
遠野には、物見山が二つある。一つは、遠野市街の鍋倉山の背後に聳える、物見山。これは、小友町からは長富士とも呼ばれている。そしてもう一つは、その小友町の西南に聳え、住田町と江刺市と境界を分ける形で聳える物見山。別名「種山」と云う。種は山伏用語で鉱物を意味し、古来から金が採掘された山であったようだ。

標高は807.6メートルと、それほど高い山では無いが、周囲に高い山が無い為、360度に渡って見晴らしが良い。まさに、物見山という名に相応しい山であると思う。

その物見山の頂に、平行に並んだ二基の石がある。その方向は北を示し、早池峯が遠望できる。これと似た様なものが、やはり別の物見山にある。見た目から、人為的な石ではなく自然石かとも思うのだが…。別の物見山の同じ石は、約千年の年月から石が割れ、下から樹木が生い茂り石を持ち上げて、当初の状態と変化しているのがわかる。この物見山の石もまた約千年の年月から変化したものと考えれば、今の状況は致し方ないのかもしれない。

また早池峯だが、天気は良かったものの遠方は霞がかっており、早池峯を確認する事はできなかった。