この姿。肉食の獣の如し。
この声。悪霊の王が如し。
死したはずのキャスター・リンボ。
――違う。違う違う!!
その名は安倍晴明に非ず。
彼男の真名(な)は蘆屋道満!!
如何です、如何です!興味深い事例であったでしょう、サタン様!
……失礼いたしました、我が愛しき御方――■■■■■■■■■■さま
プロフィール
真名 | 蘆屋道満(+イツパパロトル+チェルノボーグ+悪霊左府) |
---|---|
クラス | アルターエゴ |
性別 | 不明 |
身長 | 200cm |
体重 | 110kg |
出典 | 『宇治拾遺物語』、『安倍晴明物語』、『蘆屋道満大内鑑』、アステカ神話、スラヴ神話など |
地域 | 日本 |
属性 | 混沌・悪・地 |
好きなもの |
|
嫌いなもの | 安倍晴明を除けば特になし |
設定担当 | 桜井光 |
ILLUST | 古海鐘一 |
CV | 森川智之 |
概要
『Fate/Grand Order』に登場するアルターエゴクラスのサーヴァント。レアリティは☆5。
武蔵たちに敗れ消えた筈のキャスター・リンボは、平和になった下総を忌々しそうに見ながら、「サタン」の名で呼ぶ真の主君に向かって語り出す。
巨大な存在によって導かれ、悪意を核として成された存在。もやはサーヴァントでもなければ、サーヴァントを元に作り出された英霊剣豪でもなかった。主の意向のままに、主が導いた妖術師を支えた悪意の存在。そして再びカルデアの前に立ち塞がった新たな敵。
武蔵に宿業を埋め込もうとした際に、「妖術師殿同様に惑っている」と発言していた事から妖術師にも宿業を埋め込んだと疑われており、この推測が正しければ下総の事件はこの男が全ての元凶だったと言う事になる。
第2部『Cosmos in the Lostbelt』でもOPで姿が確認され、本格参戦する事が決定。
黒幕たる「異星の神」なるモノはクリプターとは別に異星の使徒として直属のアルターエゴクラスのサーヴァント3体を召喚しており、そのうちの1体が彼である。
異星の神から与えられた役目は「各異聞帯の王を少しそそのかすだけのひとつのノイズ役」。
インド異聞帯での異聞帯の王を唆してその世界の無為な崩壊を助長させるという、一見使命に反するような行いはそれ自体が使命であったと言える。そこも頓挫した末に、己が本拠地とする『地獄界曼荼羅』なるエリアでカルデアを迎え撃つ事になる。
なお、ゲーム上はエルキドゥとアルトリア・キャスター、謎のヒロインXXが持つ人類の脅威特攻の対象となるので、いたら積極的に連れていこう。
真名
平安最強の術者である安倍晴明の向こうを張った怪人。人々を守る英雄ではなく、悪辣を以って人を害し、自らの死滅を以って世の平安を導くがゆえ反英雄として分類される。
また、道満伝説を真に受ければ、道満は数度の死を迎えている。
本作では、伯道上人の秘術を我が物とした彼が生前既に疑似的な不死を体得していたとされており、安倍晴明が守護する都や人々の明確な敵対者である。
一方で、道満が生まれた地とされる兵庫県加古川市の正岸寺における伝承によれば、彼は穏やかで無欲な人格者で、弱者を助け医術の心得も持っていたという悪役のイメージとは真逆の人物像が伝えられている。
悪役としての人物像は後世で物語として面白おかしく作られただけと正岸寺では言われ、TYPE-MOON世界における無辜の怪物の代表格と言える。
人物
異星の神陣営のアルターエゴの1騎で、あらゆる形での不幸や災禍を周囲にばら撒き高みの見物を決め続ける悪の陰陽師。「リンボ(辺獄)」というコードネームを強く気に入っており、自他共に真名ではなくそちらの名称で通している。
一人称は「拙僧」、モノローグでは「儂」。
饒舌で軽薄、しかも自身の思考に絶対の自信を持ち、他者の苦痛と絶望を弄んで愉悦する外道。
常に権力者の参謀に居座り、さも忠節を重んじる腹心のように振る舞うが、裏では黒幕気取りで権力者さえ手玉に取って一挙一動を嘲笑い、己は万能感に酔い痴れながら愉悦する「歩く人災」。
同時に混沌とする場を眺めるのは好きだが、自己保身に徹し決して本体は現場には近づきたがらず、自らの姿をした式神に乗り移る事で、死のリスクを恐れることなく狼藉を働いている。
しかし、その割には嘘や隠し事がド下手という致命的な欠点があり、己の後ろ暗い部分が周囲へとだだ漏れしている。敵は勿論、味方の使徒やクリプターからも邪険にされており、作中で彼の偽言をまともに取り合ったのも、思考力を失った神の一騎だけという有様であった。
