ハリーマン
はりーまん
「ブッサシイ!!」
全国図鑑 | No.0904 |
---|---|
ヒスイ図鑑 | No.085 |
ブルーベリー図鑑 | No.147 |
ローマ字表記 | Haryman |
ぶんるい | けんざんポケモン |
タイプ | あく/どく |
たかさ | 2.5m |
おもさ | 60.5kg |
せいべつ | 50%♂・50%♀ |
とくせい | どくのトゲ/すいすい/いかく(隠れ特性) |
タマゴグループ | すいちゅう2 |
各言語版での名称と由来
言語 | 名称 | 由来 |
---|---|---|
日本語 | ハリーマン | ハリーセン+万 |
英語・スペイン語・イタリア語 | Overqwil | over(以上)+quill(ヤマアラシなどの針)+Qwilfish(ハリーセン) |
ドイツ語 | Myriador | Myriade(無数)+Dorn(針)+Baldorfish(ハリーセン) |
フランス語 | Qwilpik | Qwilfish(ハリーセン)+pic(針) |
韓国語 | 장침바루 | 장(長)+침(針)+바늘(針)+baloon(英語で風船)+침바루(ハリーセン) |
中国語(簡体字) | 万针鱼 | 千针鱼(ハリーセン)+万 |
中国語(繁体字) | 萬針魚 | 千針魚(ハリーセン)+萬(万) |
ポルトガル語 | Overqwil | 英語名に同じ |
ロシア語 | Оверквил | 英語名の音写 |
タイ語 | ฮารีมัน | 日本語名の音写 |
トルコ語 | Overqwil | 英語名に同じ |
『ポケモンLEGENDSアルセウス』から登場したポケモン。
ヒスイ地方に生息するヒスイハリーセンが、従来のハリーセンと異なる進化を独自に獲得したもの。
このたびリージョンフォーム限定とはいえ、苦節22年の時を経てようやく進化形が実装される運びとなった。
進化して体が膨れあがり、全身の毒針が異様に大きくなった。その長さと鋭さは、もはや槍と言っても過言ではないほど。本数も増加し、瞼にまで生えたトゲはまるで鬼のツノ。
特に体の上下左右から十字に伸びる4本の針が最も長く、ほとんど本体のサイズと同じ長さで、正面からだと羅針盤のようにも見える。
上側の黒い針の先端は、進化前同様に毒々しい紫色に染まっている。
そんなびっしり生えたトゲは、先端のギザギザがかえしの役割を果たすので、一度刺されば簡単には引き抜けない。
アルファベットの「Q」のような模様がついた尻尾も特徴的であり、ハリーセンの頃は直線だった体色を分ける境界が波状になっている。
そのインパクトはナットレイやドヒドイデ、バチンウニなどのトゲトゲな先輩方が霞むほどであり、近づくのも躊躇われる外見。
というかもうハリセンボンというよりウニの仲間のガンガゼに近いシルエットである(なおガンガゼも針に毒を含むため、デザインに取り入れられている可能性はある)。
性質ももちろん凶暴で、海鬼の異名を持つ。毒を啜って糧とする生態を持つが、これはモチーフに含まれているフグの毒が、主に獲物から取り込んだ毒素を蓄積して得たものである事が元ネタと推測される。
このトゲにやられたらもはや痺れどころでは済まされない気がしてしまう…。
また、眠っている時でも何か気配を察知すると無意識にトゲを突き刺してくるので、厄介極まりない。
現代のシンオウで確認できなくなった理由は不明。アヤシシやガチグマ、イダイトウやオオニューラのように進化の必要がなくなったなど様々な理由が考えられる。
しかし現代でもだいぶ数を減らしたとは言え絶滅はしておらず、近年ではテラリウムドームに進化前が生息しており、ハリーマンもテラレイドバトルの結晶洞窟内で確認されている。
なお、LEGENDSアルセウスの追加進化組の中では唯一特別な加護を持っていない(ライドポケモンでもキング・クイーンでもない)ポケモンとなっている。
……と思われたが、実はあるポケモンの出現に必要なポケモンの1体である。
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ハリーマン | 85 | 115 | 95 | 65 | 65 | 85 | 510 |
ハリーセン | 65 | 95 | 85 | 55 | 55 | 85 | 440 |
進化前と比べると、すばやさこそ据え置きだがそれ以外の能力は満遍なく上昇した。とんがった見た目の割に堅実な進化をしたと言えよう。
あく・どくタイプ(ちなみにあく・どくの順番なのはこの系統が唯一)の例に漏れず物理寄りの配分で、特にドラピオンとはステータス傾向がやや似通っている。同タイプの中ではみずタイプの技や高威力の「じばく」を撃てる点が特徴的。特に、苦手なじめんタイプに対して高威力のみず技で対抗できるのが強みである。
反面、あく技を「あくのはどう」しか覚えないという大きな欠点を抱えている。
「つじぎり」を覚えられそうにない外見に加え「じごくづき」などの有望な物理あく技がいくつか未実装なのが災いしたか。
また、強靭な歯で甲殻類や巻貝、果てはサンゴの欠片を容易に噛み砕くフグ科がモチーフにもかかわらず「かみくだく」も覚えられない。
結果として原種ハリーセンと同じみず・どくタイプのような使用感となっているのが現状。
専用技の「どくばりセンボン」はそれなりの確率で毒を浴びせ威力も倍増するので、場合によっては「どくづき」よりも高いダメージが期待できる。
