「ソ…… ゲ……」
「ソソゲー!!」
基礎データ
全国図鑑 | No.1003 |
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パルデア図鑑 | No.395 |
ローマ字表記 | Dinlu |
ぶんるい | さいやくポケモン |
タイプ | あく / じめん |
高さ | 2.7m |
重さ | 699.7kg |
せいべつ | 不明 |
とくせい | わざわいのうつわ |
タマゴグループ | タマゴみはっけん |
各言語版での名称と由来
言語 | 名称 | 由来 |
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日本語 | ディンルー | 鼎(Ding、中国語で鼎)+鹿(lù、中国語でシカ) |
英語・スペイン語・イタリア語 | Ting-Lu | 日本語名に同じ(ウェード式でローマ字化) |
ドイツ語・フランス語 | Dinglu | 日本語名に同じ |
韓国語 | 딩루 | 日本語名に同じ |
中国語 | 古鼎鹿 | 古+鼎+鹿 |
概要
初登場は『ポケモンSV』。今作の準伝説ポケモンの一種で、パルデア地方に封じられた4体の災厄ポケモンの一体。
遥か大昔の古の儀式で使われた器に注がれた恐怖の感情が、周囲の土石を巻き込んだことで生まれたとされる。
中心から真っ二つに割れた巨大な青銅の器がツノになった、鹿か牛のような姿をしており、その厳しい姿に違わず、700kgに近い相当の重さを誇る。
おそらく700kgのうちの半分以上が頭の角…もとい器で占められていると思われ、ディンルーからしても重いのか顔は若干下向き。
器自体にも角のような装飾や目を模した文様があり、あたかも顔のように見間違う(本当の顔はちゃんと下の位置にある)造形から、信仰の対象であった神そのものが器の姿をとった可能性がある、とレホール先生は推測する。
災厄の器の名は伊達ではなく、頭一振りで深さ50mの地割れというシャレにならない大災害を引き起こすとのこと。
名前の由来は中国語の「鼎鹿」をそのまま読んだもので、意味は「鉄器の鹿」となる。
鉄器と言われる割にはがねタイプでは無いが、そこは土石のイメージが優先されたということか。
モチーフは顎髭と角の形状からヘラジカではないかと思われる。
角のモチーフである「鼎」は調理用の青銅器であったのが、時代の変化と共に祭事と結びつけられ、王権と結びついたという歴史を持っている他、四凶に属する饕餮の意匠が刻まれていた時代もあった(これを「饕餮文」と呼ぶ)。
まさしく厄災ポケモンに相応しいモチーフと呼べるのではないだろうか…?
残念ながら色違いは2024年現在、未解禁。
しかし、解析によって姿は判明しており、体の茶色だった処が水色になり、こおりタイプとしても違和感のない出で立ちになる。
性能
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
155 | 110 | 125 | 55 | 80 | 45 | 570 |
絵に描いたような重戦車型で、SとCを極限まで削った、それまでの重戦車型準伝説ではあまり見かけられなかった非常に効率的な配分をしている。素早さもただ闇雲に削られたデザインではなく、ある意味で激戦区となる30族が多少Sに振った程度では抜かれないS45という絶妙な速度を持つ。
さらに特性「わざわいのうつわ」で自分以外のCを3/4にすることができ、実質的な特防種族値は113〜124相当にまで達し、合計種族値は最大614と600族をも上回るものとなる。
耐久が売りの禁止伝説ギラティナ(アナザーフォルム)の種族値と比べた場合特攻と素早さ以外の全てで勝っており、単純数値で禁止伝説級と言える。
弱点は6タイプと多いのだが、その優秀な耐久種族値と特性から、タイプ一致で弱点を突いても一発で倒すことは極めて難しい。
物理耐久指数50828は特性を考慮しなければヘイラッシャも超えてSV新規ポケモン中1位。内定したポケモン全体で考えても2位であり、1位のクレベースとは特殊耐久に圧倒的な差があるため差別化は容易。また総合耐久力も高く、こちらもハピナスに次ぎ2位。ここから特性でさらに硬くなる。
