印刷
いんさつ
凹版
版のへこんだ部分にインキをつけ、強い力をかけ対象に転写する方法。転写された図版は盛り上がり、立体感が強調される。銅版画で用いられるエッチングなど。かつて行われたグラビア印刷もこの方式である。平版オフセット印刷が普及した現在では商業印刷ではあまり見られないものの、紙幣などに用いられている。
孔版
印刷する部分に小さな穴が複数あいた版から対象にインキ等を転写する方式。シルクスクリーン、ガリ版(謄写版)やプリントゴッコなど。版作成の際鏡像を描く必要がなく、少部数を少数から中程度作成する個人でも行いやすい方法である。
中国・朝鮮
印刷技術の起源ははっきりしないが、初めて行われたのは木版印刷で、その場所は中国であろうと思われている。北宋の時代に木版印刷は広く普及し、多くの本が印刷されるようになった。
また、11世紀の北宋において、畢昇が陶器でできた活版(活字を組みかえることができる版)を発明した。さらに、13世紀には金属でできた版を用いる活版が朝鮮王朝にて行われている。朝鮮では文字の読み書きに慣れた層が両班の一部に限られていたことに加え、日本の朝鮮出兵における略奪によりいったん技術が絶え、復興後も朝鮮の海禁政策によってこの技術は世界的な影響力を持つには至らなかった。
中国においては文字の多さにより1ページを1枚の板で刷り出す整版印刷が主流となり、西洋に比べ活字を用いる印刷があまり普及しなかったと言われるが、それでも清朝の乾隆帝時代を中心に多数の木活字本が印刷され、学術普及の一翼を担った。
日本
日本においては8世紀後半に製造された世界最古の印刷物約4000点が現存している(百万塔陀羅尼)。これほど大量の印刷物を1枚の木版で印刷することは困難なため、銅版輪転機の使用も推測されているが、どのような手法で印刷されたかは不明である。
その後、摺経供養(写経供養の代替として功徳を積むため木版印刷で経典を大量に作り出すこと)が流行する平安時代中期まで印刷の記録は途絶えるが、中世には高野版として経典などの仏教印刷物が盛んに刊行されるようになった。
安土桃山時代に入るとヨーロッパから活版印刷の技術が入った。江戸時代初期には西洋の技術や朝鮮から略奪(上記を参照)した金属活字により金属活字を用いた印刷が行われるが、再版の際に活字を組みなおす手間が厭われ、徐々に廃れる。一方で木版による印刷は過去にないほど盛んになり、庶民も浮世絵や瓦版、黄表紙などで触れる機会が増えた。整版印刷が主流であったが、少部数の出版を中心に木活字版も行われた。
明治時代には西洋の金属活版が導入されて従来の木版による書籍や瓦版の印刷は廃れたが、高度に発達した錦絵の技法が新版画として再生される。
西洋
高度な文明を発達させたことで知られる古代ローマであるが、印刷術はなかった。書物は写本に頼るしかなく、古代末期の「蛮族」の侵入やキリスト教徒の暴動などにより、図書館が失われると古代の知識は散逸した(いわゆる暗黒時代)。
古典古代(ギリシア、ローマ)の文化復興が叫ばれたルネサンス期の15世紀に、金属活版の技術がヨハネス・グーテンベルクにより開発された。活版印刷は羅針盤、火薬とともに「ルネサンス三大発明」の一つにあげられるが、実はこれらはいずれも中国由来の技術である。
グーテンベルクは活版印刷による贖宥状(免罪符)の印刷を請負い、これが宗教改革の起点となった。またそれまで写本に頼らざるを得なかったため一部の聖職者だけが触れることができた聖書が普及し、「万人祭司」のプロテスタントの教義の裏付けとなった。
ルネサンス期のヨーロッパの学者たちは、イスラーム世界に受け継がれた古代ギリシャの文献に取り組み、印刷技術の飛躍的な革新によって古典古代の知識がヨーロッパ全土に普及した。一方で、活版印刷により魔女の恐怖を煽るビラやパンフレットがバラまかれ、近世のヨーロッパで魔女狩りが横行する原因にもなってしまった。
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すべて見る- <セルデシア>の写真と印刷について
<セルデシア>の写真と印刷について【考察】(1)
※小説ではないです、考察です。 <エルダーテイル><セルデシア>にはデジカメは無いです、残念ながら。 良くタグとかSSの中でデジカメやカメラの話が出ているので、ならば写真と印刷についてはどうなのか? と私なりに考察してみることにしました。 私は写真製版(アナログ・デジタル)とDTPを少しやっていましたが、他は専門ではないので、補間、ご意見、ご指摘などなど大歓迎です。 コメント・評価ありがとうございます。 遅くなりましたがアンケートも設置してみましたので良かったらお願いしますネ。 続きはこちら 「<セルデシア>の写真と印刷について【考察】(2)」http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=35391021,039文字pixiv小説作品 - <セルデシア>の写真と印刷について
<セルデシア>の写真と印刷について【考察】(2)
※小説ではないです、考察です。 前回「<セルデシア>の写真と印刷について【考察】(1)」http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3524875の続き。 私は写真製版(アナログ・デジタル)とDTPを少しやっていましたが、他は専門ではないので、補間、ご意見、ご指摘などなど大歓迎です。 コメント、タグ、メッセージありがとうございます。 今回あまり深く、考察していなかったですね。 勉強不足もありますので、次回は時間を空けてからにしようと思います。 前から興味のあった博物館にも一度行ってみたいからでもあったりします。1,217文字pixiv小説作品