第9世代
進化方法が変更され、時間をかけなくても気軽に進化させられるようになった。
物理あく技として「かみくだく」を無事に習得。「じごくづき」も当初は覚えなかったが、藍の円盤でわざマシンが実装され習得を果たした。
また、どく技も高威力の「ダストシュート」を習得し一致技の選択肢が増えた。
サブウェポンとしてはみず技が豊富で、「たきのぼり」「アクアブレイク」「アクアテール」「アクアジェット」を完備している。
逆にそれ以外は少し心許なく、まともな物理技はノーマル技を除くと「スマートホーン」程度。後は元の威力が低い「とどめばり」や、連続技の「ミサイルばり」、体力により威力が変動する「きしかいせい」と少々扱いにくさが目立つ。
対して特殊技に目を向けると、高威力の技は上記の「あくのはどう」や「ヘドロばくだん」等の一致技に加えて、みず、こおり、ゴーストの技範囲を持つが、いかんせん元のとくこうが低過ぎて「アシッドボム」がほぼ必須な状態。
「ひやみず」「マッドショット」「こごえるかぜ」などサポート向けの技も意外と豊富なため、追加効果を目当てに搭載するのもアリだろう。
総じて高めの火力を持ちながらも突破力に欠ける部分があるので、単純なアタッカーとして運用するよりも豊富な変化技を織り交ぜた方が活躍が期待できる。
シーズン19最終13位構築には、しんちょうHD特化の「くろいヘドロ」毒守耐久型がエントリーされていた。
通常特性は「どくのとげ」と「すいすい」。
「すいすい」を持つポケモンとしてはアーマルド系統、ツンベアーに次ぎ3系統目の非みずタイプであり、この中では初の通常特性である。元々が中速程度なのですばやさ2倍の恩恵は大きく、サブウェポンのみず技も強化できて有用。
一方の「どくのとげ」だが、どく状態を狙うなら「どくばりセンボン」や「どくどく」で間に合っているのでやや恩恵が少ない。基本は「すいすい」か後述の「いかく」がメインになるだろう。
隠れ特性は優秀な「いかく」で、元から高めのぼうぎょと優れた耐性が噛み合って非常に堅固な物理耐久を得る。これを活用し、原種ハリーセン譲りの「ちいさくなる」+「みがわり」戦法に「どくばりセンボン」を加えた耐久型がなかなか強力。
耐久性能はしんかのきせき持ちハリーセンに譲るが火力では大きく勝り、似たような戦法がとれるアローラベトベトンよりも遥かに素早いのがポイント。
解禁からこれといった仮想敵が存在しなかったため使用率が伸び悩んでいたが、レギュレーションGになると対こくばじょうバドレックス特化の耐久型として一部で使われるようになった。
『ポケモンGO』
- 2022年7月下旬のヒスイイベントで実装。原作は上記のように特定の技を繰り返し使うことで進化するが、今作では相棒にしてレイドバトルで10回勝つというデスバーン並みに面倒な仕様。レイドアワーやレイドデイなどのときに相棒にするとよいだろう。
- 通常技は「どくばり」「どくづき」、ゲージ技は「あくのはどう」「ヘドロばくだん」「アクアテール」「シャドーボール」「れいとうビーム」とかなり器用に覚えてくれる。どくタイプのアタッカーとしてはトップクラスに優秀で一般ポケモンとしてはロズレイドと並ぶ。同タイプのドラピオン、スカタンク、アローラベトベトンと比べても圧倒的。しかしどくタイプの使い所の少なさ(現状カプ・ブルル戦くらいしかない)とあまりにも面倒くさい進化条件のせいで実用となるとかなり厳しい。あくタイプはもっと優秀なポケモンが大量にいるのでまずお呼びはかからない。
- 一方トレーナーバトルではドラピオン、スカタンク、アローラベトベトンと比べると耐久が低く、高耐久が推奨されるスーパーリーグ、ハイパーリーグでは優秀な技構成とは裏腹に、種族値のせいで使用率が低いという悲しい不遇を受けている。特にドラピオンとは差別点が実質「れいとうビーム」しかないため、「ハリーマン使うんだったらドラピオンの方がいい」と振ったトレーナーの何と多いことか。
- 一方で、攻撃種族値及び最大CPはあく・どくタイプの中で最大であり、「あくのはどう」「シャドーボール」が効くエスパータイプ、「れいとうビーム」が効くドラゴン/ひこうタイプが蔓延るマスターリーグ(プレミア含む)の方で活躍できるかもしれない。因みに、進化前と技構成が全く一緒なのはラッキー→ハピナス以来。
名前の由来は針千本→針万本ということだろう。決してリーマンではない。
ネットでも昔から進化予想で挙がるほど分かりやすいものである。ここまで期待を裏切らないド真ん中なネーミングはポケモンとしては逆に珍しいかもしれない。
ちなみに英語名のOverqwilはOverkill(オーバーキル)とQwilfish(ハリーセン)を掛けており、こちらもなかなか秀逸なネーミング。
BDSPには本種の登場を示唆するような追加テキストが残されていた。
それがミオ図書館の古い文献『海の伝説』で、海の王子の御供としてブイゼル、タマンタ、そして大きなトゲのハリーセンが記述されている。
LEGENDS発売以前は、この「大きなトゲのハリーセン」がヒスイハリーセンの登場を暗示しているのではないかという予想がされていた。
真相は果たして大方の予想を上回り、ヒスイハリーセンの更なる進化形が登場したのだった。そしてLEGENDS中盤にて『海の伝説』なるサブ依頼が発生し、攻略にはタマンタにブイゼル、ハリーマンの存在が重要となっている。