同期の準伝説で物理火力に秀でたパオジアンがいのちのたまを持ってつららおとしで攻撃しても、弱点なのに耐久無振りのディンルーすら乱数1発にしかならない、と言えばその硬さが伝わるだろうか。ディンルー側が物理耐久に特化していると、パオジアン側が氷テラスタルしても倒せない。
物理耐久に限らず特殊耐久も高く、特化かつとつげきチョッキ持ちの場合はC特化こだわりメガネイーユイのテラスタル炎オーバーヒートも最高乱数で6割と少し程度しか入らない。
古参プレイヤー向けの例を出すと計算上カイオーガのひかえめC特化雨しおふきを確定で耐え、いのちのたまを持ちだしても乱数で耐えられるほどである。
それもそのはず、特殊耐久指数50653はバンギラス(すなあらし補正込み)の51853に肉薄する数値であるためである。そんなアホみたいな耐久力を天候に依存せずに発揮できると言えばそのヤバさがわかるだろうか。
耐久があまりに高く、多少削ったぐらいでは運用に支障が出ないため、同じじめんの起点作り型であるカバルドン(特にHDベース)と異なり攻撃や素早さにもある程度振る余裕があるのが利点。
技も優秀で、攻撃技はそれなりのAを活かせる「じしん」、「じごくづき」、「ストーンエッジ」、699.7kgの超体重を火力に変換できる「ヘビーボンバー」、ダブルバトルにおける範囲攻撃として優秀な「いわなだれ」、Sの遅さを活かせる「しっぺがえし」など、通常火力だけでも勢揃いである。
通常火力だけでなくBを火力に転用できる「ボディプレス」、自身のA実数値や相手の耐久実数値に関わらず安定して削りを入れられる「カタストロフィ」、硬い相手への最後の手段となる「じわれ」など、転ばぬ先の杖も備わっている。
他にも「ステルスロック」「がんせきふうじ」「ちょうはつ」「おきみやげ」「ふきとばし」など起点作り技にも困らない。それこそ「あくび」と「はたきおとす」以外は粗方揃っていると言っても良い。
このように器用さも一級品であり、種族値通りの鈍足アタッカー型だけでなく、高い耐久力を活かした起点作り型も可能。
懸念点は高速回復技をねむる以外覚えないという点。耐久指数はかなり高いが、それを活かす耐久型にするためには前述したねむるかたべのこしで補強する必要がある。
次に重戦車故の素早さの低さであり、相性で不利なキノガッサに先制キノコのほうしを撃たれると何も仕事ができずに倒されてしまう可能性が高い。
また無効が2つ、半減4つと耐性こそ幾分か多いが、互いの弱点を等倍以下に抑えられていないため弱点も水、草、虫、格闘、氷、フェアリーとかなり多く、特にルチャブルやカラミンゴには一致技が半減、無効にされてしまい弱点を突かれるので天敵である。タイプの優劣が分かりやすいのでじゃくてんほけんを持たせるのもアリか。
この弱点は鋼タイプにテラスタルすればある程度カバーでき、草、氷、フェアリー弱点を補える他、威力の高いヘビーボンバーをタイプ一致技として扱えるため相性が良いが、かくとうタイプが弱点であるのは元々のタイプと共通しているので注意。
準伝説が解禁されたシリーズ3開始早々、特殊耐久を「とつげきチョッキ」で補って両受けが安定するようにしたサイクル型、「オボンのみ」や「たべのこし」を持って「ステルスロック」や「カタストロフィ」、「ふきとばし」で起点を作る型が使われた。
ただし、起点作り型の場合は「いたずらごころ」を持たない浮いている「ちょうはつ」持ちであるサザンドラやアーマーガアが明確に苦手で、こだわり系アイテム+「トリック」にも手を焼くため、対策すれば何とかなる部類であり強い・弱いがハッキリしていると言える。
程無くして「じわれ」型、いじっぱりAS「とつげきチョッキ」型も登場。その後、キョジオーンの「しおづけ」や諸々の一撃必殺技に強い「みがわり」型、「ステルスロック」「まきびし」両採用型などが開発された。
シリーズ4では「カタストロフィ」+「ちょうはつ」によるカイリュー対策として需要がある。より大きいのはどれだけ耐久に厚くしているかに関係無く「カタストロフィ」で定数ダメージを刻める点であり、ドヒドイデの「どくどく」と組み合わせられるケースが散見されるように。