加えて自信過剰な傾向があり、9割9分までは着実に策を詰めるが、敵へ侮りや自らの采配に驕って、最後の最後で決定的な見落としや計算ミスをやらかす傾向にある。初登場以降幾度かカルデアへ牙を剥いているが、そのすべてで初歩的な確認ミスにより計画が瓦解している。
というのも、愉快犯、刹那主義、快楽主義というのがこのアルターエゴ・リンボと呼ぶべきサーヴァントの本質であり、より面白そうだと思ったことがあれば、今進んでいる計画がどれだけうまく進んでいても即座に放り捨ててそっちをかき回そうとしてしまうのである。
ファンからはこれをRTA用語に倣い、「オリチャー(またはガバチャー)突入」(オリジナルチャート/ガバチャーは詰めの甘い計画の元で進行するルートのこと)と評されている。
一方で仕事人気質なところがあり、基本的に命じられればどれほどの難題や重労働でも雇い主の意向に沿う様に尽力する等、完全に無軌道で制御不能とも言い難い側面がある。
事あるごとに「ンンンン」という台詞を発する。字面から煽りや愉悦に浸っている時などに発するように思われるが、激昂している時や気が沈んでいる時にも出る為、一種の癖のような物だと思われる。
乗り気でない場合や疲労困憊時は「ん」が「そ」になる模様。
なお、身長200cm体重110kg(金時よりもガタイが良い)と、当時としても現在の基準からしても、カルデアの中でもかなりな巨躯である。
2022年水着イベント『アークティック・サマーワールド!』には水着霊衣「朝顔柄の浴衣(呪)」が実装する事が発表されている。着物や和風衣装はこれまでにいくつか出ているが、浴衣は彼が初となる。また、劇中では、シロクマバージョンと称したパーカー姿や、鯱をイメージしたスイムウェア姿も披露している。
生前の「蘆屋道満本人」の人物像は「アルターエゴ・リンボ」に苦しめられてきた段蔵をして「霊基にさえ響く悪意、妖気」の類を一切感じず、魔力の質もまるで異なると評されているが……
能力
「悪の陰陽師」の頂点として、多種多様かつ極めて高水準な闇の呪いを使いこなす。主に辺獄の大霊を嗾ける戦法を好み、五芒星の妖術も使用している。
最も厄介な点は、偽りとはいえ生活続命を使用して、無数の式神に魂をわけて、疑似的な不死を実現していることである。また、対粛清防御でないと防げない仙術の大秘宝を有しているらしい事からもその能力の高さが覗える。
モーション中では、目の紋様が描かれた呪符を用いた呪術を行使する。手裏剣のように飛道具として使用したり、十字に斬り裂いて敵の肉体と連動させたり、牛の式神に変えて突撃させたり、白鷺の式神に変えて黒い雷撃を落としたりする。また、爪を用いた接近戦も行う。この他にもガマ型の式神や猿型の式神も有している(書籍マテリアルにてデザイン画が確認)。
エクストラアタックでは、地面から大量の呪符と呪詛のエネルギーを放出する。
第3再臨では、炎を纏わせた呪符を遠隔誘導し突撃させる、腕の動きに合わせて炎の渦を放出する、呪符を旋回させて火柱を起こす、地面に呪詛のエネルギーを血管のように広げる、空中に出現させた目玉から光線を放つなどのより禍々しい攻撃モーションに切り替わる。
また、イツパパロトルの分霊を召喚して剣から黒い雷撃を落としたり、チェルノボーグの分霊を召喚して武器で攻撃させたりと、自身に取り込んだ神の分霊をも一武器として使役している。
エクストラアタックでは、分霊の力を収束させどす黒い光線を放つ。
なお自身の構成要素となった神霊の分霊を使役しているが、これは今までのハイ・サーヴァントには見られなかった能力である。イツパパロトルの姿は毘沙門天や四天王を思わせる武神のような身なりをしており、伝承を反映してかジャガーの顔を生やした蝶の翅を広げている。チェルノボーグも同様に武人風の姿をしており、邪神としてのイメージを反映してか顔と胸に合計3つの髑髏の意匠があり、二体の蛇を背中から生やしている。
ステータス
EXという規格外の魔力ステータスを有する他、筋力もCと高め。
敏捷はEと最低ランクではあるが、モーション中では俊敏な動きも見せる。スキル時には反閇ないし禹歩と思われる独自の四股を踏んで、自らの術を強めている。
保有スキル
対魔力(A) | 最高ランクの対魔力スキルを有する。事実上現代の魔術師に傷付けられる事はない。 |
---|---|
陣地作成(B) | 自らに有利な陣地である「工房」を作成するスキル。 |
