八王とは (ヤオウとは) [単語記事]

八王とは、漫画「トリコ」に登場する、グルメ界の食物連鎖の頂点に立つ八種類の獣である。

概要

用語としての初登場は252話だが、該当する猛獣はそれ以前から名が明らかになっていたものも多い。

常に群雄割拠のグルメ界八つの大陸の食物連鎖の頂点に君臨し、アカシアのフルコースと密接な関係下にあるとされる。それぞれの祖先は時代こそ違えどいずれも地上を支配し、最強とうたわれた伝説の猛獣たち。単純な強さは勿論のこと、小動物のような敏感さも兼ね備えており、わずかな地殻変動や気候の変化から将来の危機を察知し、幾度となく繰り返してきた生物大量絶滅の危機を乗り越えてきた。

その時の機嫌一つによってつけた足跡がその後何千年もの間草一つ生えない更地になるほどのすさまじいまでの影響力を持つ。また、彼らが本格的に行動を開始するグルメ界の「夜」では生息する他の猛獣たちも最高レベルの警戒状態と化し、節乃をして「ここで死ぬかもしれない」と言わしめるほどである。

これまでに明らかになった八王

狼王ギネス(バトルウルフ)
エリア2の支配者。古代の王者。最大最強の狼。白い毛並みが特徴。デビル大蛇と古代の王者の地位を争ったといわれる。
バトルウルフは人間界では絶滅したと言われているが、グルメ界では今なお群れで生き延びている。群れのナンバー2ですら捕獲レベル6090と八王に迫る実力を持つ。
現役の狼王は臭いを嗅ぐだけで相手の意識を奪うことができ、ただの踏みつけですら地球が波打ち大地が爆散するような威力を持つ。
テリークロスはグルメコロシアムにて出会ったときから、トリコの大切なパートナー。
鳥王エンペラークロウ
エリア3の支配者。巨大な烏。通称空の番長。同族にココが雛から大切に育てたというキッスがいる。人間界においては絶滅種と言われている。
その影に入ったものは死ぬ。例え影に入ることを逃れようと空を飛んだとしても、口から太陽の如き火球を吐き出し全方位に影を伸ばすためやっぱり死ぬ。
蛇王マザースネーク
エリア4の支配者。最大個体は地球一周する長さを誇るといわれる、すべての蛇の母たる蛇。
その長さゆえに稀に人間界でも「胴体」が目撃されることがあり、縁起物とされるが、頭を目撃されたことは目撃者が全員食われてしまっているため……ないらしい。それは地球上だけではなく、宇宙空間にまで及ぶ。
サニーのパートナークインはまだ子供であるため、体長はせいぜい20km程度。
竜王デロウス
一万年以上生きたと言われ、生涯たった一本のみ生える牙でこの世の王となった伝説の龍。
現在はその子孫がエリア1の支配者となり、療水の原料となるアカシアのフルコース『センター』が取れるという場所に生息している。
デロウスの牙の化石を加工したものが小松の愛メルク包丁。
鹿王スカイディア
エリア5の支配者。超巨大な鹿の王。あまりの巨体に角と背中に森ができており、独自の生態系が生まれている。
背中の森の猛獣の捕獲レベルは平均アベレージ4000とグルメ界でも屈指の危険地帯ではあるが、それでも彼らは普段は穏やかな鹿王が怒りだす前に外敵を駆逐する番人に過ぎない。
怒った鹿王は特殊な空間に相手を閉じ込めることができる。閉じ込められたものは自分以外のものを認識できず、数分でまるで数億年経過したかのように朽ち果てる。
鯨王ムーン(ブラックホールホエール)
エリア6の支配者。周囲のありとあらゆるものを吸い込み食らい尽くす鯨。光すら鯨王からは逃れられない。
アカシアのフルコース『アナザ』が魂の世界へ逃げ込んだのは、本はと言えば鯨王から逃れるため。
鯨王に食われた食材は全て霊食となって魂の世界に送られる。
猿王バンビーナ(キンタマントヒヒ)
エリア7の支配者。八王一のヤンチャ者。無邪気でいたずら好きな猿の王。かつて祖先がアカシアのフルコース『ペア』の源泉を全て飲み干した為、その体(正確にはキンタマ)にはペアが宿っている。エリア7の猿達に、細胞レベルでの身体の動きを揃える武術『猿武』を広めた。
トリコたちと初めて出会ったときは捕獲レベル6000だったが、実は表皮か服のような何かをギチギチに着込んで自身の力を抑え込んでいた。
封印を解くと、体表が白くなり、腕と足の間にムササビのような膜が張る。真の姿の猿王は、存在するだけで地球上の全生物が本能レベルで生命の危機を感じるほどの実力を持ち、尾の軽い一振りで宇宙空間を漂う人工衛星を両断することができる。
馬王ヘラクレス(幻獣ヘラク)
エリア8の支配者。キリンの様な模様を持つ不死の馬、幻獣ヘラクの中でも最強の個体がこう呼ばれる。
大気のみを食べる大気食で、一呼吸で約3600億トンもの空気を食べるものの、食べた大気の10％しか吐き出さないためエリア8は常に気圧が低く、またその廃棄物といえる呼気が隕石やらレーザーやら雨となって降り注いでいる。
単行本で明かされた捕獲レベルはなんと6200。一呼吸すれば一ヶ月は無呼吸状態で全力戦闘を行うことができ、何もしなければ1年は無呼吸のまま生きることができる。戦闘においても軽い鼻息一つで空気砲弾を放ち、凄まじい肺活量で息を吸い周囲一帯を真空空間にする等、八王クラスの生物でなければまともに戦うことすらできない。