シュバランケ
しゅばらんけ
当時のナタは炎龍王・シウコアトルが支配しており、アビスの力を取り込んで狂った炎龍はナタの地脈を焼き尽くすなどの暴政を敷いていた。人間で異邦人の勇者シュバランケはオチカン、アホブとイキ、ウヌク、ディンガ、ユパンキ、リアンカといった仲間を集めて戦いを挑み、最終的にシュバランケは炎龍と相討ちになる。一度死んだシュバランケは炎龍の心臓から復活を遂げ、同時に炎龍の力を引き継ぎ、人間でありながら他の七神と同様に神の一柱となった。
彼はナタの諸部族を統一し、初代炎神の座に就いた。彼は神座を利用してロノヴァから天空の力を借り、帰火聖夜の巡礼や夜巡者の戦争といったナタのルールを制定した。こうして人間に炎神の座は代々受け継がれることになった。やがて彼は聖火の中に入って去った。
ナタ人の伝承では、シュバランケが足を踏み入れた土地にはエンバーコアフラワーが多く生えているらしい。
また、ゲーム外ではヌヴィレットの立ち絵で彼に言及するセリフがある。
名刺「ナタ・神の軍」で象徴的なビジュアルが明かされており、褐色の肌に被り物をしていることがわかる。
- オチカン
シュバランケの仲間で、ナタの歴史で「暴君」と伝えられている存在。元は「盗炎の賢者」によって人と龍の魂を合わせて創られたハーフ。その出自故に古龍たちからは奴隷として虐られており、シュバランケに救われ彼に心酔するようになる。龍を憎んでおりその過激さは仲間たちからも心配されていたが、皮肉にも半分は龍であった為に古龍たちが使う装置を扱えた為、シュバランケの大きな助けとなった。
シュバランケが聖火の中に消える前に、次の炎神が現れるまでの代理の統治を任されていた。しかしオチカンはシュバランケ以外の炎神を認められず、その遺言を反故にして古龍たちの本拠地であった土地にオシカ・ナタを創り、自ら「聖王」を名乗りナタ大同盟を支配し、ナタを真に「人の国」にする為に夜神の信仰の禁止や部族の竜の捕縛し、逆らう者を処刑するなどの暴政を敷いた。
やがてオシカ・ナタにアビスが侵攻しその対策に追われている中、竜との共存を望むニ代目炎神の少年率いる反乱軍の侵攻を受ける。最終的にオシカ・ナタはアビスもろとも炎神の烈焔によって焼き尽くされ、オチカンはアビスの力を取り込まれ体と魂はアビスに侵食されてしまった。
- アホブとイキ
シュバランケの仲間で、双子の兄妹。アホブは古名「力(ウウィーゾ)」、イキは古名「祝福(バレカ)」の起源となった。
幼い頃に両親を炎の龍王に殺された事で双子は離れ離れになり、アホブは豊穣の邦で、イキはこだまの子で育てられた。成長後は悪龍討伐をしていった中で再会し、やがて双子はシュバランケの仲間に加わった。
シュバランケが聖火に消えた後、オチカンが逃亡した龍の追跡を命じた際に、龍を憎んでいたアホブは応じるがイキはシュバランケの教えに従い拒否。意見を違えた双子はアホブが我を忘れて武器を取った事で殺し合いに発展して二人は死亡した。その後それぞれ族長を失った豊穣の邦とこだまの子はオチカンの支配下に入った。
- ウヌク
シュバランケの仲間。流泉の衆の出身で、古名「団結(ウモジャ)」の起源となった男性。
龍と敵対しており、水源から燃素を取り除きたい純水精霊シネイラと利害の一致から協力し、やがてシュバランケの仲間になった。炎の龍王との戦いでシネイラに裏切られるが、ウヌクを愛するようになっていた為に龍王の炎からウヌクを庇おうとしたシネイラ共々焼き殺された。
- ディンガ
シュバランケの仲間。謎煙の主が住む村がミクトランと呼ばれていなかった頃、龍が人間を戦火から守る見返りとして、龍を夢へと導く人間の「聖王(という名の生贄)」の従者を務めていた。力を使い果たした聖王の少女が死んだ後、シュバランケの仲間になる。詳細は語られていないが、オチカンがナタを支配した時には既に亡くなっていたと思われる。
- リアンカ
シュバランケの仲間。古名「超越(ヴーカ)」の起源となった人物で、花翼の集の始祖。
捨て子だったところを龍の母に育てられ、成長後は弓を授かり人と龍の地を巡って旅をしていた。やがて自由は強者にしか許されない現状に憤り、弱者に自由を与える事を志すようになる。その中で弱者を保護し強者を倒して友人にしてを繰り返した結果、その集団が花翼の集となった。その後はシュバランケの仲間になり、共に炎龍討伐の戦いに挑んだ。
オチカンがナタを支配した後は花翼の集もその支配下に入ったが、龍を虐げるオチカンのやり方にリアンカは真っ向から反発。オチカンに賛同していた花翼の集の後継者の裏切りに遭い、最終的にはオチカンに軍勢を向けられ殺された。
- ユパンキ
シュバランケの仲間で、仲間の中では唯一二代目炎神の仲間にもなった人物。懸木の民の出身で、古名「廻焔(マリポ)」の起源となった。
調子の良い性格で、シュバランケとオチカンに戦いを挑んだところをオチカンに返り討ちにあい、敗北の恥を誤魔化すように仲間に加わった。
オチカンがナタを支配した後はオチカンのやり方に内心反発していたが、老いたユパンキはただ1人残った旧友オチカンを見限る事もできず、大同盟の軍械官という閑職についてオチカンに干渉せずにいた。しかし龍との共存を望むニ代目炎神の少年に懇願されて反乱軍に参加。オチカンの廻焔を盗み出し、暴君の軍隊に投げつけて攻撃したが、後ろからオチカンの声が聞こえて振り返ってしまったところ、廻焔が急に飛び出してユパンキを飲み込み死亡した。
- ワシャクラフン・ウバ・カン
ナタ人に燃素をもたらした「盗炎の賢者」。元は炎龍王に仕えていた龍だが、アビスに侵され狂った主や同胞を見限り、人間に種族復興の可能性を見出した。人と龍の魂を融合して「息子」オチカンを創り、当初はオチカンに炎龍王を倒させて新たな龍王にする算段だったが、炎龍の力を継いだのは人間の勇者シュバランケだった。賢者はやむを得ず計画を変更し、シュバランケと契約を交わし炎龍王の瞳から創られた「二枚の通牒の金盤」を分け合った。
後にオシカ・ナタがアビスに侵略された際に、シュバランケの「通牒の金盤」を受け継いでいたオチカンに一つに戻して「ウィツィロポチトリ」でアビスを滅ぼすように迫るも、「ウィツィロポチトリ」はナタもろともアビスを滅ぼす兵器であった為にオチカンは拒否し、天蛇の船に隠した。
その後は「通牒の金盤」を手に入れるために冒険者たちに「アビス」を滅ぼす兵器として噂を流し、冒険者たちに手に入れさせようとしているが、悪龍化したオチカンによって冒険者たちが殺されてしまい、困難を乗り越えた冒険者たちも真相に気付き手に入れる事を拒否してきた。
いくつもの顔を持ち既に旅人にも会っているらしく、「通牒の金盤」をちびの「焔の主(シウコアトル)の祝福」を制御するためのモノと語り旅人たちに手に入れるように仕向けたマンクの正体ではないかと考察されている。