道具作成(A) | 魔力を帯びた器具を作成する。道満は特に式神の作成を得意としている。 |
暗黒の神核(B) | 二柱の神霊を取り込むにあたり、本来持ち得ない神核を有するに至った。「神性」スキルを含む複合スキル。 |
ハイ・サーヴァント(A) | 英霊複合体である事を示すスキル。チェルノボーグ、イツパパロトル、悪霊左府、三体の神霊及び悪霊の力を道満は取り込んでいる。 |
快楽主義(EX) | 人類社会の在り方を高らかに嘲笑し、世に遍く人々の細やかな営みを朗らかに蹂躙し、愛を弄び、情を操り、命と尊厳を食い荒らす獣が如き道満の悪辣極まりない思考、精神性が千変万化の刃となったもの。苦痛さえも快楽とする道満の在り方は、或いはヒトの超越か。 |
リディクールキャット(EX) | スキル「破壊工作」が進化したもの。大逆の太陽を戴くアルターエゴ蘆屋道満は、その指先であらゆる社会を破壊せしめる。 |
黒き命(A) | 蘆屋道満は死なず、幾度でも蘇って暗躍する。英霊・蘆屋道満が本来所持していた「生命続命法」スキル、生命の復活を成し遂げる秘術、およびスラヴの黒き神チェルノボーグの力が合わさったスキル。「生命続命法」は伯道上人の秘術であり、『安倍晴明物語』では安倍晴明が使用したものだが、サーヴァントとしての蘆屋道満はこれを密かに修め、ねじ曲げた。自己の全てを悪性情報へと変換し、自分自身を情報体としてコピー&増殖し続けることで、実質的な不死をもたらす邪法としたのである。 |
道満の呪(A++) | 蘆屋道満が操る呪術、呪詛、陰陽道、法術、等々の超常の技を示すスキル。蘆屋道満の裔として、天竺は霊鷲山の法道仙人の伝えし仙術の奥義さえ修めるのだと道満本人は宣うが、詳細不明(疑似思想鍵紋を以って思想盤の特権領域に接続、仙術の奥義を行使する、とのことだが……実のところ道満本人は積極的にこれを用いない模様)。 |
黒曜石の蝶(C+) | アステカの暗黒神イツパパロトルに纏わる能力。対象の力を奪い、著しく衰弱させる。魔術、呪術に対するカウンタースキルとして英霊・蘆屋道満が本来所持していた「物忌狩り」との複合スキルでもあり、神秘による強化や加護をも無効化させる。(『FGO』では基本的に使用されない) |
宝具
狂瀾怒濤・悪霊左府(きょうらんどとう・あくりょうさふ)
- ランク:B
- 種別:対都市宝具
- レンジ:1〜80
- 最大捕捉:400人
「どうなっても知りませぬぞ?」
「顕光殿、お目覚めを!来たれ、暗黒の帳(とばり)!太陽は此処に生まれ変わる!『狂乱怒濤・悪霊左府(きょうらんどとう・あくりょうさふ)』!!フフフハハハハ、ハァーハハハハァ!!」
「神よ、怨霊よ!来たれぇ!!」
「光の時、是まで!疑似神核、並列接続!暗黒太陽、臨界!『狂乱怒濤・悪霊左府(きょうらんどとう・あくりょうさふ)』!!ンンンンンン!ごちそうさまぁ~っ!!」
時の権力者・藤原道長を呪殺せんとして仕掛けた、都市そのものを殺すに等しい驚天動地なる大呪術の再現。成し遂げられれば都はたちまち荒れ果て、人々を不幸が襲い、餓死者が往来を埋め尽くす事となるだろう。当然、権力者も滅び去る。
宝具としての呪詛行使にあたり、アルターエゴとしての道満と融合した左大臣・藤原顕光の怨霊「悪霊左府」を一時的に召喚。これによって、術の成功確率をきわめて大幅に上昇させている。
詳細は該当記事を参照。
ゲーム上での性能
最大HP | 13266 |
---|---|
最大ATK | 12252 |
コマンドカード | Arts:2/Quick:2/Buster:1 |
宝具カード | Quick |
スキル1 | リディクールキャット(EX) / 敵全体の攻撃力・防御力ダウン&混乱・恐怖付与 |
スキル2 | 黒き命(A) / 自身にガッツ2回5T+悪属性の味方全体のクリティカル威力アップ3T+混沌属性の味方全体のクリティカル威力アップ3T |
スキル3 | 道満の呪(A++) / 自身のNPをすごく増やす+悪属性の味方全体の攻撃力アップ3T+混沌属性の味方全体の攻撃力アップ3T+敵全体に呪い付与5T |
宝具 | 敵全体に強力な攻撃+呪いを付与5T+呪厄を付与5T+確率で即死 |
『下総国』から実に3年超の月日を経た2020年12月4日、『地獄界曼荼羅』の実装に伴い、SSRのアルタ-エゴとしてついに実装される。
