左前は、作法の1つ。死者に対して行われる。
転じて、凶事によって陽気衰え身代が傾くことの比喩、または死装束の用意をしなければならないほど逼迫している比喩として使われる。
和服を着る際、通常は右側を手前に、左側をその上に重ねて、帯を巻く。
この起源は奈良時代の律令、ひいては古代中国で老子などが説いた思想「吉事尚左、凶事右」に突き当たる。
(官位などで左大臣が右大臣よりも上位に位置するのもこのためである。)
このため、奈良時代では「貴人は左を前にし、庶民は右を前にすべき」という衣服の規則が発布された。
(ただし、いくら吉事が招かれるとはいえ、和服を左前で着ると動きにくくなることもまた知られていたため、実利を取る庶民の側も左前を避けたのではないかという推測もあり、定かではない)
その後、もし庶民が死ぬと「せめて来世は吉事あらんことを」と願って、死装束を左前に着せることが流行った。
やがて奈良時代が過ぎるとこれらの律令も破却され、「死者は左前に着せよう」という習慣だけが残った。
現代では吉事凶事ではなく「左前は死者に着せるべきものであり、従って生者に着せるべきではない」という論により忌避されている。少なくとも、作法ではそう解される。
洋服ではこのような風習はなく、従って左前で着ても問題ないとされる。ただし、ドレスコードにおいては左前は女性が着るものとされている。
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最終更新:2024/12/23(月) 19:00
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