剣豪と同一視されることもあり、現代では剣道家やフェンシングの選手を表すこともある。ネット上やフィクション内では(技量はともかく)刀剣類をメインウェポンとする兵士、または戦闘員を指して剣士と呼ばれる傾向が強いが、その定義はかなり曖昧である。
史実において刀剣は、紀元前~約19世紀ごろまで武器として使われ、殆どの兵士に携帯されてきた。ただし戦場ではだいたい飛び道具や長柄武器が戦闘員のメインウェポンに据えられ、刀剣類は状況によってそれらと使い分ける予備兵器である場合が多かった。
(そのような事実から剣士・剣術の存在意義を否定的に見たり疑問視したり声もある。)
むしろ刀剣類は戦場ではなく、日常生活上で起こる喧嘩などの荒事で活躍する武器であり、時代や地域によっては身分に関係なく、多くの人々が刀剣類あるいはそれに準じた武器を携帯していた。ある意味、剣士は割りとありふれた存在だったとも言えなくもない。
現代では、刀剣類をはじめとする武器は戦争でしか使われないというイメージが強い。
しかし、(ファンタジーモノのモチーフになりがちな)古代や中世、あるいはルネサンスと呼ばれた時代というのは、「喧嘩で殺したor殺された」が当たり前であり、また法律や警察組織の力が弱く、教育機関もほぼないため倫理観も薄かった。
(戦場で甲冑を着、槍や弓で武装して戦うような時間よりも、そうでない平時の時間の方が長く、その際に、他者との揉め事で殺しあいに至る機会は多かった。)
そのため携帯性の高い刀剣類が重宝され、戦場では槍使い・弓使いでも平時では剣士になった。例えば、ルネサンス期のヨーロッパでは治安向上のため、市民に対し刀剣類の携帯を禁止したり、それに対しナイフ類を長寸化することで脱法したりする場合もあった。
(高貴な人々が剣術の達人(剣豪)から護身術や処世術を習うという例はヨーロッパだけでなく日本にも存在した。)
だからといって、戦場に剣士が全くいなかったわけではなく、ルネサンス期のスペインにはロデレロと呼ばれる剣士っぽい人々で編成された部隊が存在したし、その近い時期のドイツ人傭兵団の中に両手剣を扱う専用の部隊もあった。ヨーロッパ地域だけでなく中国や日本にも鉄人部隊や力士隊と呼ばれる剣士の部隊は存在した。
他には先込め銃が中心だった時代においても、士気の低い銃隊に対し、剣豪の部隊を切り込ませて戦果を揚げた例もある。
なお部隊単位でなければ、身分の高い兵士は好きな武器を持てたので、ヨーロッパに限らず世界各地に剣士っぽい戦闘員は存在したし、逆に経済的な事情や与えられた任務により武装が刀剣類のみになる場合も存在した。
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最終更新:2024/12/23(月) 10:00
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