同章クリア前にリンボを引いた場合再臨自体は問題なく行えるが、第三再臨以降のセイントグラフ及びバトルキャラはクリア後に解放される霊基解放クエストをクリアしないと解放されず、ガチャを引く前にもアナウンスが入るという徹底的なネタバレ防止措置がなされている。ただし、12月16日18時以降はクリアが条件から外され、最終再臨さえすればクエストが開放可能となる。
NPチャージが可能なアタッカー兼混沌・悪専門バッファー。第2スキル以降は混沌か悪のどちらかがあれば効果があり、両方持っていれば効果は倍になる。特にバフの対象である上、呪いも有効活用できる薄幸の画伯と相性が良い。秩序/中立・善/中庸であっても(スキル強化で)悪特性を付与できる教授がいれば恩恵にあずかることはできる。
更に変則などのクラス不利や高体力の敵に対する高確率全体即死での雑魚散らしというオンリーワンの特性を持つ。コストこそ高いもののOC無しでDR80以下(ほぼ全ての銅エネミーと一部の銀エネミー)を確殺、「総耶学生服」などの礼装と組み合わせれば1体のみDR50(大半の銀エネミーと一部の金エネミー)すらも確殺とかなり実用的なラインまで即死を確定でき、前述の通りスキルで2,3wの火力補助も十二分にこなせる点が極めて優秀。
関連人物
生前
生前のライバル。魔性に堕ちてなお彼への対抗心だけは衰えておらず、その名を騙ったのも軽い冗談および嫌がらせといったところか。モーションでも彼の名前を叫んでいる。
晴明の方も手玉にとっている反面「自分に次ぐ技量の持ち主」と内心では高く買っており、リンボを見て「こんな衝動任せの無軌道な奴ではなかった」と称しているが……
また『平安京』では都を離れていたが、その理由が「道満ともあろうものがリンボ如きに誑かされるとは思わなかった」と言うものであり、人格・知性の面でも高く評価している事が覗える。
晴明の名誉弟子。彼女からは怪人・野獣と畏れ半分哀れみ半分混じりに称されている。
意図せず形で「泰山解説祭」の被害に合い、思わぬ恥をかいた模様。
天敵その一。面識があったようで、今の変貌ぶりを大爆笑されている。
それ以来、お目付け役の1人を担っている模様。
Fate/Grand Order
主であり、亜種並行世界の黒幕。
彼に宿業を埋め込まれたと言っていたが、明らかに召喚される前からの付き合いがあり、事件が始まる前から彼の事を利用していた節がある。
自身をアルターエゴとして召喚した謎の存在。
忠誠心があったかどうかは怪しいところ。
カルデアのマスター。あまりの悪辣っぷりから、さすがの彼/彼女からも一切信用されていない。
カルデアに召喚されてからも隙あらば破滅させようとしてくるが、悪意100%では説明しきれない描写もあり真意は不明。主人公側も道満を警戒しつつ持ちつ持たれつと言った所。
下総国での戦いで、それぞれ少なくない因縁を作った者達。
想像以上に堕としがいのある存在として気に入っていたのか、それぞれの幕間においてカルデアのシステムに式神による分身を送り込む形で、両者の前に立ちはだかった。
前者に至っては、より絶望を深めるという理由であえて塩を送るような事さえ行っている。
段蔵の関係者である風魔小太郎にはカルデアに来てからは当然のように警戒、監視されている。
異星の神に協力して仕事をする者同士。
互いに嫌悪感を露わにしており「陰湿で粘着質なクソ坊主」「そんなだから晴明に及ばない」とこき下ろされている。道満も道満で隙あらば彼女を排除しようと画策するほど非常に仲が悪い。
カルデアに来てからも彼女への嫌がらせで式神を放つ等、非常に険悪。
ぶっちゃけただの同族嫌悪である。
異星の神陣営のアルターエゴの1騎である神父。
どんな場所でもやりたい放題を極めるため度々諌めている。
さすがの彼も制御しきれず、半ば疎んじられている模様。
こちらもただの同族嫌悪である。
異星の神陣営のアルターエゴの1騎である刀鍛冶。
絡みは殆どなかったが、当然快く思われていなかった模様。
理想の世界をつくるべく4つのユガによる創世と滅亡を繰り返しているインドの王(神)。しかし道満はこのアルジュナに対し本来は数百年単位のユガの周期を日単位まで縮めるという恐怖の提案を唆し、「どうしようもない異聞帯」化を煽った。
なお、2024年CBC礼装にて、彼の兄からこの件についてしっかりきっちりお礼参りされた模様。
しかし現在では「ソシャゲ初心者をリセマラ廃人の道へと突き落とした」とネタにされる事も。
インド異聞帯において、リンボを「悪性腫瘍」かつ「病巣」そのものと断定し物理的に叩きのめした。
