目明し編
めあかしへん
砂漠にビーズを落としたと少女は泣いた。
少女は百年かけて砂漠を探す。
砂漠でなく海かもしれないと少女は泣いた。
少女は百年かけて海底を探す。
海でなくて山かもしれないと少女は泣いた。
本当に落としたのか、疑うのにあと何年?
—————————Frederica Bernkastel
サブタイトルは「~最愛の殺人鬼~」
2004年12月 コミックマーケット67にて、同人サークル07thExpansion製作の同人ゲーム「ひぐらしのなく頃に」の解答編「ひぐらしのなく頃に解」の第一話として発表された。
出題編を含めた本編全体では第五話にあたる。
この編より、出題編にて提示された謎の真相が徐々に明らかにされていく。
昭和58年からさかのぼること1年、昭和57年春頃からの雛見沢とその周辺が舞台となる。
本作は「綿流し編」の解答編となる物語であり、園崎詩音の視点で描かれる物語。
園崎詩音の視点で語られることで、「綿流し編」にて発生した事件の全貌が解き明かされていくが、「綿流し編」と「目明し編」は違う世界である。
園崎家の因習、双子の姉・園崎魅音との愛憎を軸に、出題編「綿流し編」の裏事情が明かされる形で
ストーリーが展開する。
物語中盤まではミステリー的要素が強いが、それ以降はほぼサスペンスとなっている。
なお、目明し編からは、「社会と人」、「罪と罰」などテーマ性が色濃くなる。
これはギリシャ悲劇の一つ、「王女メディア」を彷彿とさせるものがある。
この編で描かれる、とある「ケジメ」のシーンは、読者が思わず目をそむけてしまうほど痛々しい場面となった。
古語で「けぢめ」とは「区別をつける」という意味であり、仲の良かった双子が「ケジメ」を境に、「当主としての魅音」と「忌子としての詩音」で分かれていくことで、のちに詩音(真魅音)が惨劇を起こしていくという双子の悲しい運命が、この言葉には暗示されている。
「ひぐらしのなく頃に」全体の解答には至っていない。
コミック
「ひぐらしのなく頃に解 目明し編」
原作:竜騎士07、作画:方條ゆとり
ガンガンウイングコミックス(スクウェア・エニックス)
版型:B6版 全4巻
1巻 978-4-7575-1928-2
2巻 978-4-7575-2059-2
3巻 978-4-7575-2189-6
4巻 978-4-7575-2308-1
アニメ
TVアニメ「ひぐらしのなく頃に」(第1期)
第16話「目明し編 其の壱 初恋」
第17話「目明し編 其の弐 ケジメ」
第18話「目明し編 其の参 鬼の血脈」
第19話「目明し編 其の四 仕返し」
第20話「目明し編 其の伍 冷たい手」
第21話「目明し編 其の六 断罪」
小説
「ひぐらしのなく頃に解 第一話~目明し編~」
著:竜騎士07、挿画:ともひ
講談社BOX版 判型:B6判 上下巻(全二巻)
上巻 978-4-06-283664-7
下巻 978-4-06-283665-4
星海社文庫版 判型:文庫 上下巻(全二巻)
上巻 978-4-06-138918-2
下巻 978-4-06-138920-5(10月発売予定)
コンシューマーゲーム
アルケミストより発売された
「ひぐらしのなく頃に祭」第伍章 に、「目明し編」として、
「ひぐらしのなく頃に絆」第二巻 想 に、「目明し編」として収録。
2015年3月12日に加賀クリエイト(加賀電子)より発売予定の「ひぐらしのなく頃に粋」にも収録されることが決まっている。⇒公式サイト内 収録シナリオ紹介
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