社会への影響の大きさを再認識させられたニュースでした。
「IIR」は、IIJで研究・開発している幅広い技術を紹介しており、日々のサービス運用から得られる各種データをまとめた「定期観測レポート」と、特定テーマを掘り下げた「フォーカス・リサーチ」から構成されます。
1章の「定期観測レポート」では「IIJインフラから見たインターネットの傾向」について解説します。ここでは、BGP・経路数、DNSクエリ解析、IPv6トラフィックに関して、IIJの設備で観測できる統計を毎年取得し、分析しています。定期的に分析することにより、利用の傾向や実装の変化などを見出すことができます。普段は気づくことのない、インターネットのなかで起きている変化を解き明かす興味深いデータであると言えます。
2章の「フォーカス・リサーチ」は「LPWAについてのIIJの取り組み 〜LoRaWAN®の現在地とWi-Fi HaLow™の展望〜」です。以前からIIJは、IoT向けの通信手段としてLPWAに注目し、手軽に利用できるアンライセンスバンド型のLoRaWAN®を利用した数々のソリューションを提供してきました。そして2022年の電波法の改正により、日本国内でもWi-Fi HaLow™の利用が可能になりました。この章では、これまでのLoRaWAN®の取り組みを紹介すると共に、新しいWi-Fi HaLow™の特徴やIIJで実際に行った性能評価の結果に加え、今後の展望についてお伝えします。
IIJでは、このような活動を通じて、インターネットの安定性を維持しながら、日々改善し発展させていく努力を続けております。今後も、企業活動のインフラとして最大限に活用していただけるよう、様々なサービス及びソリューションを提供し続けてまいります。
Internet Infrastructure Review(IIR) vol.65(2024年12月発行)