インド担当のクリプター。ペペは表面上「仲間」としての態度を保っていたが、内心では上記の破綻そのものな治世を煽った彼への決定的な不信感・嫌悪感を抱いていた。この件が決定的な動機となり、大西洋異聞帯にて式神による生活続命を「輪廻転生のまがい物」と定義することで、彼の転生を封じる神通力で自慢の不死性を消し去られる事になる。
下総国において英霊剣豪にしたうちの1騎。
さすがの彼女も「酒がまずくなるからリンボは喰いたくない」らしい。
天敵その2。美しき獣を”人に化けた獣”と誤解釈し服を剥ぎ取ろうとしてくる為、調子を狂わされ困惑している。2021年水着イベント『カルデア・サマーアドベンチャー!』にて彼女からは「マンボちゃん」と呼ばれている事が判明した(「蘆屋道満」「リンボ」、音楽ジャンルの「マンボ」を併せた掛詞だと思われる)。
九字繋がりのサーヴァント。同時期にピックアップされている。
彼女ら子供組のサーヴァントから一緒に遊ぼうと誘われているが、式神を解体する物騒な遊びを発言して、彼女にカルデアでそんな遊びはしてはダメと怒られている。
代わりにおままごとに提案され、仕方なしと舅役を希望した。
アルターエゴのサーヴァントとしての成り立ちは彼女達とほぼ同じ。
女神が構成要素に含まれている点も同様。
2021年水着イベント『カルデア・サマーアドベンチャー!』での雇い主。
イベントでは彼の指示のもと量産型コロンブスなるコピーを大量生産する暴挙に出る。
コヤンスカヤに呪術で何かしらしようとしている所を見咎められ、怒髪天となった彼女から追い回されてたらしい。
実は自身が取り込んでいる神霊の1柱、イツパパロトルの夫神の化身という縁がある。
八将神
陰陽道において方位の吉兆を司る八体の神。リンボが自身の計画に組み込む際に彼らの名前を拝領した。
鈴鹿御前が豹尾神、平景清が歳刑神、玖賀耳之御笠が歳破神、俵藤太が歳殺神、イツパパロトルが大将軍、チェルノボーグが太陰神、伊吹童子が太歳神、そして道満が黄幡神のポジションに充てがわれている。
異星の使徒最後の1騎。天覧聖杯戦争で召喚された彼に霊基改造を施し「伯爵」に据えたことが判明した。しかしカルデアに召喚された後は、バレたらマズいと知らぬ存ぜぬで通しており、奏章Ⅱでは撃破する手助けまでした。
余談
蘆屋道満はどう見ても男性で作中でも男性であると明言されているが、性別表記は不明となっている。これは彼がアルターエゴのサーヴァントであるため複合霊基となっており、その中には南米の女神の要素が含まれているからだと覗える。作中では性別が不明となっている理由の言及はないが、恐らくそれが理由なのかもしれない。
プロフィールを見てもらえればわかるが陰陽師でありながらやたらとガタイがいい。
怪力無双で有名なあの坂田金時よりも身長体重が上。「美しき肉食獣」の自称は伊達ではないのか、pixivではセクシーな肉体美を披露するイラストもそれなりの数存在する。
今までに散々やらかした所業の数々もあって云うまでも無いが、多くのカルデアにいる英霊から露骨かつ徹底的に嫌われている。
マイルーム会話でも武蔵ちゃんから「どの面下げてマスターのところに来たわけ!?」と言われ、ユーザーからも「どの面下げて左側向いてる」(ゲーム画面上で自陣のキャラクターは左、敵キャラクターは右を向くため)と実装された側から言われる始末であった。
ただ、逆に嫌われすぎて一部のマスターからは「ゲステラの弾に最適」と言う理由で歓迎された事もあった
上記のようにまさに悪役とよぶべき悪辣な人物ではあるが、その悪辣さとセリフ回し(後述)がかえって癖となり、ユーザーからは一定の人気があった。
また、ボイスと相まってそのやたらとハイテンション且つ楽し気な振る舞いが妙なコミカルさを醸し出しており、密かに獲得していた人気を伸ばしている。第2部5.5章作中でも内容はとてもシリアスであるにもかかわらず、奇矯な言い回しやうっかりミスなどのシリアスな笑いを提供し、マスター達にインパクトを残した(例えば、普通の敵キャラなら他人の指摘に耳を貸さないのだが、リンボの場合は自分にミスがあったと指摘されると「まさに!正論!」と素直に認めるシーンがある)。
この他、『コンプティーク』2021年2月号ではプリコネを初めとする美少女キャラクターが表紙を飾る中、美少女ではないキャラクターで唯一、表紙に描かれているなど実装後のネタもとい話題に事欠かない人物として注目されつつある。
