H-II とは、1999年に運用を終了した日本の第4世代型液体燃料ロケットの名称である。
後に日本の主力ロケットとなるH-IIAロケットは、当機の改良型となる。
正しい表記はH-Ⅱであるが、H-II、H2 など表記がいくつか存在する。なお、ニコニコでの「H2」タグは別の事物を指すのに使われている(H2の記事を参照)。
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また派生機として、J-I ロケット1号機が存在する。
H-II ロケットは宇宙開発事業団(NASDA)および三菱重工が開発し、製造は三菱重工が行なっていた。
2トン級の静止衛星を打ち上げる能力を有しており、
日本で初めて全段自主技術により製作された2段式の純国産大型液体燃料ロケットである。
射場としては、種子島宇宙センターの吉信第1射点(LP1)が使用されていた。
なおNASDAではH-IIの読みを「えいちつー」としていたが、マスコミ等では「えいちに」と表現する場合もある。
東京大学生産技術研究所を礎とする固体燃料ロケットの分野ではそれなりの技術を有していた日本であったが、
実用的な大型衛星などを打ち上げ可能とする液体燃料ロケットの開発には遅れをとっていた。
これらの開発担当となったNASDAは米国からの技術供与を得てデルタロケットの技術を段階的に習得、
ETVロケットからN-I、N-II、H-I ロケットと国内技術を向上させH-II ロケットが登場する事となる。
液体酸素(液酸)と液体水素(液水)を推進剤とする液酸/液水エンジンを第1段・第2段に備え、
推力増強の為に大型の固体ロケットブースター2基と必要に応じて小型の固体補助ロケットが使用されていた。
全長50メートル、総重量260トン。(積荷の人工衛星とSSBを除く)
第1段機体
宇宙開発事業団と航空宇宙技術研究所、三菱重工、石川島播磨重工による共同開発、
二段燃焼サイクルを採用したLE-7エンジンが搭載されていた。
第2段機体
宇宙開発事業団と航空宇宙技術研究所、三菱重工、石川島播磨重工による共同開発。
エキスパンダブリードサイクルを採用したLE-5Aエンジン(8号機はLE-5B)を搭載しており、
軌道上でのエンジン再着火が可能である。(LE-5Bは再々着火が可能)
なおLE-5A/Bは、H-I ロケット第2段用として開発された日本初の実用液酸/液水エンジンLE-5の発展改良型。
固体ロケットブースター(SRB), 固体補助ロケット(SSB)
宇宙開発事業団と日産自動車宇宙航空事業部(現IHIエアロスペース)によって開発された、
ポリブタジエン系推進薬を使用した固体燃料ロケット。 全長23メートル、1基あたりの重量70.5トン。
開発段階の試験機としてTR-I ロケットが存在し、
試験機3号機で使用された固体補助ロケット(SSB)はTR-I ロケットのコアモータとほぼ同一のものとなる。
ペイロードフェアリング(衛星フェアリング)
川崎重工による開発。
直径4.1mの4S型と直径5.1mの5S型があり、2基の衛星を搭載可能な4/4D型や5/4D型も存在していた。
7回中5回の打ち上げに成功。(8号機失敗、5号機は一部失敗 7号機は打ち上げキャンセル)
機体番号 日時 フェアリングetc | 搭載衛星 |
TR-I 1号機 1988/09/06 TR-I 2号機 1989/01/27 TR-I 3号機 1989/08/20 |
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試験機 1号機(TF1) 1994/02/04 07:20 4S型 ※初飛行 |
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試験機 2号機(TF2) 1994/08/28 16:50 4S型 |
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試験機 3号機(TF3) 1995/03/18 17:01 5/4D型 ※固体補助ロケットSSBを2基追加 ※打ち上げ業務担当はRSC |
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4号機(F4) 1996/08/17 10:53 5S型 |
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6号機(F6) 1997/11/28 06:27 4/4D型 |
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5号機(F5) 1998/02/21 16:55 4S型 ※打ち上げ一部失敗 |
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8号機(F8) 1999/11/15 16:29 5型 ※打ち上げ失敗 ※第2段エンジンにLE-5Bを採用 |
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7号機(F7) 打ち上げキャンセル 4/4D型 ※種子島宇宙センター内展示機体へ ※重要科学技術史資料 第00023号 |
掲示板
1 ななしのよっしん
2013/09/10(火) 06:40:53 ID: m7S2P3CZ38
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最終更新:2025/03/17(月) 12:00
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