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概要

名古屋市交通局が運行する路線バス。2022年4月時点で総営業キロ数は763.4km、系統数は164系統、保有車両数は1014両にものぼり、名古屋市内を網の目のように結ぶ他、地下鉄や他の鉄道が通っていない地域を補完している。

1930年から運行されている。料金は深夜バス・高速1系統以外全線で210円均一。基幹2系統以外は前乗り中降り。

基幹バス、高速系統など、他の公営バスには見られないものもある。

運行路線

一般路線

系統番号は起点、または途中停留所の地名と数字の組み合わせからなる。幹線路線は起点と1桁の数字1から、その他路線は起点と2桁の数字11から始まる。番号はおおむね起点から見て北から時計回りに設定されているが、かつては起点とは関係なく通しで番号を振っていた。

なお名古屋駅を発着する系統は基幹バス・都心循環を除くと以下の通り。

系統番号主要経由地行先
幹名駅1大津橋・東区役所上飯田
幹名駅1支大津橋・白壁大曽根
幹名駅2昭和橋・稲永町野跡駅
幹名駅2折昭和橋東海橋
名駅11名鉄栄生・白菊町名古屋駅
名駅12明道町・比良新橋如意車庫前
名駅12支明道町・月縄手如意車庫前
名駅13天神山・名塚上飯田
名駅13支天神山・川中中切町
名駅13出入霞原町天神山
名駅14名城病院・市役所大曽根
名駅14折名城病院市役所
名駅15押切町・浄心町黒川
名駅15支1押切町・砂田橋茶屋ヶ坂
名駅15支2押切町・城見通二西部医療センター
名駅15出入押切町浄心町
名駅16広小路伏見・栄名古屋駅
名駅16折広小路伏見広小路本町
名駅17矢場町・地下鉄吹上名古屋大学
名駅18大須・鶴舞公園名鉄神宮前
名駅19国際センター・東海橋港区役所
名駅20六反公園・五月通権野
名駅20折六反公園・五月通中川車庫前
名駅20支六反公園・篠原橋中川車庫前
名駅22中村区役所・近鉄烏森横井町
名駅23中村区役所・地下鉄岩塚横井町
名駅23支中村区役所・地下鉄岩塚岩塚本通四丁目
名駅24笹島町・中村公園大治西条
名駅25豊公橋・本陣名古屋駅
名駅26枇杷島スポーツセンター・上小田井駅平田住宅
名駅29中村区役所・枇杷島スポーツセンター名古屋駅
中村13則武町・中村公園稲西車庫
中村巡回本陣・日比津公園本陣
深夜2広小路伏見
深夜2地下鉄岩塚・八田駅地下鉄高畑

都心循環

栄758系統→C-758系統が運行されている。名古屋駅と栄中心部・大須を循環する路線で、一般系統よりも停留所の設置間隔が短くなっているのが特徴。主に専用の中型車を使用するが検査やダイヤの都合で一般車で代走することもある。

なごや観光ルートバスメーグル

金の鯱をイメージさせるゴールドを主体とした中型の専用車両を使用し、天井にも窓を設けている。

専用車両は5両が在籍し、4両は日野レインボーHRの車体にブルーリボンシティのフロントマスクとした特注の改造車。残りの1両はラッピングを施した大型車のエルガ

以前はブルーリボンシティハイブリッドが専用車として在籍していたが、2022年頃から故障が相次ぐようになり2023年1月に廃車。その穴埋めとして、従前からメーグル予備車として配置されていたラッピングを施したエルガ(NS-38)を転用している。

基幹バス

詳細は基幹バスの項目を参照。

栄と笠寺駅・鳴尾車庫を結ぶ基幹1号系統、名古屋駅・栄と四軒家・本地ヶ原などを結ぶ基幹2号系統が運行されている。基幹2号系統は専用車両のみで運行。

車両

いすゞ日野自動車(日野)、三菱ふそう(三菱)、日産ディーゼル(日産)トヨタ自動車の5メーカーを導入している。導入車両最多数はいすゞ。

かつては営業所ごとに導入されるメーカーが指定されていたが、競争入札が導入されたために営業所ごとのメーカー指定は崩れ、落札した販社の車両が一斉導入されており、2011年度からはいすゞが毎年のように落札していたが、2022年から三菱ふそうのエアロスター(MP38系)が導入されている。