実は森川氏が蘆屋道満を演じるのは『Fate』シリーズが初めてではなく、『雅恋〜MIYAKO〜』という乙女ゲームで声を当てたのが最初である。(ちなみに森川氏は過去に『プリズマ☆イリヤ ツヴァイ ヘルツ!』にて生徒会長の役で出演している)。
初登場である英霊剣豪七番勝負の前に発表されていたシルエットと現在の姿は違っているが、これは当時の第一段階の姿をシルエットにしていたため。後に新たな姿が書き起こされたことで、段階を一段階引き下げられ、この当時の第一段階は使われなくなったという経緯がある。
現在の一臨とは違い、法衣を両袖を通して着ており、尼僧の様な白い頭巾を被っている。
参照:『タイプムーンエース』2021年3月号
長らく「リンボ」を名乗っていた為か、プレーヤーからは引き続き「リンボ」と呼ばれる事が多い。「道満」と呼ぶファンも少なからず存在する。
リンボマン呼びは公式も認知しているらしく、期間限定イベント『アキハバラ・エクスプロージョン!』では「リンボマンのカンタン陰陽道」なる同人誌が出ている。晴明に次ぐ腕前を持つリンボの「簡単」は文字通りの簡単ではなさそうである。
特徴的な台詞回し
彼が人気を博した要因の1つとして、彼のセリフは奇矯で芝居掛かったものでありながら、汎用性に富んだものが多かったからであると考えられる。なお、該当セリフの一部でググるとサジェストに「リンボ」と出てくるぐらいにファンの間に大きな印象を残したようだ。ここでは道満本人のセリフの他、彼のセリフには欠かせない周囲のキャラクターの反応についても触れる。
戦闘時のセリフはかなり楽しげである。
- 「無様、無謀、無為、無駄、無益ィ!!」
- 「拙僧は昂ぶっておりまする。」
- 元々は第2部開幕を予告する7クラス別のCMでのセリフ。
- 「拙僧は場を和ませようとしただけなのですが、確かに空気を読み違えました。」
- ギリシャ異聞帯にて。
- 「拙僧の。この口にて。」
- ギリシャ異聞帯にてアフロディーテにどの口で申すのか、と問われた際の返答。因みに2022年の夏イベントでも同様の表現がある。
- 「と。まあ、何と申しますか。つい一昨日の夕刻まではそのように想っていたのです。 ええ、ええ、本当ですよ?なのですが、まあ。やめました。」
- これに対する返しが伊吹童子の「やめたのか」である。ググるとこのセリフもセットでサジェストに表示される。
- 「まさに!正論!」
- 自身の計画にあった初歩的過ぎるうっかりミスを指摘され、それを完全肯定するという、悪役らしからぬ迷言。汎用性の高さゆえ、数ある迷言のなかでもとりわけネタにされるものの一つで、第2部6章では、村正が彼に関する話題を主人公に振った際、回答の選択肢の1つに「正論だった」というものがあり、さすが型月とも言える事態になった。
- 「我ながら、ナイス・アイデアでありましょうや!」
- 「ならば……最早それでもいいのでは?」
- 「何を……言ってるんだ、このリンボは……」
- 厳密にはリンボの計画に絶句したぐだーずのセリフ。
- 「余所見をォ!しましたねェエエエエエエエエ伊吹童子殿!急急如律令!喰らえい!地獄界曼荼羅ッ!」
- 「ー是にて、御免(ソーリー)。」
- 「(等と、云いつつ)」
- 「果てへと至るううううううゥウウウウウー!」
- 「〇〇殿、おやめなされ……」
- 「拙僧、多才なれば!」
- 「どうなっても知りませぬぞ?」
- 宝具カード選択時。艶のあるボイスでこのセリフを言うので、ファンの間では語尾に♡を付けることが多い。
- 「ンンンンン!!!ごちそうさまァァァ!!」
- 宝具使用時のセリフ。
- 「ンンンンンン禁断の!想いッ!」
- 「ええ、ええ!それは勿論!――愛、に。ございますれば。」
- 「はい?(はい?じゃない。)はい。ええ、まあ。くく。流石はマスター。ンンンンンン然り!」
- バレンタインでのセリフ。はいじゃないと言われて肯定で返す辺り、リンボらしい。
- 「忘れもしませぬ、あれは拙僧が○○だった頃……」
- 言っていない。言っていないが、ネット上ではリンボのセリフとしてカルト的な人気を博している構文。その人気っぷりはサジェストに現れるほど。なお、この構文は〇〇にテキトーな内容リンボのありもしない過去を勝手に捏造するのがお約束である。元ネタは担当絵師が描いたイラストだが、原文では○○の部分に「知育菓子の広告塔」が入る。余談だが、ファミ通の6周年インタビューにてシナリオライター陣の内の1名から言ったセリフかもしれないと言及(ネタに)もされている。
