歩兵戦闘車(IFV:Infantry Fighting Vehicle 又は ICV:Infantry Combat Vehicle)とは、歩兵の運搬及び火力支援をするための装甲戦闘車両(AFV)である。
歩兵を敵の攻撃から守るための装甲と、歩兵支援および歩兵の障害となる装甲車両を撃破する火力を備えている。
歩兵戦闘車が出現したのは第二次大戦後と、比較的新しいカテゴリーの戦闘車両である。
戦場における機動力の向上によって歩兵の機械化が進められていたが、それはただ単にトラックを悪路走行可能で前線まで近付ける装甲兵員輸送車(APC)に置き換えただけであった。
詰まる所、移動手段が変わっただけで戦場では歩兵は装甲車両から下車して戦闘を行い、そして戦闘終了後に再び乗車して移動するという動作に変化は無かった。
そんな中、1966年に衝撃的な車両がデビューする。
BMP-1は、今までの装甲兵員輸送車の常識を覆す乗車したままの戦闘を可能とし、また搭載する火砲も歩兵を支援する強力な物、そして敵戦車撃破可能な対戦車ミサイルを装備するなど積極的に戦闘に参加するスタイルであった。乗車戦闘は歩兵の装甲化というだけではなく、当時想定されていた核戦争で発生する放射性降下物から歩兵を守ることができると考えられたのである。当時は鉄のカーテンもあったため、このBMP-1は大いに注目され、西側諸国に大きな衝撃を与えた。
これがBMPショックである。
実際のBMP-1は思っていたよりも大した事が無かったのだが、大いに刺激された各国では1個分隊を収容して砲塔の機関砲で火力支援を行い、強力な装甲車両に出会うと対戦車ミサイルにて撃破するスタイルの歩兵戦闘車の開発が開始された。
また、このような戦車すら撃破可能な歩兵戦闘車や強力な対戦車ミサイルによって戦車無用論がより叫ばれるようにもなり、実際カナダ軍は戦車の更新をやめようとした。
しかしながらイラク戦争とその後の対テロ戦争において市街地での戦闘が発生するようになると評価が変わり始める。
結局装甲兵員輸送車に強力な火砲を搭載しただけであるので、装甲は重機関銃弾に耐えうる程度しかなくゲリラが良く使うRPG-7に撃破されやすい、火砲も機関砲なので建物に使って撃つとスパスパ貫通して付随被害が大きすぎるが対戦車ミサイルだと費用がかかり過ぎる等の問題が露呈してしまった。
特に敵からの射撃に対して防御能力と対抗火力が不足ぎみの為、戦車部隊と歩兵戦闘車部隊では歩兵部隊の死傷率にはっきりとした差が表れてしまっている。
その為逆に戦車の需要が高まり、カナダ軍は急遽レオパルド2をレンタルしてイラクに送ったりといった現象が発生している。
また、砲塔を持つ事から戦車並みの射撃管制装置が必要だったりする為コストが高く、冷戦終結後の予算削減の中では全APCを置き換える事は出来ず、IFVとAPCのコンビで機械化部隊を編成するハイローミックスが主体である。
浮航性を持つものや乗車歩兵の乗車戦闘をできるようにガンポートを装備したものもあるが、近年では装甲強化のためこれらを廃止する例が増えている。
特にガンポートは当時の目玉であった乗車戦闘がいざやらせてみると非効率的で普通に降りて戦ったほうが圧倒的によかったのでなおのこと必要性が疑問視される。だが地上戦において機動力を担保するのは装甲である。IFVは前述のように重機関銃に耐える程度の装甲しかないが、逆に言えばAPCには耐えられないそれを耐えることができるのである。ゆえに現在ではより危険地帯に近い場所で歩兵を降ろすことができる高級APCとして運用されることが多い。
しかしながら装甲強化をすると重量がかさんでしまい、航空機などで迅速な輸送が出来ず、かと言って機関砲弾程度の防御力では対戦車火器に弱いといったジレンマに陥っている。
最近では技術力が向上した事からより安価に作れる装輪式の車両も作られているが、装輪式では射撃時における車体の安定性では履帯式に劣るため、より高度な射撃管制装置が要求されたりといった問題もある。
ロシア連邦 (ソビエト連邦) |
アメリカ合衆国 | アジア | 欧州 |
左:IFVではないものも入っていますが気にしない。右:フランス軍の装輪式IFV。
掲示板
127 ななしのよっしん
2024/03/19(火) 18:30:38 ID: KtT2FYnHNj
>>124
自走砲などによる中長距離戦とか?
安全がある程度確保されてりゃ戦闘車両でOK、前線をこじ開けるのがやっぱ戦車だし
非対称兵器のこんだけ発達したら、今までより簡単に近づけなくなったのは確かだと思うわ
128 ななしのよっしん
2024/11/07(木) 07:40:41 ID: 9iKcaXu7mw
小型重装甲の装軌歩兵戦闘車、というのは無意味だろうか?
5メートル前後。
火力も35ミリRWS級。
軽く輸送性が高く、超悪路に大火力を気軽に投射できる。
偵察にも使える。
7メートル歩兵戦闘車ほどの超価格にはならない。
生きて帰れるだけの装甲。
129 ななしのよっしん
2024/11/12(火) 09:37:01 ID: XUNSaAw8nC
>>128
歩兵戦闘車実際に見てみれば分かるけど2mも短くしたら多分人が全然運べなくなる
ただしアメリカのM10ブッカー戦闘車や中国の15式軽戦車みたいに、戦車よりも手軽に大火力を投射するって兵器は最近流行ってる
装甲は主力戦車ほどじゃないけど、正面だけは第三世代MBT並との噂
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最終更新:2025/01/11(土) 08:00
最終更新:2025/01/11(土) 08:00
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