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黄熱病(黄熱)とは、非常に危険なウイルス感染症の一つである。
フラビウイルス科の黄熱ウイルスが引き起こす病気で、同じフラビウイルス科のデングウイルス(デング熱の病原体)と感染経路が似ている。
主にアフリカと中南米で流行しており、日本を含むアジア圏ではほぼ発生しない。
高熱と全身からの出血傾向が主な症状であるため、エボラ出血熱やSFTS(重症熱性血小板減少症候群)などと同様にウイルス性出血熱の一つとされることもある。また、流石にエボラ熱ほどではないが致死率も非常に高い。
デング熱や日本脳炎などと同様に蚊がウイルスを媒介しており、ウイルスを持った蚊に吸血されることで感染する。ただし、エボラ熱やSFTSなどと異なり人から人には伝染しない。
予防方法としては蚊に刺されないようにすることの他、ワクチン(予防接種)が存在する。また、国によっては黄熱ワクチンを打っていないと入国できない場合もあるので要確認のこと。
軽症の場合は発熱、頭痛、筋肉痛、倦怠感、嘔吐、下痢などインフルエンザやマラリアに似た症状がみられ、数日〜1週間程度で回復する。
しかし重症化すると高熱、出血傾向(鼻血、内出血、吐血、下血、血尿など)、黄疸、肝不全、腎不全などがみられる。
黄疸は皮膚や白目が黄色くなることであり、病名の由来となっている。これは黄熱ウイルスが肝臓に感染して肝炎を起こすために発生する症状である。また、コールタールのようなドス黒い血液を吐くため、黒吐病と呼ばれることもある。
重症例の致死率は50%を超えるとされており、特に日本人を含む旅行者は黄熱ウイルスに対する免疫が無いため重症化しやすい。また、特別な治療法(黄熱ウイルスをやっつける薬など)は存在しないため、点滴で脱水症状を改善するなどの対症療法しか無い。
この病気で亡くなった人物として最も有名なのが福島県出身の細菌学者、野口英世である。彼はアフリカで黄熱病の研究をしていたが、当時はまだウイルスの存在が知られておらず、黄熱病も細菌感染症だと思われていたため英世も黄熱ウイルスに感染して亡くなってしまった。
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最終更新:2024/12/27(金) 18:00
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