- その後2024年のCBC礼装にて公式化。礼装「BRD」(ビーマ、ラーマ、道満による映画『RRR』のパロディ)の説明文に、「あれは、拙僧が帝国総督であった頃のこと……」という明らかにこの構文を取り入れた台詞が登場。しかもCBCなのでボイス付きで言った台詞となってしまった。
- 「道満。狂ったか?」
- 厳密には藤原道長のセリフ。これら道満の言動に対する最も正常な反応だと思われる。流石の強メンタルを誇る彼でも道満のノリについて行けない時があるようだ。
イベント編
- 「ソ、ソソソソソソソソソー」
本人曰く、「ンンン」の部分は気分によって変わるらしい。また、2022年水着イベントにて「ソ」が混ざる時はテンションが低い時ということが明らかになった。
- 「拙僧確かに副官役も軍師役も似合いましょうが、どちらかと言えば悪辣非道の深刻(シリアス)寄りのサーヴァント。ひとたび洒落(ギャグ)堕ちしようものなら、天地が逆しまになりましょうぞ。」
- 負ける前からギャグ要員と名高い男が吐いた逆さどころか何回転してんだよとツッコみたくなる一言。むしろ2021年水着イベント一番のギャグ要員だという事実を彼はまだ知らない。
- 「予算が足りませぬゆえ!」
- 量産型コロンブスを改良するにあたり世知辛い一言。どんな機能を断念したのかは不明だが確認されたものだけでもろくな仕掛けではない事は想像に難くない。
- 「DOMAN(いい発音)」
- 「流石に"胡散臭い"を言い過ぎなのでは……?(拙僧は深い悲しみに包まれた)」
- 意外にも繊細らしい事が覗えるセリフ。でも胡散臭いのは疑いようのない事実である。
- 「それではー呪っちゃうぞ ♡」
- ますますなぎこさんに気に入られ、現代風のメイクをされそうになって抵抗していた。該当するクエストでは敵にデバフをかける形で援護してくれるが、たまに手元が狂ってこちらに誤爆してしまう。
- 「あ。」
- 終盤にまたもやらかしたDOMAN。無言で滝のような汗を流すという本編でも見られなかった焦りようで一体何があったのかというと……
- 「………グワァーーーッ!?みかんの皮の汁が目にィーッ!?」/「グワァーーーッ!?大ぶりのみかんが目にィーッ!?」
- なぎこさんの幕間にて。余計なことを言ったばかりにみかんで攻撃されてしまった。ちなみに、道満には木箱の中にあったみかん(透視による中身当に使う)を晴明にネズミとすりかえられた逸話があったりする。
名前に関する小ネタ
作中では「羅刹王・髑髏烏帽子蘆屋道満」だの「黄幡神」だの名乗っていた彼だが、そもそも彼はラクシャーサの類を組み込んでおらず、第一、黄幡神の元の姿であるラーフはアスラである。
なお、「黄幡神」は日食を引き起こした神として日本神話のスサノオと習合したが、実はこの男、何かとスサノオ関係のサーヴァントに邪魔されている傾向にある。1度目には都牟刈を作成した刀鍛冶、2度目は自分が呼びだしたはずの神霊から草薙剣の剣を借り受けた頼光四天王の若武者に計画の要である亜種空想樹を伐採されている。本当に何の因果だろうか……
前回、ヤマタノオロチに縁にある望月千代女や酒呑童子を召喚した結果、カウンターとして都牟刈を振るえて、「エド」に特攻を持つ千子村正を呼んでしまったように、此度もまた召喚するサーヴァントの選出の時点で彼の計画は崩れたも同然だったのだろう(黄幡神=スサノオや源頼光、そして酒呑童子と計画瓦解のキーとなった伊吹童子との縁になり得るものが揃っており、どのみち亜種空想樹伐採の為に彼女が呼び出されていた可能性は高い)。
ちなみにラーフは乳海攪拌の折、太陽と月に不死身の霊薬を飲んだ事をチクられ、ヴィシュヌ神に首を切断されたと伝承されている為、インド異聞帯にて太陽神の息子、ヴィシュヌ神の化身や彼の戦輪を受け継ぐもの、月の癌の名を冠した象、乳海攪拌で生まれた女神を内包した戦士が計画の支障となったのも因果なものである。
なお、彼は羅刹王を名乗ったせいで、概念的には羅刹退治の英雄が天敵になりうる恐れがある。
総じて自分に有利な状況を作り出してあと少しの所までは行くが、同時に墓穴を掘って計画を台無しにしてしまっている。
関連イラスト
【第一再臨】
【第二再臨】
【第三再臨】
関連タグ
Fate/GrandOrder Cosmos_in_the_Lostbelt 創世滅亡輪廻ユガ・クシェートラ アルターエゴ(Fate)外道 呪い 地獄界曼荼羅平安京