テラスタイプはかくとう対策のどくやフェアリー、全体的に物理技に強いでんきやみずが目ぼしいところ。最初は遂行速度を上げられる一致のじめんも少なくなかったが、徐々に不一致テラスタルの普及に伴い廃れていった。
そしてレートの破壊者ランドロスを抜き地面タイプのレートで1位となった。
シーズン10最終1位構築にも王道のどくテラスタル「オボンのみ」起点作り型がエントリーされていた。
しかしレギュレーションEが始まると、途端に使用率が10位台後半に低下。この時期には一致の弱点を突いてくる強力な準伝説のオーガポンや同じ地面枠のアカツキが解禁されてしまい、前者はテラスを切らされてしまう事、後者は高耐久かつ先制技の持ちの特殊地面という貴重な側面があるので採用率が落ちたのであろう。
また他の地面枠では、グライオンの復帰、スケイルショットを再取得したガブリアスにも抜かされてしまった。
またランドロスもオーガポンにも優位を取れる点やDに厚く降ることで特殊にも受け出せるサイクル性能を買われ始め、再び順位を抜かされてしまった。
それでもシーズン11最終1位構築にはみずテラスタル「まきびし」「ステルスロック」両採用型がエントリーされるなど環境に喰らい付いた。
レギュレーションFでは苦手にアシレーヌが追加。生半可なH振りならC特化「めいそう」1積みテラスタル「うたかたのアリア」で確定1発がざらである。
また新規追加されたブリジュラスは型がかなり豊富であり、がんじょうやじきゅうりょくで起点作りもかなりやりやすい性能をしている。また対面してもそこそこ戦えるが、こちら側が起点作成をする暇がないことも多い。
それらも相まってさらに使用率が落ちたと思われる。
ただ、使用率が落ちたと言っても強力なポケモンであることは変わりない。一部で「ステルスロック」「まきびし」両採用起点作り特化型や、攻めっ気の強いフェアリー「テラバースト」型が煮詰まるなど、研究が日夜進んでいる。
シリーズ7では禁止級伝説解禁による火力超インフレの影響で、一転してそれに対抗できる超耐久起点作り型として使用率を伸ばした。特にミライドン、こくばじょうバドレックスに強いのが利点。
元々のパワーもそれなりなため、コライドンやミライドンとの対面ではA特化「じしん」が抜群で入る状態なら、それらがAS・CSベースで育てられることがざらと考えると、生半可な型は「ステルスロック」込みで高乱数1発がざらである。
ダブルバトルでも特性と耐久を活かしてトップメタ入りを果たしている。チオンジェン軸の耐久パが厄介なため、ダブルバトルでは「じわれ」型も多い。ダブルでは「じしん」が味方を巻き込んでしまうことから、技が一度外れた後で威力が倍加する単体攻撃である「じだんだ」が採用されやすいことも、命中率が低い「じわれ」型が多い要因である。
シーズン6からは「こだわりハチマキ」を持ってひたすら「じしん」をくり出す型もよく見られるように。
PJCS2023優勝パーティには「すなじごく」「たべのこし」耐久型が投入されていた。
ところがシングルバトル同様にレギュレーション変更の影響を大きく受けることになる。レギュレーションD解禁のウーラオスやゴリランダーに弱く、地面枠をランドロスやガチグマに奪われ、使用率トップ30から転落してしまった。
追い討ちをかけるように、レギュレーションEではオーガポンの影響でさらに使用率が低下した。
特性わざわいのうつわが物理で強力なポケモンが多い環境では刺さらない点もあり、レギュレーションE時点ではあまり多くないポケモンであるが、伝説ポケモンが解禁されれば、バドレックスこくばじょうのすがたやミライドンなどにタイプ相性で強いため、復権が期待される。
捕獲に関してはじめんタイプ故に「でんじは」による麻痺が効かず、キリキザン/ドドゲザンでは返り討ちにされる危険性がある。
「キノコのほうし」がありじめん・あく技を半減できるキノガッサが安定するが、耐久力がシャレにならないレベルで高いので、更にテクニシャン個体の使用を使うと楽。
幸いチオンジェンと違い回復技が無いため、安心して体力を削れる。総じて捕獲はパオジアン共々簡単な部類に入る。
関連イラスト
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1002.パオジアン→1003.ディンルー→1004.イーユイ