2023年より、燃料電池バス『SORA』一両が試行導入されている。

ツーステップ車時代には3ドア車も多数在籍し、ノンステップ車黎明期には三菱・日産車に3ドアノンステップ車を導入していたが、現在は一般的な前中2ドア車となっている。

局番

アルファベットと数字を組み合わせた物を局番として振っている。

前半のアルファベット記号で用途・メーカーを表し、後半の数字は通し番号を振る。40番台は忌み番として飛ばされ、購入年度毎に番号を分けることは行っていない。なお現在所属している車両は都心ループ・メーグル・ガイドウェイバス・燃料電池バスを除く全車で局番がNから始まるようになっている。

現存する車両のある記号

NSいすゞ製大型ノンステップバス
NH日野製大型ノンステップバス
NF三菱製大型ノンステップバス
NN日産製大型ノンステップバス
NKH基幹バス用日野製大型ノンステップバス
NKS基幹バス用いすゞ製大型ノンステップバス
NKF基幹バス用ふそう製大型ノンステップバス
NMSいすゞ製中型ノンステップバス
NMH日野製中型ノンステップバス
TS都心ループ用いすゞ製中型ノンステップバス
TH都心ループ用日野製中型ノンステップバス
Mなごや観光ルートバスメーグル専用ノンステップバス
Gゆとりーとライン専用ガイドウェイバス
FC燃料電池バス
K研修車(非営業用のため白ナンバー登録)

名乗る車両が全廃となった記号

Sいすゞ製大型バス
H日野製大型バス
F三菱製大型バス
N日産製大型バス
MSいすゞ製中型バス
MH日野製中型バス
MF三菱製中型バス
MN日産製中型バス
KH基幹バス用日野製大型バス
KF基幹バス用三菱製大型バス
RH基幹バスから一般路線へ転用された日野製大型バス
RF基幹バスから一般路線へ転用された三菱製大型バス
NKN基幹バス用日産製大型ノンステップバス
NMN日産製中型ノンステップバス
NMF三菱製中型ノンステップバス
NSF三菱製小型ノンステップバス
SH日野製小型バス
SF三菱製小型バス
TF都心ループ用三菱製小型・中型バス
Cメーカーを問わない貸切兼用車
NOイベント・パレード用オープンバス

導入車両の傾向

大型ノンステップ車に関しては初期のふそうMP700系を除いてAT車が導入されていたが、平成20年頃から入札仕様書のトランスミッションが「MTのみ」に改定され、以後2015年度の入札まで大型車はMTのみが導入されていた。

このためLKG-規制以降MT車を無くした三菱ふそう車はPKG-代ノンステップ車導入を最後に全く導入されていなかったが、2022年より再び導入されるようになった。

なお2015年9月よりモデルチェンジ・発売された日野・ブルーリボンいすゞ・エルガは3ペダルMTの設定がなくなり、セミオートマチック(AMT)かフルオートマチック(AT)のどちらかとなった。これに合わせて名古屋市交通局の車両入札仕様書も改定され、MTオンリーからAMTオンリーになった。ただいすゞのAMTは運転手から評判が悪かったのか、2018年度に導入された43両と2021年度導入の25両分は仕様書がATとなっている。

中型ノンステップ車はAT車指定で、大型車の新車がMTのみに移行した後もATで導入されている。なおATに代わってAMT車オンリーとなった後は入札仕様書を改定し、AMT車が導入されている。

車両の置き換え

名古屋市交通局では以前は12年で車両を廃車にし、全国の地方バス事業者や海外輸出を行っていた。2011年度までに排ガス規制に適合しないすべての車両(規制記号KC-までの車両)の入れ替えが終了した後は、財政健全化のため使用期限を18年に延長している。