道化師:恐らく衣装のモチーフ。立ち振る舞いもクラスカードのデザインも正しく「道化」。
レッツゴー!陰陽師:陰陽師繋がりで触媒にする人が続出、実際に出た例もある。
何気なく歌詞の「ドーマンセーマン」で史実における「安倍晴明と双璧をなす陰陽師」である蘆屋道満を正当?に評価している楽曲でもある。
この先には第2部5.5章『地獄界曼荼羅 平安京』以降に関する重大なネタバレが含まれます。
生前の蘆屋道満
蘆屋道満という男は、安倍晴明と敵対した陰陽師として反英雄にカテゴライズされる存在である。
だが他ならぬ晴明自身から、平安京での所業を「(道満の仕業とは)個人的にはあまり言いたくない」と語られる程度には、リンボと異なる人格の持ち主だった。
その差異は(数多の可能性の1つとはいえ)悪鬼と化した未来の自分にショックを受け、迷わず死を選ぼうとした程(すかさず止められたが)。
実際、彼の本所である兵庫県などでは、市井の人々にも手を差し伸べる立派な陰陽法師として称賛され、現在でも足跡の残る地で道満は厄除けの守り神として信仰されている。
しかし物語集などの当時の伝承をまとめた書簡では、安倍晴明の偉大さを宣伝するかのように兎角道満を悪党としてこき下ろすようなものが多く、現代の我々がイメージする「悪の陰陽師・道満」の形成に大きく影響を及ぼしている。
「ヒーローと敵対するヴィランは悪人であって欲しい、いや、悪人でなければならない」という人々の身勝手な願望の下、ヒーロー・安倍晴明を引き立たせるために、道満はヴィランとしての役割を背負わされ、やがてそのイメージだけが巷間で一人歩きしていったわけである。Fate的に言えば、まさに「無辜の怪物」の成り立ちに相当する現象といえよう。
生前、彼がどのような旅路を辿ったか、そして悪に堕ちた後の「正確な人柄」については『英霊伝承異聞 ~蘆屋道満・以津真天~』を読んで頂ければ、少しわかるのではないだろうか。
サーヴァントのアルターエゴ・リンボはそんな彼の"稀代の悪役としての一側面"のみが抜き取られ、カリカチュアされた似て非なる存在である(紫式部の言から察するに、生前道を踏み外した際、相当の妖人・怪人として振る舞った事も拍車をかけた模様)。
カルデアの蘆屋道満
プレイアブルとしてカルデアに召喚された彼は、平安京で霊基を破壊されたためか異星の神との契約は切れているがリンボとしての全ての記録を有している。被った皮も早々に脱ぎ捨て自身の危険性を隠しもせず、主人公についても隙あらば罠に貶めて絶望のどん底に叩き落とす気満々である。
その振る舞いは確かにカルデア勢のよく知るリンボに近い、が、悪逆の限りを尽くした"あの"リンボは平安京にて討たれた。では、今の彼は果たして……?
そしてカルデアの戦いが幕を開けてから6周年の節目としてやって来たコヤンスカヤは、彼について「以前のまま」だと評価した。無論上述の通り、リンボとしての全記録・霊基を保持していると言う意味だろうが、この発言により、彼に関する不穏な空気・疑惑が更に深まったと言えよう。
とは言え流石の主人公達も悪行の数々、そしてそのオリチャー発動で自滅する悪癖に警戒しない訳もなく、初のイベント出演で早速敵に回った際には誰も意外に思わなかった。
ただ、清少納言の幕間では生前彼女の兄を討った事から因縁があった源頼光と腹を割って話すよう術で2人を誘導、隔離する等、間接的に2人の仲立ちをしており、2人が憎み合い殺し合う事を期待していた様な事を漏らしていたものの、本当に彼がリンボ同様の悪意の塊なのかは不明。
奏章Ⅱではすっかりカルデアの一員ヅラをしており、レディ・アヴァロンの正体も見抜いている模様。
そして窮地に陥った主人公の助けとして、アビゲイルが紹介されたのがなんと道満。一度はマーリンが適任と断るが、アビゲイルは主人公の夢の中で、道満と同じ匂い、あるいはその欠片を嗅いだ事があると発言。
事態を察した天草四郎と道満は、精神面の技術に心得があるサーヴァント達へ協力を募り、悪性情報を砕く作戦へ素直に助力。
事態の裏には、天覧聖杯戦争で面識があり、異星の使徒の後輩でもある「伯爵」が潜んでいたが、以前も今回もリンボの手口を雑に模倣するばかりだった彼へ、結果的に"悪役としての格"を見せつける形で引導を渡した。
その後本人が実装した事で明らかになるのだが、当のリンボ自身がソイツをマスターの中へ紛れ込ませていた事を、今日まですっかり忘れていたのが要因であった……