継国縁壱とは (ツギクニヨリイチとは) [単語記事]

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命を何だと思っている？

継国縁壱（つぎくによりいち）とは、漫画『鬼滅の刃』の登場人物である。

概略

始まりの呼吸の剣士の一人。耳飾りの剣士とも呼ばれている。

戦国時代に鬼舞辻無惨をあと一歩のところまで追い詰めた剣士。日の呼吸の使い手であり、鬼殺隊に呼吸術を伝えた人物。竈門炭治郎の夢の中で見た祖先の記憶に出てきており、炭治郎の耳飾りと同じものをつけている。額には炭治郎と似た痣が生まれつきある。竈門家にヒノカミ神楽と呼ばれる日の呼吸を伝えたようだが、それがどのような経緯で伝えられたのかは謎とされている。

使用する日輪刀は刃の色が黒曜石のような黒で、戦うときには刀身が赤い色へと変化する。縁壱の刀は刀身に「滅」の一文字のみが刻まれており、それは長いときを経て炭治郎へと受け継がれた。

刀鍛冶の里には縁壱零式と呼ばれる訓兼用の絡繰人形が伝わっているが、これは縁壱を模して造られ、その剣技を再現するために六つの腕が取り付けられている。縁壱の刀はこの人形の中に隠されていた。

※以下、本誌ネタバレを含みます。コミック、アニメ派の人はご注意ください。

身体能力

縁壱の身体能力は常人のそれを遥かに凌駕しており、7歳のときに初めて木剣を握ったときには兄の剣の師を一瞬で打ち負かすほどの剣の才を有していた。また、子供でありながら一昼夜走り続けても疲れることがなく、大人になってからは半日で山3つを走って往復したことが本人の口から語られている。炭治郎たちが厳しい訓練をして痣を発現させ、辿り着いた「透き通る世界」を見る特別な目を生まれた頃から持っている。そのためか、痣者は25歳までに死ぬといわれていたが、生まれつき痣を持っていた縁壱は25歳で死ぬことはなかった。本人は後に炭治郎の祖先である炭吉に「鬼舞辻無惨を倒すために、特別強く造られて生まれてきたのだと思う」と語った。だが、体はいくら強く造られていても、その心は只人と変わらず、縁壱自身の夢は家族と静かに暮らすことであり、「愛する人の顔が見える距離、手を伸ばせばすぐに繋げる、届く距離」がいい、と誰もが願う小さな幸せを求めていた。兄の巌勝には感情の機微を見せないと言われていたが、決して人並みの心がないわけではない。巌勝はその才に嫉妬し、憎んでいたが、縁壱がそれに気づいていたかはわかっていない。

生涯

戦国時代の武家に双子の兄弟として生まれる。兄は継国巌勝（つぎくにみちかつ）。当時、双子は忌み子と呼ばれて不吉なものとされており、さらに縁壱には不気味な痣があった。そのため生まれてすぐに殺されそうになったが、母が烈火のごとく怒り狂ったため、10歳になったら出家することを条件に生かされる。三畳の小さな部屋で幼少期を過ごし、世継ぎの兄と大きく差をつけられて育てられるが、母と兄の巌勝からは家族として大切にされていた。母が急死したのをきっかけに縁壱は出家するために自ら家を出て行った。10年後には家庭を持ったが、自分の留守中に妻子を鬼に殺されてしまい、それをきっかけに鬼狩りとなる。また、鬼を狩り続ける暮らしのさなか、鬼に襲われていた兄・巌勝を助け、その後は兄が部下の敵討ちという名目で鬼殺隊に入ったことで、ともに兄弟で鬼狩りをすることとなった。

鬼舞辻無惨と対峙した折には深手を負わせたものの、あと一歩のところで取り逃がしてしまう。また、同時期に兄の巌勝が鬼になったことや無惨を倒せなかったことなどを糾弾され、責任を取る形で鬼殺隊を追放された。周囲からは自刃を求める声もあったが、当時の産屋敷当主がそれを止めている。

最後は髪も白くなった老人となり、鬼となった巌勝・黒死牟と60年ぶりの再会を果たす。80歳を超えた老人でありながら若い頃と変わらぬ剣技の冴えを持ち、黒死牟に刀を抜く隙すら与えずにその首に一太刀を浴びせるが、次の攻撃をすることはなく、刀を握ったままの姿で長い生涯を終えた。

縁壱が亡くなるときには母から貰った耳飾りは身につけていなかったが、懐には亡くなった妻の着物で造ったと見られる巾着を持っており、その中には幼い頃に巌勝から貰った手作りの笛を大切にしまっていた。その笛を見た黒死牟は縁壱のことを嫌いだと言いながらも、目からは涙を零していた。

余談

コミックス第12巻の上弦会議で初登場した黒死牟と、炭治郎の夢の中に登場した縁壱の姿がよく似ていたことから同一人物ではないかと噂されていたが、黒死牟戦中の回想で双子の兄弟だということが明かされた。
黒死牟の話や動画などによく「お労しや」と書かれたりするが、それは60年ぶりに再会した兄に向けて縁壱が言った言葉である。
第186話から縁壱の回想が始まり、第187話ではその不憫な境遇から「可哀そう」「辛い」などネット上で多くの人が同情する声があがった。また同時に縁壱によって追い詰められた鬼舞辻無惨が、読者の想像を遥かに超える逃げ方をして笑いを誘っている。流石は無惨様！