年度廃車対象両数
2012CNGツーステップ車2両
2013CNGツーステップ車/ガイドウェイバス2両/25両
2014CNGツーステップ車2両
2015基幹1系統用CNGノンステップ車10両
2016CNGノンステップ車/HIMR/中型ツーステップ・ワンステップ車35両
2017CNGノンステップ車/大型ノンステップ車45両
2018大型ノンステップ車/中型ノンステップ車47両
2019中型ノンステップ車45両
2020小型ノンステップ車30両
2021中型ノンステップ車4両
2021(後期)大型ノンステップ車25両
2022大型ノンステップ車46両

営業所

浄心営業所

西区浄心1丁目にある営業所。最寄のバス停は「浄心町」で、主に名古屋駅発着路線、西区南部の路線を担当する。基幹2号系統の主担当営業所でもある。

楠営業所

北区玄馬町にある営業所。最寄のバス停は「新川中橋」(しん かわなかばしと読む)で、主に北区、西区の路線を担当している。三重交通名古屋営業所の敷地内にあり、同じ敷地内で三重交通の車両と市バスの車両が同居する光景が見られる。管理は勿論三重交通へ委託。

開設当初は浄心営業所の分所だったが、2019年4月より楠営業所へ昇格した。

如意営業所

読みは「にょいえいぎょうしょ」。北区丸新町にある営業所。最寄のバス停は「如意車庫前」で、主に北区、西区北部の路線を担当する。楠営業所がすぐ近くにある。

中川営業所

中川区法華2丁目にある営業所。最寄のバス停は「中川車庫前」で、主に中川区、港区北部の路線を担当する。

稲西営業所

中村区稲西町にある営業所。最寄のバス停は「稲西車庫」で、主に名古屋駅発着、中村区、中川区北東部の路線を担当する。

鳴尾営業所

南区上浜町にある営業所。最寄のバス停は「鳴尾車庫」で、主に名古屋市南区・熱田区・港区南部・緑区南西部に担当路線を持つ。市バス営業所で唯一自前の天然ガススタンドを持ち、CNG車はここに集中的に配置されていた。(CNG車全廃によりガススタンドも廃止)

基幹1号系統、高速1号系統の主担当営業所。

緑営業所

緑区兵庫1丁目にある営業所。最寄のバス停は「緑車庫」で、主に緑区東部、天白区南東部に担当路線を持つ。

野並営業所

天白区相川1丁目にある営業所。最寄のバス停は「地下鉄鳴子北」で、主に地下鉄鳴子北駅発着、天白区、瑞穂区の路線を担当する。

2000年の東海豪雨で車庫が浸水し、当時12ヶ所存在した名古屋市営バスの営業所で唯一水没車両が発生、9両が災害廃車された。

猪高営業所

名東区平和が丘1丁目にある営業所。最寄のバス停は「猪高車庫」で、主に千種区、昭和区東部、名東区西部の路線を担当する。

御器所営業所

昭和区御器所通3丁目にある営業所。最寄のバス停は「御器所通」で、主に昭和区西部の路線を担当する。地下鉄御器所駅隣接の御器所ステーションビルと市営住宅の建物にまたがる形で入居しており、敷地面積はお世辞にも広いとは言えない。

以前は猪高営業所の分所だったが、2019年に営業所へ昇格した。

大森営業所

守山区脇田町にある営業所。最寄のバス停は「大森車庫」で、主に守山区、名東区東部の路線を担当する。2007年4月から名鉄バスに管理が委託されている。ガイドウェイバスもここの担当。

港明営業所

港区港明にある営業所。所在地は2004年に廃止された港営業所と同地。最寄のバス停は「港区役所」で、2019年2月に名駅19・栄22・名港13の3系統を所管する営業所として開設された。開設時から三重交通に委託している。

営業所の敷地が狭く、給油スタンドや洗車場が設置できなかったため給油や洗車は名阪近鉄バス名古屋営業所(中川区昭明町5-1)で行っている。このため港明営業所の車両は港明営業所~名阪近鉄バス営業所間の回送が行路へ入れられている。

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