イーディッシュの世界でただ一人のクリスチャン
まあ、これは初めての経験なんだ。いくらユダヤ人の世界で生きていても意外にイーディッシュが話せるのは少ない。15人ほどが集まっていてイーディッシュで話すグループに飛び込んだ。中心人物に紹介されて自己紹介すると、いろいろな話題が紹介されていくのだが、当然ながら宗教の話題にも行き着く。
余だけがクリスチャンで他は皆ユダヤ教徒だ。まあ、当たり前かもしれないが。実は、ユダヤ人だから人間がこうだああだというのはないわけなのだが、「このユダヤ野郎!」と思うこともある。今日の人々も大半が親切で気のいい人達なのだが、やたらに余を詮索したりキリスト教攻撃するおっさんがいた。
どうやら他の人たちは「おっさん、またか・・・」という顔をしていたので毎度問題を起こすようなおっさんらしい。余は何もキリスト教がユダヤ教より優れていると言ったわけでも何でもない。お前の宗教はというからキリスト教と言っただけである。それなのに議論を吹っかけてきたのである。
もちろん余のイーディッシュはプリミティヴであるから、簡単な受け答えをするだけであり、相手が言っていることは結構理解できるが自分ではろくに話せず、何となくドイツ語を適当にまぜてしゃべっていたら、指導的な立場の人間に「あんたドイツ語しゃべるのか」と言われてしまった。
まあ、それからのけんか腰の話は双方英語になっちまった。だが、このおっさん「また来い」とも言っていたな。写真の猫は今日の余のようなものだ。似てるようで似てない人の中で困惑している。