福井市とは、福井県北部の嶺北地方にある都市で、同県の県庁所在地である。
柴田勝家の築城した北ノ庄城、更にそのあと築城された福井城の城下町として栄えた街である。勝家の築城前は朝倉氏の一乗谷城が東南部にあり、そこから移り住んだものも多かったと言われる。
福井市は明治22年(1889年)に発足した。市町村制の発足と同時に誕生した36都市の一つである。
1945年に福井空襲、1948年に福井地震・大洪水と昭和20年代に立て続けに災禍に見まわれ、そこから立ち直った経緯があることから「不死鳥」(フェニックス)をシンボルとして掲げている。
現在の人口は265,000人程度。
鉄道はJRの北陸本線・越美北線が通り、更に三セク・私鉄としてえちぜん鉄道・福井鉄道が存在する。福井鉄道の路線は福井市街においては路面電車として機能しており、2016年からはえちぜん鉄道と直通運転も開始された。
将来的には北陸新幹線が通る予定。2018年までそのために造られた高架橋をえちぜん鉄道が借用していた。
国道8号と北陸自動車道が市街東部を通っている。
福井市から最も近い空港は隣の坂井市にある福井空港であるが、現在では定期旅客路線の発着がなく、隣県の小松空港がその玄関口として機能している。
古くから繊維産業が盛んで、現在もセーレン、サカイオーベックスなど市内に本社を持つ優秀な企業がある。
名物はソースカツ丼であり、発祥の一つを名乗っている。
福井市で最も有名な観光名所といえば、一乗谷朝倉氏遺跡であり、国の特別史跡及び4つの庭園は国の特別名勝となっている。これは戦国時代の城下町がまるまる発掘された全国唯一の例とされる。もともと一乗谷付近は山奥の要害地であり、戦国時代は朝倉氏の居城であった。だが、織田軍に焼き討ちされてから廃墟となった後、柴田氏が別の場所に都を築いたため野放しされ、年月が過ぎ土砂などに曝されたり農地として開墾されたりして、地中に埋もれていたわけである(これが日本のポンペイといわれる所以。尤もポンペイのように火山灰に埋もれていたわけではない)。そこへ昭和42年から農地整備を行っていたところ、町の掘割などが多数見つかり、県や国も早急に保存に動くなど、異例の措置で全面保存に至った。みどころは、一部ではあるが、150メートルに及ぶ城下町の完全復原街並や当時の庭園がそのまま残る庭園跡などであり、他に資料館もある。また、その近くには佐々木小次郎が燕返しを編み出したと伝わる一乗滝がある。なお、一乗谷一帯はソフトバンクのCMや大河ドラマ「麒麟がくる」などで知られるようになっている。
その一乗谷と比べると格段に知名度は落ちるが、福井城下の養浩館庭園(国の名勝)も、世界の日本庭園ランキングで毎年5位以内に入っている、知られざる名所である。近くには2004年に福井市立郷土歴史博物館が移転、また福井城の門である「舎人門」が復元されている。
市内南部にある福井県立音楽堂(ハーモニーホールふくい)は独創的なデザインと優秀な音響設計から国内外で評価が高い。場所さえ恵まれれば…
大野市に次いで県内2位の面積を誇るものの、駅前から20km程離れた一乗谷よりさらに東の旧美山町地域や、市内西部の日野川以西ともなると豊かな自然が広がる。
特に西部地区には国見岳が聳え、海水浴場や釣りに適した岩石海岸景勝が多い。また一光地区にある五太子の滝の近くには、白装束で有名になった「パナウェーブ研究所」が本拠を構えていた。現在はもうないようだが。
近年では福井駅前の中心市街地の空洞化も進んでいるが、北陸新幹線の開通を見据えた再開発も行われており、福井駅の東西には「アオッサ」「ハピリン」という再開発ビルがそれぞれ建つ。一方で、国道8号線沿いを中心とする地域は近年開発が進み、市北東部の大和田には、アピタを核としたショッピングモール「フェアモール福井」などが建ち、商業の核となっているほか、福井新聞、福井放送の本社もある情報発信基地として副都心開発が進んでいる。
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最終更新:2024/12/23(月) 10:00
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